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大型旅客機は定期的に入念な整備・改修が施されており、長い年数使用される。 導入した航空会社が手放しても、別の航空会社が使用する形で通常20年以上使用される。 GECASの機齢僅かに12年のボーイング777が部品取り用に解体されるという。 多数使用されているうちに価値の高い部品として売り去ろうということなのだろうか。 機齢12年の777-300ER、部品取りにGE系が解体進めるBy Yusuke KOHASE2020年8月21日 AviationWire ゼネラル・エレクトリック(GE)のグループ会社で航空機リースと金融を扱うGEキャピタル・アビエーション(GECAS)は、機齢が比較的若いボーイング777-300ER型機(MSN 35161、元登録記号VT-JEJ)を入手し、部品取りを進めている。 同機はインドのジェットエアウェイズ(JAI/9W)が運航していた機体で、エンジンはGE90-115BLを搭載している。 GECASの関連会社で、機体パーツやエンジンなどのスペア部品を提供するGECASマテリアルズが手がける。同機はジェットエアウェイズが2008年1月に受領した機体で、機齢は12年。 GECASマテリアルズによると、同社の在庫では最も若い機体だという。 機体はこのほど、同社の解体施設がある米ミシシッピ州グリーンウッドに到着。 部品取りが順次進められる。GECASマテリアルズは777-200の解体をすでに進めており、部品を提供している。 旅客機はおおむね20年程度運航される。国際線で使われる大型機で就航から20年未満の機体が解体されるのは珍しい。 ― 引用終り ―
2020年09月20日
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1978年3月26日、三里塚芝山連合空港反対同盟(反対同盟)を支援する極左勢力が、開港間近の新東京国際空港(現:成田国際空港)に侵入して、管制塔の機器の破壊を行った。 内閣総理大臣福田赳夫はこの事態を「残念至極」と語り、3月28日の関係閣僚会議で3月30日開港の延期が正式決定された。 新東京国際空港の開港が約2か月遅れ、1978年年5月20日となった。 「成田空港管制塔占拠事件」とされるこの事件で警察権力は大きな衝撃を受けた。 成田空港の警戒はとても長い期間、厳重な警戒態勢が続いた。 この困難な作戦を実行した行動隊の面々は、「管制塔戦士」と呼ばれ、空港反対派から讃えられた。 成田空港では国内で唯一、管制官と別に空港会社の職員が地上走行する航空機の誘導や駐機場を調整するランプコントールという作業をおこなっている。 空港開港時の管制塔は、この役割を担うランプコントロールタワーとなった。 そして老朽化により更新され、新しいタワーが建設され報道陣に公開された。 成田空港の新タワー公開=駐機場に誘導、10日運用開始2020/09/02 時事通信 成田国際空港会社は2日、駐機場を出入りする航空機を誘導する新しい「ランプコントロールタワー」を報道陣に公開した。 10日に運用を開始する。 新タワーは、高さ約60メートルの5階建てで、総工費は26億5000万円。 空港全体を見渡せる最上階のコントロール室から航空機を誘導する。 これまで使用していた旧管制塔は、1978年の開港直前に空港反対派に占拠される事件も起きたが、老朽化で今年度中にも取り壊される。 ― 引用終わり ― 高さ60mの新しいランプコントロールタワーは、免震構造を取り入れた5階建て。 旧タワーの横に約2年かけて建設された。 旧タワーは本年度内に撤去される予定。
2020年09月19日
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茨城空港は防衛省・航空自衛隊が管理する百里飛行場を2010年に民間共用化したもの。 滑走路と、自衛隊施設の大半は百里にある。 茨城空港の空港ターミナルビルは隣の与沢にある。 「茨城空港アクセス道路」延伸全通まで残り1区間 「遠い」返上へ一歩 2020年8月27日 乗りものニュースこれができればマジで便利な空港になります。 茨城県と小美玉市が整備を進めている茨城空港アクセス道路の一部区間が、2020年8月26日(水)11時に開通しました。 茨城空港アクセス道路は、常磐道の石岡小美玉スマートICと空港を直結する12.6kmの路線で、2015(平成27)年度から整備が進められています。 今回開通したのは小美玉市道小103号線から県道玉里水戸線までの約3.4kmです。 これにより未開通区間は、1区間2.0kmを残すのみとなります。 同路線が全線開通すると、常磐道と茨城空港は約15分で結ばれる見込みです。 東京からの所要時間が、従来の千代田石岡IC~国道355号経由から20分短縮されます。 小美玉市は「引き続き、残る区間の1日も早い供用を目指し、整備を進めてまいります」としています。はかった。 ― 引用終わり ― 常磐道は東北道のような混雑が無く、東京からのアクセスが一段とよくなる。 茨城空港の計画時点で、首都圏の空港は、羽田と成田の2つで、容量は限界を超えていた。 2010年には超過した旅客者数を捌くため、空港の拡張や発着枠の拡大で対応していた。 首都圏の北側は茨城、栃木、群馬には空港が無く、最寄り空港まで2・3時間を要し空港空白地帯だった。 茨城県はこの需要に応える事を首都圏第3の空港としての空港の整備をすすめた。 茨城空港は東京から100km圏の地の利を活かしてLCCの発着を誘致し、設備の活用をはかった。 その後、羽田、成田の滑走路増設が進み、容量問題は解消方向となった。 それでも、インバウンドの急増は追い風と思われた。 そこをコロナ禍が襲った。 空港に行きやすくなったが問題は、「誰が行くのか」だ。
2020年09月18日
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国境を越えた生産体制の構築、Eコマースの進展などにより、航空貨物輸送のニーズが高まっていた。 GE航空機リース部門B737-800NGの貨物転換を開始2015年6月23日 LOGISTICS TODAY GEの航空機リース・ファイナンス部門「GEキャピタル・アビエーション・サービシズ」(GECAS)は22日、737-800NG旅客機を貨物機へ転換するプログラムを開始した、と発表した。 GECASは、最大20機のボーイング737-800NG旅客機を貨物機に転換する計画で、転換工事はAEIエアロノーティカル・エンジニアズが米国、中国の自社施設で実施する。 転換1号機となる旅客機は、2017年中にFAA追加型式設計承認(STC)を取得し、リース貨物機として運航を開始するできるよう、16年中に転換作業を開始する。 ― 引用終り ― コロナ禍で旅客輸送が激減し、医療用品などを加えて貨物輸送の量が増えて航空業界で、旅客機を貨物輸送用に転換することで業績を立て直す動きが始まっている。 だが旅客機を貨物機に転換するのは、容易ではない。 大きな課題は二つ。 一つは旅客機の客室にに出入りするための扉は人間が通れるだけのサイズしかないため、貨物の大きさに制約が大きい。 もう一つは、客室の座席を取り払っただけでは荷室にならないこと。 貨物の移動用の床面のローラーなどがないこと、貨物を固定用のカーゴフックなどがないこと、荷崩れを防止用のネットを取り付けるフックなどが無いこと。 このような課題を解決して48時間内で貨客のレイアウト変更できるボーイング737が登場した。 「48時間で変身できるボーイング737」登場!旅客/貨物/救急も 内部レイアウト自在乗りものニュース編集部2020.08.27 乗りものニュース ボーイング737-700FC型機は、ANA(全日空)やAIRDOなどでも運航されている737-700型機をベースに、目的に応じ機内レイアウトを使い分けることができるモデルです。 現在は3種類のレイアウト変更ができ、完全な貨物専用機、客室内に貨物スペースを設置しながらも2クラス計32席を配する貨客混載機などに対応。 変更に要する時間は48時間とされています。 今後はテクセルエア側でも改修が進められ、先述のものに加え、たとえばストレッチャーなど搭載し患者輸送などにも対応できるものなど、新たに4種類のレイアウト変更に対応できるよう着手。 計7種類の機内レイアウトの使い分けが可能となる予定です。 ― 引用終り ― 改装しなくとも、大きな貨物は床下の貨物室で運び、小さな荷物(貨物)だけ客室に固定して運ぶ方法もある。 大型の軍用輸送機は、与圧されていない貨物室に座席を設けるだけの形式が多い。
2020年09月18日
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2020年5月22日、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を進める三菱航空機の人員を削減する方針を三菱重工業が固めたとNHKが報じた。 8月27日、Business Journalは親会社である三菱重工業に収益が悪化し資金的余裕がないため、三菱スペースジェットが失速する可能性が高いと報じた。 コロナ禍で航空機製造関連事業の見通しが立たなくなったことも観測の要因のひとつだろう。 旧MRJ、開発中止の観測も…技術者間の対立で開発現場混乱、親・三菱重工の経営圧迫2020年8月27日 Business Journal …(略)… わずか2年前、当時の宮永俊一社長(現・会長)は21年3月期には売上高5兆円を目指す中期計画を掲げたが、スペースジェットの開発遅れとコロナ禍で中計は雲散霧消してしまった。 財務内容は悪化の一途だ。6月末の自己資本比率は3月末比1.9ポイント減り22.5%。 一方、コマーシャルペーパーの発行などで有利子負債残高は2894億円増えて8877億円に膨らんだ。 CRJ買収に資金を使い、純現金収支は3395億円の赤字となった。財務は火の車だ。 完成機を造るノウハウ「21年3月期にスペースジェット関連の損失額は1200億円となる見通し」。 オンラインで行った決算説明会で、小澤壽人・取締役専務執行役員CFO(最高財務責任者)はスペースジェット関連費用や損失が今期の業績を圧迫すると説明した。 新型コロナの感染拡大でスペースジェットの開発は事実上、中断に追い込まれている。 国産初のジェット旅客機として期待されたが、機体の安全性を国が証明する型式証明(TC)を取得できず、量産初号機の引き渡しの予定が7年遅れ、開発体制の大幅な縮小を余儀なくされた。 三菱重工は、ジェット旅客機の主翼や胴体など構造部品では航空機メーカーに直接納めるティア1として豊富な実績を持つが、完成機メーカーとしての事業化のノウハウはまったくなかった。 完成機メーカーは航空機、装備品に関し1機100万点ともいわれる部品をすべて管理し、機体だけでなく、複雑なシステム制御を含めてあらゆる責任を負う。 ボーイングから部品を受注する部品会社の発想では、工程管理や安全性を確保するのに限界があった。 スペースジェットの開発責任者を解任 三菱航空機でスペースジェットの開発責任者を務めていたアレクサンダー・ベラミー氏が6月30日、会社を去った。 ベラミー氏は三菱航空機に入社する以前の5年間、競合するカナダ・ボンバルディアで小型旅客機「Cリーズ」の開発メンバーであり、計7機の飛行試験機の開発に携わった。 その前は英国のBAEシステムズに勤務。 世界を渡り歩く航空機開発のプロを自認していた。 宮永社長(当時)がベラミー氏をスカウトした。 航空機開発が遅々として進まない原因の根本には、航空機部門がある名古屋から本社に適切な情報が伝わらない縦割りの弊害があると考えた。 そこで16年以降、エキスパートと呼ばれる外国人技術者を300人規模に増やし、独善的だった同部門の意識の改革を試みた。 その総仕上げが、18年、ベラミー氏をCDO(最高開発責任者)に起用することだった。 しかし、外国人の助っ人が増え、主流派から転落した日本人技術者との軋轢が深まった。 開発現場は混乱し、配線や計器類などの設計変更が相次いだという。 19年4月、変化が起きた。 ベラミー氏の後ろ盾だった宮永氏は会長に退き、泉澤清次氏が社長に就任した。 1年後の20年6月、三菱航空機の新体制と役員人事が発表された。 海外の3拠点を1カ所に集約し、社員数も現在の半数となる700人程度に削減する。 ベラミーCDOは退任し、後任の開発責任者には、戦闘機開発の技術者である川口泰彦氏が就いた。 三菱重工は、今年度の開発費を前年度の約半分にあたる600億円程度に圧縮する方針を示している。 それに伴い、スペースジェット事業を大幅に縮小する。 400人近くいた外国人技術者の多くが去る。 三菱航空機の幹部社員22人のうち外国人はベラミー氏をはじめ13人。 日本人は水谷久和会長以下9人で、外国人のほうが多かった。 それが7月以降は日本人ばかりの6人になった。 …(略)… 三菱重工は、国産初の民間小型ジェット機・三菱スペースジェットから、国産戦闘機の開発に乗り替える。 こうしたさまざまな状況から、三菱スペースジェットが離陸することはないだろうとの見方が広がっている。 ― 引用終り ― 小型ジェット旅客機は巨額の開発費が必要で、既存のエンブラエルやボンバルディアにとってもリスキーな事業だった。 だからノウハウがある両社は手を出さなかった。 三菱航空機が進出したライバルがいないブルーオーシャンは、リスクたっぷりだった。 ロシアと中国のライバルは既に実機を飛ばし、立派過ぎるライバルになっていた。 FAAの型式証明を得る目途が立たないまま、5月末に三菱航空機はM 90の試験飛行の停止、スペースジェット関連の活動を名古屋に集約することを決めた。 FAAの照明が型式証明が取得できないのであれば、今年度の開発費600億円も無駄になる。 「できるだけ早くやめる」という決断も、勇気ある経営判断だ。
2020年09月14日
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8月22日、全日本空輸(ANA)は、欧州エアバスの旅客機A380のウミガメ塗装機「FLYING HONU(フライングホヌ)」に乗る遊覧飛行を実施した。 ハワイ線向けにウミガメのデザインが施された機体は人気が高い。 搭乗のための抽選倍率は約150倍で"難関"を突破した乗客334人らが超大型機から日本の景色を楽しんだ。 A380は2019年に日本航空の牙城を崩すべくハワイ線に投入された。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で就航が延期され、稼働できない状態が続いていた。 せめてハワイの気分くらい味わえないかという利用者の要望から、成田空港から富士山を中心に北関東や長野、愛知、三宅島上空を巡って成田に帰る2時間の遊覧飛行を実施した。 ウミガメ塗装機でハワイ気分超大型A380が遊覧飛行―全日空2020年08月22日JIJI.COM 全日本空輸は22日、ウミガメをモチーフにした特別塗装の超大型機エアバスA380の遊覧飛行を成田空港発着で開催した。 ハワイ・ホノルル線専用機として昨年導入したが、新型コロナウイルスの影響で今年3月下旬から運航を停止。 客を乗せた飛行は約5カ月ぶりで、ハワイ気分を味わってもらおうと企画した。 ― 引用終わり ― 航空機は飛行しない期間が90日を超えた場合、機体をジャッキアップして主脚などを整備する必要があるとのこと。 ANAは90日を迎える前の6月22日と23日に、2機のA380を整備のため乗客を乗せない状態でフライトした。 旅行代金は、ファーストクラスは50,000円、ビジネスクラスは窓側35,000円・通路側30,000円、プレミアムエコノミーは窓側25,000円・通路側20,000円、エコノミークラスは窓側19,000円・窓側(翼の上)17,000円・通路側14,000円となる。
