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2026年07月05日
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東北の熊野信仰根本地 高舘山の麓に禅寺が境内を構えています。今回紹介する秀麗齋は、もともと天台宗の寺院でしたが、一番札所の​ 紹楽寺 ​と同じころに曹洞宗に改宗、以降伊達家の庇護を受けて今日に見る繁栄を享受することになります。
高舘山の山頂には熊野那智神社が鎮座していますが、その別当は真言宗。対して秀麗齋は元天台宗。一山に複数の宗派が集うというのは、ここに限ったものではありませんが、それだけ霊場の規模が大きかったことを示していると思います。近場の例を挙げますと、福島県​ 郡山の田村神社 ​、山形県寒河江の慈恩寺などがあるでしょうか。
密教諸宗・修験が相集い、この霊場を守ってきたのです。

2025.3.22
奥州三十三観音霊場二番札所:天苗山 秀麗齋


一番札所の紹楽寺から北に数㎞の所にすぐと二番札所があります。まわる側としても嬉しい点です。集落を貫く主要道沿いから、境内に向かって真っすぐ伸びる参道が美しく、春間近の少し冷えた空気を味わいつつ、本堂を目指し歩きました。



駐車場のすぐ脇には小祠が置かれています。形は祠ですが、祀られているのは仏尊です。



内部には小さいながらも釈迦如来。美しい向拝を纏い、結跏趺坐しておりました。







門をくぐり左手には鐘楼。木材の色あせ具合から、山門と同じころの建立になると思われます。



はやばやと本堂。
松や杉に飾られたシンプルな造りの御堂。もとは伊達十七代政宗公の書斎だったと言うんですから、厳かな造りなのは当然でしょう。ザ・禅宗といった佇まいが魅力的です。
本堂右手には寺務所があり、そこで奥州三十三観音霊場の御朱印帳や各種巡礼用品、御朱印などを揃える事ができますよ!まわり始めは秀麗齋が良いと思います。



ご由緒です。
天苗山 秀麗齋

曹洞宗 霊樹山耕雲寺末寺
開山:義貞和尚
開基:坂上田村麿
中興開山:耕雲寺四世湖海仲珊大和尚
本尊:利勝観音(聖観音)

・・・。
 寺の由来は、延暦17年(798年)征夷大将軍 坂上田村麻呂が奥州に蝦夷平定の軍を進めるにあたり、戦勝と天下泰平を祈願するため信仰する西国清水寺の観世音をこの地に勧請したことに始まるとされている。大同2年(807年)には比叡山伝教大師の法子 義貞を開祖として天台宗に属し、大阪四天王寺の末寺となった。
 12世紀、平泉の藤原氏隆盛の頃にはその庇護を受け最も栄えたが、栄枯盛衰の言葉通り、藤原氏滅亡後は天台宗自体が次第に衰退していった。室町期の文明年間(1469~1487年)には越後国村上の耕雲寺四世湖海仲珊大和尚を勧請開山とし、天台宗から曹洞宗に改宗、その後仙台伊達初代政宗公の時代に寺号の秀麓寺を秀麓齋と改め今日に至っている。

 本堂に安置されている御本尊 聖観世音菩薩は50㎝程の座像で、運慶の作と伝えられている。別名 「利勝観音」と称し、坂上田村麻呂の蝦夷平定の際に戦勝を祈願し、そのご加護により大任を果たし得たという故事に因むものである。天台宗の本尊はほとんどが観音であったのに対して禅宗は釈迦を本尊としていた。つまり、観音を本尊とする禅寺の多くは、もとは天台宗の寺であったといえる。
 近世では、伊達十三代尚宗公が御本尊 利勝観音に深く帰依し寺の保護にあたった。今でも本堂には尚宗、稙宗、輝宗三公、そして伊達家の家老 高舘城主 福田駿河守の位牌が安置されている。
 また、本堂内陣の左右の欄間にたくさん並べられている10㎝程の地蔵菩薩像、いわゆる千体仏は、後の藩主 伊達政宗がこの寺と尚宗との御縁に因んで奉納したもの。このような千体仏は京阪の寺院にはよく見られるが、東北地方では非常に珍しい。当時隆盛を極めた伊達家ゆかりの寺ならではのお宝か。現在の本堂もまた政宗の時代に改築されたものと伝えられている。
 ・・・。
河北新報出版センター 「岩手・宮城・福島 奥州三十三観音の旅 改訂新版」 20~23ページ より引用

古めかしい扁額には”秀麗禅齋”と刻まれています。



本堂に入りますとまず、左手に政宗公御奉納の千体仏と共に、延命地蔵尊像、伊達氏累代の位牌が収められていました。



そして丸窓の須弥壇、その奥に本尊の利勝観音が静かに座していたのです。
宝冠・光背共に荘厳で、白く塗られた玉の様に光る肌が何とも女性的な印象で美しかったです。東北に良くある田村麿奉納の伝説を持つ本像ですが、ここまで手を尽くされた美像であれば、本当にそうなんじゃないかと思ってしまうのではないでしょうか。



では、トリは本堂裏手の観音像で。
こちらの巨大な観音像は「3.11観音(みいいかんのん)」と呼ばれております。東北大震災の被災者すべてを普く照さんとして建立されたものです。3.11は”みいい”と読み、これは「御霊安らかならんことを」という意味がこめられているそうな。








伊達家や高舘城主ゆかりの禅寺でした。秀麗齋は奥州三十三観音霊場の巡礼用品を多数そろえており、まわり初めにも丁度良い札所となっています。巡礼の無事結願を利勝観音に祈願し、旅を始めるのも趣があり良いですね!



御詠歌
もらさずの 大悲の誓ひ頼むかな 二世の願ひも あまねさの法
もらさずの だいひのちかひたのむかな にせのねがいも あまねさののり

本尊:利勝観音(聖観音) आर्यावलोकितेश्वर

以前貰った御朱印です。



公式サイトへのリンクです
・天苗山 秀麗禅齋 ー伊達家ゆかりの寺ー

以上です。

次の記事
・三番札所:桑島山 金剛寺 観音堂(川上観音堂) 東北の素朴な観音信仰表す古観音

​​​​





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最終更新日  2026年07月05日 08時54分44秒
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