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子に過去を 問われ退ろぐ キリギリスでで虫に 似たる老婆の 影踏み越す仕事に凝る 男の汗の 美しく馬鈴薯の 花真白に 財持たず炎暑中 仔を産む犬の 声もななき
2025.03.25
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悪税の 行方いづこに 春の雨 囀り(さえずり)に バッグひとつの 一人旅 長髪の 鬘(かつら)なびかせ 花見かな 春暁の 夢を裂きたる 鵯の声 凍天に 生きし証の 鶴の声
2025.03.24
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花の種 蒔くや後の 声やさし紅梅に 頬のゆるみし 埴輪たち 雪囲い 解くや日の綾 風の綾 粉塵に まみれし並木 芽吹きけり 浄土にも 花咲く頃か 花匂う
2025.03.23
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リラ冷えや 身ほとりに犬 眠らせて 水無月の ひと待ち顔に アドバルーン エプロンの 白を選びぬ 更衣室 一役を 坦へる土手の 草萌ゆる頬杖に 人思う夜の 水中花
2025.03.22
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万緑に 染まりてかろし 旅の靴行々子 息をつぎ足す 船見坂産月の 牡丹ほころび 初めにけり祭笛近 づき鵯(ひよどり)も 和しにけり再婚の 友にほのぼの 白牡丹
2025.03.21
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寒椿 落ちて昭和の 終りけり 人日の 喪や平成に 移りけり 平成の 朝穏やかに 冬木の芽 火の山の 神にいのりの 冬銀河 父の忌の 母より劣る 草団子
2025.03.20
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大根の 干せし甘き香 亡母の肌終の地を 得たる山裾 紅葉映え秋深む 人に秘めたる 句を溜めて眼の奥に 宿す秋風 ひと遠し天皇の 喪に昏るる日や 冬の雨
2025.03.19
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萩の小径 鎖とりても 犬蹤けり厚ぼたき 日曜朝刊 雪を告げ木枯を まじえ就寝 ラッパ鳴るまな板の 傷をあまたに 秋深む地に深く しりぞく虫の かすかな音
2025.03.18
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胸ボタン 落つ空洞に 北風つまり菊枯れて 背負いきれざる もの背負う難聴の 子に赤青の灯の クリスマス元旦の 朱盃に黒き 影はらうとざされし 胸をぬけゆく 大花火
2025.03.17
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抜歯の声 抜け初蝶の 前後より新しき 家の水音 初夏の音女丈夫の 声の後の 白椿山茶花や ひと恋うる雨 肩に沁む邂逅の 瞳が濡れ病 篤き冬「邂逅(かいこう)」とは、思いがけず巡りあう事、偶然の出会いを表します
2025.03.16
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梅雨の雲 カルテに齢を 聞かれおり打水の ところせましや 街住い花菖蒲に 半身うずめ 欲なき日虫干しや 子の絵日記の 色あせし荷ほどきの 窓ひらひらと 蝶親し
2025.03.15
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愛ならず 寒夜のしとね 清潔に 行々子 息をつぎ足す 船見坂 雑木林に ベレー帽消え イワシ雲 土産屋の 上げ底軽し 夏祭り 冬長し 怠惰の背に 貧極む 産月の 牡丹ほころび 初めけり
2025.03.14
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片耳に 雑語入り来る 春の陽や めらめらと 燃ゆ過去帖や 除夜の鐘 父の忌の 母より劣る 草団子 一位の実 万を灯して 除幕待つ 肩書きの 十指に余り 万愚節
2025.03.13
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平成の 朝穏やかに 冬木の芽 倒産の 奥の一灯 虫しぐれ 点滴の 寝言に応へ 四月馬鹿 薄氷や 門戸は固く 閉ざされて 火の山の 神に祈るや 冬銀河
2025.03.11
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夫知らぬ 涙一すじ 冬しとね 人日の 喪や平成に 移りけり 髪染めて 一本の黍 持て余す 骨肉や 玉葱の芽の からみ合い 暖冬や ずしりと雪の 軒深し
2025.03.10
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犬の眼の 闇にひかりて 春の雷 冬の蠅(はえ) 力抜けたる まゝすがる 寒椿 落ちて昭和の 終りけり 湾に潮 満ち来る夜の 桃匂う ツバメ翔ぶ 山を境の 町と村
2025.03.09
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虫ピンに 焦げいろの蝶 原爆忌 春雷の 犬の眼ひかる 闇の中 冬至南瓜の 腐食抉(えぐ)るも 転移せり 天皇の 喪に昏るる日や 冬の雨 かくれんぼ 隠れきりなり 原爆忌
2025.03.08
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秋深む 人に秘めたる 句を溜めて 睡り浅き 早水道 錆いろに 亡き母に 卒業認書 奉げけり 冬月の 生まれては白く 葬られ 眼の奥に 宿す秋風 ひと遠し
2025.03.07
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屋根塗りの ピカピカ青し 油照し 剪定や 鳥に詫びたる ひとりごと 梨の木の 無骨にひびく 男声 鵯に 詫びつ剪定 進めけり 男ごゑ 霙(みぞれ)に混じり 灯油入る
2025.03.06
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秋冷の 海女の足裏 嘆き笛 終の地を 得たる山裾 紅葉映え 河童忌や 海の深さの 絵の具溶く 剪定に いつも来る鳥 とまどえり 短日の 耳八方に メモ増ゆる
2025.03.05
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荒びたる 心に春の 土鈴鳴る雨空に 柿の明るさ 伊勢路越え 大根の 干せし甘き香 亡母の肌 亡き人の 句集の白さ 花菖蒲 風薫る 開店茶屋に 客のなし
2025.03.04
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けもの道 雨をふくみし 青胡桃 池の端 家鴨片寄りて 春一番 白菊や 青年僧の 凛々しき眉 地に深く しりぞく虫の かすかな音 鉄砲百合 白きおとがひ より病めり
2025.03.03
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木枯を まじえ就寝 ラッパ鳴る ひばり逝き 夕焼け雲の 炎え残る 春眠の 片耳ひらき 婆の愚痴 高野へと 白足袋替えて 従へり まな板の 傷をあまたに 秋深む
2025.03.02
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鍬だこの 指あたたかし 冬晴るる 厚ぼたき 日曜朝刊 雪を告げ 青芦に 青きさざ波 浄錬忌 名付けびと 病みて遠嶺の 夕霞 白衣ぬぐ 帯くれなゐに 冬の薔薇
2025.03.01
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