2020年09月04日
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英仏のコンコルド、ソ連のツポレフTu-144が就航して以来、超音速旅客機の実用化にあたっての大きな課題は明確になっている。・ソニックブームの制御・離着陸騒音の低減・低抵抗な機体設計・軽量化 下記はJAXAがすすめる極超音速機、次世代超音速機の開発にあたっての報告。 航空科学技術に関する研究開発課題の中間評価結果平成30年8月科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 超音速機が実現するためには、コンコルド開発で明確になった離着陸時と超音速巡航時の騒音が大きいという環境適合性の問題と、抵抗が大きく機体重量も重いことから航続距離が短いという運用時の経済性の問題を解決する必要がある。 これまで JAXA ではNEXST プロジェクトにおいて抵抗低減技術を獲得し、D-SEND プロジェクトにおいて超音速巡航時の騒音低減を実現するソニックブーム低減コンセプトを世界に先駆けて実証してきたところである。 D-SEND において培われたソニックブーム低減コンセプトの優位性を生かして超音速機を実現するためには、D-SEND において考慮されていなかった離着陸時騒音低減、機体軽量化、低抵抗化の諸点も加味したシステム実証が必要である。 本研究開発では、NEXST で飛行実証した抵抗低減技術、及び D-SEND で飛行実証したソニックブーム低減設計コンセプトを核として、低ソニックブーム、低離着陸騒音、抵抗低減技術、軽量化の 4 つの技術目標を同時に満たす機体コンセプトの技術的な成立性を示すために独創的な要素技術開発とそれらを機体に適用するための統合設計技術を獲得することを目的としており、これは世界に先駆けて取り組む先進的な研究開発であり、科学的・技術的意義があると判断する。 ― 引用終り ― コンコルドはソニックブームがあまり問題とならない大西洋路線で就航できる、英国、フランス、米国にしか売れ先はなかった。 太平洋を飛ぶには航続距離が不足した。 燃料消費量が過大であるため、実用性が乏しく、英国とフランスのフラッグシップキャリアしか、コンコルドを引き受けることはできなかった。 ソ連のツポレフTu144は、さらに燃費が悪かった。 莫大な開発費を要する超音速旅客機を実用化するには、飛べる範囲を広げるソニックブームの制御が必須。 飛べる範囲が広がらないと、売れ先が広がらず量産効果がでないからだ。 ソニックブーム出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ソニックブーム(英: sonic boom)とは、主に戦闘機などの超音速飛行により発生する衝撃波が生む、轟くような大音響のこと。 衝撃波以外の原因で生じる単発的な大音響を含める場合もある。 地上で観測される轟音は衝撃波が減衰したものと、地上の物体を衝撃波が広範囲に鳴動させて発生するものが主体で、空中の飛行機内などでは轟くような音にならない(何かがぶつかったように聞こえる)。 概 要 超音速で飛行する物体が上空を通過した際に、何かが爆発したような2つの不連続な音として観測される。 2つの音のうち、最初の音は飛行体前方で発生した衝撃波(マッハコーン)によるもので、2つ目の音は物体後方(スペースシャトルの場合は垂直尾翼)で生じた衝撃波で生じる。 機体の大きさや質量によって聞こえ方も変わるためこの2つの音を区別するのが難しく1回しか聞こえない場合もあるが、スペースシャトル帰還時に聞こえる音ははっきり2つに別れて聞こえる。 このソニックブームを波形にすると、ラテン文字の「N」の字の形になるため、N-ウェーブと呼ばれる。 1960年代には、高高度を飛行すれば衝撃波は減衰し、地表でソニックブームは発生しないと楽観視されていた。 しかし、ノースアメリカン XB-70 が高度約21,000m(音が到達するまで、約1分の距離)を飛行した際、地上で強力なソニックブームが観測され、減衰度は従来の予想よりもはるかに小さいことが判明した。 この結果が、技術的には充分可能な超音速旅客機や超音速輸送機の実用化を妨げる要因となっている。 コンコルドは洋上の高々度でのみ超音速飛行が許されていたが、やはり大西洋上を航海中のクルーズ客船でソニックブームが観測されている。 ― 引用終り ―
2020年09月02日
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超音速や超電導など「超」を冠されるものは、人の心を魅了する。 民間宇宙旅行ビジネスを実施できないでいる米国のヴァージン・ギャラクティカ者が極超音速旅客機の構想を発表した。 最高速度マッハ3!デルタ翼の超音速旅客機米ヴァージン・ギャラクティックが発表エンジンにはロールスロイス製の物を使用します。[鈴木伊玖馬,ねとらぼ]2020年08月13日 ねとらぼ 米国で民間宇宙旅行ビジネスを手がけている「ヴァージン・ギャラクティック」が、マッハ3で巡航できる超音速旅客機の計画を発表しました。 発表された計画によると、旅客機の主翼には三角形のデルタ翼を採用。 戦闘機のようなスマートなデザインをしています。 エンジンは超音速旅客機として知られるコンコルド同様に、ロールスロイス製を採用。 9人から19人の乗客を乗せた状態で、高度6万フィート(約18キロ)を最大マッハ3で巡航できるそうです。 キャビンは、顧客のニーズに合わせたカスタムが施される予定です。 基本的な設計は終了したため、今後開発チームはメンテナンスや騒音、経済性などの問題に取り組むそうです。 実際に運行が開始されるまではまだまだ時間がかかりそうですね。 ― 引用終り ― 最大の課題であるソニックブーム(超音速飛行により発生する衝撃波)の問題は解決済みとは思えない。 どんなに速く、遠くまで飛べても、人の住むところの上空で超音速のメリットを発揮できないのでは、この地球上で意味がないことをコンコルドで分かっているはず。 燃費の向上で航続距離が伸び、米国西海岸から中国の航路が実用化されれば、まだめはあるかもしれない。
2020年09月02日
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2020年1月29日、ボーイングは2019年第4四半期決算を発表した。 通期純損益が1997年以来、22年ぶりに赤字転落。 737MAX型機の運航停止が長期化したことで売上高が減少し、費用が増加した。 第4四半期の純損益は10億ドル(約1090億円)の赤字となった。 通期では6億3600万ドル(約694億円)の赤字。 2020年4月29日に発表した2020年1~3月期決算は、最終損益が6億4100万ドル(約680億円)の赤字。 2期連続の赤字決算となった。 主力旅客機「737MAX」の飛行停止が続き、完成期の納入ができないことに加えて、新型コロナウイルス感染拡大が収益悪化を加速させた。 人員10%カット、旅客機の生産削減などで赤字減らしに取り組む。 米ボーイング、2500億円の赤字商用機引き渡し78%減 4~6月期2020/7/29 時事通信 米航空機大手ボーイングが29日発表した2020年4~6月期決算は、純損益が23億7600万ドル(約2500億円)の赤字(前年同期は29億4200万ドルの赤字)となった。 赤字は3四半期連続。 売上高は前年同期比25%減の118億0700万ドルだった。 新型コロナウイルスの感染拡大で航空機需要が低迷し、業績悪化が続いている。 4~6月の商用機の引き渡しは20機と、前年同期の90機から78%減少。 上半期の納入は71%減の70機で、同239機を大きく下回った。 2度の墜落事故を起こし、世界中で運航停止となっている新型旅客機「737MAX」の引き渡しはなかった。 ― 引用終り ― 四半期ベースでの赤字は2019年10-12月期から3四半期連続となった。 需要減少を受け、787など民間機の追加減産を実施する。 民間航空部門の受注残は4500機以上、金額ベースでは3260億ドル。 ただし航空会社の業績も厳しく、受注残が相当な規模で蒸発することも考えられる。 ボーイングの民間航空部門は立ち直れるのだろうか。 日本のANAは新型コロナの影響で、2020年4~6月期の決算が過去最大の赤字となった。航空大手ANA 1088億円の最終赤字移動自粛などコロナ影響2020年7月29日 NHK 航空大手のANAホールディングスは、先月までの3か月間の決算で最終的な損益が1088億円の赤字となりました。 新型コロナウイルスの感染拡大で、利用者が大幅に減少しているためで、赤字幅は四半期決算として過去最大です。 ANAホールディングスが発表した先月までの3か月間の決算は、売り上げが前の年の同じ時期よりも75%減って1216億円、最終的な損益は1088億円の赤字となりました。 赤字幅は、ことし1月から3月の587億円の最終赤字を大きく上回り、四半期決算の開示を始めた2003年度以降で最大となりました。 新型コロナウイルスの感染拡大による世界各国の入国制限や、日本国内の緊急事態宣言などを受けて、4月から6月の利用者数が前の年の同じ時期と比べて国際線で96%、国内線で88%それぞれ減少したためです。 来年3月までの1年間の業績予想については、新型コロナウイルスの影響を見極めるのが困難だとして「未定」としています。 また、ANAは航空需要が感染拡大前の水準まで回復する時期を、国内線が来年度末、国際線が2023年度末と見込んでいるということです。 このため、引き続き旅客便の運休や減便を行うほか、従業員を一時的に休業させるなどして年間で2550億円のコスト削減を行うとしています。 ― 引用終り ― 新型コロナ禍の影響で、ANAの8月の計画に対する減便率は、国内線は2割減まで戻しつつあるものの、国際線は9割減が続いている。 影響の長期化は避けられないとされている。
2020年08月11日
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ボーイングは新型コロナ禍発生前から、737MAXの連続墜落事故による飛行停止で業績が悪化していた。 737MAXのトラブルは続く。 米ボーイング737MAXの主な設計変更を当局に伝えず=政府報告書Reuters Staff2020年7月1日 Reuters 米航空機大手ボーイング(BA.N)が相次ぐ墜落事故を受け運航停止となっている737MAX型機を巡り、事故原因とされる主要な飛行制御システムの変更を詳細に説明する認証資料を米連邦航空局(FAA)に提出していなかったことが分かった。 政府の報告書をロイターが確認した。 ― 引用終り ― 4月末の時点で737MAXについては、FAAによる承認を経て第3・四半期にも出荷を再開できる見込みとしていたが、承認がさらに長引く可能性がある事態。 2020年7月14日、ボーイングは、運航停止となっている「737MAX」のキャンセルが上半期に355機となったことを発表明した。 長期にわたる運航停止に加え、世界的新型コロナ禍による航空業界の先行きの不透明さがキャンセルを加速中。 さらに737クラシックと737NGに対して、エアチェックバルブの腐食による耐空性改善命令がだされた。 米当局保管中のボーイング旅客機に耐空性改善令腐食の可能性Reuters Staff2020年7月25日 Reuters 米連邦航空局(FAA)は24日、保管されている米ボーイング(BA.N)製の旅客機2000機に対し、緊急の耐空性改善命令を出した。 エンジン故障につながりかねない腐食が起きる可能性があるという。 対象は7日間以上連続して運航していない737NG(ネクスト・ジェネレーション)と737クラシック。 保管庫から出した旅客機にエアチェックバルブの腐食が見つかったことを受けたもので、腐食が見つかれば運航前にバルブの交換が必要になるという。 ボーイングは同日、整備士などに旅客機を点検するよう通知したと発表。 「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下での需要低迷により、保管されたり、運航頻度が減少した旅客機のバルブは腐食しやすい可能性がある」とした。 ― 引用終り ―
2020年08月05日
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コロナ禍でBAのボーイング747-400ジャンボジェットが退役を早めた。 国際航空旅客輸送に画期をもたらした、「ジャンボジェット」がまた退役した。 コロナ禍で存続の危機にあるBAは、無駄なものは躊躇いなく減らすことだろう。 「空の女王」去る 英ブリティッシュエアウェイズ「ジャンボ」B747-400が即時退役へ乗りものニュース / 2020年7月18日 イギリスの航空会社ブリティッシュエアウェイズは現地時間2020年7月17日(金)、同社が保有する「ジャンボジェット」ボーイング747-400型機を即時退役させる方針を発表しました。 同社のボーイング747シリーズは1971(昭和46)年、前身となるBOAC(英国海外航空)時代にロンドン~ニューヨーク線でデビュー。 同社はこのモデルを「空の女王」と銘打ち、主力機として最大56機を保有していました。 また、2019年には同社創立100周年を記念し、3機の747-400型機をBOAC時代の塗装へ復刻するなどの特別イベントも行われています。 同社の「ジャンボ」の最終納入は1999(平成11)年で、耐用年数が終わりに近づいていたというものの、新型コロナウイルスの影響から同社は、2023年から2024年までは以前の規模の運航水準に戻ることは難しいと判断。退役を早めたとのことです。 なお、同社のボーイング747の一部は近年、今後を見越して内装を一新したばかりだったそうです。 ― 引用終り ― ジャンボを超える大型ものとして登場した大型旅客機のエアバスA-380も2021年に生産中止する計画となっている。 時代は中小型機で搭乗率を高める戦略に転換している。 この度のコロナ禍で、国際線の旅客の減少が長引くとされ、超大型旅客機の時代はさらに遠のいた。 中古になっても引き取り手の制約が多いと思われるA380を、多数備えるエミレーツ航空は、大丈夫なのだろうか。
2020年07月27日
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今年はボーイング747の退役の当たり年のようだ。 BAに続きカンタス航空がボーイング747-400の退役を決定。 歴史に幕降ろす豪カンタス航空の「ジャンボ」B747最後に別れのメッセージを空に描く乗りものニュース編集部2020.07.23 乗りものニュース オーストラリアの航空会社、カンタス航空の「ジャンボジェット」ことボーイング747-400型機が現地時間2020年7月22日(水)、ラストフライトを迎え、最終運航となるQF7474便が運航されました。 カンタス航空によると、同社の「ジャンボ」シリーズの導入は1971(昭和46)年のこと。 以来半世紀近くにわたり、6つのタイプの「ジャンボ」を運航したといいます。 また近年では新型コロナウイルスの影響下、同社の747-400型機はその大きなサイズや航続距離、そして安全への信頼性の高さから、武漢からの救援便も担当したそうです。 当初同社のボーイング747-400型機は、2020年内の退役が予定されていましたが、これを6か月前倒し。 新型コロナウィルスによる航空需要減退の影響をうけ、事業計画を見直す必要性が生じたためとのことです。 同モデル最後の運航となったQF7474便はシドニー発ロサンゼルス行き。 航空機追跡サイト「フライトレーダー24」によると、QF7474便は離陸したのちシドニー上空を飛行、そののちオーストラリアの上空に、航路で尾翼に描かれている同社のトレードマーク「カンガルー」を描き、ロサンゼルスに向かいました。 ― 引用終わり ―
