全10件 (10件中 1-10件目)
1
ごま塩頭 南風一散髪屋が悪いわけではないそれにもかかわらずカットの出来具合が良くないと思ってそれを散髪屋の腕の所為にしている鏡の向こうに映っている頭を見れば白髪が増えて幾ら贔屓目に見ても散髪屋の腕の所為ばかりではないと悟る1年や2年が経ったぐらいでは気づかないところが自分の頭をよく見れば5年前の記憶にある写真の髪の色とは確かに違っていると思う5年は5年でも50代の5年は30代や40代の5年とは訳が違う50代には老いは着実に迫っているよく考えなくても50代後半の男にとってもう30年先の命があるかどうかそれさえ怪しくなっている (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/26
コメント(0)
七不思議 南風一 こちらはすることが無くてせいぜいきみのことを考える程度なのにきみは一体何をしているのだろう?いつも何に時間を使っているのだろう?と不思議に思っていた40年が過ぎて俺はジジイになってしまったけれどやっぱり同じことを考えている天気が悪くてドライブへ行っても景色はよくないしさてどうしようかと考えているうちにすっかり暗くなって最早外出はしてもしょうがない状況になってしまうきみは俺に無関係な時間を一体どうやって過ごしているのだろう?そんなに使うものが在るのだろうか?学生時代からの七不思議 (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。 購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/23
コメント(0)
宇宙遊泳 南風一日々の会社勤めを始めとして日頃の生活はかりそめに過ぎないと思っているだから日々の生活で取り立てて厳粛になる場面はほとんど皆無に等しいそんな中でジジの誕生祝いに三男夫婦がケーキを持ち寄ってくれてそこに次男の嫁と娘が遠方から帰っているというので三男の生まれたばかりの赤ん坊を見るためにジジの家に駆け付けてくれた次男は仕事で遠方にとどまり三男は夜勤明けで二階で寝ている次男と三男の嫁同士は子育ての苦労を語り合っている次男の嫁と娘が実家に戻るというので家の外まで見送りに出るとちょうど向かいのご主人が名古屋へ引っ越すというので別れの挨拶にやって来たいつもかりそめの暮らしに過ぎないと思っているのに立て続けに抗うことのできない現実を突きつけられて日常空間を宇宙遊泳しているジジはほんの一時現実に引き戻されたことであった (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、 こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/19
コメント(0)
Happy Birthday 南風一 誰が考え出したものか?1年経ったからといって1年前の同じ日ではないそれにもかかわらず自分の生まれた日だと言って1年毎に祝うこれはケーキ屋か菓子店が商品を売らんがための陰謀に違いない誰がそんな策略に乗るものかと思うけれどEメールを見ると友人たちがHappy Birthdayと書き込んだというメールが届いている誕生日が1年に1回だけでも思い出してくれるきっかけとなっているならそれに越したことはない誕生日と言ったところで何も嬉しいことはないけれどほんの一瞬でも俺のことを思い出してくれる友人たちがいるということは喜ぶべきことかな (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/16
コメント(0)
止まった時間 南風一 3人目の孫が誕生して1年前にも同じことを繰り返したことに気付く1年前から全く時間が進んでいないような錯覚に襲われるけれど1年前に生まれた孫はマットの上に座って玩具で遊んでいるから保育器の中で眠っているのは1年前の赤ん坊ではない57歳を迎えるジジイの昨年と今年の秋には何の違いもないけれど孫の1年には大きな違いがある昨年生まれた孫は片言を喋って可愛い盛りだがもう何年かして気が付けば髭面の青年になっているのだろう歳月は赤ん坊を赤ん坊のままに留めてくれず赤ん坊は成長して大人になるジジイやババアは年老いて死んでいくジジイやババアが死んで行く頃には孫たちはジジイやババアに抱っこしてもらったことはすっかり忘れている (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、 こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/12
コメント(0)
トランプ勝利 南風一近頃は期待を持つことが少なくなったから何かに失望するという機会もなくなっていたこちらの方だけがドキドキして意を決して切り出したところ以外にあっさりOKが出て安堵と共に覚えた軽い失望があるあるいはまったく箸にも棒にもかからなかったのかけんもほろろに肘鉄を食わされたこともあるこちらの一方的な想いに原因があるにもかかわらずさすがにそのときの失望感は大きかった近頃では米国の大統領選挙私には選挙権もないからどちらの候補が勝利しようと関係ないことだそれにもかかわらず結果に覚えた軽い失望明日に期待を持つから今日を生きられるきっと「やった!」という喜びを味わえるから今日一日の労働に耐えられる (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/09
コメント(0)
歴史家 南風一 学者として議論の土俵を明確にすることは大切なことだ経済史家として世の出来事には一本筋の通った原理があるそう考えるのが議論の出発点だったのだろう人が行動する理由には損得や思想、信条といったものがあろうそれらが複雑に絡み合って出来事が起き社会が動いていく決して良い方向へ向かうばかりではないだろう国家の破滅を招くこともあろう罪なき市井人が殺される事態もあっただろう人々は巻き込まれながら時代を生きる決して体制を全面的に肯定していたわけではなかっただろうしかし自分が属していた大学組織や学会、生活の場所としての地域社会そして国家というものを存在するものとして肯定的に見ていたゼミ学生の就職や暮らしを我が事のように心配していたそんな小心者の学者が国家や経済を論じていたのだからなかなか不思議な仕事である学問で暮らしを立てる難しさはそういうところにある (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、 こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/06
コメント(0)
初々しさ 南風一 平成8年入社だったと思うからもう43歳頃かな?初めて挨拶に来たときは目がくりくりした可愛い女性だなと思った多分2、3年もすれば結婚して辞めていくのだろうと思ったそれから20年が過ぎて姓は変わらないもしかして独身なのかも知れないセクハラと言われるから既婚かどうかなんて聞けない未だ固くて芯の強いところがあるから今も男を知らないのかも知れないし知っているのかも知れないさて彼女と結婚する男がいたとして23歳の彼女と43歳の彼女のどちらがいいと思うだろうどうせ素っ裸にした彼女を抱くのならば肉体的に最も美しい肌でありプローポーションである時期の方がいいに決まっているそれでも43歳の彼女と結婚することになった男は23歳のときの彼女の裸を知らないから比べようもないのだけれどなかなか惜しいことだと思う23歳の彼女の初々しさを知っている男としては (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/05
コメント(0)
GOODS 南風一 使えるお金が少ないという事情もあるが以前ならスーツ価格は5、6万円以上と思い込んでいたがそれはウール100%の価格であって素材をポリエステル混合に代えた途端価格は1万円代かもっと安くなるそれを知ってウール50%ポリエステル50%のスーツを1万5千円で購入した立原道造は軽井沢の店で吊るしの中古スーツを購入してお気に入りだったからそれに比べたら新品だし値段もまあまあだし随分得した気分になった商品が支払った金額以上の満足をもたらした場合随分愉快な心境になるそれは自分では値打ちは5、6万円と考えていて素材のことなどこれっぽっちも気にならないから見かけはウール100%と全く同じだし店員さんはポリエステルは擦れるとテカテカ光ると言ったけれど学生服などアイロン掛けでテカテカ光っていたけれどそんなことなどこれっぽっちも気にならなかった実用性の点で優れているなら素材の天然性には拘らない同じ外観や機能性のものを安価に購入できたことの方が満足度は高い (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/03
コメント(0)
恋人よ 南風一好きだった人の面影はますます薄れてきたきみの誕生日のことも昔なら毎年その日が近づけばきみのことを思い出したりしていたのに今ではすっかり忘れてしまって過ぎ去ってからああそうだったと思い出すくらいあんなに好きだったきみのことも50代後半になればこんなにあっさり忘れてしまうものかと我ながらそういう性が哀しいきみの記憶がなくなれば私の人生から恋という感情は消え去ることになる若い頃なら女(おんな)命だったこの俺から恋を引いてしまって何が残るというのだろう?3人目の孫が誕生するジジイに恋の響きは似合わないジジイはジジイらしく孫の子守をしてゆっくり乳母車を押したり孫を抱っこして散歩する姿の方が似合っているたとえそんな気があったところで老人と恋という言葉の響きほど不釣り合いな音はないきみはおばさんになって昔の面影は最早何処にもないのだろう俺とのことなどもうすっかり忘却の彼方へ消えてしまっただろう恋など初めから一度も存在しなかったようにきみもババアになっているのかな (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。 購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/11/03
コメント(0)
全10件 (10件中 1-10件目)
1