マンガ 100人の不登校たち

マンガ 100人の不登校たち

June 2, 2012
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カテゴリ: 子どもの鬱
初めて仕事で

1対1で関わることになったとき
思った。


子どもは太陽だと。
自ら引力を発する恒星なのだと。


子どもを前にすると
大人は
その引力によって

貶められざるを得ないのだと。



僕は決して
子どもが好きだったわけではないし、
それどころか
人にも動物にもまるで興味がなく、
人の苦しみにも気持ちにも
まったく無頓着の、
自分のことにしか興味のない人間だったのに

それがどうであろう
ある日
小学四年生の

その子を前にしたその瞬間

何とか、
何とかこの緊張している子の心を解きほぐし、
楽な気持ちにさせ
楽しませてあげなければならないという構えに

変わってしまったのだから。


自分のためにではなく
相手のために自分を動かさねば、という構えになったのは
僕が覚えている限りでは
その時が、初めてだったと思う。


そして
子ども達が
校庭で遊んでいる様を見ていて
心と身体、芯から緩んでいく、ほぐれていく、そんな感じが
僕に起こった。

その時
今、幸福かもしれないと 思ってしまったことに
自分でも驚いた。


「幸福」とは、
自分の望みが叶い、
自分の欲望が満たされ、
自分が周りから賞賛され認められることで得られる快感なのだと
それまで僕は
信じていたのだから。


既存の幸福観を一瞬に覆し、
自分のことなど後回しにしてしまうほどの力を持つもの、
それが「子ども」なのだと
その時思った。


「子ども」というものは
特別なことなどしなくとも
周りの大人たちを
自らの輝きによって、
明るく照らす力を持つのだ、

何と「子ども」の持つ力は凄まじいことかと、
その時
驚いたものだ。



幼い子どもは
「自分は何だって出来る」という万能感を持っているという。
それは
現実での自分の非力さを補うため備わっているとされているが、
僕は
ダイレクトに人の心に作用する「神がかり的な力」を
子どもは実際に持っているのだと、信じている。


振り回され、心労させられ、辟易させられながらも、
それでもやはり気持ちが子どもへと向かってしまうのは
愛情だとか教育だとかの概念を飛び越えて
結局は
子どもの発する引力に
引きつけられてしまっているだけなのだ、という気がする。



親から充分関心を注いでもらえないでいる子どもが
自らの身体を傷つけているのを見ると、
僕は、


大人を
自らの存在によって
右往左往させ、喘ぐ心をゆるませ 自分のことなど後回しにさせられるはずの
己が「神がかり的な力」が、
一番身近な存在である大人に発揮できないでいることに
苛立っている行為のように思えてならないのだ。

2012.2.14

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乙生 弦吾

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登場人物紹介


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ことはカウンセラー Kotoha
ことはのカウンセリングルームのカウンセラー。

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保見先生 Yasumi
不登校の子達が慕う保健室の先生。

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調くん Shirabe
新米カウンセラー。小中学校で不登校生対応のボランティアをしている。

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間先生 Hazama
調、こと葉の指導教官。カウンセリングルームで働きながら大学で心理学を教えている。

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