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引っ越したいなという話をどこかでしたら、いつの間にか話がトントン拍子に進んで、自宅を買ってくれるという人が見つかって、とりあえず今、家の中を整理しているところです。この家に引っ越して来てから10年間一人暮らしでしたが、貧乏性のせいで持ち物が大変多くて、引っ越すとなると、それを全部持っていくわけには行かない感じです。片側で42キロあるヤマハのNS1000Xは持っていけそうにないので、ビクターのSX-500かパイオニアのS-101Cのどちらかに絞らなければならないだろうし、自転車も4台は無理です。ネイキッドのスペアタイヤ3セット12本も、スタッドレス1セットぐらいしか置き場は確保できないだろうし、カブは持って行けてもせいぜい1台です。5台あるパソコンは、今使っているこのノート1台で充分かも知れません。3500冊以上ある本も悩みどころです。そのほとんどは、ブックオフでも買ってもらえそうにない古本ですが、棄てるのは忍びないので、とりあえずダンボールに入れて部屋の隅に置いてあります。これらの遊び道具はほとんど貰い物ですが、持っていけない物は、結局実家のプレハブに保管することになりそうです。それらの遊び道具に比べて山道具はそれほどないので、全部持っていくことも可能だと思っていたのですが、押入れを開けてみると、最近は使っていないものがいくつも出てきました。その一つが10年ほど前に先輩にもらったグレゴリーのグラビティという40Lザックです。自分の体に合わないからとくれたのですが、私の体型にはピッタリで、背負い心地がとても良かったので、もらった当初は頻繁に使っていましたが、最近はビニール袋に入れたまま桐箱の中に放置状態でした。その理由は、この6年ほどは山登りにはほとんど行かず、山スキーにしかザックを使わないものの、このザックは自重が2400グラムくらいあるので、体力が落ちてきた自分が山スキーに使うには、重さが負担になってきたからです。しかし、気に入っていたので、手放さずに大切に保管していました。そして今回、引っ越し整理のために押入れに入れてあった桐箱の一つを開けて、久しぶりにビニール袋に包んでおいたそのザックを出した所、異臭がしました。咄嗟に今年の冬に師匠の友人Oさんから聞いたグレゴリー異臭事件を思い出しました。Oさんのグレゴリーがグラビティだったかどうかは覚えていませんが、私のグレゴリーも、ついにその餌食になったことを理解するには、ザックを開けて内側を確認するまでもありませんでした。すでに雨蓋からも異臭を放っていたからです。原因はポリウレタンコーティングの劣化です。それにしても、グレゴリーのザックはなぜここまで臭くなってしまうのでしょうか?それとも、このような異臭を放つのは、グレゴリーでも一部のモデルだけなのでしょうか?手元にあるミレーのデイバックやマジックマウンテンやケリティの古いザックも、PUコーティングの加水分解が進んで内側はポロポロですが、このような臭いはしません。ミレーの70Lザックは高校の頃から20年以上使いましたが、手放す時までこんな臭いはしませんでした。ICIオリジナルの30Lザックは25年使っていますが、未だにPUコーティング自体剥がれていません。グラビティの他に、唯一これに似た臭いのザックは、小学5年の時に地元の山道具店で買ったP4オリジナルザックですが、約30年使用したこのザックも、ここまで臭くはありません。グラビティは貰い物ですが、発売当時は3万以上はしたはずです。現在山スキーに使用しているオスプレーやロウアルパインのザックと比べてもかなり高く、恐らく私が所有しているザックの中では一番高価なはずです。なのになぜ、こんなに臭くなってしまったのか、高い物は良いという常識から考えると合点がいきません。高級感を醸し出すだめに、わざとこのような臭いを付けたのではないかとさえ、疑いたくなります。グレゴリーのザックは他にアドベントプロとスティミュラスを所有していますが、それらもいずれこんな悪臭を放つのかと思うと、ちょっと悲しい気持ちになりました。この臭いで思い出したのが、スイスのPBドライバーです。PBは、誰もが認める世界最高のドライバーメーカーだと思うのですが、唯一の欠点は、密閉容器に入れて保管しておくと、ドライバーの柄の部分が非常に臭うようになることです。下の写真のキャブレター用のドライバーとタイヤレバーも、柄の部分が非常に臭くて握るのも躊躇われます。他の工具に臭いが移りそうで、工具箱に入れたくありません。今では屋外保管です。この二つの事例から学んだのは、高価な物が無条件に長く使えるとは限らないということです。話を戻して、桐箱に入れて大切に保管していたこのグレゴリーのザックも、保管状態故にPUコーティングの劣化を早めてしまい、すでに寿命が来てしまったようです。あるいは保管状況に関係なく、10年も経てばザックはどれも寿命なのかも知れません。しかし、臭いからといってすぐに捨ててしまう気にはなれません。腐ってもグレゴリーです。ザックメーカーのロールスロイスと揶揄されるグレゴリーのザックは、背負い心地に関しては、やはり一日の長があると思います。このグラビティは40Lと小さめですが、フレームが非常にしっかりしているので、例えばボッカ訓練でも30キロくらいは石が詰められそうです。しかし、年をとって今からそんな訓練を自分に課せるのかと自問してみると、絶対にできそうもありません。使い道がないと分かっていても、やはり棄てることが出来なくて、Oさんにアドバイスを頂いた通り、重曹処理を行うことにしました。Oさんによると、洗ってもファブリーズでも取れなかったグレゴリーザックの臭いが、重曹水をスプレーしただけで魔法のように消えたそうです。重曹水は400mlで200円ほどで売られています。100円ショップにもあるようです。私の場合は粉末を1キロ購入して、お湯に溶かして重曹水を作りました。粉末は、カワチで1キロ380円くらいでした。しかし、私のグラビティは重曹水のスプレーだけでは臭いが完全に取れなかったのと、スプレーした生地に白い跡が残るのが気になったので、結局丸洗いすることにしました。一般的にザックを丸洗いするのは良くないとされていますが、それはポリウレタンコーティングを傷めてしまうからという理由が大きいようです。なので、PUコーティングを落としたいのであれば、むしろ丸洗いの方が理想的です。ネット情報によると、濃度約2%の重曹液に一晩浸すと、劣化したPUコーティングを完全に落とすことも可能らしいです。また、PUコーティングを剥がした後に、シリコンシーラントをラッカー薄め液で溶かした液体を塗ることで、防水性と張りを復活出来るそうです。こちらはまた別の臭いで苦しめられそうなので、両方手持ちの材料ですが、私は試してみませんでした。ということで、洗濯前に重曹液に一晩漬けておくことにしました。浴槽に浸けるのは嫌だったので、プラスチックの衣装箱を使いました。これなら背中に金属の入っているグラビティでもそのまま浸けられる大きさと深さがあります。途中で何度か重曹水を撹拌し、ブラシでPUコーティングをこすると、劣化したポリウレタンコーティングが垢のようにゴソゴソ落ちました。こすらなくてもコーティング自体を溶かしているようで、2時間ほど浸すと重曹水が茶色く濁ってきました。しかし、完全に落とすには非常に手間がかかります。特に、生地を縫い合わせる折り返し部分の隙間は、歯ブラシなどで念入りにやらないと取れません。それでも、グラビティの場合はコーティングされているのが雨蓋と本体の絞り部分だけなので、全体がコーティングされているザックに比べれば比較的楽だったと思います。頑張ってPUコーティングを落とし、液体洗剤で手洗いした結果、あの臭いがほぼなくなりました。使用した洗剤については、洗剤の匂いとの相性が気になったので、本体を洗う前に、雨蓋を2回洗って乾かし、アリエールとトップクリアリキッドで乾燥後の匂いの違いを確認してみました。いつもは好みに合うアリエールが、グラビティの場合はイマイチだったので、今回の洗剤はトップクリアリキッドを使いました。衣装箱にお湯を入れて3回すすいだ後、タンブラー乾燥はせず、そのまま屋外に吊るして自然乾燥させました。今日で二日目ですが、パッド部分を除けばほぼ乾いてきました。数日吊るして置けば、厚い背中パッドもそのうち乾くだろうと思われます。今回の重曹処理の結果、雨蓋や絞りのポリウレタンコーティング部分の防水性は無くなりましたが、本体部分のメインファブリックはポリ塩化ビニルをしみ込ませたシェルターライトとかいう厚い防水生地なので、こちらの防水性は未だに健在のようです。すすぎ時にザックの中に水を入れても、縫い目からしか漏れませんでした。雨蓋とシェルターライトが使われていないザックのサイドは、シリコン系の防水スプレーで処理する予定です。一度は捨てようと思ったこのザックも、なんとか背負いたい雰囲気が復活したので、今シーズンの山スキーには、どこかで出動させる予定です。ほぼ体力に影響されない赤城専用ザックにするのが良いかもしれません。結局、まだ使えそうな物が捨てられないというのは私の性格なのか価値観なのか分かりませんが、この性格を変えて、要らないものを棄てていくのは難しそうです。ただ、今回のように大切にしまっておいた物が朽ちていくのを見ると、やはり物の命も有限で、なるべく使いたい時に一番使いたい物を使うのがいいのかなと教えられました。そのおかげで道具をメンテする時間がまた増えてしまっても、それもまた自分の趣味として受け入れるべきなのかも知れません。そんなわけで、引っ越し仕分けはなかなか捗らず、引っ越し自体が面倒に思えてきました。そもそもこの引っ越しの目的は、「合理的に遊ぶ」という矛盾した願望に起因するようです。具体的には、2年前の大雪の時のように玄関からスキーを履いて出られる場所に住むことです。しかし、合理化した結果、これらの無駄を無くしてしまうと、私の遊びは成り立たないのではないかと思えてきました。引っ越さなくても、まだまだここで遊べるのではないかと思いはじめています。
2015.10.11
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オーディオというのは、とても金のかかる趣味だと思っていました。寺島靖国氏の著書『疾風怒濤のJAZZオーディオ放蕩生活』を読むと、家の庭に高さ12メートルの電柱を建てて専用トランスを確保したり、240万円のダールジールのパワーアンプに50万のアンソニーギャロでは釣り合わないよとか、アバンギャルドの最高機種は1800万もするのでとても手がでないから1450万のトリオにした、などという話が出てくるのです。【中古】単行本(実用) ≪芸術・アート≫ 疾風怒濤のJAZZオーディオ放蕩生活 / 寺島靖国【中古】afb価格:510円(税込、送料別) (2019/3/27時点)また、村井拓弥氏の『これだ!オーディオ術』を読むと、オーディオは高級嗜好の世界ではないと言いながらも、自身が使っているオーディオ機器の価格は1500万を超えているようです。これだ!オーディオ術 [ 村井裕弥 ]価格:2160円(税込、送料無料) (2019/3/27時点)家に6600Vを引いて専用トランスなんて確保できるのは一部のマニアに限られるとは思いますが、そこまでいかなくても、オーディオを趣味にしている人は、傍目から見ると散財しているようにしか見えない人が多いような気がします。寺島氏や村井氏とは使う金の桁が違いましたが、普通のサラリーマンだった私の父も、残された機器から察すると、300万以上はオーディオにかけたのではないかと思います。私が5年前に楽天オークションで売ったアンプやプレイヤー、スピーカーだけでも、定価だと150万を超えていましたから、残っているのと合わせると、実際はもっと使っていたのかもしれません。それが車だったら家族も文句は言わないのかもしれませんが、オーディオというのはただ音が出るだけです。そんなものが部屋にゴロゴロあっても、狭い家では邪魔なだけです。音の違いに興味が無い人にとっては一つで十分なものですから、欲しいオーディオ機器を買い換えるのは父にとっては簡単ではなかっただろうと思います。父の場合、私の兄を自分の趣味に引き込み、思い通りの音が出なかったアンプやスピーカーやプレイヤーやケーブルは兄に譲ったり、カラオケ好きの親戚にあげたりして、うまい具合に新しい機器を手に入れていたようです。私も中学生時代にパイオニアのCS-81というバカでかいスピーカーをもらい、サンスイのアンプで鳴らしていました。遊びに来てブルーハーツのカセットをかけた同級生のM君はすごいと言ってくれましたが、私はその当時はオーディオに興味がなく、CS-81は狭い部屋では邪魔でしょうがなかったです。その後、高校生の頃にヤマハのNS1000をもらったわけですが、NS1000Mより左右で8万くらい高く、エンクロージャーには黒檀を使っていて異常に重いNS1000は、詰まったような音で、音の良さなどわからない私が聴いてもイマイチな音だったように記憶しています。そのNS1000は5年前に処分してしまいましたが、その時譲ってもらったアンプは今も使っており、ビクターの名器SX500とダイヤトーンのDS66Zを、なかなか良い音で鳴らしてくれています。この30年前のプリメインアンプ、パイオニアのA-90Dは、私が現在所有している5台のアナログアンプの中では、一番良い音がすると思います。ところが昨年の夏、兄にもらったフォステクスの20センチフルレンジユニットで自作スピーカーを作ろうとネットを徘徊していたところ、数千円の中華デジタルアンプの音が、国産10万クラスのアナログアンプに引けを取らない音だとか、バブル時代の30万クラスの音を超えている、などというレビューを発見してしまいました。パイオニアのA-90Dはバルブ時代に定価22万で発売されたアナログアンプです。30万クラスとなると、生前親父が使っていたラックスマンのプリアンプC-06aやサンスイのパワーアンプ、B-2102MOSクラスということになります。僅か数千円であの音を体験できるならその音を聴いてみたいと思いました。そこで、試しに中華デジタルアンプを購入してみることにしました。中華デジタルアンプは安いものでは2000円くらい、高いものでも2万前後で買えます。しかし、中華デジタルアンプは初期不良が多く、当たり外れがあるという話です。最初は鳴ってもすぐ壊れるというレビューもあったので、初期不良しか対応していない純粋中華デジタルアンプではなく、6ヶ月保証が付いているNFJというメーカーのデジタルアンプと、PC音源再生用に同じメーカーのハイレゾ対応のDACを購入してみました。