2017年05月15日
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アリスの19枚目のシングル(1980年10月25日発売)
1980年8月25日発売のアルバム「ALICE Vlll」からのシングルカットでした。
今日はわかってる事だけ少し詳しめに書きます。

今日、飲みに行ってた店で、初夏なのに、この曲が流れてきた・・・
この曲の間だけ会話もうわの空に、聴き入ってしまってた。

ジャケ写だけど、なんでこの写真にしたのだろ?良い写真なんだけど。
撮影はタムジンさんです。
きんちゃん、横向いてるのでわからない人もいるのではないかと・・・


A面「それぞれの秋」


この曲は「ALICE Vlll」のレコーディングで一番最初に録りはじめた曲。
1980年3/7に大阪で「ALICE Vlll」とシングル「狂った果実」の打ち合わせ。
3/7は金曜日で、夜はヤングタウンの生放送があったので
大阪での打ち合わせになったのだと思う。
(この日の2日前に大阪フェスティバルホールでの単発のコンサート「愛を見つめて」が
ありました。このコンサートは1曲目が「アリスの飛行船」で始まり、バンド演奏として
初めて「生きているから」を演奏した貴重なセットリストのコンサートでした。)

1980年3/31に「それぞれの秋」のリズムセクションのレコーディングからスタートした
「ALICE Vlll」。(アルファスタジオ)
この曲はアレンジャーが二人いて、
バンドアレンジを安田さん、ストリングスアレンジを服部さんが担当。


6/5にはシングル「狂った果実」のジャケット写真撮影を今は重要文化財に指定された
大隈講堂で、動画も合わせて半日かけて撮影。

7/2の昼にCBS六本木スタジオでボーカル収録。
同じ日の夜にサウンドシティ・スタジオでトラックダウン。この日に「それぞれの秋」完成。
7/21のマスタリングで本当の完成。



「それぞれの秋」はセットリストに入るのが遅かった。
「ALICE Vlll」の楽曲をセットリストに初めて入れたのは「Hot Jam '80」だったと思う。
シングル「狂った果実」だけは7/5に先行発売されてたので、サマーコンサートツアーから
すでにセットリストに入ってました。
「Hot Jam '80」から「ALICE Vlll」の楽曲がセットリスト入りしたと言っても
「ラ・カルナバル」と「メシア」の2曲だけでした。
ここではまだ「それぞれの秋」はセットリストに入っておらず、
11月半ばからのコンサートツアーでセットリスト入り。
結局、「ALICE Vlll」からは「狂った果実」「ラ・カルナバル」「メシア」「それぞれの秋」の
4曲だけしかライブでは演奏されませんでした。
活動停止後、しばらくしてから、べーやんのソロコンサートで「葡萄の実」は
セットリスト入りした事がありました。
当時、ファンの間では「自分白書」「葡萄の実」「黄色いかもめ」の3曲が
セットリストに入らない事を不思議がっていました。
1980年冬からサプライズ的なセットリストは皆無で、サマーコンサートからの流れそのままの
セットリストが1981年3月まで続きました。
いつもなら、クリスマスコンサート時期にガラッとセットリストを変えてくれてたのに、
この年は「スナイパー〜南回帰線」から始まり「さらば青春の時」で終わる王道パターンの
セットリストがずっと続きました。
ソロコーナーのみ、楽曲の入れ替えもべーやんときんちゃんはありましたが、
ちんぺいさんは「昴」のままでした。
べーやんは「トラベリングマン」から「裸木」に
きんちゃんは「ボッサ・デ・スー」から1年ぶりの「あなたがいるだけで」に。

「それぞれの秋」のライブバージョンはスタジオバージョンよりも強弱を大きくして
よりドラマチックなアレンジに。
1981年3月にFM-NHKで生中継で1時間45分にわたって放送された時が、唯一、オフィシャルの
サウンドボード物で聴ける物です。
テレビやオーケストラとの企画ライブでの音源もありますが、コンサートツアーでの演奏を
そのまま聴けるのはFM-NHKの生中継だけかと。

イントロはスタジオバージョンをほぼそのまま再現、
Aメロ8小節はアコギのスリーフィンガーのみ9小節目からピアノがオブリ的に入るのみ。
サビからはリズムパートが入ってくる。
サビあとはキンちゃんのリムショット。
間奏のピアノフレーズもほぼそのまま。
2コーラス目のサビ中「♪母に残した一行の言葉 悲しみだけが人生〜」部分の
ダイナミックレンジは強烈で、最初にライブバージョンを聴いた時はかなりドキッとした。

「それぞれの秋」はちんぺいさんのソロコンサートでは、何度もセットリスト入りしています。

この曲について、ちんぺいさんは当時、こう語っています。
「人それぞれに春があって、夏があって、秋があっていいんじゃないかと。
べつにそれが、どうのこうのと言いたいわけじゃない。
一人になって冷静に考えてみると、そうなんじゃないだろうか、という思いなんですね。
30代、40代の人には、わかってもらえるんじゃないかな」

そしてまた違う物に掲載されているちんぺいさんの言葉は
「日々のくらしの中でフト、人生とは何だろうと感じる時がある。他人がすべて生き生きとして
見え、無意味に淋しくなる時がある。
学生時代、夜は眠るものとしか思ってなかったのが、少しずつ夜は眠れないものと気づき始める。
そんな時、友人達はどうしているのか気にかかるようになる。
ある人は、時の流れの中に、どっぷりとつかって夢を忘れ、ある人は夢のために生命をすてる。
それぞれに、それぞれの道がある。人が夢を見ると、儚いという字になる。
その淋しさゆえに酒にのがれてゆく人もいる。
それを誰も、せめることはできない。」



B面「過ぎゆくものは…」
作詞 矢沢透さん  作曲 堀内孝雄さん  編曲 安田裕美さん

この曲がいつレコーディングされたのかは謎。
「ALICE Vlll」のレコーディング時に録音されていたのか、「それぞれの秋」のシングルカットが
決まってから、レコーディングしたのかはわからない。
編曲の安田裕美さんは山崎ハコさんの旦那さんです。
山崎ハコさんのライブでは安田さんもサポートギタリストで必ず出ています。

この「過ぎゆくものは…」は、ライブのセットリストに入った事は一度もありません。
インパクトのあるキャッチーなサビと、きんちゃんの繊細な歌詞が絶品です!
「♪僕は風のように いつも生きていたい あの時に君は ずっとそのままでと」
この歌詞はきんちゃんがよく言ってる等身大の言葉だと思う。
「♪あの軽やかな日々が あの六月の風が 二人のひざもとを 流れていく」
こんな歌詞もきんちゃんがよく書く、光景に感触や気温まで感じさせてくれる繊細なイメージ。

シングルのB面には、勿体無い扱いの曲も多く、「狂った果実」のB面「ピンク・シャンパン」
なんて、めちゃくちゃカッコ良い曲なのに、ライブでは歌われない・・・・。
「エスピオナージ」のB面「GUILTY&PENALTY(罪と罰)」も良い曲なのに
ライブでは一度も演奏されていない。

「それぞれの秋」だけでも、まだまだ書けるけど、異様な長さになってきたので・・・

プロモーション用のシングル。
ちんぺいさんのナレーションっていうかメッセージは1分10秒ほどです。
語ってる内容は、上に書いたちんぺいさんの言葉とほぼ同じようなニュアンスです。


「それぞれの秋」プロモーション用のフライヤー




「それぞれの秋」の販促ノベルティ。抽選で当選してもらえました。絵葉書セット。





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最終更新日  2019年06月13日 16時22分11秒
[ALICE(谷村新司・堀内孝雄・矢沢透)] カテゴリの最新記事


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