24階のミミック

24階のミミック

2002.05.19
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 父から電話があった。実家の母が、交通事故を起こしたという。

「で、本人は?!」
 息を飲む私に、父が「それが、奇跡的に本人も、あたったほうもケガがなかったんだよ」といった。
 そうなのか~(T∇T) 。ほっとした。

 しかし、聞いてみるとまさに奇跡。車は完全に大破してしまい、事故直後は、扉も開かなかったという。68になる母は完全に呆然自失して、警察の床に座り込み、泣いてばかりでしばらくは連絡もとれず、家にいた父に電話がきたのが事故から1時間もたった後だったとか。
 そしてまったくの偶然ではあるが、父が車のディーラーに電話したところ、そこに兄がきていたことがラッキーだった。
 知らせをきいて、兄がそこから現場に急行し、ショックで動けなくなっている母のかわりに、事故の相手方の家を2軒、訪ねて謝りにいってくれたのだった。

 普通なら家族だから当然、と思うところだが、うちの場合はちょっと事情があった。母と、兄夫婦とはほんの1ヶ月ほど前に、絶縁状態になるほどのいさかいがあったばかりで、それまで足繁く実家に通っていた兄夫婦がぱったりと連絡がとだえていたところだったのだ。

 そして、20年以上も運転しつづけてゴールドカードを持っている母が信号無視をしてしまうほどに気をとられていたこと、というのもその兄のことだった。

 母は、兄と絶縁して以来、本当に落ち込んでしまっていた。表面は元気なフリをしていても、ふっと気づくと兄のことを考えていたらしい。
 兄も、現場を見て、「オレのせいだな……」と言っていたとのこと。

 父は、このことを天の配材だという。家の中がばらばらで、仲良くしていないから事故がおきるようなことになる。ひどい事故で、車は全損したけど、誰にもケガがなかった。まあ信号無視で母は免停やら罰金やらくるかもしれない。けれど、兄夫婦に世話になったから、母は頭があがらなくなって、逆にまた仲良くなれるきっかけをつくってくれたんだと。

 そう考えると、たしかに兄がちょうど父が電話したそのときにディーラーにいたのはすごい偶然だ。
 私は、兄がまがりなりにも長男として実家の近くにいようとしてくれることに対して、実家と絶縁してたら何の役にもたってないじゃん、と思っていたりしたから、そんな自分が情けなかった。
 結局、そばにいなかったら何にもしてやれない。事後報告で、1日たってからやっと電話で顛末を聞いたなんて、おそまつな子供だなと思った。

 まあ、母としてはこんな事故で、まだ出血が続いている私のおなかに障りがないように、と私に黙っているよう言ったらしい。兄もそう思って黙っていた、と言っていたが、父はショックで結局私に全部しゃべってしまった。

 頼りにならない自分。
 この先、精神的に弱い母が色々と長く苦しむであろうことは想像がつく。

 毎日、いろんな事件がおこる。
 誰も、ケガがなくてよかった。
 これから、どうやって母を支えてやったらいいだろうと思う。
 ショックな朝がまたあけてくる。





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Last updated  2002.05.19 10:18:19


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