2020年07月27日
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タイのナショナル・フラッグ・キャリアであるタイ国際航空は、コロナ禍で業績が急低下。 資金不足の到来が噂される中、救済方法について調整が続いていたが、遂に破綻。 タイ航空破綻!コロナ禍で瀕死状態東南アジア・フラッグキャリアの行く末は2020年7月22日 MONEYPLUS …(略)… ## タイ国際航空破綻の衝撃 タイ国際航空は当面のキャッシュフローを確保するため、4月に財務省に対して700億バーツ(約2400億円)の融資保証を要請していました。 融資保証に関する基準を満たしていないとして一旦は却下されましたが、水面下で調整が進められていました。 ほんの数日前までは、政府が同社の要請に応じるとみられており、世界に衝撃が走りました。 ただ、同社は2017年に21億バーツ(約70億円)の赤字に転落後、その額は膨らみ続け、2019年の損失額は120億バーツ(約410億円)に達するなど、近年は資金繰りが悪化していました。 航空業界の競争激化に加えて、国営企業にありがちな放漫経営から経営が悪化していたところに、新型コロナ禍が追い打ちをかけたと言えるでしょう。再建には最長7年 タイの中央破産裁判所が同社の会社更生手続きを受理し、同社は今後、同裁判所の管理下で、事業を続けながら再建が進められる見通しです。 すでに政府は同社に対する出資比率を過半数未満に引き下げ、同社は国営企業から民間企業に転換しました。 現地では、飲料大手のタイ・ビバレッジやスーパーマーケット大手のビッグCスーパーセンターなど保有する大手財閥のTCCグループが出資に興味を示しているとの一部報道がありますが、再建完了には最長7年かかるとみられています。 ## インドネシア・ガルーダ航空も危機 崖っぷちに立たされナショナルフラッグキャリアは、タイ国際航空だけではありません。 インドネシアのガルーダ・インドネシア航空も7月14日に、8兆5000億ルピア(約610億円)に上る強制転換社債(MCB)の起債計画を発表し、政府に引き受けを求めています。 同社が直近発表した2020年1~3月期決算は、売上高が前年同期比30%減の7億6812万米ドル(約820億円)、純損失が1億2016万米ドル(約130億円)と赤字転落しました。 インドネシアでは4月以降、感染拡大を防ぐため、「大規模社会的制限(PSBB)」が実施されています。 かき入れ時のレバラン(断食月明け大祭)連休と重なり、乗客が9割減少したことが収益を圧迫しました。 さらに、会社側は7月1日時点で負債総額は22億米ドル(約2400億円)に達したことを明らかにしています。 同国では、依然として日々の新規感染者数が1600人前後と過去最高水準で推移しています。 政府も感染者数増加のピークは8~9月になるとの見方を示しています。 また、ジャカルタ特別州では6月からPSBBを段階的に緩和し、経済再開へと舵を切りつつありましたが、足元の感染者の増勢傾向に更なる緩和を停止するなど、出口が見通せません。 インドネシア政府は、同社からの要請に対して「国家経済回復プログラム」の中での公的資金の投入を計画しているもようですが、具体策が決まっておらず実施が遅れています。 救済策の実施が遅れればより困難な状況へと陥ることも否めないでしょう。 ## 感染を抑え込んだベトナムは 航空会社が苦境に陥っているのは、新型コロナ禍が深刻な国だけではないようです。 新型コロナの累計感染者数を370人台に抑え、市中感染もここ3ヵ月確認されていないベトナムでも航空会社が厳しい見通しを示しています。 ベトナムのナショナルフラッグキャリアであるベトナム航空は、今年の通期業績について、売上高が前年比50%減の50兆ドン(約2300億円)、純利益が13兆ドン(約600億円)の赤字に転落するとの見方を明らかにしました。 そのほか、民間航空最大手のベトジェット航空も今年通期の業績目標を、売上高は前年比28.9%減の36兆ドン(約1700億円)、税引前利益は同97.8%減の1000億ドン(約5億円)に設定しています。 ベトナムでは5月から国内線の運航が再開され、国際線についても近く一部路線の運航開始向けて交渉が大詰めを迎えています。 当初はベトナム国民やベトナム進出企業の関係者などを対象に、東京、ソウル、広州、台湾路線で便数を制限して運航が再開される見通しです。 ただ航空需要の回復には程遠い状況で、ベトナム航空は8月末にもキャッシュフローが枯渇するとの危機感を募らせています。 7月13日に実施されたグエン・スアン・フック首相の経済諮問委員会の会合では、同社が12兆ドン(約560億円)の緊急支援を要請しました。 ― 引用終り ― ナショナル・フラッグ・キャリアとは、一般に国策のもとで国際線を運航する航空会社を指す。 航空機は国間での発着便数、以遠権などが国の外交交渉で決定するので、ナショナル・フラッグ・キャリアを保有する意義が大きかった。 航空業界の競争環境が厳しく、1国単体ではなく、スカンジナビア航空、TACA航空など複数国が共同でフラッグ・キャリアを運営することもある。 国家を代表するとしてフラッグキャリアには、国旗のデザイン、モチーフを取り入れていたり、国旗に使用されているものと同じ色を機体塗装に用いたりしている航空会社がある。 国のシンボルとして扱われているので、一般の企業以上に経営の持続、救済がその国民の注目を浴びる。 国際線での就航が多いナショナル・フラッグ・キャリアは、コロナ禍での国際的な渡航制限は経営に与える打撃が大きい。 そしてかつてのJALがそうだったように、一人当たりGDPの低い国では、国際水準の処遇、雇用条件などが国民の妬みをかい、企業の救済や労働条件の向上が阻まれる。
2020年07月27日
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スペースジェットの開発遅れでコストが膨らみ、三菱航空機は収益の確保が見通せなくなった。 このことから三菱重工業は資産の減損処理を行い、20年3月期の純損益は5269億円の赤字となった。 特別損失は親会社の三菱重工業が公表したスペースジェット事業の減損損失の合計約7200億円の一部。 三菱航空機わずか1年で再び4646億円の債務超過…スペースジェット開発遅れ2020年7月1日 読売新聞 国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」を開発中の三菱航空機が1日開示した2020年3月期決算は、最終損益が5269億円の赤字(前期は23億円の黒字)となり、4646億円の債務超過に陥った。 スペースジェットの開発遅れにより、親会社の三菱重工業が巨額の減損処理を行ったためだ。 三菱重工は2月、スペースジェットについて「20年半ば」を予定していた納入を21年度以降に延期すると発表。 三菱航空機の資産価値を、投資の回収が見込めないとして圧縮した。 この結果、三菱航空機の資産は前期の約4300億円から約180億円に減少した。 一方、開発費が膨らんだことから負債額は約4800億円となり、負債が資産を上回る債務超過となった。 ― 引用終り ― 三菱航空機は18年3月期決算でも1100億円の債務超過となったが、三菱重工から追加出資と債権放棄で計2200億円の支援を受け、19年3月期に債務超過を解消していた。 1年後、再び債務超過となった。 2020年5月11日発表された、親会社・三菱重工業の2020年3月期通期の連結決算は、本業のもうけを示す事業損益が295億3800万円の赤字(前期は2005億7000万円の黒字)。 2000年3月期以来20年ぶりの赤字転落。 三菱航空機が開発する三菱スペースジェットに関する投資を除いた「定常収益」で見ると、スペースジェットへの投資にあたる2633億円を除いた事業利益は2338億円となった。 2021年3月期通期の業績予想は、事業利益と純利益はゼロの見込みを示した。 FAAの型式認定は、武漢肺炎の感染拡大の影響を受けて遅れ気味と伝えられる。 2020年7月1日、スペースジェットの開発は新体制に変更される。 開発人員を半減し、外国人主体の開発をやめ、日本人技術者の登用で商用化を推進する。 具体的にはカナダのボンバルディア出身の最高開発責任者のアレックス・ベラミー氏が6月末に退任。 米国で型式証明などの取得に必要な試験拠点の副社長を務めていた川口泰彦氏が、7月1日付でチーフ・エンジニアに就いた。 三菱スペースジェットは、航空機事業部との間で開発の指揮系統が混乱している。 スペースジェットが世界の空を飛べる日は一段と遠のいた気がする。 三菱スペースジェット(旧MRJ)未完のまま撤退の可能性も…開発の指揮系統が混乱2020年7月2日 Business Journal
2020年07月11日
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2020年6月28日、FAAはボーイング737MAXのシステム安全性の審査が完了し、ボーイングに対して試験飛行プログラムの開始を承認した。 飛行試験はFAAのテストパイロットが実施し、ボーイングの提案した自動飛行制御システムの変更について評価する。 2度の墜落事故・ボーイング「737MAX」運航再開に向け試験飛行2020/06/30 讀賣新聞 【ニューヨーク=小林泰明】 米連邦航空局(FAA)は29日、2度の墜落事故で運航を停止している米航空機大手ボーイングの新型旅客機「737MAX」について、運航再開に向けた試験飛行を始めたと発表した。 事故原因とされる自動飛行制御システムなどが適切に改良されているかを評価する。 FAAは声明で、試験飛行について「重要な節目ではあるが、多くの重要な課題が残されている。 必要な時間をかけて徹底的に調査する」と述べた。 ロイター通信によると、試験飛行の終了後もほかの評価作業が残されており、9月までに運航再開を承認する可能性は低いという。 ― 引用終り ― 2019年3月の飛行停止措置により納入できなくなった737MAXについて、駐機場の不足から、ボーイングは2020年1月に製造を中止した。 5月に737MAXの製造を再開。 新型コロナウイルスによる移動制限で厳しい業績不振となり、新型機の導入計画を中止したり延期する航空会社が相次いだ。 主力機種だった737MAXの減産、納入減により、ボーイングは少なくとも数年間、製造計画(=売上計画)の大幅な縮小を余儀なくされている。 2019年10月11日、737MAXが起こした連続墜落事故で、FAAの認証手続きについて、日米などの航空当局が合同検証した結果がまとまった。 FAAの能力と経験不足により、事故を招いた飛行システムの危険性を見過ごしたほか、現場に「不当な圧力」があったなどと指摘し、認証制度の根本的な見直しが勧告された。 FAAは今回の安全審査で、世界の航空界の信頼性を取り戻さなければならない。 したがって、FAAはこの件の審査に万全を期すので、早期に審査結果がでることはない。
2020年07月11日
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イルクートMS-21は、ロシアの統一航空機製造会社(UAC)配下のイルクートとヤコブレフで開発中の双発中短距離ジェット旅客機。 150-212席の3モデルが用意されている。 2005年からは開発にツポレフも参加した。 名称のMS-21は"Магистральный Самолёт 21 века" - "Magistralny Samolyot 21 veka" - "21世紀の旅客機"を表す。MS-21の正式名称は、Yak-242になる見込みであったが、後にこれはキャンセルされた。 ツポレフ Tu-154・Tu-204/Tu-214を代替する予定で、2018年の終わりに最初の機体が納入される予定である。 当初の予定では2016年から納入される予定であったが2017年に延期された。 2016年6月8日、ロールアウト。 2016年8月17日、イルクートは型式証明の審査を連邦航空輸送庁(英語版)に申請。 2016年9月21日、EASAが耐空証明のための申請を受領。 2017年3月16日、産業貿易相のデニス・マントゥロフはSSJ 100とMS-21の部品製造を共同実施することをインドに提案したと発言した。 ロシアは航空宇宙産業を国策として育成するため、スホーイスーパージェット(SSJ 100)とMS-21の部品の共同実施をインドに提案したが、2019年5月、SSJ 100 の墜落事故が発生した。 ロシアの航空機の信頼性も落ちた。 MS-21もSSJ 100 も米国の型式認定されていない。 スホーイ・スーパージェットの大事故でロシアの宿願が窮地に2019年5月14日 The Asahisinbun Globe+痛ましい大事故 ロシアで痛ましい大事故が起きてしまいました。 5月5日午後、首都モスクワのシェレメチェボ空港で、乗客・乗員78人が乗ったロシア・アエロフロート航空機が緊急着陸した直後に炎上し、41名もの尊い命が失われました。 事故機は、モスクワから北極圏の都市ムルマンスクに向けて飛ぶはずだったSU1492便です。 機材はロシア国産のリージョナルジェット機であるスホーイ・スーパージェット(SSJ-100)。 報道によれば、当該機はシェレメチェボ空港を離陸直後に落雷を受け、通信系統が使用不能に。 すぐに空港に引き返して緊急着陸を試みたものの、着陸時に機体が滑走路に接触して火災が発生し、多数の犠牲者を出すこととなりました。 筆者自身、アエロフロートとシェレメチェボ空港は頻繁に利用しており、同じモスクワ~ムルマンスク便に乗ったこともあるだけに、大きな衝撃を受けました。 事故原因については調査中なので、その結果を待つことにして、以下では今回の大事故がロシア経済・産業に及ぼしかねないダメージについて語りたいと思います。 ― 引用終り ―
2020年07月07日
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2019年10月10日、エアバスは、A320neoファミリーの納入が1000機に達したと発表した。 2016年1月のA320neo初号機(D-AINA)の引き渡しから3年8カ月で1000機納入を達成した。 武漢肺炎の世界的感染拡大前は、エアバスの大成功モデルだった。 2020年6月、エアバスが内製化する予定だったA320neoのエンジン収納筐体内製化計画を撤回。 エアバス、エンジン部品内製化撤回に地元や労組連合が反発Reuters Staff2020年6月24日 Reuters 欧州の航空機大手エアバス(AIR.PA)がエンジンの一部を内製化する計画を撤回したことに対し、地元自治体の諮問機関や労働組合連合などが反発している。フランス国内で350人の職が失われるという。 エアバスは今月、米航空機・防衛機器メーカーのレイセオン・テクノロジーズから、商業旅客機「A320neo」用のエンジン収納筐体の製造を引き継ぐことになっていた。 将来のメンテナンス事業による利益も得られるはずだった。 この計画は2017年、エアバスが仏航空機エンジンメーカーのサフラン(SAF.PA) と現レイセオン・テクノロジーに製造委託していた2種のエンジン収納筐体について、「内製化」を検討し始めたことが発端。その後、レイセオンの分のみを内製化することになった。 しかし、エアバスが本拠を置くオキシタニ地域圏の諮問機関によると、この計画は全て撤回され、エアバスはレイセオンとの契約を6月末以降も継続することになったという。 ― 引用終り ― 武漢肺炎の感染拡大は各国の移動制限措置により航空会社に大打撃を与え、機体の新規導入計画も中止されていると思われる。 受注が順調だったA320neoの受注も大きな影響を受けている。 今回の計画撤回はその影響を受けたものだろう。
