尼僧の窓辺から

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2009.09.12
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 庭の一角に見せ階段がありましたが、この度それを壊して見せ滝にすることになりました。そのために近くの川から石を拾い集めています。

 石の魅力、そんなことを思うのも最近のことです。集まってきた石を眺めていると、かわいい子どもたちが遊んでいるみたいでこちらまで楽しくなってきます。

 これまで随分長い間、人間ばかりみてきたなあと思わせられるひと時です。外見や物にはあまり興味がなかったのですが、ずっと心を追いかけてきました。これからは石や木や植物や、そんなものものたちから学んでいきたいと改めて思っています。
 あの人は今頃どうしているかな、どんなことを見てどんなことを感じているのでしょうと考えたことはあっても、あの花はどんな呼吸をしているだろう、あの木はどんな風に雨に濡れそぼっているだろう、と思いを寄せたことがあったでしょうか。石をじっと手にとってじーっと感じたことがあったでしょうか。なんだか恥ずかしい話です。

 このところ和尚様が話して聞かせたのもそんな静けさでした。化粧品のセールスで行き詰った女性に何か一言を頼まれて答えたときも、思い病気をかかえた女性に向き合ったときも、「立ち止まる」お話でした。
 どこかに幸せを求めても追いかけてもそのようにならずくるくる回る人間たちよ、と。そこに対して、生まれる以前、男も女もない、多いも少ないもない、生きるも死ぬも超えたところからの境地を話してくださるのでした。

「己の無能さにいらだっているんだよ、それは。」
と悶々と悩む青年にも、同じ話でした。

 ここはただ石を拾って楽しむところです。
 静かな雨音に幸せを見出すところです。
 何もなくても、何もないただ存在を愛しむところです。

 さて、どこまで歩けるでしょうか。
 いいお話を聞いて感嘆しながら、今日も一日が暮れていきます。






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Last updated  2009.09.12 17:29:18
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