NFJは中華デジタルアンプを独自に改造して販売している日本のメーカーで、ヤフーショップのレビューを見る限り、商品の評判は良いようでした。FX-AUDIO- FX-98E 『シルバー』 TDA7498EデジタルアンプIC搭載 160Wハイパワーデジタルアンプ価格:5400円(税込、送料無料) (2019/3/27時点)ということで、NFJの販売するFX-98Eを購入しました。FX-98Eは中華デジタルアンプメーカー、SMSLのSA-98EをNFJが独自に改良したもので、SA-98Eよりノイズが少なくゲインも調整できるとあり、160Wは必要ないと思っていた自分には使い勝手が良さそうでした。私がこの機種を購入するきっかけになったあるサイトでは、15年前のデノンの中級アナログアンプPMA-2000IVに肉薄する音とありました。価格は、現時点でSA-98Eが32V・ACアダプター付きで1万2000円から2万円くらい、FX-98Eは電源なしで5000円でした。フルパワー160Wの性能を求める場合、32V電源が必要らしいですが、現在のところNFJでは32V電源を販売していません。別途アマゾンで、それなりに信頼できそうな32VのACアダプターを購入するとなると、アンプ本体に近い値段です。SA-98Eが32V・ACアダプター付きで1万2000円から2万円というのも、ACアダプターの値段が半分くらいを占めているのでしょうか。32Vアダプターは、アマゾンでは安い物もありましたが、すぐ壊れるというレビューなので止めました。電源については、FX-98Eは32V電源が必須というわけではなく、15Vから32Vの範囲で使えるらしいので、フルパワーで使う予定のない私は、NFJで販売していた24V-5Aのスイッチング電源を購入しました。これにはAC100V電源ケーブルと機器への供給ケーブルが別途必要です。実際に自分の環境で聴いた限りでは、24V電源でアンプのゲイン調整をデフォルトのまま最低でも、ボリューム9時から10時の位置で爆音を響かせてくれました。なお、電源は家にあったNECのノートパソコン用ACアダプター(19V-3.16A)でも使えました。プラグサイズは外径5.5ミリ、内径2.5ミリになります。商品は注文した翌日に届きました。早速聴いてみると、レビューを読んで期待が大き過ぎたためか、最初の印象は、値段なりかなというものでした。そう感じた理由の第一は音質というよりホワイトノイズです。電源プラグを差し込んだ状態で既に、スピーカーからけっこう大きなホワイトノイズが出ていたのです。また、アンプの電源を切って電源プラグを外すと、右スピーカーから「ボツ」っというポップノイズらしき音も出ました。ちょっと気になったのでNFJに問い合わせたところ、ホワイトノイズについてはこのアンプに搭載されているチップ、TDA7498Eの仕様とのことでした。現在手元には5台のアナログアンプがありますが、一番古い40年前のサンスイのアンプ以外はこのようなノイズは出ません。仕様ならば仕方ないのですが、ちょっとがっかりでした。2メートル離れれば聞こえないと言われればそんな気もしますが、実際は聞こえます。この「サー」という音は気になりだすと、かなり心を乱す音です。なお、NFJからの返答によると、このホワイトノイズはゲイン設定とスピーカーの能率にも左右されるそうです。ゲインを下げれば小さくなるということでしたが、私は出荷時のまま最低ゲインで使用しています。能率92dBのタンノイDC2000で聴くと、2メートル離れても気になる大きさです。90dBのNS1000Xでも気になりました。しかし、このホワイトノイズの件は、アンプの電源を入れる前にコンセントを入れた段階で出るのは不良の可能性があるとのことで、返送するようメールをもらい、初期不良交換してくれました。新しい機体もホワイトノイズの大きさは同じでしたが、電源を入れる前から出ていた点は改善されていました。ポップアップノイズらしきプツ音についてはそのまま使用しても問題ないとの返答でした。パイオニアのA90DやマランツのPM80AFやソニーのTF333ESGでは電源ON-OFF時にこのようなプツ音は全くしませんが、テアックのAR630は小さな音がします。そのまま5年ほど使い続けても特に異常はないので、問題がないと言われればそうなのかもしれません。次回は感想です。
2019.03.27
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送料無料【中古】ラスト・ホリデイ [DVD]楽天で購入なんだかステキな映画だった。あんな健康そうな見た目で余命2週間というのは、いかなる難病と言えども嘘くさいのだが、本人は医者の言うことを真に受けて、人生の最後を飾ろうと全財産を処分して旅に出てしまうところが潔い。クイーン・ラティファ演じる主人公のジョージアは、ランピントン病という難病にかかってしまったという。そのうえ、ウイルスによってその病状が早められてしまったという。この映画のように、人生でやり残したことを考えさせられる映画は他にもあるが、年寄りが主人公の場合が多いような気がする。この映画の場合は、働き盛りの女性が主人公というの点で珍しい。また、一見、それまで負け組だった女性が、全財産を使って今までやりたかったことを、とこんまでやるというのが良い。つまり、自分に近い境遇の人の話だからこそ、引き込まれるところがあった。しかし、負け組と言っても、相当カネを貯め込んでいたからこそ出来ることではあった。
2021.08.22
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テレマーク仲間4人で赤沢スキー場へ行ってきました。年に一度の赤沢パウダー祭りを期待して、3台のパウダー用板を持っていきましたが、残念なことに前日の降雪はほとんど赤沢の壁から吹き飛ばされ、雪が溜まっていたのは上部の緩い斜面のみでした。当日も朝一は風が強く、赤沢の壁はガリガリでした。風が止むと一気に気温が上がり、昼頃には春のような陽気になりました。そんな状況だったので、パウダー試乗には不適切でしたが、新しい板を試すには良い日になりました。朝一でまだ上の状況がわからず、パウダーを期待して乗ったのは、DPSのウィラー105、まな板TTSです。購入後、シーズン始めに丸沼で1時間ほど乗っただけなので、山で使う前にゲレンデで一度、パウダーで乗ってみたいと思っていました。その機会が、ようやくやってきたと数日前から楽しみにしていたのですが、前述の通り、パウダーで試乗が出来たのは上部の緩い斜面だけで、急斜面は荒れたアイスバーンの試乗になってしまいました。丸沼での試乗の際に書いた通り、この板は188センチという長さの割に取り回しが楽です。なおかつトップのロッカーは弱く、実効エッジ長は長いので、アイスバーン気味の急斜面でも安心感がありました。パウダーでの試乗は上部の緩い斜面のみでしたが、シャリシャリなパウダーでの抜けは比較的良く、次回は山で試してみたいと期待感が高まった試乗でした。次に乗った板は、前回の平標山からビンディングの取り付け位置を前に38ミリ移動したRMUのウィスコです。乗りにくい雪で使用するつもりで買った板なので、アイシーな赤沢の壁とパウダー後の荒れた斜面は、試乗にはピッタリでした。まず、ビンディングの取り付け位置に関しては、前回の平標山とその前にオグナのゲレンデで1時間試乗した時より、前に1ピッチ、38ミリ移動することで、抜群に乗りやすくなりました。特にショートターンが気持ち良いです。自分の切り返しのリズムにピッタリ合います。エクストラソフトの板バネの反発が丁度いいので筋力がいらず、自動で足が出て疲れません。何度やっても気持ちよく、子供がトランポリンの上でずっと飛び跳ねているように、繰り返してしまいました。スキーの板にオーバーやアンダーステアがあるのかどうかわかりませんが、板によっては自分の意思より切れ込んだり流れたりするので、角付けや荷重具合で調整するわけですが、この板とビンディングにはそれが必要ない感じでした。前に38ミリ移動することで、板の跳ね返りポイントにも合ってきたようです。元穴の位置より38ミリセットフロントしても、私のブーツサイズの場合、アルペンのブーツセンターより78ミリもセットバックなのですが、モリちゃんのウィスコよりは20ミリほどセットフロントで、コードセンターより63ミリセットフロントになります。従来のコードセンターを基準としたテレマークビンディングの取り付け位置としては63ミリというのはセットフロント気味かもしれませんが、中古で購入した時に開いていた38ミリ後方の穴の位置よりずいぶん乗りやすくなりました。先日スキーヤーズラボのメルマガで触れられていたように、スキーとブーツは踝付近で荷重した時にブーツセンター付近に跳ね返りが来るよう設計されているといいます。テレマークターンの場合、山回りの外足荷重と反力に関してはアルペンターンと同じと考えていいのかも知れませんが、内足の荷重ポイントは谷回りから山回りにかけて、随時踵付近からつま先側に移動するので、ブーツの位置関係からも物理的に踵部分に荷重するわけにはいかず、そのため、現在もビンディングの取り付け位置に関しては、色々な意見があるのかも知れません。ウィスコを存分に味わった後、最後にモリちゃんの新しい細板、ブルーモリスのトラディッショナルに試乗させて頂きました。本来なら革靴で乗るべき板ですが、私は持っていないので、エクスカーションで試乗させて頂きました。前々回、オグナほたかスキー場で初めて見た時、ずいぶんビンディングが前についてるなあと思ったのですが、そこがモリちゃんも気になっているようで、メーカーにも問い合わせたそうです。その結果、来シーズンからは現在のブーツセンター表示からコードセンター表示に変わり、現在の標準位置から11センチあまりもセットバックになるというのですから、ユーザーとしては何を基準にしたらいいのか、迷うところです。私より前に試乗したAさんや、モリちゃんの話通り、私は現在の位置でも乗りやすいと感じました。具体的には山回りが面白いです。ほとんどサイドカーブのない板なのに、踏込むとカービング板のように切れ込んできます。シングルキャンバーらしいですが、エクスカーションで乗ると靴のソールの反発も影響するのか、エオンと比べてずいぶん跳ね返りが良いです。私も、センター62のエオンと先日購入したフィッシャーのSバウンドクラウンを持ってくれば、BCクロカンでの革靴になりますが細板比較できたのにと少し残念でした。そんなわけで、今回の赤沢スキー場での試乗は、ビンディングの取り付け位置について、少し考えさせられるような試乗会でした。テレマークも、NTNが増えてきた最近ではアルペンのブーツセンターに合わせて取り付けることが多いという話を聞くことがありますが、75ミリでも以前からブーツセンターに合わせて取り付ける人もいたでしょうし、そのへんは個人のライディングスタイルや好みによって変わってくるのかも知れません。前乗りだからセットフロントになるというわけでもなく、逆に前乗りだと荷重ポイントが前側になるので、足に前後差を付けた時のことを考えるとセットバックの方が板のスウィートスポットに荷重しやすい場合もあるような気がします。ゲレンデでは良くても、ブーツセンターではテールが長すぎて、山でキックターンがやりにくく、登りにストレスを感じることもあります。モリちゃんのトラディッショナルはそんな位置にあるようでした。モリちゃんによると、良い板というのは、大きくセットフロントしても乗りやすいそうです。その意味では、トラディッショナルはスウィートスポットが広いということなのかも知れません。今回、性格が全く違う板に試乗し、テレマーク仲間と乗り味を話し合うことで、ビンディングの取り付け位置を自分の目的に合った位置に合わせていく作業も、テレマークの一つの楽しみのように感じました。ブルーモリス スキー単品 TRADITIONAL ステップソール価格:49500円(税込、送料別) (2023/2/12時点)楽天で購入
2023.02.12
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最近、涼しくて助かります。お墓参りに行ってお墓を掃除するのも、スキーをいじるのも快適でありがたいです。先日、来シーズンに使用するテレマーク板のために、ボレーのスイッチバックX2を購入しました。新しい板を購入するほどテレマークは上達していないので、以前購入してほとんど使っていないブラックダイヤモンドのバーディクトからディアミールフリーライドを外し、スイッチバックX2を取り付けることにしました。昨シーズン使っていたテレマークの板は、山スキー仲間に譲ってもらったもので、ビンディングはG3のタルガが付いています。ゲレンデを滑るぶんには何も不満はないのですが、タルガはウォークモードと滑走モードの切り替えがないので、ハイクアップ時に足上げが重いです。来シーズンは、パウダーも積極的に滑りたいので、足上げの軽いビンディングを付けたいと思っていました。そこで、山スキー仲間に勧められたスイッチバックをつけることにしました。ボレーのビンディングには型紙が付属しているので、取り付けは簡単です。1.まずは、スキーのおおよそのセンターに沿って25mm幅のマスキングテープを50cmほどの長さで貼り、コードセンターとスキーのセンターラインをマスキングテープ上に書き込みます。コードセンターはメジャーで測ればいいのですが、スキーセンターの出し方は、ちょっとひと手間です。以前は、300円くらいで買った、上の写真のようなアルミのL字ステーをエッジに当てて、左右から均等の長さでおおよそのセンターを出していましたが、今回はあるブログを参考にさせて頂き、止型スコヤを使ってみました。【要エントリー!!開催期間:2014/8/17(日)10:00〜8/24(日)9:59まで】スコヤならダイシン工...価格:843円(税込、送料別)※下の写真は止型スコヤを使ったセンター出し手順ですが、既にセンターラインは書き込んだ状態です。止型スコヤを使用する前に、そのブログでこちらの方がいいのではないかと紹介されていた下の写真のような一発止型定規というのも使ってみたのですが、これは直角定規の出っ張り部分が左右で違うため、使えませんでした。片側の出っ張りが10mmほどしかなくエッジまで届かないので、左右の計測に誤差が出て、対角線を引いてセンターを出すというやり方が使えません。ということで、止型スコヤを使い、フリーライドの足裏部分のネジ穴を使って位置を固定し、前と後ろ、2個所で対角線を引いて交点を繋ぎ、スキーセンターラインを書き込みました。