「赤いドレスのメアリィ Mary is Dressed in Red」いつもバス停にいる、赤いドレスをきた老女。彼女は、メアリィさんと呼ばれる、町の有名人だった。ある日、私は、彼女について知っているという人物から、彼女にまつわるある物語を聞く。 なんとも読後感の悪い作品です。悲しいというか、重いというか…。
「不良探偵 Defective in Detective」 こちらも読後感の悪い作品。
「話好きのタクシードライバ That's Enough Talking of Taxi Driver」 タクシーの運転手に話しかけられるのを嫌う主人公が、あるタクシー運転手に話しかけられたときの話です。べらべら喋られるのを嫌がりながらも、しっかり話を聞いていて、心の中でツッコミを入れたりと、こういうのあるなぁと思いながら楽しく読みました。でもこんな当たり前のことに気付かないなんて…。ラストにはやられました。
「ゲームの国(リリおばさんの事件簿1) The Country of Game」 回文同好会を主催するリリおばさんが、職場で起こった殺人事件を鋭く解決します。 『今夜はパラシュート博物館へ』所収の「ゲームの国」では、アナグラムがメインのゲームでしたが、今回は回文がメインです。逆にたどればはっきりするので、アナグラムよりは分かりやすいですね。 この中で何が面白いって、土井さんの作った回文です。「 練無なりね
」など、短いながらも直球勝負で、大笑いしました。「 若い犀川
」と並んでいるところが、いろいろ意味深な感じもあったりして楽しいです。
「探偵の孤影 Sound of a Detective」廃墟のようなビルの一室に、ときどき電気が灯るという話を聞いた探偵、ティモシェンコは、まさにそのビルにまつわる依頼をもちかけられる。依頼人の女性は、姉を捜しているというのだった。 ハードボイルド色の強い短編です。このラストを読んで、とても綺麗な物語だ、と感じました。
「いつ入れ替わった? An Exchange of Tears for Smiles」 変声期(!?)をむかえた近藤刑事が、奇妙な事件を体験したということで、西之園萌絵は彼も自宅へのパーティに招く。犀川創平と二人きりの予定が、犀川も喜田を連れてきており、萌絵は内心複雑になるが…。それはともあれ、近藤の体験が主な話題となる。誘拐犯からの連絡を受け、身代金を運ぶ役目を近藤が負った。犯人からの指示通りに動き、指定の場所に紙幣の入った紙袋を置く。ところが、警察たちがずっと見張っていたにも関わらず、紙袋の中身は大量の石ころにかわっていた。