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2024年09月27日
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お盆前に帰省した時に、津軽の神社仏閣をいろいろ廻ったんですが、ここもその内の一つです。五所川原を立って、弘前に向かう道中でした。昔から大きな神社だなと思っていたんですが、参拝しないまま引っ越してしまったので、今回無事に参拝出来て良かったです。


海童神社


一之鳥居は石造りで新しいです。板柳町の中では一番大きな神社だと思うので、地域の崇敬の強さが表れていますね。



説明書きです。




板柳町指定文化財17号(平成24年6月25日指定)
海童神社
祭神:上津綿津見命、中津綿津見命、底津綿津見命
拝殿・本殿・中門・神楽殿・赤穂ゆかりの御神輿・宝量宮の額面(海童神社の前身)

神明宮(祭神:天照大御神)

淡嶋宮(祭神:少名彦命)

主な年中行事

2月:厄除祭及び年祝の会
旧3月3日:淡嶋祭
4月29日:春の例大祭
8月12日:前夜祭(宵宮)
8月13日:例大祭
11月23日:秋の例大祭(新嘗祭)
平成25年7月25日 板柳町教育委員会


祭神は三柱の綿津見命ですが、これはどういうことでしょうか?本来ならば綿津見命は豊玉彦神などとも呼ばれますが、このように三柱に分かれて祀られることは無いように思いますが・・・。上・中・底という並びは住吉三神のそれにも見えます。
海神三座も住吉三神も、月夜見大神・伊弉諾神など力のある神の禊ぎによって生まれている点が一致しています。日本神話に様々なパターンがあったことを示しているのか、複数の神話を統合した時の伝承のズレなのか良く分かりません。

こちらの由緒も見てみましょう。
 文禄2年(1593)豊臣秀吉が征韓のため肥前名護屋に陣を設けたとき、津軽為信が津軽藩の侍、弓鉄砲を派遣するため軍の兵糧運搬置場を船岡に開いた。その時、そこの一角に社殿を建立、海神を勧請し、海上の安全、国土繁祥の祈願所とした。この時、海童神社は、宝量宮と称し、祭神は、海神三座(底津綿津見命、中津綿津見命、上綿津見命)であった。

 正保元年(1644)に宝量宮が退廃したので村民が大川(岩木川)の守護として、神社の建立を藩に願い出たところ、社名はそのままで祭神は、大昨主命(おおくいぬしのみこと) 虚空蔵尊 も祭ることで許可になったので、川端町野木喜兵衛の屋敷沿いの畑にある大柳の下に社殿を建立した。しかし、境内が出水のたびに決壊したので承応元年に現在地に遷宮された。

 明治6年(1873)社名を海童神社と改め、祭神を海神三座とし郷社に列せられ、明治40年に神撰幣帛料供進指定神社に列格された。現在の社殿は、大正15年(1926)に当時の通貨で6万有余円を投じて造営されたものである。また、海童神社は、平成25年(2013)に鎮座420年目を迎えることとなる。 
宝量宮とあるのでてっきり何らかの龗神を祀っているのかと思っていましたが、このころから祭神は海神三座だったみたいです。”ほうりょう”=龗神と簡単には決めつけられないみたいです。

虚空蔵菩薩を祀るとありますが、これには菅江真澄も「外が浜風」で触れています。
十一日・・・。
 板屋の木村(板柳町)のはずれにある宝量宮という額のあがる神社には、何の神がおわしますのかと、神主が掃除をしているのに尋ねると、実は虚空蔵菩薩を秘め祀り申し上げていると、しのびやかに答えた。
​平凡社 東洋文庫54 菅江真澄遊覧記1 158.159ページ より引用



参道左手には龍頭観音の池があります。龍頭観音はその名の通り龍の頭に観音様が乗っている姿が一般的だと思いますが、ここのものは龍頭の後ろに小さな観音像(素晴らしい造詣です)が置かれるという形態です。池には鯉もいましたよ。



境内社の淡嶋宮です。祭神は少名彦神でしょうか。同名の神社が周辺に多いことから、諸病平癒を願って厚く崇敬されていたんではないでしょうか。



二之鳥居は両部式です。



鳥居の後ろには勇壮な姿の狛犬が控えます。



更に脇には説明にあった虚空蔵宮がありました。




そして石碑群です。月夜見命・猿田彦大神・庚申塚など様々あります。



平和観音堂です。こちらも鳥居付の観音小堂、神仏混淆です。



小さいながらも奇麗な形の観音堂です。



祀られているのはこちらの三観音です。救世観音・馬頭観音・林檎観音。
板柳町から藤崎・弘前周辺はリンゴの栽培が盛んな地域ですので、こうした信仰が生まれるんだと思います。



更に奥に向かうと神楽殿がありましたが・・・工事中でした。この神楽殿には、あの有名な赤穂四十七士に押し入られた浅野家伝来の神輿が納められています。以下説明書きです。




海童神社のみこし

 播州赤穂藩浅野家が注文して作らせたものだったが、元禄14年(1701年)江戸城中松之廊下で起こった浅野内匠頭による事件により浅野家に引き取られなかったため、元禄15年(1702年)板柳の豪商「若狭屋」が大阪への商用の折に購入し海童神社に奉納したもの。
 みこしには、浅野家の家紋である「違い鷹の羽」が押されている。


なんの縁か、このような来歴の品が本州最北の地の神社まで運ばれ、奉納されています。

神楽殿の奥には神明社があります。鳥居・拝殿は工事中でした。



こちらは拝殿です。きれいな神明造(切妻屋根)の社です。祭神は天照大御神。



その脇に意味深な稲荷宮です。恐らく伊勢神宮の内宮・外宮を模しての配置なんだと思いますが・・・どうでしょう。その通りであれば、稲荷宮の祭神は豊受大神となります。



その裏手に保食大神と書かれた石碑がありました。近くに馬の石碑もあるので、畜馬の守護として置かれたものだと思います。津軽では馬の守護として保食神・馬頭観音の何れかが置かれる場合が多いようです。

その横の小祠は御志羅堂とあり、オシラ様を祀っています。中は見れませんでした。



馬の石碑は、生き生きとした馬が描かれています。



こちらにも馬の石像が・・・神馬の代わりに奉納されたんでしょうか。



その石碑の裏では、鷹がネズミを貪っていました。南無三!



拝殿です。
旧郷社なだけあって堂々たる立派な社です。屋根のカーブが見事で、ここまで芸術的な屋根はそうそうありませんよ



蟇股には”花と獅子”の木彫装飾がされていました。注連縄も出雲大社のように・・・は盛りすぎですが、十分に立派です。



本堂も素晴らしい!



斜めから。
海童神社は御朱印をやっている様なんですが、今回早朝に行ったため確認できませんでした。そのため当分は景勝地カテゴリーに入れておきたいと思います。御朱印云々よりも何よりも、素晴らしい社があなたを待っていますので、是非ご参拝を



以上です。






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最終更新日  2024年09月27日 21時26分13秒
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