このやり方は、定規をひっくり返した時に同じ位置に当てるための固定が必要ですが、スキー板をワキシング台に乗せたまま作業できるので、もっとも簡単なセンター出しのやり方のような気がします。アルミL字ステーを使ったやり方だと、スキーを水平な台の上に置いて作業する必要があります。ビンディングの取り付け位置は、コードセンターに3ピンラインを合わせました。ぐぐってみると、最近の板ではセットフロントする場合が多いようですが、この板は8年も前のノーマルキャンバーの板ですので、セオリー通りにしました。2.型紙を合わせて、ポンチを打ち、下穴を開けた後、3.5mmの手製ストッパー付きドリルで穴を開け、仮にビスをねじ込んでみます。3.ねじ山を付けることで出来たバリを、カッターの刃で平らにします。4.ビンディングを仮付けして、ビンディングに靴をセットし、ヒールラインを書き込みます。5.ヒールピースの穴あけも、型紙に合わせて行います。6.ヒールピースを仮付けして、ビンディングのヒールサポートなどに干渉しない位置に、ボレーのスキーアイゼンを取り付ける穴を、型紙を当ててポンチを打ち、開けます。スキーアイゼンのベース自体はまだ手元にないので、シーズン前にベースを購入し、取り付ける予定です。7.ビンディングを本付けします。その前に、フリーライドを付けていた穴を塞ぎます。本来なら、P栓を入れてエポキシで埋めるのですが、P栓の手持ちの数が足りません。ネットを検索すると、ホットグルーで埋めている人もいるようです。ホットグルーは、アクアリウムなどにも使っている人がいるようなので、そこそこの耐水性はあるようです。しかし、融解温度が85度前後ということで、ワキシングアイロンを直に当てれば確実に溶けます。また、熱収縮するようなので、単体でねじ穴を埋めて、完璧な防水性を期待するのは無理かも知れません。取り敢えず試しに、ということで、今回はグルーで取り外したネジ穴を埋めることにしました。ビンディング取り付けビスは、以前はエポキシで固定していましたが、今回は木工用ボンドを使いました。木工用ボンドは水性のため、防水性が心配ではありますが、ラッピーも木工用ボンドを使っていると聞いたので、それほど心配することは無いのかも知れません。取り敢えずこの状態で終了です。この記事を見るような方には釈迦に説法だと思いますが、すでに取り付けてあるビンディングを外して新しいビンディングを取り付ける場合、エポキシやネジロック剤で止められているビスを緩めるには、かなりのトルクを必要とする場合もありますので、サイズに合ったポジドライバーを使用することをお勧めします。プラスドライバーで代用すると、ナメて痛い目を見る場合もあります。上の写真の真ん中のものは、ストレートという工具屋で売られているものですが、安い割にグリップが握りやすくて良いと思います。サイズは、ビンディング取り付けビスはNo.3になります。ベッセルでも800円くらいはするようです。​メガドラポジドライバー No.S-903 PZ3X150 ベッセル(VESSEL)【あす楽対応】価格:810円(税込、送料別)ストレート製は600円くらいです。
2014.08.14
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DP-SE7が復活したので、今度は同じシリーズのミニコンポのアンプ、R-SE7をいじることにしました。ネット情報によると、このアンプはリレー不良で音が出ないトラブルが多いらしいです。リレーを交換するだけで復活するなら、ジャンクいじり初心者にはうってつけです。私のR-SE7も、電源は入りますが音が出ませんでした。このアンプはミニコンポ用ながらA級とAB級動作を切り替えられるらしいです。音がいいという感想を書いている人もいました。はたしてどんな音が出るのか、復活することを期待して、リレーを交換してみました。DEC製の純正はもう販売していないようですが、ALA2F24が代替品として使えるようです。リレーはDP-SE7のコンデンサと一緒に秋月電子で注文しました。一つ180円でした。このアンプには同じリレーが3つ使われているようですが、スピーカー出力端子近くにある一つを交換すれば、スピーカー出力不良のトラブルは直るらしいです。安いので3つ購入しておきました。このアンプは、先日いじったDP-SE7と比べて、バラすのが非常に楽でした。分解しやすいように設計されているようでした。後部のビス3本で本体のカバーを外した後は、下側のビス1本とアースネジ1本、白いフラットケーブル2本を外すだけでフロントパネルが切り離せます。リレーが配置されているメインの基盤は、リアパネルのビスをすべて外し、チューナー基盤を外し、その影に隠れているメイン基盤をシャーシに止めているビス1本と、同じくヒートシンクそばのリアパネル側のメイン基盤を止めているビスを外し、裏側のプラスチック製のピンを2つ解除してやれば外れます。トランスとメイン基板をつなぐグレーのケーブルは外しにくそうなので、トランスを固定しているビス4本(表側と裏側から各2本)を外して、トランスとメイン基板を一緒に外しました。基盤からのリレーの取り外しも、DP-SE7の表面実装コンデンサに比べて非常に楽に取り外せました。温度調節機能付きのハンダゴテの設定温度は買った時のまま370度で、吸い取り機を使ってハンダを除去しました。D型のコテ先を使ったところ、ハンダの乗りも非常に良かったです。果たしてリレーを交換しただけで本当に音が出るのか、期待を込めて電源を入れてみると、壊れていたのが嘘のように音が出ました。最初は、先日修理したCDプレイヤーにオンキョーのAVアンプHTX-25HDXに付属していたフロントスピーカー、D058STを繋げて鳴らしたところ、なんだか軽い音で、こんなものかと正直がっかりしました。しかし、それより少し大きいKENWOODのミニコンポ用スピーカー、LS-SE7に繋ぎ変えたところ、なかなか良い音で鳴りました。スピーカーを畳に直に置くと、低音もけっこう出て楽しめます。A級動作に切り替えると、奥行きのある音で鳴るような気がしました。このR-SE7のリレー交換は、ジャンク品いじり初心者にはピッタリだったようです。また見つけたら購入しようと近所のハードオフと前橋の店2軒回りましたが、今の所、まだ見つかりません。次回は、しばらく放置していたソニーのプリメインアンプ、TA-F333ESGのロータリースイッチ洗浄とリレー交換の話です。
2019.11.27
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私は今まで、22Designsのビンディングを自分の板で使用したことがありませんでした。購入したビンディングはすべてG3かボレーかロッテフェラーで、特にボレーのスイッチバックが気に入って4つほど使用しているので、取付穴のピッチが違う22Designsのビンディングを買っても、すべての板で穴を開け直さないと交換して楽しむことができないため、購入を検討したことはありませんでした。しかし、モリちゃんから22Designsのビンディングの良さを聞いていたし、実際にハンマーヘッドやリンクスやアウトローがついた板に乗せてもらい、ボレーとは違った利点があることは分かり始めてきました。試乗させてもらっているうちに、自分の板でも22Designsのビンディングを使ってみたくなりました。そこで、手始めにフリマで中古のアクスルを購入したのですが、入金後いくら待っても商品が送られて来ず、結局入手出来ませんでした。やはり、写真で程度が良さそうに見えても、評価が一つしかない人から購入するのは止めた方が良かったようです。良い勉強になりました。ケチらず新品を買えばいいのですが、アクスルは新品だと4万2千円くらいします。それならもう一万出してアウトローXを買うか、更に1万出してリンクス買おうということになり、手始めに買うにはちょっと考えてしまいます。そんな時、モリちゃんが22DesignsのアウトローがついたG3のディストリクト・カーボン・ハイブリッドと、アクスルを譲ってくれました。モリちゃんのおかげで、消えかけていた22Designsへの興味が復活しました。自由にいじれるアウトローとアクスルが手に入ったので、まずはアウトローがついたディストリクト・カーボン・ハイブリッドのヒールピースの穴をインビス化し、ヒールピースをアクスルと共用できるようにしました。インビス化にあたり、今回、初めて秀岳荘さんのインサートビスを使用してみました。これまでインビス化した11台の板はすべてブルークリフさんで売られているスノーフレークスキー製を使用していました。一番古いものでは7年ほど使用していますが、今のところインビスが緩むなどの不具合はありません。品質も良く、これからも使い続けるつもりでしたが、先日、手元のインビスが少なくなったので買い足そうとしたところ、価格が一個220円に値上がりしていたため、一個120円の秀岳荘さんのインビスを試しに100個ほど購入してみました。両方ともビンディングを固定するビスはM5-0.8ですが、板側のネジ山に違いがあります。スノーフレークスキー製の径は16分の5インチ、秀岳荘製は8ミリです。ネジ山のピッチは、スノーフレークスキー製が約1.41ミリ、秀岳荘製が1.25ミリです。インビス変更に伴い、下穴に使うタップも買い直しました。M8-1.25の#3タップの安いものは400円くらいで買えるので、ヒールピース4個分で元が取れてしまいます。写真の左側が秀岳荘製です。どちらも表面は綺麗な仕上がりです。秀岳荘製は、マイナスドライバーで回せる溝が切ってあります。タッピング前の下穴はこれまでと同様6.3ミリで、特に問題ありませんでした。アクスルのヒールピースというのは独特の作りをしていて、クライミングワイヤー取付部が左右でオフセットしています。それを2つのピースで挟み込むわけです。ワイヤーを捻りながら固定することで、クライミングワイヤーを立て易く、倒れ難いように工夫されているようです。モリちゃんによると、ワイヤーにテンションがかかっているため、ヒールピースをビスで固定する時は、前後のビスを交互に少しずつ締めていく必要があるそうです。テンションがかかったヒールピースを締め付ける時、ネジ山のかかりが浅いと板のネジ山を壊しかねないので、何度も付け替えを行う場合は、インビス化した方が良さそうです。譲ってい頂いたもう一つのビンディング、アクスルは、試しにロシニョールのバンディットB3に取り付けてみました。取り付け前にアクスルの構造を観察してみると、アウトロー同様、ビスを固定するフレームが金属製で、ボレーやG3と比べて本体が堅牢な構造をしていることが分かります。ボレーのスイッチバックやTTS、G3のタルガのフレームはプラスチック製で、そこでビスを支えているので、長さと幅のあるフレームに力が加われば僅かに歪むのは仕方ないだろうし、乗り手が感じる剛性感に違いが出るのは当然かもしれません。また22DesignsはG3やボレーと比べてフレームを止めるビスの間隔が左右で12ミリも広いわけですから、板をよじるような力が加わった時に、アウトローやアクスルはビンディング本体が板の剛性を高める役割も担えそうだし、ビンディングに加えた力を効率的に板に伝達できそうなイメージがわきます。スチール製のフレームで重量は重くなりますが、軽さとは別の利点があるようです。ボレーの大きな利点は軽さですが、昨年登場したリンクスは、ボレーTTSとほとんど変わらない軽さです。スカルパTXとボレーTTSの相性問題がはっきりしてから、軽さの点でもリンクスに魅力を感じるようになりました。これからリンクスを買い足す場合にも、22Designsのビンディングは、アクスルからアウトロー、リンクスまで、取付穴が全て共通というところも、自分でビンディングを付け替えて楽しむ人間にとっては便利です。そして、この穴の間隔が左右前後共に38ミリに統一している点も合理的で、実用性を感じます。ヒールピースのビス穴の間隔まで38ミリなのです。そのまま38ミリずらして穴を開ければ、セットフロントやセットバックしたポジションも楽しめます。細かいことですが、数値が統一しているというのは、自分でスキーの板に穴開けをする場合に間違い難く、非常にありがたいです。DIYユーザーのことを考えて作られたビンディングということが分かります。上の写真がアクスルを乗せたロシニョールのバンディットB3です。純正ヒールピースはG3のディストリクト・カーボン・ハイブリッドで近日使う予定なので、こちらはとりあえず、ボレーハードワイヤー3ピンのものを前後ひっくり返して取り付けてあります。クライミングワイヤーを前側にすると、スプリングに干渉してしまうためです。試乗が待ち遠しいです。【お買い物マラソン】テレマーク ビンディング NEWモデル 22DESIGNS 21-22 22デザインズ 2022 OUTLAW X アウトローX NTN 金具 BDG[単品販売不可]【3/21 20:00から】価格:57200円(税込、送料無料) (2022/3/21時点)楽天で購入【最大43倍 要エントリー】テレマーク ビンディング NEWモデル 22DESIGNS 21-22 22デザインズ 2022 AXL アクセル 金具 BDG[単品販売不可][期間限定 ポイント10倍]【お買い物マラソン 3/21 20:00から】価格:47300円(税込、送料無料) (2022/3/21時点)楽天で購入スノーフレークスキー ステンレスインサートビス 50個 M5スキー用【メール便送料無料】価格:10450円(税込、送料無料) (2022/3/21時点)楽天で購入ハンドタップ メートル並目ねじ M8×1.25 仕上タップ 3番タップ ねじ切りタップ めねじ加工修正価格:418円(税込、送料別) (2022/3/21時点)楽天で購入
2022.03.21
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【中古】YAMAHA ヤマハ NS-1000M ブラック ブックシェルフモニタースピーカーシステム 2本1組価格:350,000円(税込、送料別) (2023/9/4時点) 楽天で購入 高校時代に親父がくれたYAMAHAのNS-1000を、先日、オークションに出品するため、何十年か振りにアンプに繋げて鳴らしてみました。思ったよりいい音がして泣けました。音に感動するなんて久しぶりです。何年もPCの小型スピーカーやヘッドフォンに慣れた耳には、とても深くて豊かな音に聴こえました。NS1000は世間ではいまいちの評判だったようで、親父も納得した音が聞けなかったのか、その後すぐに別のスピーカーを買って、NS1000は私がもらいました。私も、もらった当初はパイオニアA-90Dに繋いで楽しんでましたが、じっとして音楽を聴く趣味に飽きて使わなくなりました。ケースが黒檀仕上げで重さが片方40kgあるこのスピーカーを、その後親戚に貸したり、あちこち動かして筋力トレーニングにはなったかもしれませんが、最終的には部屋の隅に追いやられていました。そして先日、オークションを通して見ず知らずの方の元へ旅立ちました。なんとか相性のいいアンプと、うまいセッティングを見つけて頂き、末永く楽しんで頂ければ嬉しいです。(写真のリンクはNS1000Mです。) さて、本日ようやく親父の墓が完成し、納骨が終わりました。祖母は浄土真宗の熱心な仏教徒で、親父が建てた墓が市内にありましたが、キリスト教徒の母と兄が将来そこに入りたくないというので、新しく実家を見下ろす丘陵の一角に墓を買ったわけです。親父はキリスト教徒ではありませんから、本来なら自分が建てた墓に祖父母と共に入るのが当然だと思います。しかし、母と長男である兄の、私から見ればワガママな将来の希望を通し、先祖の宗教まで移動することになりました。祖母は浄土真宗の檀家でしたから、離壇をして、祖父母の骨も新しい墓に移しました。死んでも魂というものがあるのだとしたら、仏教徒の祖母が牧師さんに祈ってもらって新しい墓に入ることをどう思うだろうかなんてことは、特定の宗教を信仰しない人間の心配なのでしょうか。 家の制度なんて解体した現代日本でも、死んでからも色々面倒なことは残っているもんです。 ところで、相続について書かれた橋本治氏のこの本が面白かったです。「『相続』とは、生きていく方法を相続すること」、というのが、なるほどと思いました。【送料無料】ぼくらの資本論 [ 橋本治 ]価格:580円(税込、送料別)
2012.11.24
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昨年末頃から、愛車ネイキッドのフロント周りから異音が出始めました。最初は車庫から車を出す際など、思い切りハンドルを切った時だけだったので、タイヤがどこかに当たっているのかと思いました。運転席で聞くと、カタカタと何かに接触している感じの音でした。しかし、ハンドルを切った状態で目視で確認しても、何かに当たっている様子はありません。ジャッキアップして下回りを見ても、それらしい異常は見当たりませんでした。そうこうしているうちに、直線でもトルクをかけると時々異音が出るようになりました。場合によっては左右両側から出ているように聞こえます。しかし、全く出ない時もあります。どちらかというと、気温が低い時に出やすいようです。自分では何が原因なのか判断できないので、知り合いの整備士に同乗してもらったところ、恐らくドライブシャフトのボールジョイントの異音ではないかということでした。すぐにどうこうなるというわけではないので、音が気にならなければ、しばらくそのまま乗っていても大丈夫ということでした。壊れても動かなくなるだけなので、心配ないということらしいです。Youtubeでドライブシャフト異音で検索して音を聴いてみると、どうも自分の車の異音とは違うような気がしましたが、下回りにカメラを設置して録音してみると、やはり同じような音でした。というわけで、それから半年ほどそのまま乗っていたわけですが、陽気が良くなってきたので、下回りの錆の補修がてら、自分でドライブシャフトを交換することにしました。ドライブシャフトは、ネットで新品が1本9500円で売っていたので新品を購入しました。HDKというメーカーで、3年4万キロ保障付きです。新品でこの値段は驚きでした。リビルト品でもこれほど安くはないと思います。また、リビルト品だと取り外したドライブシャフトを返却しなければならないようです。純正だと恐らくその3倍以上はしたと思います。左側全国送料無料!(北海道は別途1650円、沖縄・離島は別途3300円)L750S ネイキッド フロントドラ...価格:9,500円(税込、送料込)右側全国送料無料!(北海道は別途1650円、沖縄・離島は別途3300円)L750S ネイキッド フロントドラ...価格:9,500円(税込、送料込)※年式で部品が違うので、車体番号、型式指定、類別区分からご確認下さい。交換方法は、サービスマニュアル通りに行いました。ネイキッドオーナーの方で、ロアアームボールジョイントを外して行っているレポがネットに出ていたので真似しようと思いましたが、持っているプーラーでは頭が大きすぎてドライブシャフトとの隙間に入らず、ロアアームボールジョイントが外せなかったので、タイロッドエンドを切り離すサービスマニュアルの方法で行うことにしました。手間はどちらでも変わらないようですが、タイロッドエンドブーツは昨年末に交換したばかりなので、プーラーで傷つけないように注意しました。サスも外した方が楽そうなので、サスとステアリングナックルを繋ぐ取り付けボルト下側2本も外しました。当初、このぐらいの作業なら半日あれば終わるだろうと高をくくっていましたが、初っ端から、ドライブシャフトのロックナットが緩まずに苦戦しました。規定トルクは約20キロですが、1メートルの鉄パイプを使って回しても緩まず、下の写真のように、2分の1インチのナットスピンナーハンドルのジョイント部が曲がってしまいました。錆びて固着しているようです。数日前に防錆潤滑スプレーを吹いておけば良かったです。しかし12.7ミリの工具が折れてしまう状況では、インパクトでもないと緩まないと思ったので、実家が整備工場をやっている友だちの家に行って、エアインパクトで緩めてもらいました。あっという間に緩みました。本当に助かりました。ナットを再度締めて自宅に戻ってきて、後日作業することにしました。一度緩んでしまえば、20キロくらいのトルクで締まっているナットなら、400ミリくらいの長さのナットスピンナーハンドルで緩みます。ドライブシャフトのナットを緩めた後、本来ならSSTでドライブシャフトを抜きますが、持ってないので、タイロッドエンドやサスを切り離す前にプラハンでドライブシャフトを叩いてハブから抜いて置くと良いようです。上の写真のように、タイロッドエンドとサスを外すと、ホイール側のドライブシャフトスプラインは簡単に抜けました。しかし、ミッション側は簡単には抜けません。Cリングが広がっているようです。サービスマニュアルでは、ダストシールをめくって車載のハブナットレンチの反対側でこじって抜くように指示されています。そのように行いましたが、なかなか外れてくれません。ハブレンチは短いので、長めのタイヤレバーを使えばもう少し楽だったかもしれません。ドライブシャフトを回しながら根気よくこじっていたら抜けました。サービスマニュアルでは、ドライブシャフトを抜く前にミッションオイルを抜いておくよう指示されていますが、今回は抜いてなかったので、ドライブシャフトを外すとオイルが垂れてきます。結構な量が流れてしまいました。その後、新品のドライブシャフトのシール当たり面とスプラインにシャシグリスを塗って組み付けました。タイロッドエンドブーツのグリスが少し抜けたので、隙間から注射器でグリスを注入して組み付けました。サスの下側2本のボルトは、なぜか左側と右側でボルトを通す方向が逆に指示されています。運転席側は後ろから前へ、助手席側は前から後ろへ、だそうです。サス下側ナットの締め付けトルクは96Nです。締め付け時、サスとステアリングナックルが開く方向(上下を内側に押す方向)に力がかかった状態で、ガタをなくして締め付けるよう指示されています。これをやらないと、微妙にキャンバーが狂うかもしれません。そして、反対側も同じように行います。ドライブシャフトをミッションから外した時にオイルが抜けたので、20年前に開封したミッションオイルを足しておきました。古すぎてちょっと心配なので、早めに全交換しようと思います。ドライブシャフトの交換ついでに、約半年ぶりにジャッキアップして下回りを点検しましたが、ボディーの錆がかなり進んでいるようでした。まだ下回り塗装から半年くらいしか経っていませんが、特に前側のジャッキポイント付近とマフラーの太鼓の錆が進んでいました。半年前に交換したばかりのディスクローターも、すでに錆び錆びでした。エキパイの触媒部分と太鼓の下側はワイヤーブラシで磨いた後、赤サビ転換防錆剤で防錆処理し、その後、耐熱シルバーで再塗装しました。ボディーのスポット溶接部分の錆も同じようにこの赤サビ転換防錆剤を2度塗りした後、こちらはカインズのアクリルスプレーで塗装しました。いくらか見た目は改善しました。アストロでシャシブラックを頼んだので、来たら再塗装しようと思います。しかし、見えない部分、ボディ内部の錆もかなり進んでいるかもしれません。スピーカーでも交換する際、ドアの内部も見てみたい気がします。というわけで、ドライブシャフトを交換し、異音は解消しました。駐車場で思い切りハンドルを切っても静かに旋回してくれることに感動しました。正常な車だと当たり前なのですが。
2015.03.31
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昨年兄からもらったリトルカブは、フロントスプロケット16丁、リア35丁で使っていました。2次減速比は2.1875になります。ちなみに3速リトルカブです。3速リトルカブに乗っている人はわかると思いますが、純正に比べてかなりロングレシオです。88ccではこれが限界という人もいるようですが、先日東京に向かう時、17号大宮バイパスを走行していて、まだ最高速が伸ばせるのではないかと感じました。そこで、リアスプロケットにスペシャルパーツ武川の30丁を入れてみました。いきなり5丁も変えず、32くらいで試したかったのですが部品が見つからなかったので、フロントを16から17に変えることも考えましたが、16でもケースとのクリアランスが狭い感じです。実際17丁も使えるようですが、取り付け時にケースを加工している人もいるようなので、今回はフロントで対応せず、リアを交換しました。フロントが16丁のままだと、二次減速比が1.875になります。リアスプロケットが5丁も小さくなると、当然チェーンをカットしないと使えません。チェーンの伸びが不均等になっていたので、チェーンは新品に交換しました。8コマほどカットしたと思います。フロントスプロケットは山がまだ厚かったので、そのまま使いました。二次減速比が0.3以上変わると、かなりハイギヤードになります。16-30ではトルク不足で、3速でエンジンを回し切れなくなり、結果的にフロントを16から15に変更しなければ使えないと踏んでいましたが、実際交換して試走してみると、なかなかイケてます。一速の出だしでギヤチェンジがのんびりできるし、全体的に使用回転域が下がったのでエンジン音が小さくなって耳にも快適です。正確な値は分かりませんが、以前より最高速も伸びている感じがします。これなら17号バイパスの車の流れにも無理せず乗れそうです。平坦な国道を走る分には、16-30でも問題ないと感じました。ちなみに、16-35では地元の中山峠を3速全開で登って行けましたが、さすがにそれは難しそうです。30ではどうか、吉井方面に行く用事が出来たら確認してみたいと思います。また、友だちのスーパーカブ110に並走してもらうか、GPSで最高速を計測してみたいです。リヤタイヤを外したついでに、ドラムブレーキを分解洗浄し、カムのグリスアップをしました。カムのシャフトは完全にグリスが抜けていました。ブレーキの引きずりや戻りが悪い場合、このブレーキシューのカムにブレーキダストが溜まっていることによる動作不良が原因の場合が多いようです。フロントも戻りが悪いような気がしたので、外して洗浄グリスアップしました。フロントは、ブレーキワイヤーが原因だったようで、ワイヤーインジェクターで防錆潤滑剤を吹いた後、グリスメイトを入れたら改善しました。ブレーキの作動感と効きが良くなって快適になりました。タイヤを外したついでにハブベアリングをチェックしたら、リアスプロケットのハウジングのベアリングにゴロツキを感じました。こちらも早いうちに交換したいと思います。 これまたついでにオイル交換をしました。距離的には前回交換から1000キロも走行していませんが、時期的にはそろそろしたい感じでした。カブは通常交換の場合600ccしかオイルを使わないので経済的です。前回と同じカインズプライベートブランドオイル、二輪用鉱物油・10W-40を使用しました。598円/Lでした。(前オーナーの兄も、ずっとこのカインズオイルを1000キロごと交換で使い続けてきたそうなので、同様の頻度どオイルを使用しています。)次回交換は1000キロ走行後の33200キロです。(兄がメーターを交換しているらしいので、実際このリトルカブの走行距離は5万キロを超えているようです。)廃油はいつものように、要らない服に染み込ませて古新聞で包み、ビニール袋に3重に入れて、燃えるゴミに出しました。600ccくらいならオイル処理ボックスを買わなくても、ボロ布に染み込ませるだけで十分だと思います。(漏れたら大迷惑なので、完全に染み込ませるだけの量の布と新聞、漏れないよう密封させる必要がありますが。)スプロケット交換に関しては、今のところ平地を走る分にはフロントを15に交換する必要はなさそうです。私の用途とこのエンジンには、16-30というロングレシオがちょうどいいようです。ちなみに、兄が弄ったので詳細は分かりませんが、エンジン周りはボアアップとビッグキャブくらいの変更のようです。ペンキ塗りもそうですが、バイクいじりも手が汚れることが面倒な理由の一つになります。指紋と爪に入った油汚れはなかなか取れません。別に見た目はいいのですが、油の匂いのする手でパンを食べるとマズくなります。そこで最近は、塩化ビニル製の手袋を使い捨てで使ってます。ニトリルやラテックス製のようにピッチリとしたゴム手袋ですが、それより値段が安いやつです。雑草抜きなどの土いじりにも使って重宝しています。汚れ仕事が嫌いな人には良いアイテムだと思います。
2014.05.12
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私のリトルカブを前から見ると、何か違和感があります。いい年したおじさんがリトルカブに乗っているから、という理由はさておき、フロントタイヤが斜めに付いているから変なのです。前から見ると、タイヤ上部が右に傾いています。定規で測ってみると、前から見て右側のサイドウォールとフロントフォークのクリアランスが7ミリに対して、左側は22ミリです。右側のクリアランスが7ミリだと、フロントタイヤを2.5インチから2.75インチに変えると接触しかねません。これは、フロントフォークが曲がっているからではなく、どのカブも経年劣化でフロントタイヤが右に傾いてしまうらしいのです。事故ったわけでもないのに、なぜどのカブも普通に使い続けているだけでタイヤが傾いてしまうのでしょうか?それも左ではなく、常に右に傾くのでしょうか?『はじめてのスーパーカブカスタム』という本の巻末に付いているパーツリストの分解図と、実物のボトムリンク式サスの構造を見て、原因をイメージしてみました。※なお、ここから示す左右は、すべてバイクを前から見た状態での左右となります。まず分解図を見た限りでは、フロントタイヤの整列にはピポットアームとフロントメンバを繋ぐ部分しか関係しないように見えます。クッションユニット取付部がピポットアームとアクスルシャフト取付部の中心にあるため、この部分も関係しているように見えなくもないですが、クッションユニットはフロントメンバ上部から垂れてピポットアームを吊っているだけです。とすると、タイヤ傾きの原因は、ピポットアーム取付部が何らかの原因で傾いてしまっているからのようです。イメージした結論から言うと、ブレーキング時に右ピボット部にアクスルシャフトを通して拗じるような力が加わるからだろうと予想しました。アクスルシャフトを通して拗じられると、なぜ右に傾くのでしょうか?右に傾むいているということは、アクスルシャフトの左側が右側に対して高い位置にある状態です。あるいは、その方向の力に常に晒された結果、ブッシュが変形し、曲がりが常態化したと思われます。ピポット部のブッシュは、金属製のカラーとボルトを通してフロントメンバ(フロントフォーク)に固定されています。右にタイヤが傾いた状態で右ピポット部のブッシュに起きている現象を想像すると、タイヤが右側に傾いた状態はアクスルシャフトの左端(ドラムブレーキ側)が右端と比べて持ち上げられている状況ですから、右ピポット部の細長い円筒形のブッシュの右上側と左下側が圧縮され、逆に左上側と右下側が伸ばされるような形になっているはずです。ブッシュがその状態で変形し、それが常態化すると、前から見てタイヤは右に傾いてしまうのではないかと思いました。(分解図を見た想像にすぎませんが)では、なぜ、右ピポット部のブッシュがそんな状態に変形してしまうのか?前述の通り、ボトムリンク型のサスの場合、フロントタイヤを支える強度的な要はアクスルシャフトとフロントメンバをつなぐピポット部分になります。見た目ではクッションユニットが車体を支えているように見えますが、クッションユニットは車体を浮かせているだけで、緩衝機能に特化しています。そのため、アクスルシャフトとオフセットされたピボットアームには、バイクのピッチング運動に伴う軸を回転させる方向だけでなく、コーナリング時に遠心力に対抗する求心力を発生させるためのローリング運動に伴う軸方向のモーメントや、ヨーイングに伴う軸を捻るような力も加わります。しかし、それらのバイクの動きに伴うモーメントは、オーバルコースのようにいつも特定の方向のコーナーばかり曲がっている場合以外は左右均等にかかるわけで、通常の走行でブッシュが偏摩耗してしまう原因とは考えられません。そこで思い当たるのは、前から見て左側に付いているドラムブレーキです。カブに使われているボトムリンク式のサスは、普通のバイクに使われているテレスコピックフォークと違い、ブレーキング時に車体がピョコッと上がります。その理由は、制動時、左ピポットアームにはフロントメンバとピポットを繋ぐボルトを支点にして、ドラムの回転方向と同じ方向の力(ピポットアームを下に押し下げる方向の力)が加わるからです。ドラムブレーキの制動力はアウタードラムの溝を通してクッションユニット下部付近で受け止められるため、アームの押し下げに伴ってクッションユニットには伸ばす方向の力が加わり、それより外側に取り付けられているアクスルシャフトは大きく押し下げられるわけです。その結果、減速時にはクッションユニットを圧縮するようなフロント荷重が加わっているにも関わらず、フロントのクッションユニットは伸ばされ、車体がピョコッと上がるわけです。一方、ドラムブレーキの付いていない右側は、制動力がピポット部に直接伝えられるのではなく、アクスルシャフトを介して左側から伝えられるものと思われます。つまり、右ピポット部には、クッションユニットを伸ばすような力がホイールから直接伝わるのではなく、オフセットされたアクスルシャフトの左端から伝わることになります。ドラムが付いている左側は、ドラム本体の制動力がクッションユニット取付部付近からピポット部に直接伝えられるため、ピポット取付部とほぼ一直線上で力を受け止めるので、軸を捻るようなモーメントは小さく、ブッシュを偏摩耗させるような力は少ないと思われます。一方、右側のピポット部には車体の慣性重量と左側よりアクスルシャフトを通してオフセット分だけテコの力によって倍加された制動力がアクスルシャフトを下げるような方向に加わり、右ピポット部のブッシュの左上側と右下側に圧縮されるような力が加わり、その部分が摩耗してしまうのではないかと思いました。制動時、右側のピポット部には、車体の慣性モーメントによって右側のクッションユニットを縮めようとする力と、アクスルシャフトから伝わるクッションユニットを伸ばそうとする反対方向の力がぶつかり合っていることになります。その結果、アクスルシャフトから伝わる制動力が勝るため、右側のピポット部も左側にわずかに遅れて持ち上げられるわけです。右ピポット部のブッシュの左上側と右下側が摩耗すると、1G空車状態ではクッションユニットによってピポットを下げるような力が常に加わっているため、偏摩耗した方向に軸が傾いてしまうのではないかと思いました。常に左手でシコっていると左に曲がるという理屈と一緒で、自分で書いていて、なんだか論理に飛躍があるような気もしますが、とりあえずバラして現物を見てみました。実際バラして確認してみたところ、予想とは違い、左右両方ともブッシュは偏摩耗しているように見えました。左右共にピポットブッシュ内側に接するカラーに螺旋状の摩耗痕が見られました。となると、実際は両側のピポットブッシュに拗じられるような力が加わっていることになりそうです。まあ、片側に捻るような力が加われば、反対側にもその反力が加わるわけですから、当然なのかもしれません。結果的に、関係ないように見えたクッションユニット下部取付部のブッシュも変形してしまっているようです。どんな理由にしても、ブッシュを180度回転させてやるか、左右のブッシュを入れ替えてやれば、少しは傾きが修正されるのではないかと、新品に替える前に、ものは試しにと左右のブッシュを入れ替えて組み付けてみました。その際、パーツクリーナーを使った部品洗浄の後、手持ちのモリブデングリスをブッシュとカラーの間に封入しました。その結果、傾きは概ね直ってしまいました。ブッシュとカラーを左右で入れ換え後は、右側のクリアランスが13ミリ、左側が17ミリになりました。4ミリの差がありますが、見た目はほぼ、タイヤの垂直が保たれているように見えます。もともと、左右のクリアランスがぴったり同じだったかどうかは、新車を購入したわけではないのでわかりません。捻じれの修正に加えて、グリスアップの効果なのか、サスの動きが非常にスムーズになり、ブレーキングすると前より気持ちよく、ピョコッピョコッと上がってくれます。実作業にかかった時間は、ボルトを5本緩めるだけなので、ブッシュやカラーなどの洗浄も入れて1時間ほどです。一方、故障探求のイメージにかかった時間はその倍以上です。しかも、詰めが甘く、イメージ通りではありませんでした。それでも充実感はありました。何か不具合が出た時、ネットで調べて該当箇所を新品に交換するだけでも目的は達成できるわけですが、ネットで調べる前に、なぜそうなってしまったのか、構造を見て予測し、実際バラして自分の予想通りの状態にあるのかないのか確認するというのも、趣味としては面白いような気がしました。偏摩耗したブッシュを見て思ったのは、なぜこの部分にベアリングが使われていないのかという疑問です。ベアリングなら動きがスムーズで良さそうですが、テーパーローラーベアリングで両側から挟むと締め付け時にプレロード調整が必要になるし、単純にボルト締め付けで固定したラジアルボールベアリングでは拗じられるような力に耐えられそうもありません。ブッシュなら5万キロ以上走ってこの程度の摩耗で、走行にさほど影響ないのですから、ブッシュを使うべき場所ということなのでしょう。しかも、ブッシュは一個300円程度です。ブッシュはピポットアームに圧入されていますが、ベアリングのように金属ではないので、シロウトでも12ミリのソケットをあてがって簡単に外すことが出来ます。自分でやるのが心配な人は、バイク屋さんに頼んだとしても、バイク業界のレバーレートは6000円前後ということで、ピポットアームブッシュとカラーに加えて、クッションユニットのブッシュとカラーも交換してくれて、7500円以内でタイヤの傾きの修正を行ってくれそうです。カブを扱っている自転車さんでは、右側にワッシャをかませることで、クリアランス確保の対応をしてくれるところもあるようです。それなら数百円で済みそうです。【即納】 ホンダ純正 スーパーカブ ブッシュ フロントアームピポット 51312-GK4-971 HD店価格:330円(税込、送料別) (2021/4/13時点)楽天で購入
2021.04.13
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15年ほど前に買ったSCHWINNのMTBのリアギアが、4速からシフトダウンできなくなったので直してみました。シフトレバーはラピッドファイヤー機構が付いたもので、トップ側(小さなギヤ)からロー側(大きなギヤ)に変える場合、2本ある手元のレバーのうち、親指側のレバーを押してシフトダウンします。少しストロークさせると1段ずつ、大きくストロークさせると一気に3段までシフトダウンできるのが便利です。今回の症状は、トップから4速あたりまでは正常にシフトダウンできるのですが、それ以降シフトダウンできないというものです。レバーを大きくストロークさせても抵抗がなく、リアディレイラーをワイヤーが引いている様子がありません。結果から言えば、単純にシフトレバーの中のワイヤーを引っ張るタイコの逆回転を止めるラチェットのオイルが切れて元に戻らなくなったため、レバーを押してもタイコを回せなくなったためです。写真のタイコの左側にある小さな銀色の部品です。最初にシフトレバーの外観を見た時、アウターケーブルのキャップが割れて一部が欠損していたので、アウターケーブル長がキャップ分だけ短くなり、ワイヤーの引きが甘くなった結果、シフトダウンできないのかと思いました。しかし、アジャスターで調整しても状況は変わりませんでした。そこで、シフティングレバーのカバーを開けてラピッドファイヤープラスの構造を観察してみたところ、シフトダウン時は下側のレバーを押すことでレバーに付いている右側のフックがタイコを反時計回りに回してシフトダウンしているように見え、タイコはスプリングによって時計回りにテンションが掛かっているため、その回転を止めるラチェットが左側に付いていました。当初、右奥にある大きなフックが原因かと思いました。トップから4速まではきちんとタイコを回せているのに、それ以降、ギアに引っかかっていないように見えたからです。しかし、実際は下の写真にある小さなラチェットのグリスが固着して戻りが悪くなって逆回転防止の役目を果たさず、4速以下に下げようとしても、滑車が元に戻ってしまい、シフトダウンできなくなっていたようでした。なぜ、4速まではシフトダウンできたのか、その理由は恐らく、スプリングのテンションが弱い領域はラチェットがなくても逆回転しなかったからではないかと思いましたが、違うかな。シフトレバーの中は、15年間一度もメンテしたことがありませんでした。ラチェットに潤滑剤を一吹きしただけで治ってしまいました。欠損していたアウターケーブルのキャップを交換するにはワイヤーを抜かなければならないので、ついでにインナーケーブルは新品に交換し、アウターケーブル内をグリスで満たしておきました。今シーズンは雪が多く、春になったら自転車アプローチで山スキーに行くのも楽しめそうなので、数年ぶりにこのMTBを使ってあそこへ行ってみたいと思います。
2021.01.15