2020年07月07日
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世界の航空会社は武漢肺炎を感染拡大防止の渡航、移動制限が続き、経営に大きな影響を受けている。 フランス・オランダ系航空大手エールフランスKLMは1日当たりの損失が約1500万ユーロとなり、売上高は95%減と表明。 フランスのエールフランスは2022年末までに従業員を6560人削減。 全従業員の16の削減。 ただし約3500人は自然減とのこと。 傘下で地方路線を担う「オップ!」は1020人を削減。 合計7580人の削減となる。 フランス政府はエールフランスに政府保証融資を含む総額70億ユーロの支援を確約する一方、従業員の解雇は回避するよう呼び掛けていた。 オランダのエールフランスKLMは7月末にリストラ策を公表する予定。 航空機製造のエアバス は1年以内に1万5000人を削減する計画でうち約3分の1の5000人がフランスでの削減。 指名解雇の前に希望退職を募る。 失業増でマクロン政権の不安定化はすすむ。 ドイツ・ルフトハンザは2万2000人の人員削減計画を明らかにし、労働組合と交渉を進めている。 英国・ブリティッシュエアーは最大1万2000人の人員削減計画を発表。 ヴァージンは3000人の削減を先に発表していた。 アリタリア-イタリア航空は経営環境の悪化で、2017年5月には事実上倒産した。 コロナ危機でイタリア政府は保有株式の売却を断念。 政府が新たに設立する新会社が経営を引き継ぎ、機体数は現在の113機より少ない、90機体制となる見通し。 各社は顧客の回復に数年かかると見通しており、経営が厳しい状態が継続するとみている。 各国のナショナルフラッグキャリアは、どんどん国営、国有化よりになっている。
2020年07月04日
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ドイツのナショナルフラッグキャリア、1926年設立のルフトハンザドイツ航空を中心とする、ルフトハンザグループも世界中の多くの航空会社と同様、各国の武漢肺炎感染拡大防止策による移動制限で業績に深刻な打撃を受けている。 4月23日、ルフトハンザグループは、第1四半期決算の速報値を発表。 調整後のEBIT(利払い・税引き前利益)は12億ユーロの赤字。 手元資金は約44億ユーロで、3月中旬以降に約9億ユーロを調達したものの、買掛金や航空券の払い戻しによる数十億ユーロの負債などを考慮すると、今後数週間で大幅に手元資金が枯渇するとしていた。 ルフトハンザ は、ドイツ連邦政府との間で90億ユーロ(約1兆400億円)の金融支援について協議していることを明らかにした。 金融支援の条件は、政府による株式の取得と、監査役会での1人から2人の指名だった。 5月9日、政府が議決権の25%プラス1株を保有する案も含め、ルフトハンザの存続を確実にするため複数の資本増強策を検討中としていると報じられた。 ルフトハンザが政府の公的支援を受けるためには、他に2つの大きなハードルがあった。 EUの欧州員会と株主・株主総会での承認だ。 5月30日、欧州委員会から求めらていた発着枠の放棄について、ルフトハンザはより有利な形で受け入れたと発表した。 6月25日に開催される株主総会を前にして、筆頭株主が公的支援受入反対を表明した。 ルフトハンザ公的支援に筆頭株主が反対「不承認なら法的整理」Reuters Staff2020年6月17日 Reuters 独航空大手ルフトハンザは、90億ユーロ(101億ドル)の公的支援が今月予定する臨時株主総会で承認されなければ、破産申請による資産保全を迫られる可能性があると表明した。 単独筆頭株主のハインツヘルマン・ティーレ氏は、公的支援策を激しく批判、持ち株比率を15%超に引き上げ、代替案の模索を希望すると述べていた。 ルフトハンザは、公的支援について株主投票にかける臨時株主総会を6月25日に開催する。 出席する株主は20日までに登録する必要がある。 出席率が50%を上回れば、単純多数決で決まるが、50%を下回ると議案の承認には3分の2の賛成が必要となる。 取締役会は、臨時株主総会の出席率が50%を下回ると予想。 …(略)… ティーレ氏は、独紙フランクフルター・アルゲマイネとのインタビューで、政府がルフトハンザ株式20%を取得し、監査役会メンバー2人を送り込む支援案に不満を表明。 ― 引用終り― 政府の株式取得比率が増え、監査役会構成員2名まで送り込まれたら、大口個人株主の発言力は低下する。 ルフトハンザグループは、ドイツだけでなく、ベルギー、オーストリア、スイス政府に対しても、緊急融資を求めている。一企業の株主比率に問題を矮小化すると、グループ解体の危機を招く。 ドイツの監査役会は取締役会の上位機関。【ドイツ監査役会】 監査役会は業務の執行に当たる取締役会を監査、監督する。・監査役会構成員は株主総会で選任される。・監査役会構成員は取締役を兼任することはできない。・500人超の従業員を有する株式会社 (AG) では株主総会で選任される監査役会構成員とは別に、従業員代表の監査役会構成員が選任される。・監査役会は,取締役を最長5年の任期で選任する。・取締役会議長を指名することができる。
2020年06月27日
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2020年5月11日、三菱航空機の親会社・三菱重工業は2019年度(2020年3月期)の決算発表会の場で、スペースジェットの開発投資の半減や拠点の整理を含むリストラ、開発・生産スケジュールの大幅な見直しを明らかにした。 日本初の国産ジェット旅客機、三菱リージョナルジェット(MRJ)改め「三菱スペースジェット」の開発は、武漢肺炎の世界的感染拡大でFAAの型式認証をはじめ、遅れの要因が増加している。 開発費は2019年度の約1400億円から半減。 3拠点ある米国拠点のうち2拠点の閉鎖など人員削減も検討する。 企業存続の危機ではないものの、三菱重工業の業績不振は長引きそうだ。 スペースジェットの開発自体の凍結の危機が迫っている。 2020年2月、スペースジェットはかねてより開発の遅れから6回目の納入延期発表した。 そして納入時期は明言しなかった。 納入時期の判定の契機は、FAAの型式認証取得のための数々の設計変更を行った10号機の米国への移送となるはずだった。 その時期は2020年春。 武漢肺炎の感染拡大の真っただ中だった。 スペースジェット M90の型式認証取得に向けた飛行試験は中断。 型式認証を取得したとしても、長引く世界的な移動制限で顧客となるエアライン各社の業績は悪化。 が新しい機体を購入するどころか、存続の危機に陥っている。 果たしてスペースジェットが旅客機として飛べる日は来るのか?
2020年06月17日
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ボーイング797は、737シリーズ最長のMAX10と787シリーズの標準的の787-8とのギャップとの間を埋めるものという位置付け。 航続距離は5000海里(約9260km)程度、座席数は200席から270席程度。 2004年に生産終了となった757より航続距離を長く設定し、LCCで多用されるエアバスA320neo/321neoと真っ向から対抗するモデルとして構想された。 開発の最も大きな課題は、低燃費・低騒音の新エンジンの搭載とされていた。 霞んでゆく新型旅客機「ボーイング797」計画 なぜ開発断念濃厚? その概要や経緯2020.05.02 乗りものニュース編集部 …(略)…ライバル機がデビューするも見直しを余儀なくされた理由 もっとも大きな理由は、ボーイングのロングセラー機である737シリーズの最新モデル、737MAXが相次いで同じ原因と見られる航空事故を起こしてしまったことです。 それらは失速を防ぐ「自動失速防止システム(NCAS)」が誤作動してしまい、パイロットの意に反した挙動をとってしまったことが原因といわれています 先出のランディ・ティンゼスマーケティング担当副社長も、「まずは737MAXの問題を解決したのち『NMA』について検討することになる」としていましたが、結果、737MAXの生産を2020年1月から一時停止することになり、前CEOもその責任を負い交代を余儀なくされるという事態におちいります。 そしてそののち就任したデビッド・カルホーンCEOは早々に、737MAXで問題となった操縦システムを見直す必要性が生じたことや、それまでの市場環境の変化などを理由に「NMA」をいったん白紙に戻す方針を明らかにしています。 そしてこの白紙状態をより深めたのが、2020年2月ごろから世界的に広がった新型コロナウィルスの感染拡大の影響です。 航空業界はこの影響を大きく受け、旅客の需要は大きく減退、カルホーンCEOは、現地時間4月27日(月)に株主総会で、感染拡大以前の航空需要まで戻るには数年の時間が必要であることを現地メディアに明かしています。 これにより一層、737MAXの問題をいち早く解決し、生産や運航を続けることに注力する一方、NMA計画が改めて動き出す見込みはますます薄くなったといえるでしょう。 ― 引用終り ― ボーイング社の最重要課題は、737 MAXの運航再開だった。 2020年になって世界的なコロナ禍で、運行再開とともに企業の存続が大きな課題となった。 対象となるセグメントの市場規模は想定不能となり、新機種投入による市場開拓の優先順位・重要度は低下した。
2020年06月17日
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武漢肺炎の感染拡大防止で3密を避けることが重視されている。 旅客機の客室の「密」、換気の状況の記事があった。 一般的なビルの換気頻度が1時間につき4~10回に対し、旅客機の客室は20~30回と相当頻度が高い。 航空機の技術とメカニズムの裏側 第225回航空機における新型コロナウイルスの影響(1)換気のあれこれ井上孝司(テクニカルライター)マイナビニュース 2020年5月19日 …(略)…○毎分20~30回の換気 空調・換気に関するアナウンスの趣旨は「機内の空気は2~3分ごとにすべて入れ替わっております」と「高性能フィルターを設置しております」といったところがメイン。 そこで「もうちょっと具体的な話はないものか」と考えて調べ回ってみたら、なぜか英国議会のWebサイトで「ボーイングがまとめた覚書」なるものが見つかった。 2007年に掲載されたものだが、基本的なところは今も変わっていないだろう。 その覚書によると、機内換気の頻度(ventilation rate)は1時間につき20~30回。 これはまさに、機内アナウンスにある「2~3分ごとに入れ替わる」と符合する。 2分ごとなら30回、3分ごとなら20回だ。 …(略)… このほか、「787では燃費低減の一環として、乗客の乗り具合に応じて換気の頻度を調整している」との記述もあった。 なお、787は従来のようにエンジン抽気を使わず、独立した空気圧縮機を用意している点に特徴がある。○高性能フィルターは再循環の際に用いられる では、もう1つのアナウンス要素「高性能フィルター」とは何か。 これはいわゆるHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターのことである。 HEPAフィルターは、直径0.3ミクロンの粒子のうち99.97%を捕獲できる。 それにより、機内空調換気系統を通じたウィルスやバクテリアの拡散を阻止する効果につながる。 飛行機の空調系統で使用しているHEPAフィルターは消耗品だから、定期的に交換されている。 …(略)… 昔の機体では単純に、外気の供給と機内からの排出を行うだけだったが、今の主流は一部の空気を再循環させる方式。 つまり、排出した空気の一部を新鮮外気の系統に送り返して、混合した状態で機内に送り出している。 こうすることで空調負荷を軽減できるし、機内を出入りする空気の流量を増やす効果もある。 …(略)… NIH(米・国立衛生学研究所)のレポートでは、HEPAフィルターの交換頻度について「C整備と呼ばれる整備(4,000~12,000飛行時間ごとに実施)の際に交換するのが一般的」と述べていた。 ― 引用終り ― 「密閉」されている客室、コックピット、ギャレー、ラバトリーの換気は、問題ないらしい。 搭乗料金に大きく影響するが、座席間隔を離せば「密集」も解決できる。 接客方法を変更すれば「密接」もある程度解決可能。【最大の課題】 パンデミックの観点での航空機移動の最大の問題は、短時間で長距離移動すること。 症状が重篤でも発症前に移動が完了する。 感染拡大防止で、入国から2週間の足止めするのは、まっとうな措置。 武漢肺炎の感染が収束傾向になった後も、航空会社、航空機製造産業の苦境は続くと考えられる。
2020年06月06日
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ドイツのベルリン・テーゲル空港は、首都ベルリンにある国際空港。 テーゲル空港は1948年に東西対立激化による「ベルリン封鎖」に対抗するため建設された。 2017年の年間旅客数は約2050万人。 ベルリン・ブランデンブルク国際空港が開港する2020年10月に閉鎖される予定だったが、利用の激減により6月に閉鎖・廃港される予定となった。 【ベルリン封鎖】 ベルリン封鎖は西ベルリンを管理する米英仏(西側)と、東ベルリンを管理するソ連(東側)との対立から始まった。 4月、ソ連軍政当局は西ベルリンへ向かう人員や貨物について検問を実施。 西ベルリンへの物資搬入が制限された。 5月、ソ連が6月24日から東側占領領域において通貨改革を実施することを宣言。 対抗して西側は6月20日より西側領域で通貨改革の実施を宣言。 米国のマーシャルプランに保障される西側の通貨価値が高まり、東側の通貨改革は失敗した。 反発を強めたソ連は、6月24日より西ベルリンへの陸路を完全封鎖した。 西ドイツと往来する4本の鉄道は閉鎖。 西ベルリンと東ベルリンとの地下鉄は運休。 エルベ川と運河を経由した舟運は停止。 西ドイツとの間を結んでいた4本のアウトバーンは閉鎖。 国境の検問所にバリケードを設置し、物流の停止をはかった。 さらに東側占領地域からの西ベルリンへの電力供給を停止。 ソ連はベルリンの兵糧攻めによる不満を政治宣伝により社会主義勢力の増加へと導き、西ベルリンの社会主義化を目論んだ。 【ベルリン大空輸(Berlin Airlift)】 西ベルリンが物資の補給で利用できるのは、米英仏が利用できる3本の空路、「ベルリン回廊」。 民主主義の象徴として西ベルリン市民200万人の生活、生命を維持するため、不可能と思われた世紀の空輸作戦「ベルリン大空輸」が6月26日に始まった。 米英を中心とする連合国は、米空軍のカーチス・ルメイ戦略空軍司令官を中心に立案された空前の物資空輸作戦を実施することとなった。 市民生活の維持に必要な物資の最低量は、1日4,500 tと設定された。 空港発着の物理的制限のため、各国から大型の輸送機が集められ「ベルリン大空輸」が展開された。 空輸された援助物資は、西ベルリンにあるテンペルホーフ空港とガトウ 空港に到着した。 2カ所では輸送量が不足することが見込まれ、急遽新空港の建設に着手。 49日間で滑走路が建設され、12月7日にテーゲル空港が開港された。 当時ヨーロッパ最長の2,400mの滑走路が建設され、約2年間に27万回の物資空輸が行われた。 物流体制の構築、パイロット育成などを含む空輸体制が完成し、1949年1月には月間輸送量171,690 t、1日平均5,540 tとなった。 1849年4月16日、1日のフライト回数1,398回、空輸量12,940 tの作戦期間中で最大を記録した。 空輸作戦が成功し、1949年5月12日にソ連による封鎖は解除された。 西ベルリン市民の生活の安定のために封鎖解除後も空輸作戦は続けられ、公式には1949年9月30日に終了した。 1948年6月26日から1949年9月30日までの総飛行回数は278,228回、空輸物資量は2,326,406 t。 【ベルリンの壁】 東西に分かれた連合国は東西双方がドイツの統一を断念。 1949年5月、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)が、10月、ドイツ民主共和国(東ドイツ)が建国された。 自国民の西ベルリンへの人口流出を阻止するため、1961年8月13日、東ドイツはベルリンの壁を建設。 東西ベルリン間48キロを含む西ベルリンと東ドイツとが接する分割境界線155キロあまりの境界線の通行を遮断。 西ベルリンの境界線から東ドイツ領内に入った地点に有刺鉄線を張りめぐらせた。 後に巨大な壁を建設され、東ベルリンと西ベルリンとは分断された。 1989年11月9日に東ドイツ政府報道官の不用意に「ベルリンの壁を含むすべての国境検問所から出国が認められる」と発言により、押し寄せた東ベルリン市民で国境検問所が開放され、なし崩し的に無効となった。 やがて壁そのものが撤去され、「ベルリンの壁」は崩壊した。 1990年には、自由選挙で西ドイツとの統一を主張する勢力が勝利を収めた。 7月に通貨統合。 10月3日、西ドイツに併合される形で統一ドイツが成立。 東ドイツとドイツ社会主義統一党 (SED) とシュタージ(国家保安省)による強権と抑圧による圧政が消滅した。
2020年05月30日
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武漢肺炎感染拡大で経営悪化に拍車が掛かったタイ国際航空が、破産法に基づく会社更生手続きにより再建を目指すことになった。 新型コロナ禍初のナショナルフラッグキャリア(政府系航空大手)の経営破綻。 負債総額は1兆100億円とされる。 タイ国際航空、経営破綻政府が閣議決定2020年5月19日 TRAICY タイ国際航空は、政府の閣議で改革案が承認されたとして声明を発表した。 裁判所に破産法に基づき、会社更生手続きを申し立て、事業を継続した上で経営再建を目指す。 当初は政府保証の融資による救済が見込まれていた。 チャクリット・パラプンタクル氏は、「タイ国際航空は危機的状況からの脱却に向けて全力を尽くします。これは、より強く、より持続可能な企業になるための重要な一歩です。」として、新型コロナウイルスの感染拡大が終息後、運航を再開する意向を示した。 ― 引用終り ― 当初、政府は運転資金注入による存続をはかろうとしたが、国民からの批判が噴出し、会社更生手続きによる法的処理となった。 タイ政府は新規感染者の減少に伴い、5月3日、規制緩和第一弾としてレストランの店内飲食や理髪店の営業を緩和。 感染状況を勘案し、2週間ごとに再開対象を見直す。 5月15日、百貨店やショッピングモールなど大型商業施設の営業再開を17日から認めると発表。 図書館、美術館などの公共施設の開館も許可する。 夜間外出禁止の対象時間も1時間短縮する。
2020年05月29日
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2020年3月の通期業績予想で、日本航空は最終利益を930億円から530億円に下方修正した。 全日空も最終利益は940億円の予想から270億円にとどまると大幅に下方修正した。 世界の航空業界では、大幅な利益の減少はさして注目されず、顧客の蒸発による急激な売上減・運転資金の枯渇による経営危機が次々と話題になっている。 米国民は政府による企業支援に批判的だが、この度の危機に米政府はいち早く大手航空会社の支援を決定した。 米航空、政府支援で合意アメリカン航空など1兆円超2020/4/15 日本経済新聞 …(略)… 企業の経営破綻回避や雇用の維持を狙い政府支援策が本格的に動き出す。 アメリカンは14日、従業員の給与向けに58億ドルの支援を受けると発表した。 41億ドルは返済義務のない補助金で、17億ドルは低金利の融資となる。 9月30日まで従業員の解雇や給与削減をしないほか、配当や役員報酬の制限などが条件になる。 これとは別に47億5000万ドルの融資も申請する方針で、支援総額は100億ドルを超える可能性がある。 新株予約権(ワラント)を米政府が取得することなどが融資の条件となる見通しだ。 デルタ航空やサウスウエスト航空も同日、政府支援を受けると発表した。 デルタ航空の支援額は54億ドルで、うち16億ドルは期限が10年の無担保の低利融資。 デルタは1%に相当する新株予約権を財務省に発行する。 航空会社は過度な政府介入を警戒しており、融資の条件などが焦点となっていた。 最終的に支援先はアラスカ航空などを含む10社に広がる見通し。 ― 引用終り ― 5月12日、ボーイングのデービッド・カルフーンCEOは、新型コロナウイルスの感染拡大で航空機の利用が敬遠され、米国の大手航空会社のいずれかが経営破綻する可能性が高いと述べた。 大手の航空会社が減ると航空関連の雇用の他、航空機自体の重要が減り、重要な輸出産業であり安全保障を担う航空宇宙産業に与える影響も大きく、米国政府は支援を急いだとみられる。 4月21日、オーストラリア航空2位のヴァージン・オーストラリアは、政府の支援を得られず経営破綻した。 5月5日、英ヴァージン・アトランティック航空は、従業員の約3分の1にあたる3150人を解雇すると発表した。 英国では、最大手ブリティッシュ・エアウェイズが最大1万2000人、LCC最大手のライアンエアー・ホールディングスが最大3000人の削減策をそれぞれ表明している。 5月4日、欧州委員会は、フランス政府によるエールフランスKLMへの70億ユーロ(約76億60000万ドル)の支援を承認した。 5月25日、ドイツ航空大手のルフトハンザは、ドイツ政府から総額90億ユーロ(約1兆560億円)の公的支援を受けると発表した。政府が20%を出資し、経営に一定の影響力を持つ。 韓国産業銀行は、4月24日、大韓航空とアシアナ航空の2社に計2兆9000億ウォン(約2500億円)を金融支援すると発表した。 コロナ禍の前から BOYCOTT JAPAN による著しい業績低下で売却手続きを進めてきたアシアナ航空は、4月に実行されるはずだったHDC現代産業開発による買収手続きが済んでおらず、2行から1兆7000億ウォンの融資を受けていた。 韓国には国際線を運航するLCCが6社ある。 大手2社以上に財務基盤の脆弱な韓国LCCは、会社存続の危機に陥っている。 5月25日、既に法的整理が決まったタイ国際航空は、筆頭株主のタイ財務省が株式を一部売却し、同社を国営企業から除外したと発表した。 法的な国営企業ではなくなったタイ航空は、中央破産裁判所に破産法に基づく会社更生手続きを申請する方針。 5月26日、中南米最大の航空会社ラタム航空は、米国で破産申請を行ったと発表。 ロベルト・アルボCEOは「米国の連邦破産法第11条に基づき、ラタム航空およびチリ、ペルー、エクアドル、コロンビアの関連会社が自主再建の手続きに入った」と発表した。 同じく5月26日、IATA(国際航空運送協会)が、世界の航空業界はコロナ危機収束後も、政府や民間部門から受けた多額融資の返済負担により、財務状況が厳しくなるとの見方示した。 IATAによると、各国政府の航空業界に対する1230億ドル規模の支援表明により、世界の航空業界の債務は年末までに25%超増加し5500億ドルに達する見通し。 投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイは、5月2日に年次株主総会を開催。 バフェット氏は新型コロナウイルスの感染拡大によって「世界が変わる」として、保有していた米航空株を全て売却したと明かした。 米国だけでなく世界の航空会社が、同時に先行きの読めない未曽有の地殻変動に直面している。
2020年05月29日
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2020年5月11日、三菱重工業は2020年3月期通期の連結決算を発表。 事業損益が295億円の赤字(19年3月期は2005億円の黒字)。 2000年3月期以来の赤字となった。 売上収益は2019年3月期比0.9%減の4兆413億円。 純利益は21.0%減の871億円。 三菱重工、20年ぶり赤字前期、税引き前損益2020/5/11 日本経済新聞 三菱重工業の業績が悪化している。 11日発表した2020年3月期の連結税引き前損益(国際会計基準)は326億円の赤字(前の期は1950億円の黒字)だった。 赤字は海外プラントの損失が膨らんだ00年3月期以来20年ぶり。 自社開発のジェット旅客機「スペースジェット」事業で1200億円強の減損を計上したほか、主力事業の民間航空機や自動車向け部品が振るわなかった。 航空機向け部品は、民間機事業で最大の顧客である米ボーイングの影響が大きい。同社は新型機の墜落や新型コロナウイルスによる工場の休止を受け、大幅な減産に踏み切った。 納品する三菱重工も名古屋の工場の操業を休止している。 自動車部品では貿易摩擦などの影響で完成車の生産が減り、ターボチャージャーやカーエアコンなどの販売が減った。 今年に入ってからは新型コロナの影響による生産停止が追い打ちとなった。 スペースジェット事業では減損や開発費で2633億円の損失を計上した。 事業の価値はゼロまで引き下げた。 純利益は前の期比21%減の871億円。 繰り延べ税金資産が膨らんだ。 売上高にあたる売上収益は前の期比1%減の4兆413億円だった。 原子力や火力発電向けボイラーなどは堅調で、ほぼ横ばいだった。 ― 引用終り ― 2021年3月期通期の業績予想は、事業利益と純利益はゼロを見込んでいる。 重工業取巻く厳しい環境、長引きそうな武漢肺炎の影響を考えると、収支トントンにするんだという勇ましい経営陣の「決意表明」らしい。
2020年05月19日
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三菱重工業は2019年6月25日、カナダのボンバルディアからリージョナルジェット機「CRJ」の事業を取得する契約を結んだと発表した。 三菱重工はCRJシリーズに関する保守やカスタマーサポート、改修、マーケティング、販売機能、型式証明を、この契約で継承する。 子会社の三菱航空機が開発する「三菱スペースジェット(Mitsubishi SpaceJet、旧MRJ)」の整備やサポート体制構築に役立て、三菱重工の北米での航空機事業の拡大につなげることが目的。 三菱重工は5億5000万米ドルを支払うとともに、約2億米ドルの債務を引き受け、2020年6月1日に取得が完了する。 三菱重ボンバルディアの事業取得に関連し最大700億円を減損処理へReuters Staff2020年5月7日 ロイター 三菱重工業(7011.T)は7日、カナダの重工大手ボンバルディア(BBDb.TO)の小型ジェット旅客機「CRJ」事業の取得に関連して、2021年3月期連結決算で500億ー700億円を減損処理する見込みだと発表した。 一部事業に配分するのれんなどについて、将来キャッシュフローの見積もりが現段階で困難であるためと説明している。 ― 引用終り ― 原発事業、豪華客船事業の強行推進による巨額損失以来、三菱重工の不幸は続く。 リスクが多いと言われたCRJ事業がコロナ禍に襲われた。 旅客機事業の新規参入の市場環境はさらに厳しくなっている。 国産・三菱スペースジェットが就役する日は、さらにさらに遠のいた感が強い。
2020年05月19日
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中国との交易断絶、日本との縁切り「Boycott Japan」に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大が韓国の旅行業界の致命傷となった。 生き残りに必死の韓国航空業界ソウルチェジュ線300円乗客に消毒液提供も―中国メディアRecord China 2020年4月25日 中国中央テレビの財経チャンネルは21日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)への投稿で、新型コロナウイルスの感染拡大に関連し、「韓国の航空業界は生き残りのために戦っている」とする記事を配信した。 記事はまず、「新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、韓国の格安航空会社(LCC)の国際路線はほぼすべてが中断されている。 各社は国内路線を増やして生き残りを図り、激しい価格競争が始まっている」とした。 そして、「フライトは5〜15分間隔で、同じ時間に複数の便が同じ目的地へと向かうケースもある。路線バスの時刻表を見ているような感覚になる」「この1カ月余りでソウルの金浦空港から釜山への便数は数百便増加し、計1000便に迫ろうとしている」「ソウルから釜山間の高速鉄道KTXの片道運賃は5万9800ウォン(約5200円)だが、飛行機で釜山へ向かう場合、最安で86人民元(約1300円)だ」「ソウルからチェジュ島までの航空路線の片道料金はわずか約22人民元(約334円)だ。チェジュ航空はさらに国内すべての路線の乗客に手・指の消毒液を提供している」などと伝えた。 ― 引用終り ― 新型コロナウイルスの感染拡大で韓国の旅行業界は壊滅しようとしてる。 韓国は世界の旅行業界の最先端をすすんでいる。 コロナ禍、韓国の旅行業界にも壊滅的打撃253社が廃業、バス運転手には退職勧告Record China 2020年5月2日 新型コロナウイルスの感染拡大は韓国の旅行業界にも壊滅的な打撃を与えている。 ハンギョレ新聞はコロナ衝撃波を真っ先に受け、旅行会社253社が廃業したほか、観光ガイドは仕事がなくなってアルバイトを余儀なくされ、観光バスの運転手は会社から退職を勧告されたなどと伝えた。 ― 引用終り ―
2020年05月09日
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2019年まで、LCCの台頭で世界的にパイロットの不足が懸念されていた。 武漢肺炎の感染拡大で状況は一変。 2020年4月30日、英国・ブリティッシュ・エアウェイズが、航空需要の急速な減少による経費削減の一環として、パイロットの4分の1の整理と従業員約3万6000人の一時帰休を実施する方針が報じられた。 ドイツ・ルフトハンザ とフランス・エールフランスKLM は、政府の救済策の決定まで人員削減の判断を先送りしている。 BA、パイロット1130人解雇へ乗務員大幅削減も検討ロイター 2020年5月1日 インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG) 傘下の英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を切り抜けるための経費削減の一環として、パイロットの4分の1を整理する方針だ。 BAが労組に送付した28日付の書簡をロイターが確認した。 BAは書簡で、機長と副操縦士合わせて4346人のうち1130人の解雇を検討していることを労組の英航空操縦士協会(BALPA)に通知した。 客室乗務員1万6500人のうち「相当数」の人員削減も検討している。 BAの航空業務責任者は「短期間で状況はかなり悪化している。航空機乗客の需要が改善する明白な兆しは見られない」と述べた。 ― 引用終り ― 5月5日、英ヴァージン・アトランティック航空は、従業員3,150人を削減すると発表。 4月25日、米財務省は、武漢肺炎の感染拡大で打撃を受けている航空業界向けの給与補助として、95億ドルを追加支給したと発表した。 これまでの支給額の合計は124億ドルで対象は大手の航空会社10社と中小83社。 4月30日発表の米・アメリカン航空グループ の2020年第1・四半期決算は22億ドルの赤字、米・ユナイテッド航空の2020年第1・四半期決算は、17億4000万ドルの赤字。 4月28日発表のANAホールディングスの2020年1-3月期(第4四半期)決算は、売上高が前年同期比20.0%減の3920億5000万円。 営業損益は588億5000万円の赤字、経常損益は631億7700万円の赤字、純損益は587億9100万円の赤字。 4月30日発表のJALの2020年1-3月期(第4四半期)決算は、売上高が前年同期比21.3%減の2803億円。 営業損益は195億円の赤字、経常損益は192億円の赤字、純損益は229億円の赤字。 【NO JAPAN】 Boycott Japanで業績が急低下していた韓国の航空業界はより深刻。 4月3日、韓国航空協会は、「航空産業生存のための要請文」で「国内航空産業基盤が崩壊していて、84万人の航空産業や関連産業従事者が雇用不安危機に直面している」とした。 4月16日、韓国・大韓航空は、従業員の70%(約13,000~14,000名)を一時帰休(4月16日から6か月間)とする方針を明らかにした。 大韓航空の負債比率871%で政府などの救済策なしには破綻状態。 韓国・アシアナ航空の負債額は11兆8,000億ウォン(約1兆円)で、日々増大してく。 4月下旬、イタリアのパトゥアネッリ産業相は、アリタリア航空の完全国有化を正式表明した。 ポルトガルのコスタ首相もTAPポルトガル航空について「国有化の可能性を排除しない。不可欠な企業を失うリスクは取らない」と明言した。 フランスのルメール経済・財務相は、エールフランスなどを「必要なら国有化する」とし、70億ユーロ(約8100億円)の政府支援を決めた。 米国は航空会社を補助金や低利融資で支援。 ナショナルフラッグを中心に世界の航空会社は国有化の動きが活発。 身売りして中国化やアラブ化するのは避けたいところだろう。
2020年05月09日
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4月24日、欧州・エアバスのギヨム・フォーリCEOは13万5000人の従業員に宛てた書簡で「前例のないペースでキャッシュが流出している」と指摘。 現在実施している生産縮小には最悪のシナリオが反映されておらず、引き続き見直しを行っているとした。 そして、新型コロナウイルスによる影響で一段の人員削減が必要になる可能性があるとし、早急に対応しなければ事業の存続が危ぶまれる恐れがあるとの認識を示した。 危急存亡の危機を想像せず、無駄に楽観的なCEOのもと、労働者は生活を大きく左右(下降)させられる。 エアバスの2019年通期決算は赤字和解費用が響くReuters Staff2020年2月13日 ロイター 欧州の航空機大手エアバス(AIR.PA)が13日発表した2019年の通期決算は、純損益が133億6200万ユーロ(14億8000万ドル)の赤字に転落した。 汚職疑惑を巡り、英米仏の検察当局と40億ドルの和解金の支払いで合意したことが響く。 一方、エアバスは2020年に営業利益を増やし、商用ジェット機880機の納入を目指すと表明した。 …(略)… ギョーム・フォーリー最高経営責任者(CEO)はエアバスの業績について「主に商用機の納入がけん引し、基礎的に強い」とのコメントを発表。 エアバスグループが2020年に業務効率やコストの改善に注力するとともに「企業文化を強化する」方針も明らかにした。 新型コロナウイルスの感染拡大について、エアバスは大きな影響を受けることはないとの見通しを示した。 ― 引用終り ― 2月には買手である航空会社の業績が大きく低下しつつあったにも関わらず、感染拡大で自社の業績が「大きく影響を受けることはない」と見通すのは、部外者の視点に等しい。 エアバス業績予想と配当提案を撤回-新型コロナ感染拡大でBenedikt Kammel2020年3月23日 Bloomberg 欧州の航空機メーカー、エアバスは23日、2020年の業績予想と2019年分の配当提案を撤回すると発表した。 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による影響が航空業界を直撃する中、流動性強化の一環として措置を講じる。 ― 引用終り ― 一般紙誌で航空会社の存続の危機が叫ばれるようになった3月になり、業績予想を撤回。 2020年4月に入り、キャッシュの流出を食い止めるため、エアバスはナローボディのジェット機の生産を3分の1縮小し、1カ月当たり40機にすると発表した。 より大型のジェット機についても生産目標を引き下げている。 最大42%の生産縮小が行われているとみられている。 この後、冒頭の人員削減予告に繋がる。 ボーイングは4月2日、武漢肺炎の影響による航空機需要の減少に備え従業員の希望退職を募集すると発表した。 エアバス社経営の指示・実行は早いが、経営判断は遅い。
2020年05月08日
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2019年2月14日、エアバスは世界最大の旅客機『A380』の生産終了を発表した。最後の機体は2021年にエミレーツ航空に引き渡される予定。 A380の生産終了に伴い、エアバスのラインナップから4発旅客機はなくなる。 2005年に初飛行したA380型機は、総数で274機を生産する予定。 双発の次世代機が2020年3月に型式証明を取得した。 A330-800、型式証明を取得2020年2月13日AIRBUS公式サイト型式証明を取得したA330-800 A330-800が欧州航空安全庁(EASA)と米連邦航空局(FAA)より型式証明を取得しました。 型式証明の飛行テストプログラムを実施したA330-800 MSN1888は、2018年11月の初飛行から飛行回数132回、370時間の飛行テストを完了しました。 A330-800は新世代機A330neoファミリーの1機種です。 最も効率的な長距離ワイドボディ機で、ロールス・ロイス社製「Trent 7000」エンジンを装備します。 最適化した主翼と軽量な複合材を使用したシャークレットを備えます。 これにより、同サイズの旧世代競合機と比べ、燃費を25%大幅に削減します。 航続距離7,500海里、最大離陸重量242トンで型式証明を取得したA330-800は、標準で3クラス制の220席から260席を装備します。 モノクラス仕様では406席を装備します。 これまでにA330neoファミリー全体で22社から337機の受注を獲得しています。 A330-800は受賞デザインの革新的客室Airspaceを装備し、最高レベルの快適性を提供します。 大型の頭上手荷物棚、最先端ムードライティングを備え、最新機内エンターテインメントシステム、ネット接続環境を完備します。 A330neoファミリーはより大型のA350 XWBと共通タイプレーティングを備え、訓練コストを最小限に抑え、パイロットの生産性を最大化します。 また、整備において、「スカイワイズ」を活用して不具合などの事前予測を補助し、生産性を最大限確保することが可能です。 ― 引用終り ― 航空業界の市場環は、境武漢肺炎の世界的感染拡大で大いに冷え込み、新型機を出すには実に相応しくない。
2020年05月08日
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4月25日、米ボーイングはブラジルのエンブラエルとの事業統合を中止すると発表。 2018年にボーイングがエンブラエルの商用機部門を傘下に収めることで合意していた。 ボーイング737MAXシリーズの飛行停止が続き、さらに新型コロナウイルスの影響で業績が悪化するボーイングが条件見直しを要求し交渉がご破算となったとみられる。 ボーイングとエンブラエル民間機事業の統合中止By Tadayuki YOSHIKAWA2020年4月26日 Aviation Wire ボーイングとエンブラエルは現地時間4月25日(日本時間25日夜)、計画していた民間機事業の統合を中止すると発表した。 2017年12月ごろから2年以上交渉を続けてきたが、基本合意の期限である24日までに交渉がまとまらなかった。 計画では、民間機事業の新会社「Boeing Brasil – Commercial(ボーイング・ブラジル-コマーシャル)」の株式をボーイングが80%、残り20%をエンブラエルが保有。 欧州を除く規制当局から承認を得ていたが、エアバスを擁する欧州では長期化していた。 また、中国から拡散した新型コロナウイルスや、2度にわたる737 MAXの墜落事故への対応などで、ボーイングの財務状況が悪化していることも影響したとみられる。 両社は「過去数カ月間、我々は建設的な交渉を進めてきたが、最終的には満足出来ない条件に関する交渉は失敗に終わった。 現在の枠組みで交渉を続けても、未解決の問題を解決出来ない」との声明を発表した。 ― 引用終り ― ボーイングのエアバスに対抗して小型旅客機にまでラインナップを広げる戦略は破綻した。 旅客機製造事業は存続の危機なので、中長期戦略の断念は当然。 ボーイングは「2年以上にわたり交渉を行ったが、契約条件が満たされず、交渉は失敗に終わった」と発表。 エンブラエルは「ボーイングは買収価格の支払いを回避するため不当に交渉を打ち切った」と発表。 エンブラエルが民間航空機部門の売却交渉を始めた理由は「単独で生き残ることは困難であると判断したため」。 取り巻く環境からエンブラエルの主張が事実に近いと考えられる。
2020年05月07日
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中国商用飛行機(COMAC)のC919の開発が加速する。 中国では開発が困難なエンジンについて、米国による供給規制が立ち消えになったため。 その開発について、中国国家安全部がC919の開発のために、海外の複数のハイテク企業に対してハッキングを主導し、知的財産権と機密情報を盗んだと、米サイバーセキュリティであるクラウドストライク社が2019年10月に調査報告書を公開した。 中国、国産ジェット機開発加速か米供給規制立ち消えで2020年3月30日 共同通信 中国メディアは30日までに、中国国産の中型ジェット旅客機「C919」の開発が加速していると報じた。 トランプ米大統領が安全保障よりビジネスを優先させ、米国製エンジンの対中供給規制が立ち消えになったことも追い風になっているもようだ。 C919は国有企業、中国商用飛行機(上海市)が手掛ける。 中国メディアによると、5日に江西省南昌で試験飛行を再開した。 さらに山東省でもエンジン性能に関わるテストに成功。 「次のステップに向けた作業があらゆる面で加速した」(ニュースサイト新浪網) 2017年に初飛行にこぎ着けたC919は、米GE製のエンジンを採用した。 ― 引用終り ― ARJ21 2020年3月2日午後、C919の第105号機が江西省南昌市の瑤湖空港で走行試験を行った。 一連の試験の幕開け。 中国の武漢肺炎からの立ち直りは早い。 旅客機を世界の市場で販売するためには、FAAの型式認証を得るために米英のエンジンの採用が必須となっている。 アメリカ・ファーストのトランプ大統領は、世界的な販売不振に供給規制を諦めた。 強気の商売が成り立たない環境と認識し、商売人らしく、方針を素早く変えている。
2020年04月11日
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沖縄の那覇空港は、民間機と自衛隊機が共同で使用している。 観光需要の高まりから、那覇空港の発着回数が年々増加し、2008年、国土交通省は滑走路の増設の方針を固めた。 2012年9月、滑走路増設事業の環境影響評価準備書が提出された。 那覇空港は、2016年度の民間機のほか自衛隊機も含めた那覇空港(沖縄県那覇市)への着陸回数が、前年度比 5.7%増の 8万3189回となり、年間 8万回台に突入。 滑走路の使用状況は、10年前(2006年)の 5万9409回に比べ 1.4倍になった。 年々伸びる需要に応えるため、2020年3月供用を目途に第二滑走路建設が計画された。 並行滑走路の増設工事は2014年1月着工。 2019年12月に竣工した。 那覇空港第二滑走路を2020年3月26日から供用開始編集部:稲葉隆司2019年11月26日 2020年3月26日 供用開始 那覇空港の「第二滑走路」は2020年3月26日から供用開始する。 国土交通省は11月26日、那覇空港で整備を進めている「第二滑走路」を2020年3月26日から供用開始すると発表した。また、新管制塔は1月15日から運用を開始する。 ターミナル機能強化も進めており、2020年7月ごろにはCIQ(Customs:税関、Immigration:出入国管理、Quarantine:検疫)施設が拡張される予定だ。 第二滑走路は全長2700m(第一滑走路は全長3000m)で、これにより那覇空港の滑走路処理容量は年間13.5万回から24万回に増える見込み。 ― 引用終り ― 沖縄本島中部には東京の品川区にほぼ匹敵する面積で、3,700mの滑走路2本を有する嘉手納飛行場があるが、米国空軍の嘉手納基地のため、民間転用は考えられない。
2020年04月10日
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新型コロナウイルスの感染拡大で、航空会社の経営は大きな打撃を受けている。 世界各地で人の移動が制限されて国際線が大幅な減便。 外出自粛、団体旅行の停止などの影響で国内便も低調。 航空会社には、減便では減らすことができない、高価な機体のリース料をはじめとする巨額の固定費の支出がある。 このため、各国の航空会社で、手元資金の確保が切実な課題になっている。 日本では、インバウンド、アウトバウンドの増加と東京オリンピックの輸送客増を見込んで、2019年、全日本空輸(ANA)が巨大で高価な旅客機エアバスA380を2機、ハワイ路線に投入。 東京オリンピック2020を目前に控えた6月から、3機体制にして輸送力をさらに増強する予定だった。 武漢肺炎の世界的感染の拡大でこの目論見は大きく狂った。 ANAは2020年4月に予定していた欧州エアバスA380の導入を、半年程度延期する方針を固めた。 半年……。 ANAのA380導入には複雑な経緯があった。 日本で初めてのA380導入は、2011年のスカイマーク(SKY/BC)の発注決定。 しかし、経営危機にあったスカイマークの支払いは2014年4月から滞り、7月29日にエアバスが契約解除を通告。 2015年1月28日、スカイマークは経営破綻。 2015年8月5日、ANAホールディングスの下でのスカイマーク再建が決まった。 大口債権者4社のうち、エアバスとロールス・ロイス(A380のエンジン供給)、米リース会社のCITが、ANAホールディングスや政策投資銀行(DBJ)などが支援するスカイマーク側の計画案を支持したため。 ANAがスカイマーク再建に関与していなければ、A380導入という機材計画は打ち出されていなかったとされる。 スカイマークが導入に失敗したA380を、ANAが導入することがエアバスの再建策支持の決め手となったと噂された。
2020年04月10日
