2024年01月12日
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10年ほど前に書いた事があるのですが、あまり知られていない八代亜紀さんの名唱なので、
さらに詳しく書こうかと。

この曲自体は、谷村新司さんの5枚目のソロアルバム「喝采」のB面3曲目に収録されていた曲。
(1979年4月20日発売)
ちんぺいさんがこの曲をライブのセットリストに、この「喝采」が発売されて2ヶ月後に
開催された「アダモ」とのジョイントコンサートの時だけだったと思います。
ソロとして初めてのコンサートでした。
(その時からアリス活動停止まで、ソロコンサートは一度も開催される事はなかった)





このマニアックな楽曲を八代亜紀さんは1980年10月に開催されたデビュー8周年記念の

八代さんはさらに曲の雰囲気を作るためにバンドネオンの演奏と八木治郎さんの司会で
パリの「ムーラン・ルージュ」の事を話して一気にシャンソンの世界を作り上げています。

ちんぺいさんのファンなら、この曲が本格的なシャンソンとしてレコーディングされている事は
わかっていると思います。
ちんぺいさんは1976年の3rdソロアルバム「引き潮」辺りから本格的なシャンソンを
作り歌うようになっています。
ちんぺいさん自身まだ26〜27歳でシャンソンにもどっぷりハマってた事は、ちんぺいさんを
ずっと聴いてたファンしか知らないと思います。
3rdソロアルバム「引き潮」を聴いてもらえば分かると思いますが、
アリスとはまったく違う音を作り上げています。
前作の2nd「海猫」からすでに完全にアリスとは線を引いて

「昴」をつくるずっとずっと前です。

自分は3rdアルバム「引き潮」の凄さをもっと知ってほしいとずっと思ってる。
Jazz、シャンソン、Rockとフォークを微塵も感じさせないアルバム。
中でも「暗い桟橋」って曲はピアノ1本とトランペットのみで
マニアックなシャンソンの世界を作り上げてて、カッコ良さで言うならアルバムの中で

とにかく「引き潮」に収録されてる曲は全曲最高に好きです。

話がまた脱線しまくりなので戻して。

アルバム「喝采」は「引き潮」をキャッチーに洗練させたようなイメージを
自分は持っているアルバムです。
中でも「Left Alone」「真夜中のカーニバル」「ムーランルージュ物語-哀しみのライト-」は
「引き潮」のマニアックな色をかなり残してる曲のように思う。
「暗い桟橋」が「Left Alone」、
「煙草のけむり」が「真夜中のカーニバル」、
「春雷のあとで…」が「ムーランルージュ物語-哀しみのライト-」へと、
更に進化させたような印象。





八代亜紀さんの話に戻して・・・

「ムーランルージュ物語」を八代亜紀さんが歌うと、ちんぺいさんとはまったく違う世界が
広がってきます。
7分46秒たっぷりとちんぺいさんのシャンソンの世界を聴かせてくれます。
ちんぺいさんと同じキーで1オクターブ上で歌っていると思います。
これが物凄い効果を出していて、かっこいい八代さんの歌唱が楽しめます。
この曲のためだけにきっとバンドネオン奏者も入れていると思う。
この日のコンサートはダン池田とニューブリードという最高峰のビッグバンドが入っていますが、
必要以上の楽器は一切使わずにちんぺいさんのオリジナルアレンジを基本大事にして、
さらに八代亜紀さんの世界を作り上げる細かいアレンジを加えているのも素晴らしい。

「八周年記念 八代亜紀リサイタル'80」は2013年にCD化されています。
レコード探さなくても聴く事ができます。
「港町絶唱」までのシングル曲の名曲もたっぷり聴けます!

もちろん!ちんぺいさんが八代亜紀さんに提供した「哀歌 -エレジー」も歌っています。
他のオリジナル曲とは一線を画すように5分も使って特別にこのコンサート用にアレンジした
ヴァージョンで聴かせてくれます。
自分が最後に観た八代亜紀さんの50周年記念のコンサートでも本編のラストで歌われた。
八代さんがこの曲に特別な思いがある事は昔から感じてた。
「八周年記念 八代亜紀リサイタル'80」での「哀歌 -エレジー」はちんぺいさんのファンにも
聴いてほしいと思う凄い歌唱です!
50周年記念で発売された「八代亜紀ベストヒット・ニューレコーディングス」でも
「哀歌 -エレジー」は12曲の中にもちろん選ばれています。
この新たにレコーディングした「哀歌 -エレジー」の方がオリジナルよりも更に良い事には
本当に驚かされた。

・・・・そういえば、このライブ盤で「ムーランルージュ物語」の次に歌われたのが
「ダンシング・オールナイト」です。
「ムーランルージュ物語」でじっとりと少し重くなった空気を変えるように、
派手に「ダンシング・オールナイト」を歌う
ちんぺいさんが亡くなって、そのあとにもんたよしのりさんが亡くなって、12月30日に
八代亜紀さんが亡くなった。何か不思議な関連を感じてしまった。


ちんぺいさんのアルバム「喝采」は現在発売されていません。
上の紙ジャケ盤は24bitリマスターで、下の最初のCD化の音と比べたら数段音が良くなっています。
ソロアルバム全てリマスター紙ジャケで発売してほしい。
できればボーナストラック付きならなお良い!
ボートラはライブヴァージョンやアウトテイク集とか。





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最終更新日  2024年01月12日 05時01分39秒
[ALICE(谷村新司・堀内孝雄・矢沢透)] カテゴリの最新記事


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