おしゃれ手紙

2012.12.26
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テーマ: 愛しき人へ(903)
カテゴリ: 父の麦わら帽子
重箱

なかでも、餅つきは、お正月も近づく28日頃のあわただしくも、うきうきとした日だった。

餅つきの日は前日からもち米を水に漬けて用意をしていた。
この水に漬けることを父や母は 「かす」 という言葉を使っていた。

水にかしてから、ざるに上げ、水きりをした後、 蒸篭(せいろ) で蒸す。

蒸篭(せいろ)で蒸しあがった、もち米を、 石臼 に入れ、餅つきをする。

手水をつけて、石臼の中の餅を返すのが母の役目。
餅つきは、搗く人とかえす人の呼吸が大事。

「ホイ」とか「そりゃ」とか掛け声を掛けながらやる。

搗きあがると、大きな板の上に粉をふって、その上にあげ母が手際よく、ちぎる。
子どもの私たちは、それを、丸い餅の形にするのが仕事。
何臼も搗く。
正月の雑煮用、大豆を入れた、塩味の餅、砂糖が入った餅、中にあんこをいれた餅・・・。
搗きたての柔らかな餅にあんこをつけて食べるのをなぜか 「おていれ」 と言っていた。
もろぶた   搗いたもちは、 もろぶた という薄い餅専用の箱に入れて重ねる。


持って行くと、おばちゃんが
「はるなちゃん、ありがとう。はい、 おつり 。」と言って、
空になった重箱に マッチ棒を一つまみ、入れてくれた。

近所からペッタン、ペッタンという音が聞こえると、父が

うちに貰ったときも、必ず、「おつり」はマッチ棒一つまみのマッチ。

♪ペッタン、ペッタン・・・・。

餅つきの音は、お正月を、迎える音だった。


■追記■「おつり」情報!!

★四国・りょうこ。さん
おかえしのこと、「おつり」っていうんですか。 
うちでは「おとめ」と言ってました。やっぱりマッチでした。

★南予・おフジさん
お使いに行くと「おとみ」といって何か(忘れたけどマッチ棒もあったかも)もらいました。
「だんだん」というのが礼
■2002.12.28に書いたものに手を加えた。
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昔 ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★2012年12月26日 *父の麦わら帽子:目次*
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Last updated  2012.12.28 18:15:33 コメントを書く
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