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米国では武漢肺炎の感染が急速に拡大。 米国経済は機能不全に陥りつつある。 3月17日トランプ政権は、株価水準の下落対策のため、総額1兆ドル(約107兆円)の景気刺激策の検討に入った。 国民に小切手を直接送るなどの現金給付を盛り込む考え。 ボーイングなど米航空関連企業への支援策が決まった。 トランプ氏「ボーイング支援」資金繰り懸念で株急落2020/3/18 日本経済新聞【ニューヨーク=中山修志】 トランプ米大統領は17日、航空機大手ボーイングへの経営支援を表明した。 小型機「737MAX」の停止による業績悪化に新型コロナウイルスの影響が重なり、資金繰りを懸念する見方が出ていた。 ボーイングは取引先の部品メーカー向けも合わせて6兆円規模の資金支援を政府と金融機関に要請したことを明らかにした。 株価は1カ月で約6割急落しており、市場の不信を払拭できるかは不透明だ。 トランプ大統領は総合的な経済対策を表明した17日の会見で「ボーイングを助けなければならない」と明言した。 ボーイングは17日夕に改めて声明を公表し、「米国最大の輸出産業である航空機業界への大統領の支援に感謝する」とコメント。 政府の資金援助や民間金融機関への債務保証を含めて、同社と取引先の部品メーカーなどのサプライチェーン(供給網)全体に600億ドル以上の支援を要請したことを明らかにした。 ボーイングは2度の墜落事故を起こした737MAXの運航停止が3月で1年に及ぶ。 2月下旬まで300ドルを超えていた株価はコロナ問題の拡大とともに下げ足を速め、足元120ドル台と4年ぶりの低水準にある。 この間に737MAXの大量キャンセルが発生し2月の商用機の純受注がマイナスになったほか、1月に確保したばかりの138億ドル(約1兆5000億円)の融資枠を使い切ったことも明らかになった。 新規雇用の凍結も伝わり、資金繰りへの懸念が急速に広まった。 ― 引用終り ― 737MAXの連続墜落事故(2018年10月、2019年3月)以来、ボーイングは再浮上の機会がない。 2019年6月4日、社会運動家のラルフ・ネーダー氏は、737MAXが1960年代に設計した機体に改良を加えたものであるとしたうえで、ソフトウェアの問題ではなくエンジンの大型化に伴う構造上の設計不備が問題であると指摘。 ボーイングの幹部の辞任を求め、「絶対に二度と運航してはならない」と恒久的な運航停止を主張した。 2020年1月、757の後継機(797?)計画を白紙化し、再検討することが発表された。 FAA(連邦航空局)が飛行停止措置を解除しない限り、世界中で737MAXは飛行停止が続く。 米国は大統領の再選と安全保障の観点から、数多くの軍用機を手がけるボーイングを破綻させるわけにはいかない。 あとは議会の承認が得られるかどうかだ。
2020年03月29日
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2020年3月12日、米国は武漢肺炎の感染が拡大していることから、英国以外の欧州からの渡航を30日間停止する決定をした。 この決定により、米国だけではなく世界各国の航空各社の経営がさらなる危機を迎えた。 トランプ大統領は、大西洋の経済の大動脈を断った。 米の欧州からの渡航制限で航空株が急落業績に一段の重しロイター / 2020年3月12日 16時40分 英国以外の欧州からの渡航を30日間停止するとの米政府の決定で、航空各社は一段と業績が圧迫される見通しだ。 特に欧州系航空会社が最も大きな影響を受けるとの指摘があり、アジア市場では航空株の値下がりが顕著となっている。 米国務省が国民に対し海外への渡航の必要性を再考するよう勧告したことと相まって、欧州各地の空港には入国停止措置の発動前に米国への滑り込み入国を試みようとする渡航者が殺到、混乱が生じると予想されている。 入国制限により、欧州からの訪米観光客による消費は激減する見通し。 2018年の統計によると、欧州最大市場であるドイツ、フランス、イタリア、スペインからは580万人が訪米し、支出額は計約220億ドルに上った。 欧州から米国への便は11日に発表された厳格な予防措置のもと、限定的ながら運航しているが、搭乗できるのは米国民と米の永住権保有者など一部に限られる。 米系航空会社はすでにイタリアへの定期便を削減しているが、独仏便へも影響が広がるとみられる。 北米の主要航空会社を代表する業界団体「エアラインズ・フォー・アメリカ」の代表は渡航制限について、航空各社と従業員、旅行者に「非常に大きな」影響があるとしながらも、政府が異例の措置を取る必要性を尊重している、とした。 一方、米国の客室乗務員を代表する労働組合の代表は、渡航制限を「無責任だ」と批判。 「新型コロナウイルスの感染阻止のためにどう有効なのか、何も説明がない。米国での感染が広がっている以上、渡航制限には意味がない」と述べた。 ― 引用終り ― 新たな「アメリカ・ファースト」政策だろうか? 今、全世界の旅行市場は収縮している。 米国の政策は世界の旅行関連市場・産業の収縮を促進した。 トランプ大統領の支持者が喜ぶのだろうか?
2020年03月18日
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2020年1月31日、成田空港会社は、3本目の滑走路を新設する拡張計画の許可を国交省よる得た。 完成は2029年3月31日の予定。 計画は、B滑走路(2500メートル)の1000m延伸と、C滑走路(3500m)の新設。 事業費は5125億円で、旅客ターミナルや貨物取り扱い施設の整備費を含め総額1兆3000億円。 完成後の年間発着回数は現行の30万回から50万回に増加する。 先々のこととはいえ、武漢肺炎の感染拡大で喜びは一転。 乗客が激減、中国以外の地域にも感染が拡大したことから、運休、欠航が続いている。 成田空港閑散案内板に並ぶ「欠航」新型コロナで広がる運休・減便2020年3月8日 毎日新聞 …(略)… 「欠航」の日本語と英語の真っ赤な文字が出発ロビーの案内板に並ぶ。夕方、出発便が最も多い時間帯にもかかわらず、国際線のチェックインカウンターの一部は使われずに閑散としていた。 運休や減便は中国だけでなく、米国や香港、台湾、韓国、モンゴル、タイ、シンガポール、インド、豪州、タヒチなど各国・地域に広がっている。 エルアル・イスラエル航空は11日に予定していた成田―テルアビブ線の開設を4月に延期した。 日本からの渡航者に対し、27カ国・地域が入国制限、63カ国・地域が入国後の行動制限の措置を取った影響は大きい。 旅客が数十人しか乗っていない便もあり、複数の航空関係者は「機内はガラガラ」「旅客の減り方が尋常じゃない。 こんな事態は2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の時以来」と肩を落とす。 旅行を控えるムードが広がり、日本航空と全日空は国内線の予約状況が前年の4割減になっているとして、国内線の減便に踏み切った。 成田発着の国内線では、格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンとピーチ・アビエーション、春秋航空日本が新千歳便の減便を決めた。 日航の藤田直志副社長は2月28日、取材に対し「経営と社員が一緒になって危機を乗り切っていく」と語った。 中国と韓国からの入国者に対し2週間の待機を要請する対策が9日に始まる。 韓国大手の大韓航空とアシアナ航空はソウル便の減便や運休を決め、さらなる影響が懸念される。 ― 引用終り ― 関西国際空港、中部国際空港とて例外のはずもなし。 2月中でも少なかった乗客がさらに、さらに減少。 関空の中国便欠航が65%に拡大10~16日 2020/2/10 日本経済新聞 関西国際空港を運営する関西エアポートは10日、10~16日の1週間で関空を発着する中国便の約65%が欠航する見通しだと発表した。 同期間に計画されていた612便(往復)のうち10日時点で401便が欠航予定という。 4日時点での3~9日の欠航見通しは約4割で、新型肺炎による影響が広がっている。 10日には中国の航空会社に加え、全日本空輸の大連便や格安航空会社のピーチ・アビエーションの上海便なども運休。 日本航空も17日から上海便を減らす。 関空の冬ダイヤ(19年10月末~20年3月末)のうち全体の約4割を中国方面が占める。 ― 引用終り ― 国際線、国内線とも、3月いっぱいは回復することはないだろう。 財務体質の弱いLCCは淘汰される。
2020年03月18日
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ボンバルディアは、1942年に設立された、カナダのケベック州モントリオールを本部とする企業。 鉄道車両や航空機、スノーモービル等の車両製造から運行制御システム等の保安設備などを製造する、重工業を主とする。 鉄道部門は統合により、世界最大の製造設備を保有している。 民間航空機はボーイング、エアバスに次ぐ存在。 そのボンバルディアの航空機部門がエアバスに売却される。 カナダのボンバルディエA220事業から離脱し旅客機から完全撤退2020年2月14日 おたくま経済新聞 / カナダのボンバルディエ(英語読み:ボンバルディア)は2020年2月13日(現地時間)、A220(旧称:ボンバルディエCシリーズ)生産を手がけるエアバス・カナダへの出資分を全てエアバスとケベック州政府に売却し、民間旅客機事業から完全撤退すると発表しました。 カナダのケベック州に本拠を置くボンバルディエは、民間旅客機部門からの撤退を進めており、リージョナルジェット旅客機のCRJ事業を三菱航空機に売却したほか、小型ジェット旅客機のCシリーズも2018年7月にエアバスと提携し、合弁会社のエアバス・カナダを設立するとともに、名称をA220ファミリーへと変更していました。 ― 引用終り ― ボンバルディアCシリーズは「エアバスA220」となる。 エアバスはリージョナルジェットA220から、総2階のA380までの旅客機フルライナップとなる。 2019年6月25日、三菱重工業は、ボンバルディアからリージョナルジェット機「CRJ」の事業を取得する契約を結んだと発表した。 5億5000万米ドル(約590億円)を支払い、さらに約2億米ドルの債務を引き受ける。 三菱重工業は、この契約でCRJシリーズに関する保守やカスタマーサポート、改修、マーケティング、販売機能、型式証明を取得する。 ボンバルディアも投げ出すリージョナルジェット市場で、三菱重工業は収益を上げることができるのだろうか。
2020年02月26日
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737MAXシリーズの飛行停止措置で大打撃を受けているボーイングを、新型肺炎はさらに叩きのめそうとしいている。 ボーイングは737MAXシリーズの飛行再開を年央においているが、急激な旅行客の減少で、飛行再開が許可されても機体はあまり必要とされない。 世界の航空会社1-3月期は売上高40-50億ドル減へ=ICAO2020/02/14 ロイター 国連の国際民間航空機関(ICAO)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うキャンセルの増加で、世界の航空会社の売上高が今年第1・四半期に40億ドル-50億ドル減少する可能性があるとの試算を示した。 ICAOは声明で、キャンセルは規模でも地域的な広がりの面でも2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時を上回っており、航空業界に与える影響もSARSより大きいとみられると指摘した。 ICAOによると、70の航空会社が中国に就航する国際線の運航をすべて停止し、これとは別に50社が減便している。 これにより、中国に就航する国際線の直行便の旅客輸送能力は80%落ち込み、中国の航空会社は40%減少した。 これらの試算には、貨物航空機、空港、航空管制サービス会社、中国の国内線、香港、マカオ、台湾に就航する国際線への影響は含まれていない。 ICAOはまた、中国人旅行客の落ち込みにより、第1・四半期に日本の観光産業の売上高12億9000万ドルが失われ、タイでは11億5000万ドルが失われると予想した。 ― 引用終り ― 2月14日、米ユナイテッド航空は、ボーイング737MAX機の運航再開を9月4日まで延期すると発表した。 737MAXがなくても通常営業できる体制が整えられつつある。 航空会社の業績が回復しなければ、ほぼ停止しているボーイングの新規受注は回復しない。
2020年02月25日
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ボーイング737MAXの生産は減少から停止に至った。 飛行停止措置が続いたままなので、遂にエンジンの納入数が半減となった。 近年、業績が芳しくないGEにとって、タービン事業の減少は痛手か。 米GE737MAX向けエンジン納入半減へ製造ラインは維持Reuters Staff2020年1月30日 ロイター 米電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)は29日、米ボーイングの旅客機「737MAX」向けエンジンの納入を今年、約半数に削減すると発表した。 カルプ最高経営責任者(CEO)は電話会議で、GEは737MAX機向けエンジンの生産を遅らせると指摘。 ただ部品供給会社を保護し、2020年下半期からのエンジン生産増加に備えるため、製造ラインの稼働は維持するとした。 またGEの予測は、ボーイングが見込む今年下半期の運航再開計画に基づいているとし、3月4日に詳細な見通しについて議論するとした。 一方、厳格な経営や効率的な製造によって問題解決を図ると強調。 このような取り組みは電力部門で行われてきたが、引き続き取り組みが必要と語った。 この日、発表された第4・四半期決算(12月月31日まで)は利益とキャッシュフローがアナリスト予想を上回った。 航空機部門が寄与した。GEの利益およびキャッシュフローが市場予想を上回るのは4四半期連続で、株価は一時10%超上昇し、1年超ぶりの高値を付けた。 ― 引用終り ― GEが製造しているボーイング向けエンジンはほとんど利益のない状態で販売されているとのこと。 ということで大きな痛手ではないらしいが、仕事が減り技能の維持にはマイナス。
2020年02月25日
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2020年2月6日、三菱重工業は三菱スペースジェットの納入延期を発表。 三菱重工業の根拠のないスケジュールが5度崩れた。 スケジュールを決め、守らせれば事は進むというパワハラ体質が崩れた。 中型旅客機のFAA(米連邦航空局)の型式認証取得という実績の無い分野で、一社のスケジュールなど通用しない。 豪華客船の艤装で失敗した。 航空機では「もの作り」が高度高次元なだけでは通用しないということを、やっと三菱重工業の重役たちは学んだらしい。 今回は納入時期を示さなかった(示せなかった)。 4964億円の特別損失で2020年3月期の業績予想の最終利益を1100億円から1000億円に下方修正。 事実、現実に基づく経営の方針を定めなければ収益をさらに下げることが可能。 事業の存続に危機をもたらすことも可能。 経営方針・判断は重要。 三菱スペースジェット、6度目の納入延期21年度以降にBy Tadayuki YOSHIKAWA2020年2月6日 Aviation Wire 三菱重工業(7011)の泉澤清次社長は2月6日、子会社の三菱航空機が開発中の「三菱スペースジェット(旧MRJ)」について、初号機納入が2021年度以降になると正式発表した。 6度目の延期で、三菱航空機は同日、4月1日付で水谷久和社長が会長に就任し、三菱重工常務で米国三菱重工社長の丹羽高興氏が新社長に就く人事を発表した。 これまでの計画では、今年半ばにスペースジェットの初号機を全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)へ引き渡す予定だった。 スペースジェットは、機体の安全性を国が証明する「型式証明(TC)」取得時に使う飛行試験機(通算10号機)の完成が遅れ、1月6日に完成。 泉澤社長は「開発進捗状況からANAへの初号機納入は2021年度以降になると判断した。 試験機は春先に初飛行予定で、準備ができ次第米国でのTC飛行試験に投入する」と説明した。 スペースジェットの飛行試験機は現在4機で、米国の飛行試験拠点があるワシントン州モーゼスレイクで試験を進めている。 泉澤社長によると、飛行試験は3500時間を超えたという。 1月に完成した10号機は、製造開発段階で配線系統の課題が発覚し、機器の配置や配線、配管、空調ダクト、ワイヤーハーネス、システムなどを変更したことで完成が遅れた。 現在は地上走行試験を実施している。 ― 引用終り ― 2019年10月には6度目の納入延期の観測が報じられていた。 出来ることと出来ないことの分別もつかない経営陣による「絵に描いた餅」の実行を迫られた社員諸氏は、気の毒な限り。 経済産業省の支援を受けているだけに、スペースジェットの開発を社内決定だけで投げ出すことはできない。 当初の計画では2009年型式証明の取得(2003年発表)。 2008年4月1日、100パーセント子会社の三菱航空機を設立。 明るい未来は暗雲となった。
2020年02月18日
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2019年1月29日、ボーイングが2019年12月通期決算を発表。 売上高は前年比24減の765億5900万ドル。 純損益は6億3600万ドルの22年ぶりの赤字。 前年は104億6000万ドルの黒字。 737MAXシリーズの運航停止に伴うコストは180億ドル以上と報じられる。 現金不足に対する融資は、決算発表前に確保済み。 ボーイング、1.3兆円融資確保米報道2020年01月28日 時事ドットコム 米CNBCテレビは27日、航空機大手ボーイングが十数社の金融機関から120億ドル(約1兆3000億円)を超える融資を確保したと報じた。 墜落事故が相次いだ新型旅客機「737MAX」の運航停止が続く中、財務基盤の強化を図る。 CNBCは20日、ボーイングが100億ドル規模の融資を求め、複数の金融機関と交渉していると報じていた。 ― 引用終り ― ボーイングは737MAXの飛行停止措置以降、他の機種も含めて新規受注が低下している。 737MAXシリーズの運行再開は2020年半ば以降。 航空業界は新型コロナウイルスによる旅行需要減で売上減が見込まれている。 CO2削減対応を含め、航空機製造を取巻く状況は一段と厳しさを増している。
2020年02月17日
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三菱重工が発表した何ら根拠のない納入計画は、予想通り延期された。 この期に及んで強引に納入計画を作成させた三菱重工業の企業体質が疑われる。 FAAの型式証明取得の見込みの目途は現在も全くない。 モノづくりの自負というのも厄介。 政府検査機関の承認を得ることの難しさは、世界各国の基準を満たし完成車を輸出している自動車メーカーの方がよく理解していることだろう。 三菱スペースジェット6度目の納入延期へBy Tadayuki YOSHIKAWA2020年1月25日 Aviation Wire 三菱重工業(7011)傘下の三菱航空機は、開発中のリージョナルジェット機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の初納入を2021年以降に延期する方針を固めた。 6度目の延期で、2月6日に都内で開かれる三菱重工の2019年4-12月期(20年3月期第3四半期)決算で正式発表される見通し。10号機も完成遅れ これまでの計画では、今年半ばにスペースジェットの初号機を全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)へ引き渡す予定だった。 しかし、配線や電子機器などの設計変更が900カ所以上発生。 機体の安全性を国が証明する「型式証明(TC)」取得時に使う飛行試験機(通算10号機)の完成が遅れ、今月6日に完成したものの、初飛行には至っていない。 ― 引用終り ― 初飛行してから型式証明の取得のための改修が始まる。 その間も開発費は時々刻々と増え、三菱重工業の収支をマイナス方向に引っ張る。
2020年02月03日
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2020年1月25日、ボーイング777Xが初飛行。 納入開始は2021年の予定。 ボーイングの次世代大型旅客機「777X」初のテスト飛行は3時間51分毎日新聞 2020年1月26日 米航空機大手ボーイングは25日、米西部ワシントン州で次世代大型旅客機「777X」の初飛行を行った。 777Xは世界最大の双発ジェットエンジン旅客機で、ボーイングの長距離路線向けの主力機となる。 小型旅客機「737MAX」の墜落事故で痛手を受けた同社の救世主となるか。 777Xは25日午前、ワシントン州エバレットの飛行場を離陸し、3時間51分飛行した後、シアトルの空港に無事着陸した。 ― 引用終り ― ボーイング777Xの特徴のひとつは全長。 現在世界中の航空会社で運航されている777は、スタンダードモデルの777-200が全長63.7m。 長胴モデルの777-300が73.9m。 777Xの全長は「-8」が約70m、「-9」が約77m。 特に「-9」の全長は「ボーイング747-8」の76.3mを上回り、旅客機としては世界最長のモデルとなる。 全幅も70m超に大型化。 既存の空港駐機設備に対応できるよう主翼の先端を折りたたむことが必須となった。 主翼折りたたみ時の全幅は65m以内。 777Xのエンジンは、ゼネラル・エレクトリックの新型「GE9X」。 客室はボーイング787の仕様をベースにしたもので、新照明の導入も行われる。
2020年02月03日
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2019年11月、ボーイングは737MAXについて一方的に運行再開の見通しを発表。 2020年1月、保管場所不足から737MAXの生産を停止。 生産の再開はFAAによる運行再開の承認にかかっている。 今回の発表もボーイングによる一方的なもの。 ボーイング737MAX運航再開は今年半ばにずれ込む見通し2020.01.22 CNN.co.jp 同社は6週間前の時点で、2019年末までに運航再開が認められると見込んでいた。 しかし米連邦航空局(FAA)は12月11日、運航再開の承認は2020年にずれ込むと発表。 さらに、ボーイング社内で同機の安全性を疑問視するような冗談が飛び交っていた実態も明るみに出た。 運航再開に関する新しい見通しについてボーイングは、「承認手順に関する我々のこれまでの経験」に基づくと述べ、「規制当局が現在、737MAXの飛行制御システムの検証に関してあらゆる段階で適応している厳格な検査も念頭に置いている」とした。 FAAは同機の運航再開について、一切の見通しを明らかにしていない。 ― 引用終り ―
2020年02月02日
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ボーイング737MAXは、2度の墜落事故に起因する長期の減産。 そして1月から生産停止となっている。 この影響で米国の航空部品大手ウッドワードとヘクセルが、合併することになった。 ウッドワードとヘクセルは、合併後、航空・軍事部品メーカーで世界最大規模となる。 米航空部品2社が合併ボーイング危機で合理化2020年1月13日 共同通信 米航空部品大手ウッドワードは12日、同業のヘクセルと合併すると発表した。 両社の大口納入先である米航空機大手ボーイングは主力機「737MAX」問題で経営危機に陥っており、開発費の削減など経営合理化が不可欠と判断した。 米メディアによると、ボーイングが墜落事故を2度起こした737MAXの生産を停止して以降、航空部品大手の再編は初めてという。 ウッドワードとヘクセルは、年間売上高のうちボーイング向けの割合がそれぞれ15%、25%を占める。 合併後の新会社はウッドワード・ヘクセルで、従業員が約1万6千人、売上高は53億ドルの規模となる。 ― 引用終り ― 737MAXの運行再開の見込みが立たないボーイングは12月23日にCEOが引責辞任。 いまだ主力機種の737MAXの運行再開の目途は立っていない。 2019年7月、総合電機ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)と防衛大手レイセオンは2020年に合併することを決定。 世界2位の航空・防衛企業としてのスケールメリットを生かし、生き残りを図るとしている。 米国の航空・軍事産業は、少数の巨大企業による寡占化がすすんでいる。 737MAXに「家族乗せない」ボーイングが内部記録公表2020年01月11日 JIJI.COM 「737MAXに家族乗せない」―。 米航空機大手ボーイングは10日までに、墜落事故が相次いだ新型旅客機「737MAX」に関する従業員らのメールなどを公表した。 安全性を問題視する内容が含まれており、同社への批判がさらに強まりそうだ。 ― 引用終り ―
2020年02月02日
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2019年の航空機納入数はエアバスが863機となり、予想通りボーイングを抜いてて2011年以来の世界首位となった。 737MAXシリーズの2度の墜落事故といまだ続く飛行停止措置が、ボーイングの不調の主因。 FAA(米国連邦航空局)の飛行再開許可の目途はたっていない。 エアバス、2019年納入機数で首位ボーイングから奪還=関係筋2020年1月2日 ロイター 関係筋が1日明らかにしたところによると、欧州航空機大手エアバス の2019年の航空機納入数が863機となり、米ボーイング を抜いて2011年以来の世界首位となった。 ボーイングは2度の墜落事故を受けて運航停止となった「737MAX」機を巡る問題が続いている。 エアバスの19年納入数は18年の800機から7.9%増。 同社は10月に19年の納入目標を2-3%引き下げ860機としていた。 ボーイングは19年1─11月の納入数が345機と、737MAXの納入が通常通り行われていた前年同期(704機)の半数以下にとどまった。 18年の納入数は806機だった。 ― 引用終り ―
2020年01月10日
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2019年12月20日、米航空・宇宙大手ボーイングのカプセル型有人宇宙船「スターライナー」が試験飛行のため打ち上げられたが、不具合により国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングが中止・ 12月22日に地球に帰還した。 12月23日、デニス・マレンバーグCEOの退任発表。 FAAに圧力をかけるなど、かなり強引な御仁だった。 ボーイングはどうしたのか、どうなっちゃうのか。 2度の墜落事故を起こしたボーイング737MAXシリーズは、世界中で飛行停止を命じられ、米FAAも2020年2月以前に飛行停止を解除する見込みはない、とされている。 ボーイングは12月16日、737MAXの生産を、来年1月から一時停止すると発表した。 暫くの間、飛行再開の見込みがない737MAXを販売したボーイングを、航空機リース企業・タイマエロが、契約解除と損害賠償を求め提訴した。 ボーイングをアイルランド企業が提訴、737MAXの契約解除求めるSteve Stroth2019/12/19 Bloomberg 航空機を購入・リースするアイルランド企業が17日、ボーイングを相手取りシカゴの連邦地裁に提訴した。 2件の墜落事故を起こした737MAXの設計不備を理由に同型機の契約解除と少なくとも1億8500万ドル(約200億円)の損害賠償を求めている。 ダブリンに本拠を置くタイマエロ・アイルランドは737MAX 22機について2014年からの契約に詐欺と違反があると主張。 同型機が安全で予定通りに納入されるとのボーイングの説明を当てにしていたとしている。 タイマエロによれば、17日時点でボーイングは737MAX 4機を納入している予定だったが、2機しか納入されていない。 ボーイングはタイマエロが支払った前金の返還を拒否しているという。 ― 引用終り ― ボーイングは737の飛行停止による賠償金額を2019年の上半期分しか計上していない。 半期で49億ドル(約5270億円)。 第2四半期決算で49億ドル(約5000億円)の損失を計上した。 下半期も賠償金額を計上するとさらに巨額の損失が発生する可能性がある。 単純計算で年間100億ドル(約1兆1000億円)の損失となる。 2019年5月の段階で 737MAX を保有する中国の航空会社12社のうち11社が、ボーイングに対し運航停止で生じた損害を賠償するよう求めた。 米国で損害賠償が成立すればさらに巨額の損失が発生することになる。 現在まで737MAXシリーズのキャンセルは多くは発生していないとのことだが、他の機種を含めボーイングの事故の原因発覚後、新規受注が著しく減少している。 737MAX シリーズは2割減産で月42機にペースを落とし生産を続けたが、400機を超える在庫を補完する場所がなくなり、ついに生産停止を判断した。 合併を重ねたボーイングは軍用機を数多く生産している。 セントルイス工場でF-15 イーグル、F/A-18 ホーネット、フィラデルフィア工場でCH-47 チヌーク、V-22 オスプレイ、メサ工場でAH-64 アパッチ、エルパソ工場でB-1 ランサー、PAC-3を製造している。 米国、米軍は安全保障上、ボーイングがなくてはならない企業。 旅客機はエバレット工場でボーイング747、767、777、787を、レントン工場でボーイング737、P-8 ポセイドンを製造している。 エバレット、レントンともワシントン州であり、ワシントン州の雇用の観点で、ボーイングはなくてはならない企業。 米国の航空宇宙産業の根幹を握る企業であるボーイングを、米国政府は支援・救済することになるだろうか。
2020年01月10日
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ボーイング737MAXは、2度の墜落事故で346人の死者を出し世界で運航停止となっている。 2019年11月26日、米ボーイングと中国との合弁会社、天津波音複合材料が工場拡張工事に着手したと報じられた。 現在の生産スペースを2倍以上に拡張する。 2021年、竣工予定。 中国政府は二度の墜落事故の後、世界に先駆けてボーイング737MAXの飛行停止を決めた。 2019年12月26日、ボーイングは737MAXの生産を2020年1月から一時的に停止すると発表した。 FAAは、2020年より前に同型機の運航許可を出すことはできないとしていた。 ボーイングの中国の拡張工事の竣工までには諸問題が解決するだろうか。
2019年12月29日
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