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今年の3月、上州武尊山の奈女沢や平標山に山スキーツーリングに行く時に使ったスーパーカブ70は、1992年製造の車体で、エンジンはノーマルです。前オーナーも中古で購入しており、メーターも交換しているので正確な総走行距離はわかりませんが、およそ30年間、エンジンのオーバーホールは一度も行っていないようです。前オーナーはエンジンの異音が気になると言って譲ってくれたのですが、エンジンをかける前にオイル交換しようとオイルを抜いてみると、200ccほどしか入っておらず、オイル交換してからエンジンをかけたら、異音は聞き取れませんでした。エンジンよりもスイングアームピポット部のボルトが緩んでガタが出ていたり、チェーンが伸び切っていたり、ダンパーゴムの劣化などで走行がスムーズではなく、おまけにスピードメーターケーブルが破断し、メーターパネルが割れて中でガシャガシャいっていたので、そちらの音が気になりました。なんとなく、72ccにしてはパワーがないような気がしましたが、メーターケーブルとメーターを交換し、国道17号で最高速を確認してみると、65キロくらいは出ているようだし、榛名山や赤城山などの近場の山へハイキングに行く足に使った限りでは、燃費もリッター50キロ程度は走ったので、車体回りのメンテをした後、エンジンはそのまま放置していました。しかし、リトルカブに比べて始動性が悪いのは気になっていました。気温が零下になる冬ならキック一発でかからないのもしょうがないですが、夏でもしばらく乗らないとかかりが悪かったので、どこかに問題があるようでした。かけ方が悪く、プラグがかぶってしまうのかとプラグを確認したこともありましたが、プラグの焼けは良好でした。火花も正常に飛んでいるようです。キック時の抵抗がリトルカブと比べて軽い気がしたので、ネットで原因を調べて見ると、バルブステムシールの劣化やピストンリングやシリンダーの摩耗、あるいはバルブの隙間にカーボンが堆積するなどして、圧縮が抜けているため、そのような症状が出る場合もあるようでした。マフラーからの白煙は確認できませんが、オイルの消費量がリトルカブに比べて多く、1000キロ走って交換すると、200cc程度減っていることもありました。(この程度は許容内というネット記事もありましたが)圧縮漏れだとすると、改善するにはエンジンを開けなければならいので大変そうです。なので、ちょくちょくオイル量を点検しながら、その後もそのまま使用していました。もう一台、調子の良いリトルカブが手元にあったので、どうしてもC70の不具合を直す必要がなかったからでもあります。その後、気が向いた時に、右クランクケースカバーを開けてオイルストレーナーを清掃したり、オイルを抜いたついでにカムチェーンテンショナーをエアで吹いて詰まりがないかを点検したり、バルブクリアランスを調整したり、錆が出ていた鉄製のリヤフェンダーやハンドルカバーを塗装したり、ステンレス製の前カゴを付けるなど、手軽に出来る範囲でいじっているうちに、譲ってもらった時よりC70に対する愛着も湧いて来ました。そして、5月にリトルカブで鳥海山や白馬岳へ行った時、C70よりパワーがあるリトルカブ(85ccボアアップキットなどが入っている)の方が燃費が良かったことにショックを受け、70のエンジンを開けて見たくなってきました。30年間使用したスーパーカブのエンジン内部がどうなっているのか、燃焼室やピストンヘッドのカーボン堆積具合やシリンダーの摩耗具合を見てみたかったというのもあります。圧縮漏れに対処するだけでも始動性と燃費は改善されるかもしれないと思いましたが、エンジンを開けてバルブや燃焼室のカーボンを落とし、ステムシールとピストンリングを交換するだけでも、ヘッドカバーやシリンダーのガスケットは交換しなければならないし、シリンダーまで外せば、ピストンやシリンダーを交換してもしなくても、手間はほとんど同じようです。これまで通り、乗る頻度が月イチ程度だと、距離数も伸びないし、めったにシリンダーまで外すことはないと思うので、どうせならピストンやシリンダーも交換しようかという気持ちになり、それならば純正品でのオーバーホールより部品が安いボアアップキットを入れたくなってきました。そこで、燃費とパワーと耐久性は実体験済みの、リトルカブに入れているのと同じキタコの85ccボアアップキットを購入しました。キタコはスーパーカブ用に多くのボアアップキットを販売していますが、アルミシリンダーに鋳鉄スリーブが入った85ccライトボアアップキット(部番214-1134401)です。このボアアップキットはスーパーカブ50やリトルカブ、モンキー、ゴリラなど、50cc用に販売されているもので、適合車種にC70は含まれていません。70のヘッドには合わないというネット情報もあり、このキットを70で使っているレビューは見当たりませんでした。鋳鉄製シリンダーの75ccライトボアアップキット(部番212-1013480)は、C70で使ったレビューがいくつかあり、それを見ると、ノーマルの72ccよりパワーが落ちたという感想もありましたので、ちょっと不安になってきました。適合車種に入っていない理由は、シリンダーヘッド自体がC50とC70では異なるためのようです。C50とC70では燃焼室の形状や容積が違うので、当然、使われているピストンのピストンヘッドの形状も違います。C70純正ピストンのヘッドは若干膨らみのあるペントルーフ型です。膨らみの両側にバルブリセスが掘ってあります。一方、1958年から始まったスーパーカブの歴史について、C100からC50までシリンダーやピストンなどの写真で並べて紹介している『スーパーカブ・ファイル』によると、80年代以降、リッター180キロに達した希薄燃焼時代のスーパーカブC50のピストンは、それ以前の山形と違い、中央付近が窪んだ形状になっているようです。それに対して、80年代以降もC70のピストンが盛り上がった形状を維持しているのは、圧縮比をかせぐためらしいです。それでも、70の圧縮比は50に比べて低い9対1です。(C50は10対1)70とボアは同じでストロークが8.1ミリ長い90の場合は、ピストンヘッドは平らで、全長は70よりトップリングの上側とスカート部、共に1ミリから2ミリほど長く、圧縮比は9.1対1とあります。90のピストンを70に使うとピストンが飛び出てしまうそうです。実際に70カブのピストンを外してみると、確かにキタコの85ccボアアップキットのピストンに比べて、ピストンピンからヘッド上端まで2ミリほど余分に厚みがあります。ピストンピンの穴上端からピストンヘッド上端までの長さを測ってみると、70ピストンは約13ミリ、85ccボアアップキットのピストンは11ミリでした。さらにキットのピストンはヘッド中央付近が1ミリほど窪んでいるので、合計3ミリは低いように見えます。果たして、適合車種に入っていないC70に、このキットは使えるのでしょうか?C70のノーマルヘッドで、このピストンを使った場合、圧縮比はどの程度になるのか?目測で約3ミリ低いということは、85と70のボア面積の差から単純に計算すると、ノーマルに比べて、およそ1ccほど燃焼室容積がアップすることになります。燃焼室にオイルを入れて燃焼室容積を測る方法もあるようですが、実際にキットを組み込まなければ測れませんし、組み込みは簡単でも、オイルをプラグ穴からスポイトで入れて再度取り出したりと、実際に正確に燃焼室容積を測るのは大変そうです。ヘッドだけを使って、ひっくり返して燃焼室にオイルを注ぎ、すり切りで測る方法では、ボア増加分とピストン形状の変化による増減分は測れないので、後で説明するように正確な値は出ないようです。そこで、ノーマルC50とC70、それにボアアップキットで公表されているデータから予測してみることにしました。まず、50のノーマルヘッドに85ボアアップキットを組み込んだ場合の圧縮比について、このキットのメーカーHPにある商品説明及び、キットに付いていたマニュアルに記載はありませんが、メーカーに確認したところ、11.1対1とのことでした。純正C50の排気量は、19.5×19.5×π×41.4≒49430.979立方ミリ圧縮比は10対1なので、燃焼室容積は約5.49ccです。85ボアアップキットの排気量は、25.5×25.5×π×41.4≒84529.899立方ミリ圧縮比は11.1対1とのことなので、燃焼室容積は、約8.36ccになると考えられます。(※あるサイトでは、ボアアップキットの圧縮比を計算する時に、ボアアップキットの排気量にノーマルC50の燃焼室容積を足して、C50の燃焼室容積で割って出していましたが、それは間違いではないかと思います。なぜなら、キットに交換すればボア面積だけでなくピストンの高さや形状も変わってくるので、燃焼室容積がC50のノーマルと一緒ということはありえません。燃焼室容積はボア面積の増大とピストン形状(ピストンヘッドの形状が大きく窪んでいるのとピストンの長さが短くなる(ピストンピンの位置がC50と比べて相対的に上になること)によって大きく増えるからです。そのサイトの方法でこのキットの圧縮比を計算すれば、(84.53+5.49)÷5.49≒16.4という非現実的な値になり、メーカーが発表する圧縮比と5以上も異なることになります。)上で出た値から、C50に85ボアアップキットを組み込んだ場合の燃焼室容積の増大は、約2.87ccです。この差分は、ボアアップと、ノーマルC50のピストンヘッドと85キットのピストンヘッドの高さと形状の違いにより発生すると考えられます。実際にC50のノーマルピストンがあれば比べることができますが、手元にはないので、燃焼室容積の差からピストンの高さの差を予想することにします。50のピストンヘッドの面積は85に比べて約847.8平方ミリ小さいので、50のノーマルヘッドに85ボアアップキットを使った場合、ピストンの高さが1ミリ変化するごとに、0.8ccほど燃焼室容積が変化することになります。増加分は2.87ccなので、0.8で割ると3.58mmです。C50のノーマルヘッドに85ccボアアップキットを組み込んだ場合、3.58ミリもヘッドの高さが低くわけです。というか、そうなるように設計されているわけです。それでも圧縮比はノーマルに比べて1.1高い11.1です。それでは、このキットをC70の純正ヘッドに付けた場合はどうなるのでしょうか?純正C70の排気量は、23.5×23.5×π×41.4≒71790.291立方ミリ圧縮比は9対1なので、燃焼室容積は、約8.975ccです。C50と同じストロークのC70にこのキットを使用した場合でも、ノーマルピストンより3.58ミリほどピストンヘッドが低くなると仮定すると(実際でも目測で3ミリほど低い)、72と85のピストンヘッド面積の差が306.72平方ミリですから、約1.098ccほど燃焼室容積が増大することになり、これを元にC70に85ccボアアップキットを組み込んだ時の圧縮比を計算すると、(84.529+8.975+1.098)÷10.069≒9.39約9.4となります。C50に使った場合の11.1と比べれば、ノーマル並みに圧縮比が低くなってしまいます。しかし、ノーマルのC50とC70の間くらいですから、レギュラーガソリンが使えて、パワーもC70よりは出るのではないかと思いました。※この算出方法が正しいかどうかはわかりませんのであしからず。実際ピストンヘッドの長さをノギスで測った場合でも、前述の通りピストンピンから上の長さが3ミリくらい違うわけですから、公表データから推測した場合と目測で、だいたい同じような値となったわけで、自分的には納得しました。レビューはありませんでしたが、とりあえず、85ccボアアップキットの適合車種に含まれていないC70に使っても、圧縮比が低くなり過ぎて使えないということはなさそうです。ただ、このボアアップキットはC70のノーマル燃焼室に合わせて設計されたシリンダーとピストンではないので、メーカーの指定通りC50の燃焼室に使った時ほどの性能を発揮できない可能性が高いです。ボアの増加とピストンの高さが下がったことでスキッシュエリアが広がり、そこがクエンチエリアになり、正常な燃焼を妨げてしまうかもしれません。そのへんは、ボアアップキットの開発と実績では定評のあるメーカーが適合車種に入れていないなりの理由があるのだろうと思います。図書館で借りてきた本、『スーパーカブ・ファイル』に載っていた元・本田技研研究所第一設計ブロックチーフエンジニアで、80年代のスーパーカブの希薄燃焼エンジンの開発に携わった恩田隆雅氏によると、(以下抜粋)「(50のスキッシュエリアの幅と70や90そして100ccとそれぞれ違いますが、それは排気量に応じたスキッシュエリアの角度とか長さとか幅が非常に重要)だからです。逆に言うとスキッシュエリアは最適なら良いのですが、マイナス面もあります。例えばピストンの上死点に入った時に、隙間が急に狭くなりガスが噴出しますから、それがたまたまプラグの部分にかかりますと火を吹き消してしまう。だからそう簡単に何でもかんでも付けてしまうわかにはいかないのです。要はいかにしてあの小さな燃焼室の中に混合気がかき混ざるか、そこの問題なのですね。」「基本的にピストンの頭図形状は燃焼室に対する圧縮比で決まるのですね。平らにしても圧縮比が取り切れない場合があるのです。そうすると圧縮比を上げたい時はそこを上げればいいし、高い時はそこを下げるしかないのです。」「エアクリーナーから燃焼室まで、通常はピストンの作用で吸入されるのですが、実際には吸入されたり止まったり、なんです。その断続したガスを急に止められると、ガスというのはバルブの上側に集まります。そのガスをそのまま燃焼室に入れると、高い圧力のガスは充填効率が高いのです。このように充填効率を上げるためには吸気系の慣性力を利用したい。吸気系の設計ではある一定の長さ、大きさというのが設計的に要求されるのです。カブの場合はせっかく整流はしたんだけどまた絞ってますからあまり意味がない。それよりはエアクリーナーの方できちんとガスの慣性効果をうまく利用できるような状態にしておいて、それからキャブに入れて燃焼室に流し込む。慣性効果をうまく利用したいのです。」 p138以上は恩田隆雅氏のインタビューから抜粋。「長く細い一定の径のマニホールドや空燃比精度が見直された新PBキャブレター、コネクティングチューブ形状等が考えられる。またエキゾーストバルブ径に近い径のまま1メートルはあるエキゾーストバルブや新エアクリーナーとそのケース形状等、78年C50と比べても違いが多く見られた。それは吸入側も排気側も十分なバックプレッシャーが掛かり、吸入排気行程でできるだけ脈流を乱さずに慣性吸気によってその精密な燃焼を手で足助けする方向に考えられる。カムシャフトはリフト量をOHC前期モデルに比べて大幅に少なくすると共にバルブ小径化も図り、そこを通過する混合気や排気ガスの流速を上げ、慣性力をより一層つける努力がされている。故に管内予圧も重要なポイントだ。掛け過ぎるのも良い方向へはいかず、抜きすぎるのもいけない。だから一定の穴径のマニホールドやコネクティングチューブ先端のエアファンネル形状の場所とエアクリーナー本体内部の壁までの距離、それに吸気音や容積と吸入パイプ形状の新エアクリーナーケースの研究開発成果が製品に出ているのだ。だから、カブを修理する時に、年代と燃焼方法の作り込みの理解は非常に大切だ。例えばOHC後期のそっと精密に吸いたがるエンジンに、前期的なガバっと吸う太くて短いマニホールドやビッグキャブを付けても安定しにくいのはその組み合わせによるものだ。」「希薄燃焼はいかに流速を上げて予圧を管内に掛けるかで決まってくる」p103また、家にあったバイクのエンジンに関する入門書『図解 バイクエンジン入門』によると、「慣性吸気効果を最大限に利用するには、まずバルブタイミングが適切であるのと同時に、吸気ポートやマニホールドという空気の経路の、長さや太さが大きく影響する。長く、あるいは細くなるほど、低いエンジン回転で慣性効果が働く」p117とあります。まったく同じキットがC50リトルカブに入っているので、その辺の差を確認できるのも楽しみではありますが、その前に、ノーマルC70の正常な状態でのエンジン性能を確認してみたいという気持ちも湧いてきました。上の本にあるように、カブのノーマルエンジンはメーカーが長年培った経験と技術を投入し、燃費とパワーを最大限発揮できる絶妙なバランスで開発されているわけですから、まず、その状態を取り戻してみたいという気がします。私が譲ってもらった時のC70の最高速は冒頭で書いた通り時速65キロ程度で、燃費はリッター50キロくらいでした。本来の性能を発揮しているとは思えません。今回のエンジンバラしに先立って参考にさせて頂いたサイト『Cubのある生活』によると、私のより少し新しい、23000キロほど走った同型のC70DXで、リッター60~64キロ走るとありました。それを見て、C70のノーマル部品をオーバーホールし、圧縮漏れを改善すると、最高速と燃費はどの程度改善されるのか知りたくなったのです。別の理由は、実際やってみると、カブのシリンダー取り外し作業は、大した手間ではなかったからです。これなら、一度ノーマルで組んでみて、圧縮漏れを改善した状態でのC70の走りを体験した後で、ボアアップキットを組むのも悪くありません。ノーマルエンジンのオーバーホールの効果を体験できるし、ボアアップキットを組む前のいい練習にもなるので、二倍楽しめそうです。そこで、まずは、30年間使用したノーマルピストンとシリンダーの摩耗具合を確認してみることにしました。摩耗が酷ければ、ノーマルに戻すにもボアアップより高くついてしまうので、そのままボアアップキットを組むことにします。実際の作業については、その2以降に載せることにします。【在庫あり】キタコ KITACO 214-1133401 ライトボアアップキット 85cc ホンダ モンキー ゴリラ JAZZ マグナ50 シャリー リトルカブ他 旧品番:214-1133400価格:11550円(税込、送料別) (2021/8/4時点)楽天で購入
2021.08.04
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今週も富士山へ行ってきました。今週は、スキーを先週より200グラム軽量化し、アナムにタルガを付けて行きました。先週はB2でしたが、長さ155センチのB2は短いわりに重く、空身でゲレンデを滑るには快適ですが、テレマークビンディングを付けたB2で初めてザックを背負って山で滑った結果、長さが足りないような気がしたのです。スキーの短さを補完するために、スピードが出てくると前後のスタンスを広げなければならず、そうなると足の筋肉も疲労し、イマイチな感じでした。今週は、長さ175センチのアナムに変え、果たして思ったような滑りが出来るのか、楽しみに行ってみました。結果、安定性は高まり、なおかつコンパクトな滑りも可能で、コントロール性は格段に向上しました。これはアナムという板が良いからなのかも知れませんが、やはり、テレマークで荷物を背負って快適に滑るには、それなりの長さが必要だということなのかも知れません。長さがあると、雪面のギャップを板が吸収してくれるようで、足の疲労も少ないような気がしました。ただ、板を担ぐケースがほとんどの富士山の場合は、登りの体力や板のダメージも気になってくるので、持っていく板に関しては、重量と滑走性能とダメージを受けた際の心の傷のバランスに悩むところです。ケチで体力の無い私の場合、結果的に前回まで15、6回の富士山の山スキーに使った板は、全て傷ついても構わない、短くて軽い板ばかりでした。滑走性能などほとんど眼中に無かったのです。傷ついても心的ダメージが少ない板、というのが富士山用板に求める最優先事項でした。その考えからすると本来なら捨て板のFujativaで行きたいところですが、Fujativaだとアナムより両足で1800グラムも重くなってしまいます。約2キロの重量増は、他ではリカバリーできれません。いくら使わないからといってエマージェンシー用具やアイゼンを省くわけにはいきませんし、食べ物や飲み物の軽量化は好みに合いません。かといって、乗り易くて軽いシャム97やベクターBCは、もったいなくて持っていけません。そうなると、今のところ私にとってはアナムが、富士山で滑るにはベストチョイスだと思いました。先週より僅か200グラム軽くなっただけなのに、登りもすごく楽な気がしました。道具の話はこれくらいにして、今週は吉田大沢を滑りました。今週もMさんのFモードに加えてもらいました。 吉田大沢の上部は尖り雪でしたが滑り心地は良く、8合目から下はなかなか上質のザラメ雪でした。お釜もまだ滑れそうでした。当初は白草流しを滑る予定でしたが、前日大流しを滑ったMさんとYさんによると、非常に雪が悪かったということで、北面は止めて登山道から見える北東面の吉田大沢に変更しました。雪を繋いで繋いで、けっこう滑れたと思います。吉田口から登ると登りも短いので、あっという間に終わってしまった感じですが、充実したツアーでした。それにしても、夜間にトイレが使えなくなった北麓駐車場はとても静かで、仮眠に最適でした。月の綺麗な夜でした。仏はつねにいませども うつつならぬぞあはれなる人の音せぬあかつきに ほのかに夢に見え給ふ (『梁塵秘抄』)
2016.05.23
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TA-F333ESGのボリュームとリレー接点の洗浄については、前にブログに書いたような気がします。その後、デジタルアンプを3台購入したり、他のアナログアンプを主に使っていたため、このアンプは使う機会がなく、2階の物置の整理棚の一番下に格納していました。しかし先日、リレー交換で復活したケンウッドのミニコンポのアンプの音を聞いて、比較するアナログアンプの音が欲しくなり、物置から引っ張り出してきました。そして、DP-SE7を繋げて久しぶりに音を出してみたところ、なんだか前より音が小さいような気がしました。さらに、入力端子をCDからAUXに変えると、左側からの音が途切れ途切れです。ネット情報によると、TA-F333ESGでそのような症状の場合、入力セレクターの接点不良が原因の場合が多いようです。この機種は、モーターを使って入力切り替えのロータリースイッチを回すので、手動のようにカチカチ切り替えられないため、接点に汚れが付きやすく、また付いてしまった汚れが取れにくいため、接点不良になる場合が多いようなのです。同時代に発売されたマランツのPM-80αや、これより古いパイオニアのA-90Dも週1回の割合で使っていますが、リモコンでセレクタースイッチを動かさないそれらの機種では、今の所、そのような不具合は出ていません。そこで、TA-F333ESGの入力セレクタースイッチの分解洗浄を行いました。入力セレクタースイッチはムカデスイッチとロータリースイッチで構成されていて、RCA入力端子が付いた後部基盤に取り付けられています。基盤自体はビス5本を取り外し、コネクターをいくつか外すだけで簡単に取り外せました。基盤を取り外した後、ハンダ吸い取り器を使ってムカデスイッチとロータリースイッチの接点、合計100箇所ほどのハンダを吸い取り、両スイッチを取り外しました。まずはムカデスイッチをばらして接点の洗浄です。黒く変色した接点の汚れを落とすため、最初はサンハヤトの接点ブライトを使いましたが、2,3度繰り返しても酸化膜の落ちが悪かったので、最終的には消しゴムを使いました。その後、接点洗浄剤で汚れを落とし、サンハヤトの接点グリスを薄く添付して組み付けました。次に、上の写真のロータリースイッチを分解し、接点の酸化膜だか硫化膜を落としました。こちらは消しゴムが使えないので、サンハヤトの接点ブライトを使って4回、貼付洗浄を繰り返し、ようやく少しはマシな感じになりました。ムカデスイッチと同様、接点洗浄剤で洗浄した後、薄く接点グリスを塗って組み付けました。その後、基盤を外したついでに、CDのRCA端子がぐらついていたので、ホットグルーを使って固めておきました。また、念のためにスピーカー出力端子基盤に付いているスピーカーリレーも新品に交換しました。ハッコーの温度調節機能付きハンダコテや、サンハヤトの接点グリス、接点洗浄剤などと一緒にモノタロウで注文しました。価格は1個560円ほどでした。松下製の純正品はすでに販売されていないようですが、オムロンのG4W-2212P-US-TV5が代替品として使えるようです。下の写真の右側二つが純正の松下製で、左側がオムロンの新品です。組み付け終了後、スピーカーをつなぐ前に、デジタルテスターを使ってDC漏れのチェックを行いました。左側が4.6mV、右側が13.9mVでした。AMP工房のアンプチェック法によると、10mV以下が好ましいとありますが、その程度なら問題ないとするサイトもありました。取り敢えず、いつものように壊れても気にならないスピーカーをつなげて、音が出るか確認することにしました。恐る恐る電源スイッチを入れてみると、しばらくしてリレーが入り、赤いランプが緑色に変わりました。セレクタスイッチを切り替えてみると、一応正常に切り替わるようです。繋いだプレイヤーは先日復活したケンウッドのDP-SE7、スピーカーは音出し確認用に使っているONKYOのD-058STです。少しずつボリュームを上げていくと、音が出ました。音量も以前と同じレベルに戻ったようです。左右差も感じられず、気になる雑音もありません。その直前にDP-SE7を繋げていたR-SE7と比べて厚い音に聞こえます。アルバム1枚聞いても問題ないようなので、一旦電源を落とし、スピーカーをパイオニアのS101カスタムに繋ぎ替えて試聴を続けることにしました。その結果、それまでS101カスタムを繋げていたTEACのA-R630と比べて高音域のキラメキ感はありませんが、中低域は奥行きがあって良い音で鳴っているような気がしました。あれから一ヶ月、復活したCDプレイヤーDP-SE7と一緒に、ほぼ毎日鳴らしていますが、今のところ、音の左右差や音量に変化は見られません。雑音も乗らないようです。ネット情報によると、このアンプは今からおよそ30年前の1989年に発売されたそうです。私が使っている個体は、パイオニアのS101カスタムとほぼ同時期に兄が購入したもので、10年ほど前に譲り受けました。当時、大田区の鵜の木に住んでいた兄の下宿先で、このアンプとパイオニアS101カスタムの音を聞いた時、高音域が澄んでいて、いい音だと思った記憶があります。今回聞いた音は、その時の印象とは違っていましたが、最近よく聞くデジタルアンプFX-36A PROの音とは違って、立体感のある音のような気がしました。今回、ロータリースイッチの洗浄とリレー交換で、一応は復活したように見えるTA-F333ESGですが、右側のDC漏れ13.9mVが気になります。ただ部品を交換したり接点を磨いたりするのは簡単ですが、その原因について理解するのは難しいです。地道に学習するしかなさそうです。
2019.12.01
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今年の夏にエンジンを降ろし、燃焼室のカーボンを落としてバルブステムシールを交換したら始動性と最高速がいくらか改善したスーパーカブ70ですが、駆動系の負荷がリトルカブより大きいような気がしたので、まずは簡単に出来るところからと思い、チェーンとスプロケット前後を交換してみました。スプロケットは前後共にキタコ製、チェーンはKMCというメーカーのを初めて買ってみました。DIDに比べて半額ほどの安さです。韓国製のKCMと間違えそうですが、KMCの方は一応国産らしいです。KMC製 ドライブチェーン420H適合:FIスーパーカブ50(AA01)価格:1100円(税込、送料別) (2021/12/20時点)楽天で購入見た目を比較すると、DIDのスタンダードチェーンに比べてプレートの厚みが薄いです。ちょっと気になったのは、新品状態で既にクリップがチェーンに装着されていたことです。RKなどのクリップタイプのチェーンでは、クリップは再使用不可の表示があるので、なんだか心配になります。取り付けて手でホイールを回した感じでは、回転抵抗はそれまで使っていたRKのチェーンと変わらないようです。スプロケットに関しては、取り外して裏側も確認してみたところ、交換前のスプロケットは思ったより摩耗していませんでした。これならそのまま使えそうでしたが、チェーンを新品に交換するので、初めてのメーカーのチェーンとの相性や耐久性確認も兼ねてセットで交換しました。スプロケットは前が15、後ろが36と、C70DNの純正から前を1丁だけ上げました。チェーンの長さは純正と同じ96コマです。ちなみに、85ccのライトボアアップキットが乗っているリトルカブC50LVのスプロケットは、純正が14-39に対して、現在は16-30に変更しています。その際、チェーンは純正の98コマから94コマにカットしてあります。C70の話に戻して、チェーンとスプロケットを交換後、国道18号バイパスを車の流れに合わせて65キロから70キロほどで試走してみました。その結果、交換前と大きな違いは感じられませんでした。チェーンの不均等な伸びが改善されたためか、エンジンの吹き上がりに伴う速度上昇が滑らかになりましたが、全域の負荷は変わらないような感じでした。エンジンオーバーホール直後、リトルカブの車体に乗せていた時と比べて何か、もっさり感があります。押して歩いた感じ、タイヤの転がり抵抗が大きいような気もします。スパイクタイヤを履いているためと思い込んでいましたが、ホイールベアリング自体も30年交換していないとしたら、それなりに摩耗しているはずです。そこで、前後のホイールベアリングとドリブンスプロケットフランジのベアリングを交換することにしました。ハブベアリングは交換前に手で回してみた感じでは、前後共にガタはないし錆は出ていないし、交換の必要はないような気もしましたが、試しに交換してみることにしました。下の写真が取り外したベアリングです。前後のハブに付いていたのは純正なのかどうか分かりませんが、日本精機の片側接触ゴムシールでした。ドリブンスプロケットハウジングのベアリングは、両面共にシールが付いていないベアリングで、こちらは少しガタが出ているようでした。1992年型C70DNのハブベアリングの型番はフロントが6300、リアが6301、ドリブンスプロケットフランジが6203です。両面接触ゴムシールの方が抵抗は増しますが、耐久性は高そうなので、すべてNTNのLLUにしようと思いましたが、モノタロウで発注時、6300LLUだけ欠品しており来年2月入荷とあったので、少しだけ値段の高い両面非接触シールの6300LLBにしました。ベアリングの取り外しは、前後ハブともに、T型レンチの柄を突っ込んでテコの原理でディスタンスカラーを傾けて叩いて抜きました。Tレンのソケット部分とスポークを握ってテコの原理を効かせてディスタンスカラーを傾け、ベアリングのインナーをタイヤを回しながら均等に叩いていくと簡単に抜けます。『スーパーカブパーフェクトメンテ』車体編では、パイロットベアリングプーラーを使っていました。