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鑑賞日:2014年1月19日(日)14:00開演入場料:¥3,780 D席4階 【主催】新国立劇場 新国立劇場2013/2014シーズン公演ビゼー作曲 歌劇「カルメン」 (全3幕、フランス語上演/字幕付) 会場:新国立劇場オペラ劇場指 揮:アイナルス・ルビキス演 出:鵜山 仁美 術:島 次郎衣 裳:緒方規矩子照 明:沢田祐二振 付:石井 潤合 唱:新国立劇場合唱団、TOKYO FM 少年合唱団ダンサー:新国立劇場バレエ団管弦楽:東京交響楽団出 演:カルメン :ケテワン・ケモクリーゼドン・ホセ :ガストン・リベロエスカミーリョ:ドミトリー・ウリアノフミカエラ :浜田理恵スニガ :妻屋秀和モラレス :桝 貴志ダンカイロ :谷 友博レメンダード:大野光彦フラスキータ:平井香織メルセデス :清水華澄感 想: 既に何度も観た演目で合唱も歌ったことも有る「カルメン」だが、新国立の新春公演で、タイトルロールが容姿も揃った若手注目株とのことで寒空の中、初台まで出掛けた。 今回の演出は2007年新国立プリミエで3シーズン目の再演。時代設定、舞台、衣装とも原作通りで違和感なし。 指揮者登場の後、有名な序曲。少々テンポが遅めに感じたが、ダイナミクスの大きな丁寧な演奏。2、3幕と進むとテンポも上がり、歌手、合唱とのバランスもよく、何時もの東京交響楽団とは思えない演奏で若手指揮者の功績でしょう。 主役3人は歌声、演技とも素晴らしい。ドン・ホセ役ガストン・リベロはよく通るテノールの声で、弱々しい演技も役に合っている。エスカミーリョ役ドミトリー・ウリアノフは大男で、安定した歌声でこちらも役に合っている。 何と言ってもタイトルロールのケテワン・ケモクリーゼが、その妖艶な容姿と演技、そして表現豊かなメゾソプラノの歌声で如何にも男達を虜にしてしまう印象で、今回が初めての役とは思えない出来。 2幕最初のジプシーの歌では、無理をして素人踊りを見せられこともあるが、今回踊りは周りのダンサーに任せ、前半椅子に座ってじっくり歌い、後半少し踊りを入れる所は良い演出。 日本人歌手の皆さんも良く歌えており安心して聞けた。その中では、メルセデス役の清水華澄が存在感のある歌声で良かった。 今回4階席の端で心配したが、前に乗り出す人もなく問題なく観ることが出来た。またフライングのブラボーや拍手もなく、オペラに集中して聴くことが出来た。これが続くことを願いたい。End
2014.01.19
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鑑賞日:2014年1月12日(日)10:00開演入場料:¥3,500 (スクリーン4・E列) 【制作・配給】松竹(株) METライブ・ビューイング2013-14ヴェルディ作曲喜歌劇「ファルスタッフ」(全3幕、イタリア語上演/日本語字幕付)会場:名古屋ミッドランドスクエアシネマ (MET上演日:2013年12月14日)指揮:ジェイムズ・レヴァイン演出:ロバート・カーセン美術:ポール・スタインバーグ衣装:ブリギッタ・ライフェンシュトゥール照明:ロバート・カーセン& ピーター・ヴァン・プレート管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団合 唱:メトロポリタン歌劇場合唱団出演:ファルスタッフ:アンブロージョ・マエストリクイックリー夫人:ステファニー・ブライズアリーチェ:アンジェラ・ミードナンネッタ:リゼット・オロペーサメグ・ペイジ:ジェニファー・ジョンソン・キャーノフェントン:パオロ・ファナーレフォード:フランコ・ヴァッサッロ感想: 単身赴任先での日曜日、時間が取れたので、METライブ・ビューイングを観に冬晴れの中、名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマまで出掛けた。 演目はヴェルディの遺作「ファルスタッフ」。ヴェルディ作品の中で唯一死人が出て来ない作品とのこと。 開演前に、MET総裁ピーター・ゲルブによる指揮者レヴァインと演出家ロバート・カーセンとのインタビューがあり、事前にプログラムを見るまでも無く本作品にスムーズに入って行ける。 病気療養のため昨シーズンをキャンセルした指揮者レヴァインのMET復帰公演でもあり、車椅子を回転させ客席を向いたところで既にスタンディングオベーション。 レヴァイン復帰に合わせ指揮台は車椅子を下から上げ、自動で回転もするような装置を設置しており、この辺りもさすがMET。 今回の演出は、1950年代に時代設定され、舞台装置、衣装、小道具が合わされている。また原作の場面設定を変更しており、2幕2場「フォード邸のサロン」はシステムキッチンとなり、隠れているファルスタッフを探し出す際にキッチン戸棚から料理器具や調味料をドンドンと放り出す演出となり、3幕1場「ガーター亭の外」は馬小屋の中で、生きている馬が干し草を食べている横で、川に放り込まれようやく抜けだしたファルスタッフが干し草の中で起き上がる場面となり、MET客席から笑いを誘う。 3幕最後のウィンザー公園での騒動も全員が角をかぶり、照明を使ってその影が猟師の亡霊に見せたり、フィナーレの婚約パーティーでの衣装、場面の早替え等、最後まで違和感なく観ることが出来、さすがロバート・カーセンの演出。 3幕ものだが、1、2幕は連続で上演され、各場の場面転換もスムーズ。昨年からのロイヤル、スカラ座(昨年日本公演もあり)との共同製作で熟れているのでしょう。 タイトルロールのアンブロージョ・マエストリは、幕間のインタビューにもあったようにその容姿と歌声から今回で202回目の本役出演であり、円熟した演技や歌い方でファルスタッフの人物そのもの様に思える。 クイックリー夫人役のステファニー・ブライズもお得意の役で男声レベルの低音も安定しており、アリーチェ役アンジェラ・ミード、ナンネッタ役リゼット・オロペーサ、メグ・ペイジ役ジェニファー・ジョンソン・キャーノは若手だがMETのオーディションや育成プログラム出身で主役級の歌声と演技で、ベテランと若手が上手く噛み合って舞台上のエネルギーを生んでいるところがMETの歴史なのでしょう。 1幕2場フィナーレの10重唱が素晴らしい出来。ナンネッタとフェントンのアリアは若々しい恋心を歌い、ヴェルディの若者達への希望の賛歌か。 2幕1場でファルスタッフが「名誉で何が出来る?折れた腕や足も治せない。」と歌う所は、晩年政治的活動から遠ざかり、農業経営をしていたヴェルディの心境なのでしょう。 作品も演奏も正に円熟の出来で、心豊かになる新年にピッタリの音楽を楽しむことが出来た。End
2014.01.12
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