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めげぞう@ Re[2]:「体験格差」(子どもの育ちに必要な体験について)(11/04) 森の声さんへ そうですよね。 私が仲間作…

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森の声

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2024.03.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
時々、「子どもがアリを殺して遊んでいるときにはどうしたらいいのでしょうか」という質問を受けます。
それは、子どもがアリを殺して遊ぶのが、身近でありふれた行為だからなのでしょう。

大人としては子どもに命の大切さを教えなければいけないと思って「かわいそうだからやめなさい」と、一方的に子どもの行為を否定して止めてしまいまが、でも、じゃあそれで子どもに「命の大切さ」が伝わるのかというと、そんなことはありません。

そのような一方的なやり方では、子どもに 「お母さんに否定された」 という記憶しか残すことが出来ません。
そもそも、そのようなことを言う大人が「生命」を大切にした生活や生き方をしているのでしょうか。アリの命を「大切なもの」として考えているのでしょうか。

茅ヶ崎の北の方に、「里山公園」という里山を生かした県立の大きな公園があります。以前、私はそこにも子ども達を連れて行って遊んでいたのですが、ドジョウやザリガニがいるので、子ども達はそういうものを捕まえて遊んでいました。

うちのグループの子だけでなく、近隣の子ども達も子どもだけでやってきて同じようにドジョウやザリガニなどを取って遊んでいました。

そうしたら、見回りの大人がやってきて、「ここで生き物を捕ってはいけない」などと言い始めました。そんな時も「生命は大切にしなければいけない」ということが言われます。



その理由は「保護のため」ですが、でも大人達は必要があれば、一匹一匹生き物を殺すようなことをせず、そこに生きている生き物ごと、簡単に山を崩し、川や田んぼを埋め、ブルトーザーで草花を踏みつぶし、木を切り倒しています。
外来種が増えれば、「在来種保護のため」という理由で積極的に捕まえて殺したりもします。

そのような行為には、無機的な「計画」があるばかりで、「命を大切にする」という発想は全くありません。

その里山公園を作る時も、最初の計画では、「すでにあった山を崩して、設計図通りに新しく山を作って公園を作る」というものだったそうです。

私は、その時の反対運動をしていた人からその話を聞きました。それで、「そんなバカなことをするな」と住民が立ち上がって、今のような形に落ち着いたそうです。

昨今、生き物が非常な勢いで死滅し、私が子どもの頃と比べても明らかにその種類も量も減っていますが、これは子ども達の責任ではなく、山を切り崩し、川や田んぼを埋め、木々を切り倒してきた大人達の責任です。環境汚染も、気候変動も全て大人の責任です。

その大人が、平気で子どもに「命を大切にしろ」と説教するのですからおかしな話です。
子ども達の「昆虫や生き物を捕まえて遊ぶ遊び」は太古の昔からあったと思います。でも、それで環境が破壊されたり、生き物が絶滅したなどという話は聞いたことがありません。
昆虫採集を熱心にやった子が、残酷な大人になったという話も聞いたことがありません。


大人はそのことが分かっているので、最初から止めるのですが、子どもには「死ぬ」ということが分かりません。大人も言葉で伝えることは出来ません。
これは体験するしかないのです。


機械やオモチャは死にはしませんが、生き物は死ぬのです。
だから、一生懸命に世話をするようにもなります。そのようにして「優しさ」が目覚めるのです。

その、「世話をする」という過程で、その生き物のことをより詳しく知るようになったり、死ぬとはどういうことなのかということが分かるようになるのです。



そもそも現代人の「命を大切にしよう」という考え方は非常に偽善的です。
釣った魚をその場でさばいて料理すると「残酷」などと言う子がいますが、平気で調理された魚や動物の肉は食べます。

それは単に「死ぬところ、殺すところを見たくない」と言うだけのことであって、「命を大切にする」という価値観とは全く無関係です。
それにそのような子に限って好き嫌いが多く、「食材として提供された生命」を平気で残したりします。
また、「蚊やゴキブリなんかこの世から消えてなくなればいいんだ」などとも言います。


「大人も一緒になって、アリを踏みつぶして遊んだ方がいいのか」というのも違います。
そんな時は、「アリさんのお話」を聞かせて上げて下さい。
一緒に図鑑を見て、アリはどのように生活をして、何を食べ、寿命はどのくらいで、ということを一緒に学んで下さい。
また、「アリ」が主人公の物語があったら、聞かせて上げて下さい。

「アリ」のことを知ることで、むやみに「アリ」を殺したりはしなくなるのです。

これは戦争のような状況で敵を殺す時も同じです。
アメリカ人のことを何にも知らない人は、簡単に「アメリカ人は鬼だ」という言葉を信じ、平気でアメリカ人を殺すでしょう。そして実際そうでした。

でも、アメリカで暮らしたことのある人や、アメリカ人の友達がいた人や、アメリカのことをよく知っている人は、そんな簡単にアメリカ人を殺せはしません。

人は、知ることで優しくなることが出来るのです。「優しくしなさい」と押し付けるのは逆効果なのです。

子どものことを知ることで子どもに優しくなることが出来るのです。

男性は女性のことを知ることで女性に対して優しくなることが出来、女性は男性のことを知ることで男性に優しくなることが出来るのです。

障碍を持っている人に対しても同じです。 「無知」が残酷な行為を生み出すのです。

私が、「気質」について書いたりワークをしたりしているのも、お互いにより深く相手を知るためです。「気質」を知るだけで優しくなることが出来るのです。」

今、世界中で苦しんでいる人がいっぱいいますが、私たちは「無視」という残酷な行為をしています。

子ども達の心の中に「優しさ」を育てるためには、まず、「その子自身が優しく扱われること」と、「相手のことを知ろうとすること」を教えることが必要なのです。
「優しくしなさい」と叱る行為はその逆の結果を生み出してしまいます。

また、その子自身が優しく扱われていない場合は、知ることが妬みを生み出し、逆に残虐な行為に及ぶこともあるので要注意です。





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Last updated  2024.03.13 08:08:54
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