おぢさんの覚え書き

おぢさんの覚え書き

2017.10.14
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カテゴリ: 近代
選挙の結果を予想すると、自由民主党が250くらいで単独過半数越え。第二自民党(希望の党)が80。第三自民党(維新の会)が20チョット。公明が35。こんなもんでどうでしょう。希望はそんなにいかないという声も聞かれます。

衆院選、自公が300議席超えか 希望は伸び悩み・立憲が勢い増す (ニューズウィーク)

そうすると465議席中350議席以上を国家主義政党が占めることになる。公明党と合わせると80%以上にも上る。第三自民党は今でも別動隊という形で活動しているので連立を組むことはないだろうが、第二自民党が連立に加わる可能性は高い。仮に連立に加わらないとしても改悪案の提出、議論をしましたという実績作りの加担、疑惑追及の妨害など与党のアシス党となるのは間違いない。連立に加わるよりも連携プレーという形で国家主義者にはとても望ましい状況となるだろう。

反国家主義者にとっては「日本は終わった」状態となる。どう結果を予想しても、投票に行くのはバカバカしくなる。選挙区など死票になるのが確実という地域に住む方も少なくないだろう。まあ、結果にはコミットせず投票に行こう。意思表示はしておかないとね。

こういう場合はいい意味であきらめるしかない。仏教の「諦」とでも言おうか。どんな状況であろうと​ 人間は持って生まれた義務(天命) ​を果たしていくしかない。それは国家主義者であろうと反国家主義者であろうと同じことだ。戦後民主主義の中で国家主義者は同情すべき状況に置かれていた。林房雄は『大東亜戦争肯定論』で「時の勢」というものについて語っている。一人の人間が「時の勢」を変えることはできない。今は「時の勢」が国家主義者にある。

本来、人生の目的は政治にはない。ある一般人が人生の目的が政治であると考えたとすれば不健康な錯覚だ。本来政治は個人が人生の目的を達成できる環境を整える為のものだろう。国家と人生の目的を同一化させた方々が懸命に政治を国家主義へと導いて行く。それはそれで仕方のない事だ。反国家主義者の方々は義務を果たしつつ、本来の人生を謳歌していこう。人生を楽しもう。

今般の流れは民主的なものと言わねばならない。なにしろ国家主義を信奉する民衆の方が多数派なのだから。彼らは民主主義、主権在民、言論の自由を否定するであろうが、自由を否定する自由は尊重されなければならない。自由を否定する自由は保証されていないという意見もあるが、おぢさんは尊重されなければならないと考える。ともかく日本は民主的に民主主義を捨てようとしている。​ 民主主義の自殺 ​というやつだ。



中野晃一氏は『右傾化する日本政治』で戦後、左右に振れながらも振り子の軸自体が右へと動いて来たということを描いて見せた。このまま戦前のように右に行ったまま脱線事故を起こすのか。なんらかの原因で回帰現象を起こすのかは分からない。ただ日本の体質は行くところまで行くもののようにおぢさんには思える。

戦前の非民主化の後戻りできない点は何時にあったのか?1941年の太平洋戦争に突入する10年前の1931年がその時であったようだ。

太平洋戦争へ突入した時点では新聞はほぼ百パーセント軍部、政府の宣伝機関にすぎず、すでに新聞とはいえなかった。言論の自由と真実を守る瀬戸際は十五年戦争に当てはめれば、一九三一年の満州事変であり、遅くとも翌年の五・一五事件までである、といわれている。
p.127 和田洋一 1974『戦時下ジャーナリズム』「講談社現代ジャーナリズム①歴史」時事通信社

今の日本はどうだろうか、国家主義者の方はあまりそう思わないかもしれないが、第二次安倍内閣になってからは非常に危ういものを感じる。

さてと、80年前に戻るか。

帝大経済学部の植民政策の先生が、反戦論を唱えて筆禍事件 [1] を起した。彼氏、右の頬を打たれたら左の頬を出し、上衣をくれと言われたら下衣までやる気でいるらしいのだが、それは既にニーチェによって奴隷道徳と罵られた亡国的な思想だ。どうしても宣伝したければ、先ず米英から始めて貰いたい。
p.170-171 昭和13(1938)年「近々抄」『近きより』第2巻第1号<一月号>

