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森の声@ Re[3]:「体験格差」(子どもの育ちに必要な体験について)(11/04) めげぞうさんへ >これからどうなって行…

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森の声

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2024.11.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
現代人は効率や簡単・便利を大切にする考え方が大好きです。そして、色々な機械を使うことで、家事や仕事や子育てなど、生活の様々な場面で効率化、簡単・便利化が進みました。

問題は、じゃあそれで人間は幸せになってきたのか、楽になったのか、生活すること、仕事をすること、生きて行くこと、子育てなどを楽しめるようになったのかと言うと、実際にはその逆のような気がします。
現代人はみんな時間に追い立てられています。「楽しむための時間」まで奪われてしまったからです。

また、作業を機械に依存するようになることで作業を通して学ぶことも出来なくなりました。機械は賢くなりましたが、体験を通して学ぶ機会を失ってしまった人間はますます愚かになってきました。
でも、機械のおかげでちゃんと出来てしまうので、自分が愚かになってしまっていることに気付かないのです。裸の王様状態です。

でも、そのような状態の子どもや大人を、機械が使えない状況の中に連れて行くと、その愚かさが露呈します。
日ごろ、部屋の中でおもちゃやゲームなどで遊んでばかりいる子を、遊具もオモチャもゲームもない森や自然の中に連れて行っても何も出来ません。ただ退屈するばかりです。

親子キャンプで色々な家族でキャンプに行った時は、お父さんたちに火おこしをお願いします。でも、普段からキャンプに行ったり、野外活動をしているようなお父さんなら問題はないのですが、簡単で便利な機械に囲まれた生活しかしていないようなお父さんは「冗談でやっているとしか思えないような方法」で火を起こそうとします。

以前、見て笑ってしまったのは、まず薪をそのままの状態で並べ、その上に束になったままの新聞紙をボンと起き、バーナーで火をつけようとしたお父さんたちを見た時です。


でもそれではご飯も焚けないし、お風呂にも入れないので途中で私が助け舟を出しましたが、簡単で便利な機械に囲まれた生活は、私たち人間の知性の原点である「感じ、考え、工夫する能力の育ち」を阻害してしまっているのです。

子育てでも同じです。何回言っても無駄、何回やっても無駄ということが分かっているのに、毎日毎日同じことを繰り返しているお母さんがいっぱいいます。
思考が停止してしまっているのでしょう。

エンデが書いた「モモ」という小説に出て来る「時間泥棒」にみんな「自分の時間」を奪われてしまっているのです。「自分の時間」が奪われているのに、「簡単になった」、「便利になった」と喜んでいるのです。
それは入り口を入ったらすぐに出口から出てくることが出来るような状態です。中身がないのです。

でも、「学び」は「自分の時間」の中でしか起きないのです。

私は時々「ソロキャンプ」に出かけますが、キャンプでは鋳鉄で作った小さなお釜でご飯を炊いています。自分の感覚でお水を量り、自分の感覚で火加減を調節し、自分の感覚で炊きあがりを判断します。でも、そうやって美味しいご飯が炊けるとすごく満足した気持ちになるのです。
「レトルトご飯」を使うこともありますが、味気ないです。簡単ではありますが、何の気付きも学びもありません。

タモリのように山登りが嫌いな人は、「苦労して登って降りてくるだけなのに何が楽しいんだ」と言いますが、山登りはその、「苦労して登って降りてくる過程」が楽しいのです。ですから、車で上って、車で降りてくるだけでは「山登りの楽しさ」を知ることは出来ないのです。
「山」の体験が出来ないですからね。

「山登りは苦労して登って降りてくるだけ」と言うのなら、人生は「生まれて死ぬだけ」のことです。生まれてから死ぬまでの過程には価値がないことになります。

現代人は結果を急いで「過程」を排除しようとします。でも、その「過程」こそが「中身」なんです。そのため、簡単で便利な機械を使ってその過程を省いてしまうと、外見は立派でも中身が空っぽになってしまうのです。


タブレットや様々な便利な機械を使って勉強させれば効率はいいかも知れません。最近では実験ですら、映像を見せるだけのところも多いそうです。でも、そのように簡単・便利に学んだことは身につかないのです。そして学んだことが身につかないのなら、教育としては意味がないのです。

子育てや教育の目的は子どもの成長をサポートすることです。テストで良い成績を取らせることじゃありません。
そこは間違えない方がいいです。





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Last updated  2024.11.26 09:05:10
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