私はエンジニアをしながら英語を学んでいたとき、辻谷先生のご本に出会ったことをきっかけに翻訳を学習し始めたので(短時間の講座に参加したこともあります)、おっしゃることは納得できました。

普段校正をするときは確かに、原文と照らし合わせて、というよりも、「訳されたものを読んで技術的におかしいと思う」ことが多いのです。これは語学ではなく専門知識に基づいて判断しているということですね(日本語としておかしい、と気づく場合もありますが)。
自分では英語力をもっと磨かねばというプレッシャーを日々感じていますので、欲張ってどちらも、というつもりの意見でした。
焦点がぼやけるというご指摘はそのとおりですね。以後注意します、失礼しました。
(2007年02月18日 18時57分08秒)

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2007年02月11日
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カテゴリ: 仕事部屋の風景

(一応、前回のつづき)

そんなこんなで、
専門知識があることと、
翻訳ができることとは別という考えは早くからありました。
実際、当該分野ご専門の方(ドクターなど)に依頼したが、
わかりにくいので直してほしい。
エージェントさんからそういう依頼も幾度となく受けています。

そういう仕事をするなかで気付いたのですが、
専門知識のある人は、

構文がとりづらい部分に遭遇すると、
知っている単語をつなぎ、
知識に基づいて意味のある文にするというのがパターンです。
当たっていればいいのですが、
間違っていれば、できた上がった文は内容的に正しくても、
原文とは違う内容の文ということになりますし、
誤訳であることに気付かれないまま通ってしまうことにもなります。

私のように知識のない人間は、
まず原文に食らいつくしかありません。
原文から得られる情報を残らず吸い上げ、
それでも解決しない(ふたつの意味にとれうるなどの)場合には、

でも、そういうことはほとんどありません。

以前 にも書きましたが、
専門性の高い文書でも、
知識がないと解決できないことはかなり少なく、
原文の構造をきちんと把握でき、

思考と言語とは密接に関わっていて
人間の思考を支えているのも、
科学技術の発達を支えているのも言語です。
ごく細かいこと、高度なことも
きちんと誤解の余地なく表現し、伝達することができます。

もし、知識がないと書かれた内容を正しく知ることができない言語があるとすれば、
その言語そのものに重大な欠陥があるということになりますが、
今のように科学技術が高度に発達していることを考えれば、
そういうものとはまったく無縁な世界でしか用いられていない言語を除き、
それはないということになります。

…で、翻訳する際に知識があるとこに頼っている方は、
原文の構造をまず完全に把握するまで粘るという力がつきにくいように思います。
最終的には、そっちの方がずっと確実で楽なんですけどね。



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最終更新日  2007年02月11日 18時55分57秒
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こんにちわ。  
あー さん
初めて書き込みしてます。今育児中で、この間に翻訳の勉強をしようと思っているときにまなさんの部ログに出会いました。最近通信講座を始めたのですが、難しい・・・私も文系出身なのですが、まなさんのブログを参考に頑張ります。色々教えてください。 (2007年02月14日 13時59分29秒)

Re:こんにちわ。(02/11)  
まな!  さん
あーさん、はじめまして。
書き込みありがとうございます。
育児もしつつ勉強もとなると、時間の取り方など大変なことも多々あると思いますが、お体に気をつけてがんばってください。最初は難しいことばかりかもしれませんが、きちんと向き合って、ひとつずつ乗り越えていけば、少しずつ楽になっていくと思います(^^)。またお気軽に書き込みしてくださいね。 (2007年02月15日 11時41分25秒)

IT翻訳者より  
ごま さん
専門知識+翻訳力がある、というのがベストですよね・・専門知識に頼りすぎず、かといって不足もなく。
IT関連の場合、原文が単純すぎて、知識がない場合は(特に昨今のWeb系技術とか)あさっての方向に行ってしまうベテラン翻訳者の方をお見受けすることがよくあり・・。
慢心しないことが大事ですね・・がんばろ。 (2007年02月15日 15時55分57秒)

Re:IT翻訳者より(02/11)  
まな!  さん
ごまさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

>IT関連の場合、原文が単純すぎて、知識がない場合は(特に昨今のWeb系技術とか)あさっての方向に行ってしまう

IT分野の翻訳のことは全然わからないのですが、そういうことがあるのですね。どんな分野にもそれぞれに落とし穴があるということでしょうか。

お互いに頑張りましょうP(^^)q
(2007年02月16日 14時21分15秒)

例を・・  
ごま さん
まな!さん、お忙しい中お返事ありがとうございました。
先日あった例としては、
Input A in B. というとてもシンプルな文章ですが、
”A を B に入力します。”
は、実は誤訳で、”B 内の A を入力します。”
が正しいのです。ネットワークの仕組みを理解していれば当たり前に導けるのですが、知らなければいくら読んでも難しいな・・と思いました(2通りに読める書き方が連発されていると、もうちょっと考えてほしいなと思うことがありますね・・)
(2007年02月16日 18時51分15秒)