パイロットベアリングプーラーセット 8〜25(mm) STRAIGHT/19-603 (STRAIGHT/ストレート)価格:9980円(税込、送料別) (2021/12/20時点)楽天で購入※スーパーカブのハブベアリングにはベアリングとベアリングの間にディスタンスカラーが入っていて、フロントのディスタンスカラーの内径は10.2ミリ、ベアリングの内径は10.05ミリほどですので、爪の引っ掛ける余地は少ないです。ドリブンスプロケットフランジのベアリングはカラーを外してからベアリングのインナーにハンマーの柄を当て、ハンマーで叩き出しました。問題は取り付けです。ベテランの方は、23や24ミリのソケットを当てて叩いて入れているようですが、私のように慣れていない人間には、古いベアリングやソケットのような短いものを当ててハンマーで均等に入れるのは難しいです。また、ソケットを叩くというのも抵抗があります。下のような長さのある圧入工具を使えば傾きも判別しやすいと思います。ベアリング圧入ツール 17点セット ブッシングドライバー 車 バイク シール 工具 ベアリングレース 圧入 セット ツール価格:3270円(税込、送料別) (2021/12/20時点)楽天で購入『スーパーカブパーフェクトメンテ車体編』では上のような工具を使って叩いて入れていましたが、私はカインズで買ったボルトとワッシャーで圧入しました。はてなブログのUCHIMACHI BASEさんの記事を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。使ったボルトとワッシャーは、フロント用は10ミリ径の長さ110ミリのボルト、外径32ミリの厚めのユニクロワッシャー2枚と外径40ミリのワッシャー2枚、リア用が12ミリ径、長さ120ミリのボルトと内径13ミリ、外径40ミリと35ミリのワッシャーを組み合わせて使いました。フランジは12ミリ径のボルトを使い、裏側に外径45ミリの座金ワッシャーを当て、外径39ミリのワッシャーを重ねてシール装入面まで入れ込みました。ワッシャーを当ててベアリングを圧入する場合、ベアリングの外枠に圧入が掛かるよう、ボルト穴周辺に圧力を掛けても変形しないフラットワッシャーを使うのが理想ですが、カインズにあった1枚20円のユニクロワッシャーも厚みがあって変形しずらいように見えました。ですが、一応、圧入時は2枚重ねて入れました。フロントはブレーキドラム側は外径40のワッシャーを使ってツライチまで、反対側はシールが入るので、外径32のワッシャーを使ってディスタンスカラーと軽く共回りするくらいの位置まで圧入しました。ボルトを締めていくと僅かに重くなるくらいの位置で丁度いいようです。締め過ぎるとインナーがディスタンスカラーを押してしまい、ベアリングのインナーに負荷がかかりそうです。シール側のベアリング圧入に使うワッシャーは、理想を言えばベアリング外径より1ミリ小さい34ミリから33ミリのものが良いと思います。リアのハブベアリングは外径より2ミリ小さい35ミリのフラットワッシャーに、40ミリのワッシャーを重ねて圧入しました。ドリブンスプロケットフランジのベアリングは外側にシールが入るので、ベアリングの外枠より若干小さい38ミリか39ミリくらいのワッシャーを使うのが良いようです。ボルトはリアハブベアリングの圧入に使った12ミリ径のものを使いました。内径が17ミリなので、16ミリくらいの太いボルトを使った方がより良いかもしれません。ベアリングハウジングと10ミリほどしか間隔がないので、長いボルトは必要ありません。裏側は、足場用に使う45ミリの座金ワッシャーでピッタリでした。さて、前後ハブベアリングとドリブンスプロケットフランジベアリングを交換後、試走してみたところ、気持ちのせいか、いくらか負荷が軽くなったような気がします。押して歩いた感じも、軽快感があります。最高速も僅かにアップしたような気がしますが、これも気持ちの問題かも知れません。燃費の方は、おいおい確かめてみたいと思います。※写真に写っているワッシャーは、実際に使ったものと異なる部分もあります。HONDAスーパーカブパーフェクトメンテ(車体編)価格:2090円(税込、送料無料) (2021/12/20時点)楽天で購入
2021.12.20
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今シーズンに入ってから合計5時間ほどテレマークスキーに乗って、いくらか慣れてきたので、昨年12月に購入した新しいテレマークブーツ、スコットのVoodooをおろすことにしました。インナーブーツを熱形成しない状態で、まずはどんな乗り心地か、ゲレンデと軽いツアーで確認してみました。板は、先週ホワイトワールド尾瀬岩鞍で使ったRMUのウィスコとリンクスです。Voodooを家で試し履きした感じだと、インナーブーツはスカルパTX に比べて柔らかく、シェルの形状はつま先部分がスカルパより広めで、ガルモント時代のエナジーとは蛇腹の位置も若干異なるようでした。スカルパのように足首を斜めに締めるバックルがないので、熱形成しない状態だと踵が浮いてしまうのではないかと心配しましたが、家で試し履きした限りではホールド感は良さそうでした。蛇腹の位置もエナジーより後ろめで、自分の足サイズと足指関節の位置に合っているように感じました。しかし、実際にゲレンデで滑ってみると、インナーブーツはエクスカーションのように柔らかく、バックルを締め気味にしても、足がインナーの中で動いてしまうようでした(その原因は別にもあることが家に帰ってインナーブーツを良く見てわかるのですが、その話はまたの機会にします)。インナーブーツの柔らかさとは反対に、足首から脹脛にかけてのシェルは硬く、足裏でスキーを感じるというより、足首から上の脛辺りの固定でスキーをコントロールする感じになってしまいました。また、蛇腹の位置と角度がスカルパと若干違うため、踵を上げて蛇腹を曲げて行った時の感覚に、スカルパとの違いを感じました。そのため、膝を曲げていく方向も、昨日履いたスカルパTXと若干異なってくるようでした。それが、切り返しで板をフラットにもってきた時の感覚にも違いを生んでいるようでした。特に、のんびりと大回りから中回りをした時に顕著に感じました。小回りだとリンクスのオートマチック性が生きてしまい、その違いを感じ難いようでした。先週、TXでこの板に乗った時より、非常に乗りづらく感じました。また、どういうわけか、ブーツの違いで足上げも重く感じて、同じビンディングと板にも関わらず、最初はセンタリングに苦労しました。先週TXでこの板に乗った時は、乗り始めからベストフィッティングしていて、すごく良い感触だったにも関わらずです。昨日、全く同じゲレンデとツアーで使ったボレーTTSより足上げが重く感じました。それでも、第六ゲレンデを4本滑るうちに、ゲレンデ滑降はそこそこ慣れてきたので、小1時間のツアーに出かけることにしました。上りはテックピンNTNのリンクスですから、昨日のボレーTTS同様、75ミリと比べてアドバンテージがあります。登り始めのテックピンの装着に関しては、屈まなければ装着できないボレーTTSに比べてリンクスはステップインでハメてレバーを引くだけですから中高年にはありがたいです。シールは3本の板(バーディクト、チャーター、ウィスコ)で共用している15年以上前のG3のアルピニストスキンですが、一昨年、コールテックスのグルーに張り替えたおかげで粘着力は良好でした。山頂で、昨日モリちゃんが飲んでいて美味そうに見えたザバスミルク・チョコレート味タンパク質20g入りを飲んで、居合わせた3人で20分ほどおしゃべりしてから滑り始めました。ツアーでリンクスを使うのは、昨年の平標山に続き2回目でしたが、休憩時にブーツでうろちょろして、ピン穴に氷が付着したせいで、テックピンの固定に少し手間取りました。また、ステップインの装着も、セカンドヒールの裏側に少し雪が付着したせいで、一発では決まりませんでした。今回は、一緒に登ってきた自衛隊時代の同僚のボーダーと一緒に一番右寄りのルートを取るつもりでしたが、ほぼ同時に出発したスキーヤーがその方向に滑って行ったので、私は昨日同様、アバランチルートの更に左側の、緩やかな斜面を滑ることにしました。しかし、そのあたりは昨日入った団体が滑りまくっていたので、既にボコボコになっていて、今回初めて履いたイマイチなフィッティングのブーツでは、昨日のように楽しめませんでした。新しく買ったブーツの滑り心地にちょっとしょんぼりしながら、今回はホタカスカイウェイではなく、スラロームコースを滑って戻りました。ゲレンデに入ると、新しいブーツにも少し慣れてきたのか、山のようなコントロール性の悪さを感じることなく、スラロームコースからロマンスコースの緩やかな斜面での滑りを楽しめました。ブーツの硬さが有利に働くのか、もしくは、山頂で飲んだプロテインが効いていたのか、昨日より筋肉の疲労がありませんでした。スコット SCOTT 23-24 テレマーク ブードゥー VOODOO NTN価格:102,410円(税込、送料無料) (2024/2/9時点) 楽天で購入
2024.02.09
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モリちゃんと一緒に湯沢の山へ行く予定でしたが、前日の14日に二居では65センチほど降雪があったようで、中高年二人でラッセルするのは辛いような気がしたのでスキー場に変更しました。結果、赤沢スキー場でも、そこそこのパウダーが楽しめました。なお、同じく14日に川古では30センチ、永井では40センチの降雪ということで、やはり三国トンネルの向こう側とは降りがずいぶんと違ったようです。さて、プチパウダーの赤沢の壁を1時間ほど滑った後、モリちゃんからNTNの乗り方についてレッスンを受けました。今シーズンになってモリちゃんは、アルペンスキーのトレーナーからレッスンを受け、テレマークにもフィードバックできる、特にNTNビンディングにおいては重要なことに気づいたとのことで、その中から、今回は主に筋肉の使い方について教えて頂きました。私は普段、全く運動をしないので、冬になっていきなりスキーを始めると、ゲレンデで一時間滑っただけで疲れてしまいます。普段1時間も立ちっぱなしでいることは滅多にないので、当然と言えば当然です。今シーズンに入って今回でスキーは5回目ということで、だんだん身体は慣れてきましたが、できれば筋肉を疲労せずに滑りたいというのが本音です。その点、BCクロカンの道具は、ブーツからして安全靴に毛が生えたようなものなので、人間に無理な姿勢を強いることがなく楽なのですが、NTNの道具は真逆で、アルペンスキーの道具のように前傾を強いられます。私はそれが嫌で、75ミリのブーツでは、いつもウォークモードで滑っていました。その方が僅かな足首の曲げ伸ばしによって捻り戻しのきっかけを作れて楽に滑れたからです。今シーズンからNTNビンディングを使いはじめてからも、TXはウォークモードで滑っていたのですが、NTNビンディングはそれではダメだというのです。それは以前、師匠とのメールのやり取りでも指摘されていたことでした。道具の話になると個人的に思うところもあり、また長くなるので省略しますが、NTNビンディングと板の性能を生かすためのポジションと捻り戻しと体重移動に使う筋肉が、従来自分が思っていたものとは違うということを、モリちゃんに教えて頂きました。スキーというのはテレマークにしろアルペンスキーにしろ、多かれ少なかれ股関節と膝と足首を曲げて滑るので腰を落とすことになり、攻めた滑りをすれば太腿の筋肉が疲労するのは仕方がないと思っていました。その点、BCクロカンの道具は動きの自由度が高く、棒立ちでも滑れるし、特定の筋肉に負担がかからず、一日滑っても筋肉痛にならないところが好きなのですが、NTNビンディングとブーツを滑降モードにして滑った場合は、特に、太腿の前側、大腿四頭筋の筋肉疲労は避けられないのではないかと思っていました。しかし、アルペンスキーでは大腿四頭筋で体重を支えているわけではないらしいのです。体幹部分は広背筋や大殿筋、下肢は主に大腿二頭筋などの屈筋を使って体重を支え、ポジションを作るとのことでした。実際、そこを意識して滑ってみると、NTNビンディングの引きの強さと滑降モードの前傾でも、従来負担を感じた大腿四頭筋の疲労が少ないことが判りました。腰を立てるだけで、負担する筋肉が変わるのが判りました。これは、自分にとって新鮮な体験でした。以前師匠から頂いたメールにも、NTN滑りというのはアルペン的な技術で、主にレースの世界で使われている方法が還元されたものとの話がありました。切り返しではクラウチングスタートで飛び出すのような姿勢になるとのことで、その姿勢を作るにはアルペンのように両足の足首を入れる必要があり、NTNビンディングで足首を入れる場合、両足の裏で雪面を掴むような感覚があるとのことでした。モリちゃんのレッスンでは、切り返し時に内足アウトエッジで蹴り出すような動きを要求され、その準備段階として山側の肩をフォールラインに向けてもっと前に出さないと、重心が遅れてしまうと指摘されました。師匠の話と今回のレッスン内容が自分の中で合わさる部分があり、今回のモリちゃんのレッスンはすごくためになりました。また、シーズンオフに読んだスキーヤーズラボの渡辺さんのメルマガに、膝の怪我を防ぐには足首や膝で角付けしてはいけないという話があり、股関節を使った角付けにはヒップインサイドの外向傾が必要であり、それはテレマークも同じだということが、モリちゃんのレッスンと合わせて納得できたような気がしました。ただ、その目指すべき滑りを、自分の現状からどのように組み立てるかというのは、自分ひとりでは無理だということも理解できました。今回私は、NTNフリーダムを付けたシャム97を持って行きました。前回、オグナほたかスキー場で初めて乗った時は、他にも初めて乗る板を3本持ってきていたので、この板には少ししか乗れませんでしたが、今回は午前中一杯、じっくり乗ることができました。3時間ほど乗った結果、この板とNTNフリーダムの組み合わせが非常に気に入りました。ここ数年、ゲレンデで滑るのはシーズンにせいぜい5回くらいだったのですが、こういった面白い道具を使い始めて、自分の滑りの技術的な問題点が見えてくると、もっとたくさんゲレンデで滑りたくなってきて、なんだか楽しいような、大変だなあというような、困った気分です。
2022.01.17
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