[1] 一九三七年、東大経済学部教授矢内原忠雄は、「中央公論」九月号に発表した論文「国家の理想」(全文削除)、講演「神の国」(10月)などにおいて、日本の現状を痛烈に批判したことを理由に大学を追われた。

「自称平和主義者は右の頬を打たれたら左の頬を出すヘンタイマゾ人間」、「平和を訴えたかったら中国大使館前でやってくれ」。
最近の安保法制反対派に浴びせかけられた非難とそっくりだ。やり取りまで80年前を繰り返している。

ここでもいい意味で諦めたい。左の頬を差し出しはしないが、相手を睨み付けたままでありたい。戦争では必ず双方に戦死者が出る。それは敗北だ。たとえ殺されることがあっても、相手がその死を一顧だにしなくても、反撃をしないことが勝利である。相手は永遠に我々の意志を服従させることはできない。

決して命を軽んじてはならない。逃げれるときは全力で逃げるべきだが、殺るか殺られるか、となった時は信念を守り最後まで手を出さずに死にたい。手塚治虫は命自体よりも命を燃やせる信念が大事だという事をマンガを通じて繰り返し訴えている。

反撃しなければ皆殺しにされるだけ、平和ボケきちがいパヨクは勝手に死んでくれ。という方もおられるかも知れない。その戦う自由は尊重されなければならない。しかし平和主義者は決して協力しない。
平和平和と唱えて、抑止力の強化に努めない連中は情緒的で浅はかなエセ平和主義者で、結果的に犠牲者を増やすだけの最悪の殺戮者だ。という考えもあるかもしれない。抑止力は迷妄である。抑止力の無効性については度々触れてきたが、これについては稿を改めたい。少なくとも抑止力を信頼することができるのならば北朝鮮からの攻撃は全く心配する必要はない。

矢内原忠雄の考えは普通のキリスト教よりも、余程国家主義にとっては都合が良いもののように思える。「大本教」「ひとのみち教団」「カトリック」当時の多くの宗教は国家に歩み寄ったが、結局治安維持法と不敬罪によって弾圧され潰されていった。創価学会の牧口常三郎、戸田城聖も一九四三年に不敬罪で投獄された。

危うい平和主義者・矢内原忠雄とは何者なのか?

公明党さん。自民との連携は自分の墓穴を掘るようなものじゃないですかね。希望が伸びたら、お払い箱ってことにならないですかね。

 一二・一五事件の大検挙 [1] は、検事局のやることだから二、三年たって、第一審の判決を見た上でないと、犯罪の事実の有無すらわからないが、もしあの低能なコミンターン [2] の指令で動くとなると、大和魂が黙視できなくなる。
p.171 昭和13(1938)年「近々抄」『近きより』第2巻第1号<一月号>

[1] 一九三七年一二月一五日、山川均、加藤勘十ら労農派など四〇〇余名が検挙された(第一次人民戦線事件)
[2] 第三インターナショナル=共産主義インターナショナル(コミンテルン)のこと。《後略》

相変わらず反共の士、正木ひろしは健在だ。このころ治安維持法の適用対象は共産主義者から社会民主主義者、宗教関係者に拡大されつつあった。注意しなければならないのは、この段階に至っても尚、自由主義者が共産主義、社会主義弾圧に殆んど抗議をしないか、下手をすると加担してしまっていることである。右であれ左であれ宗教であれ、すべての言論の自由を徹底的に擁護しなければならない。

 しかし、右大検挙 [1] にやられた人物の著作物に対しては、その内容の如何にかかわらず、その名あるが故に禁止処分にするという当局のヒステリカルなやり口は、大国民の襟度がないのみならず、民をして面従腹背の気分を醸成するもの、真の愛国者の為すべきことではない。
p.171 昭和13(1938)年「近々抄」『近きより』第2巻第1号<一月号>

[1] 一二・一五事件の大検挙。(おぢさん補注)

この短い文章の中に当時の状況を読み取る為の情報が詰まっている。横暴を極めるヒステリカルな当局。「大国民」というのは当時頻出した言葉だ、思い上がりとコンプレックスが読み取れる。正木氏の言う通り「面従腹背」の姿勢が当時、徐々に広がりつつあったのが、同時代に書かれたものを読んでいると分かってくる。表面上服従させることができても心の底から納得させることができなければ、どれだけの意味があるんだろうね。


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Last updated  2017.10.16 22:02:41
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