2024年01月09日
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谷村新司さんが亡くなって、3ヶ月が過ぎました。
そっか…毎年楽しみにしてた春の国立劇場でのリサイタルや全国ツアーはもう二度とないのかと、
そんな事を考えてました。

ちんぺいさんのライブ映像を観ようと、凄い数のライブ映像の中からチョイスしたのは、
1989年夏、大阪フェスティバルホールでの「獅子と薔薇」のアルバム発売時の「CORAZON III」
1990年9月NHKホールでの「Price of Love」発売時の「with ウィーン交響楽団プロジェクト」
1993年夏、「バサラ」発売時の「沖縄野外コンサート」
この3本のライブを観ていました。

少し時代が偏ったけどちんぺいさんが40代になった1989年から順に観たくなった。


(気がつけばこのブログも1500万アクセス超えてた)






3本のライブ映像を観て、心にずっしり響いたのは、1989年大阪フェスでのライブのラストの2曲。
「家路 -私が死んだ日-」「THE NAME」
この時のコンサートは「群青」「英雄」「昴」本編ラストの「冬のメリーゴーランド」の順に歌われ、
アンコールは「家路 -私が死んだ日-」「THE NAME」の2曲。
このいつもの流れとは少し違うセットリストも自分は大好きでした。


(このツアーでの「英雄」でのライティングは強烈にカッコよかった!)




雪の紙吹雪が大量に降りしきる中「冬のメリーゴーランド」の熱唱で幕が降りる。
再び幕があがると、ちんぺいさん舞台の真ん中に座っている。
ピアノ1本のみで「家路 -私が死んだ日-」を歌う。
アンコールではMCはなく、この2曲を歌う。


この話はいくつかのツアーで話されたので、ちんぺいさんのコンサートに通い詰めた人なら
記憶に残っていると思う。

「去年の冬の終わりでした。大切な友人がひとりこの世から去りました。
 ま、友人と申しましても明治生まれの方でしたから…。
 その御老人とは年に一回、歌いながら全国をまわった時、九州は博多でお会いしたんです。

 それをいただきながら、いろんなお話を伺うのが旅の楽しみのひとつでした。

 そんな話の途中、突然そのご老人がこんな事をおっしゃった「谷村くんは名前はなんだっけ」
 「しんじです」「どう書くんだ」「新しく司ると書きます」
 「良い名前だ。いい名前だよ。ご両親の思いがよく込められてる」

 恥ずかしいですけど、僕はその時はじめてです。自分の名前について考えたの、
 でも考えるとそうですよね。親から子にそしてその子が親になってまた親から子に残してやれる肩身。
 その血の流れのような宿命的な物とは別に万感の思いを込めて残していってやれる肩身…それは
 名前だけかも知れないなって。
 だから両親が名前をくれた時の思いだけは忘れないようにしなくちゃいけないなって思ったのも
 寒い冬の夜でした。

 そして1989年1月7日…同じような寒い冬の夜に我々の昭和という時代が終わりました」

暗転になると「群青」のイントロ。凄く感動したのを覚えてる。






『THE NAME』 作詞・作曲 谷村新司さん 編曲 服部克久さん

印象的なピアノのイントロに寄り添う美しいストリングスの響き。
ライブではスタジオ盤のテンポよりも少し早めにしています。
ちんぺいさんの歌唱はレコードよりも更に柔らかく優しく歌いかける。
1988年12月の青山からツアーが始まり、この収録した次の日が大千秋楽。
何十回も歌い、そして完成した形がこの歌唱なんだと思う。
ツアー序盤の時と歌の表情がかなり違う事に気づかされる。
この曲は、いつかきっとまた歌ってくれるだろうと願ってたけど叶わなかった。
「昴」同等の名曲が山ほどある事を本当に知ってほしいと思う。







レコード、CDではロンドン交響楽団の演奏で包み込まれるような大きな波の中で自由に歌い上げる
ちんぺいさんの歌唱はもちろん最高です。
この曲に関してはライブでのシンプルなアレンジで聴いた方が感動した。
歌い熟れて出来上がったちんぺいさんの「THE NAME」の歌唱。

この年の12月にちんぺいさんのお父様が亡くなった。
この大阪のコンサートでは千秋楽前のこの人、大千秋楽ではこの曲を歌うちんぺいさんの目は
始終、涙が光ってた。
きっと父親の事を強く思いながら歌ってたのだと思う。
「♪ Oh あなたにいつも見つめられて 感じた勇気忘れない」の部分で声を震わせてた。




「家路 -私が死んだ日-」「THE NAME」の2曲は60歳過ぎたちんぺいさんの歌唱で聴きたかった。

17枚目のソロアルバム「獅子と薔薇」は超名作であると、うるさいほど何度も書いてると思うけど、
ちんぺいさんにとっては通過点の一つで、そこに戻って自慢する気なんて微塵もなかったのだと思う。
ヨーロッパ三部作なんて、普通にできない事をしてる。
でも過ぎた事には拘らないのがカッコいい。その部分も最後まで貫いてた。


谷村新司リサイタル1989『A STORY BEGINS -CORAZON III』/大阪フェスティバルホール

<テレビ中継のセットリスト>
1曲目「獅子と薔薇」
2曲目「青い薔薇」
3曲目「ジョニーの子守唄」
4曲目「冬の稲妻」
5曲目「涙の誓い」
6曲目「狂った果実」
7曲目「チャンピオン」
8曲目「今はもうだれも」〜「ジョニーの子守唄」
9曲目「秋のソナタ」
10曲目「陽はまた昇る」
11曲目「レストランの片隅で」
12曲目「群青」
13曲目「英雄」
14曲目「昴」
15曲目「冬のメリーゴーランド」

16曲目「家路-私が死んだ日-」
17曲目「THE NAME」




(自虐ネタを言ったあとでの客席の反応でよく見せた表情)


(キメポースで拍手や指笛を煽る表情)


(真冬から始まったツアー。衣装はそのままで夏に突入。汗が凄かった)



(提供が「食道園」なのが・・・。1社提供じゃなく名前が出たのは「食道園」だけですが、
 中でのCMは「ポートピアランド」「東条湖ランド」「ハウス とんがりコーン」「足立宝石店」
「銀座ジュエリーマキ」「アカプルコ」など、夜中の番組だったので関西ローカルCMが多い。


「食道園」は今も現役バリバリです。20年以上行ってないけど、
久しぶりに行きたくなってきた。
焼肉はあんまり好きじゃないので「しゃぶしゃぶ」を食べに行ってた。
「すき焼き」も美味しかった記憶がある。
ちょっと調べたら北新地店は今でも夜中の3時まで営業してる!
大阪に住んでる時、夜の11時ごろから2時過ぎまでウダウダと飲みながら食事してたような
気がする。
あとは西梅田の「DON SHOP」も朝まで開いてたので朝まで飲むためによく行ってた。
80年代〜90年代は朝まで飲める場所は居酒屋だけじゃなく、いろいろあったなぁ。





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最終更新日  2024年01月09日 07時45分35秒
[ALICE(谷村新司・堀内孝雄・矢沢透)] カテゴリの最新記事


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