Re:例を・・(02/11)  
ごまさん
>まな!さん、お忙しい中お返事ありがとうございました。
>先日あった例としては、
>Input A in B. というとてもシンプルな文章ですが、
>”A を B に入力します。”
>は、実は誤訳で、”B 内の A を入力します。”
>が正しいのです。ネットワークの仕組みを理解していれば当たり前に導けるのですが、知らなければいくら読んでも難しいな・・と思いました(2通りに読める書き方が連発されていると、もうちょっと考えてほしいなと思うことがありますね・・)
-----
 具体例をお聞きしようと思っている間に書いていただき、感謝しています。
 やはりそういうことなのですね。
 英語の欠陥がもろに出た文章ですね。日本語なら「駅に」(いる)と、「駅の」(花屋)とをきっちり区別できますが、この「駅に」と「駅の」が英語では同じになってしまいます。
 要するにinの情報量が小さすぎるわけです。構文が単純なときに気を抜くような姿勢を作ったのは学校英語の責任で、私はそうではなく、情報量が大きいか小さいかをちゃんと見極め、情報量が小さいときには心してかかれと教えています。
 医学で言えば、osteoporosisはまちがわないけれども、responseはまちがうというのを同じ理屈ですね。 (2007年02月16日 22時00分56秒)

Re:IT翻訳者より(02/11)  
翻友会  さん
ごまさん
>専門知識+翻訳力がある、というのがベストですよね。

 まなさんはそんなことは言ってないですよね。
 原文に食いつけば、input A in Bがそう簡単には決まらないはずです。本当に食らいつけば、「AをBに入力する」で終わるはずがない。もちろん、「B内のAを入力する」でよいかどうかもわかりません。そうなると、わかるまで調べるしかない。
 どうやっても答えがでないやつは翻訳の仕事なんかやめてしまえばいいんです。
 知識の問題じゃないということを言っているのに、専門知識+翻訳力があることが最善ですねなんていうふうに問題をすりかえないでください。

























>IT関連の場合、原文が単純すぎて、知識がない場合は(特に昨今のWeb系技術とか)あさっての方向に行ってしまうベテラン翻訳者の方をお見受けすることがよくあり・・。
>慢心しないことが大事ですね・・がんばろ。
-----
(2007年02月16日 22時19分22秒)

ん?  
ごま さん
>わかるまで調べるしかない

「わかる」ために知識は必要だと思いますし・・
そんなに目くじらたてることでもないと思いますが。すりかえたつもりはないですよ、あくまで私の意見ですが。 (2007年02月16日 23時27分03秒)

ん?  
ごま さん
>わかるまで調べるしかない

「わかる」ために知識は必要だと思いますし・・
そんなに目くじらたてることでもないと思いますが。すりかえたつもりはないですよ、あくまで私の意見ですが。 (2007年02月16日 23時27分15秒)

Re:ん?(02/11)(その1)  
翻友会  さん
ごまさん

>「わかる」ために知識は必要だと思いますし・・
>そんなに目くじらたてることでもないと思いますが。すりかえたつもりはないですよ、あくまで私の意見ですが。

 翻訳にとって本当に大切なのは、言語の本質が理解できていること、母語がきちんと書けること、母語での思考ができること、この3つです。
 昔お世話になった翻訳会社の社長は、Grammerか専門知識のどちらかが完璧であれば正しく訳せると言ってましたが、もちろんそれは、上の3つができていることを前提にしての話です。社長はすぐに英語やカタカナを使いたがる悪い癖がありましたが、ここで言うGrammerとは対象言語、元言語(の文法)のことです。
 あくまで、どちらかであって両方ではないんですよね。対象言語が100%であればそれで最善、専門知識が100%であればそれで最善ということは、両方100%となると、どちらかが「冗」になっているということです。「冗」になっているというこうことは、よくて駄目押し、下手をすると悪い影響が出る可能性もあるということです。
(2007年02月18日 08時41分13秒)

Re:ん?(02/11)(その2)  
翻友会  さん
ごまさん

>「わかる」ために知識は必要だと思いますし・・
>そんなに目くじらたてることでもないと思いますが。すりかえたつもりはないですよ、あくまで私の意見ですが。
-----
 (その2)
 その1に書いたような考え方は、その昔道修町の製薬会社を支えた翻訳者の間では常識であったわけで、実際、専門知識はあるけれどもフランス語が余りよくわかっていない人が完璧なフランス語の翻訳をしていました。もちろん、その逆もありました。言語の本質の理解、母語、母語での思考力が根底にあるからです。
 そういう世界で刺激を受け、鍛えられた翻訳者が今度は、対象言語、専門知識のどちらもあまりできないのに、専門家の目からみて問題のない翻訳をするようになり、大切なのは上に書いた3つのものであるという考え方が裏づけられました。
 さらに、専門知識があり、スペイン語がほぼ完璧、ドイツ語は苦手という人Aが、むしろスペイン語の方でうっかりミスをすることが多いという事実があります。両方できると慢心して気が緩むのですね。
 ここまで書いてきたようなことが最近、忘れられ、おろそかにされているところに、まなさんが非常にいいかたちで問題提起をしてくれました。
 ご自分の意見を書かれるのはもちろん自由ですが、あの書き方では、まなさんのこの問題提起の方向性がぼやけてしまうことを危惧したまでのことです。 (2007年02月18日 08時55分04秒)

詳しいご説明ありがとうございました  
ごま さん

Re:例を・・(02/11)  
まな!  さん
ごまさん、こんにちは。
例を挙げてくださって、ありがとうございます。

それにしても、2通りに読めるものが頻繁に出てくるなら、語学力とか専門知識とかも大切ですが、落とし穴の存在を常に気にしておく注意力が必要ですね(私はこれを「危機察知能力」などと呼んでます)。

(2007年02月19日 17時53分33秒)

Re[1]:ん?(02/11)(その1)(02/11)  
通りすがり さん
>ここで言うGrammerとは・・・

綴り間違ってるし (2007年12月06日 15時50分59秒)

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