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森の声@ Re[3]:「体験格差」(子どもの育ちに必要な体験について)(11/04) めげぞうさんへ >これからどうなって行…

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森の声

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2024.10.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
私が子どもの頃(昭和20~30年代)は、凧や、水鉄砲や、竹とんぼなどの遊び道具を作るときにはまず材料探しから始めました。そして、材料に合わせて構造やデザインを考え、自分で測って、自分でノコギリやナイフなどを使って作りました。

ですからそこには上手下手がありました。小さい子たちは上手に出来ないので、一生懸命に大きい子のやり方を観察しました。そして工夫しました。
でも、自分で考え、自分で工夫し、自分で作ったものですから、うまくできた時にはすごく嬉しくなりました。そしてその過程で多くのことを学びました。

自然の見分け方、自然とのかかわり方、自分の意識や、感覚や、頭や、からだの使い方も学ぶことが出来ました。目の前の現実に即した考え方も学ぶことが出来ました。
また、仲間とのつながりも作ることが出来ました。

でもそのような体験や学びの場は、高度経済成長の頃に「子どもの群れ」が消滅した時点で消えていきました。

代わりに現れたのが「プラモデル」という、材料も作り方もキットになった工作です。プラモデルでは材料を集める手間も必要ないし、デザインを考える必要もないし、長さを測ったり、ナイフやノコギリを使って切ったりする必要もありません。

ケガをする可能性もなければ、マニュアル通りに造ればだれでもお店で売っているようなかっこいいものを作ることが出来ました。
自然の中に出ていく必要もなくなりました。自分の部屋の中だけで工作が出来るようになったのです。出来たものを見せ合う仲間はいたかもしれませんが、一緒に造る仲間は必要がなくなりました。


プラモデルでは、正解というかゴールが決まっているので最後までちゃんとやり遂げれば達成感を得ることが出来ます。ジグソーパズルと同じです。
また、お店で売っているものと同じような「かっこいいもの」を手に入れることが出来ます。

ただ、自然の中に入って材料を取ってくるような工作はAIロボットには出来ませんが、材料とマニュアルを与えられ、組み立てるだけならロボットでも出来ます。実際、自動車などはロボットが組み立てているのですから。

でも次第に、「マニュアルを理解して組み立てる」という作業にも困難を感じる子どもたちが増えてきました。「作る」という体験が乏しい子は、マニュアルを読み解くことが出来ないからです。実は、マニュアルを理解するのにも体験が必要なんです。
実際、プラモデルにはまった世代は、「自分の手で作る」という文化に触れて育った子ども達なんです。

その後は、「買ってすぐに遊べるオモチャ」が普及しました。百均に行けば、凧や弓矢など、昔の子ども達が手作りしていたオモチャを簡単に手に入れることが出来ます。でも、今の子はそのような「アナログオモチャ」にはあまり興味を示しません。買ってもらっても遊び方が分からないからです。

最近の子が欲しがるのは、「自分がそれを使って遊ぶオモチャ」ではなく「遊び方を指示してくれるデジタル的なオモチャ」の方です。とうとう、遊びの主人公が子どもではなく機械になってしまったのです。そこで必要になるのは「お金」だけです。

そのような流れの中で、「自分の手で何かを作りあげる」ということに喜びを感じない子ども達や、手を使うことを「面倒くさい」と感じる子ども達や、考えたり工夫することを億劫がる子ども達が増えてきました。最近の子ども達はこのような状態です。

このような状態の子は、他の子が作ったものを見て「僕も作りたい」ではなく「僕も欲しい」と言います。私が見本で作ったものを置いておくと「これちょうだい」などと平気でいいます。
そんな時は、「あげないよ、自分で作るんだよ」というのですが。「じゃあ、いらない」と言うだけで作ろうとはしません。

この影響は勉強にも出ています。あれこれ工夫しながら勉強すると勉強が楽しくなります。でも、工夫する能力が低下した子どもは学ぶことを楽しめないため、暗記するだけで対応しようとします。でも、暗記だけでなんとかなるのは小学生のうちだけです。





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Last updated  2024.10.28 08:30:02
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