おぢさんの覚え書き

おぢさんの覚え書き

2016.01.23
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カテゴリ: ネトウヨ批判
国益という言葉をよく耳にする。新聞でも国益の確保が重要だと書かれていたりする。首相をはじめ政治家もこの言葉をよく使うようになった。COP(気候変動枠組条約締約国会議)、TPP(環太平洋経済連携協定)では取り憑かれたようにこの言葉を連呼していたように感じる。

先進国と途上国双方が国益を追求しCOPは毎回まとまらない。実効性のある対策を立てられない。不利益を被るとしたら世界の市民である。

「TPPで条件が平等になり貿易が促進され、双方の国民が恩恵を被る」という尤もらしい主張がなされるが自然環境・文化・歴史・地理・国家の規模・税制あらゆるものが異なる国家間で平等な条件など設定も検証も不可能である。
いまだに自由貿易により世界中が恩恵を受けるというナイーブな考えに世界中が取り憑かれている。実際のところは双方の文化・自然・生活を破壊し、双方が不利益を被るケースも十分考えられる。

自分たちが有利な条件ならそれでいいのか?他の国が不利な条件でその国民が不利益を被るのは問題はないのか。うまくやられて自分たちが不利になることも同時に認めなければならないだろう。

国益の追求がもはや自明視されている。四、五年前なら「国益を追求するのは当然のことだ」という意見は「国益を追求するのは当然の事なんですね。どの国もそれでやっているわけですから」「今まで不利だった条件を平等にするというのが国益を追求するということ」などという言い訳をよく伴っていた。最近は国益の追求は言い訳もなく独り歩きしている。これを進歩と捉える人が多い。

私たちの中には国益を損なう敵視すべき外国に囲まれているという意識がいつのまにやら醸成されている。

日本に限った現象ではなく、いま世界でナショナリスティックな動きが強まっている。世界中の国が国益を声高に叫んでいる。アメリカでは他国のせいで米国が不利益を被っているとするトランプ氏が支持を集め、クリミアを併合したロシアのプーチン大統領も圧倒的な支持を集めている。EUでは移民排斥の声が強まっている。

国益を損なう外国や異民族と戦うために国民は団結しなければならないという妄想に世界中が取り憑かれている。



これは病気と呼ぶべきだろう。異常に国という枠組みに捉われ過ぎている。国という枠組みばかりがあまりにも自明視されている。

「国を愛するのはあたりまえ」という発言を執拗に行い、教育現場でも愛国心を植え付ける教育を自民党政権が進めている。「日本」という国は教育してやらないと愛せない程情けない国だと彼らは思っているのか。

国旗、国歌も強制であり、政府の政策を批判するような人間には非国民のレッテルを貼って豚箱にぶち込む準備がほぼ完了している。

「日本」という国は本来なら自然と愛せるような国である。彼らはその日本を破壊しているので愛国心を強制しなければならないのである。教育で強要された愛国心なぞ自己愛が仮面を被ったおぞましい代物だ。

国という枠組みは今偏重されているほどには当然でも自然でもない。

日本列島で国家と呼べるようなものが成立してからせいぜい二千年程しか経っていない。それに比べ人類の歴史は20万年といわれる。われわれは地球上に生まれてから国家なしでずっと生活してきたのだ。われわれは国家がなければ生きていけないような情けない存在では決してない。国ありきでものを語るのは狂人の所業だ。

私は自分の住んでいる県と隣の県以外に足を運ぶことはまずない。自分の住んでいる街と就労している街で生活がほぼ完結している。自分の生活する市や県を愛するのは当然で愛着もあるが、県民の歌は強制されないし、県旗を強制されもしない。小学校で住んでいる地域のことを学ぶが愛国心教育のような強制的なものではなく自然と愛着が湧くというたぐいだ。

仕事柄、基板を眺めることが多い。基板上では各国の部品が仲良く並んでいる。韓国、中国、マレーシア、アメリカ、日本。部品たちが共調して装置が動作する。結局のところ私は基板上の部品を作った国の人びとと協力して仕事をしているわけだ。

フィリピン産のバナナを朝食にし、外資系のマクドナルドで昼を食べ、夕食にも輸入食材ということも珍しくない。中東産原油からつくられたガソリン、灯油、プラスチック、化学製品、電気を大量に消費しながら生活は成り立っている。私たちはどこの国の人間も相互に依存して生活している。われわれは世界に依存する世界市民なのだ。

自分あるいは家族が多国籍企業あるいは外資系企業で働く人も多い。 近年国際結婚は4%程度 で推移しており25組に一組は国際結婚である。われわれは世界の人々と直接協力し結びついている。国の住民であると同時に世界の住人であることを忘れてはならない。平和な世界を実現できるかはわれわれが世界の市民であることを自覚できるかどうかにかかっている。

国民国家 (nation state)は王政を倒し、民族自決が確立されていく過程では有益な面もあったが今や負の側面の方が強い。

国を愛する前にやるべきことがたくさんある。自身の権利を守り、家族を愛し、隣人を愛し、故郷を愛しその次に来るのが国である。そしてそのあと忘れてはならないのは世界の人びとにも思いを馳せることではないだろうか。

家族のなかで自分の利益ばかりを主張し、地区のなかで我が家の利益ばかりを主張し、自治体のなかで自分の地区の利益ばかりを主張し、国のなかで自自治体の利益ばかりを主張し、国際社会で自国の利益ばかりを主張し合う。

確実に世界の市民が不幸になれる病気が蔓延している。





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Last updated  2016.02.06 09:54:25
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たそたそ@ Re:土器-編年(02/14) こんばんは。 ブログのチェックされてない…
おぢさん@ Re[3]:無(03/15) なんだかねさんへ (続き)昔ある人がお…
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おぢさん@ Re[1]:土器-編年(02/14) 上毛野形名さんへ 長いこと返信もせず失…
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