SOHO翻訳者の仕事部屋

SOHO翻訳者の仕事部屋

PR

プロフィール

まな!

まな!

カレンダー

コメント新着

翻訳家@ Re:開設1000日目(12/29) またの更新を楽しみにしています! <smal…
英文添削@ Re:開設1000日目(12/29) 過去の記事を拝見させていただきましたが…
tanpopo3416 @ Re:今週がヤマ(03/19) 数年ぶりに訪問して、過去の日記から久々…
かおり@ Re:感覚を理論で(2)(08/11) トライアリストでの受講を考えていますが…
かおり@ Re:開設1000日目(12/29) とても参考になりました。ありがとうござ…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2006年05月24日
XML
カテゴリ: 言語あれこれ

祖国とは国語

先週、空いた時間を利用してようやく読むことができました。
国際派の数学者が説く「国語教育絶対論」。

この本で一番印象に残ったのは、

美感や調和感なくしては、いくら論理的思考力が抜群であっても、どちらの方向に論理を進めてよいのかわからない。…中略… 美的感受性の重要性は、私の接した自然科学者のほとんどが、その分野でも同様に大切と言ったから、自然科学全般にあてはまるのだろう。

の部分です。

個人的にはかなり旬な話題なだけに、感動も一入です。
文章が汚くていいわけがない。
それは、自然科学の一領域である 医学ももちろん例外ではない。
この部分を読んで、自分の目指している方向は間違っていないと確信がもてました。

「国語教育絶対論」に書かれていることはどれも大切なことなのですが、


国語が思考そのものと深く関わっていることである。言語は思考した結果を表現する道具にとどまらない。言語を用いて思考するという面がある。・・・中略・・・人間はその語彙を大きく超えて考えたり感じたりすることはない、といって過言ではない。

の部分です。

持ち合わせている語彙が多いほど、細かい思考ができ、
少ないほど、思考も大雑把になるというわけです。
「細かい言葉の使い分けなんて不要」と思っていらっしゃる方などはまさに、
後者の道をまっしぐら、といったところでしょうし、
著者に言わせれば、「情緒のひだ」までなくなってしまうことになります。

ところで、この本の帯の裏のところには、
著者を「華麗なる文章家」と評する表現があるのですが、
本書の前半部分である「国語教育絶対論」を読んでいる限りは、
「そうかなぁ」という感じだったのですが、
後半部分の「いじわるにも程がある」(著者の家庭の風景をつづったエッセイ)に入ると、

活き活きとした文章で、
著者と家族の情景がありありと浮かんできました。

前半の「国語教育絶対論」の部分はひょっとしたら、
著者の気持ちの強さと文章がもつ力とのバランスが、
微妙にずれているのかもしれません。

私には感じられました。

日本語を大切に思う方ならきっと、
泣けるし、笑えるし、怒れる一冊です。




↓「1日1回クリック」にご協力ください。
ランキング






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年05月25日 02時07分24秒 コメント(4) | コメントを書く
[言語あれこれ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: