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2007/10/07
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 エジンバラ2日目の23日。ホテルの朝食( 写真左 Jurys Innの朝食

 市内中心部から北東へ20分ほど歩いたところにある「イースターロード・スタジアム」。地元エジンバラのサッカー・チーム「ハイバーニアン」(スコットランド・プレミアリーグ)のホームスタジアムである( 写真右下 =スタジアムの周辺)。

 実はこのハイバーニアンがこの日午後2時から、グラスゴーの「セルティック」を迎えて試合をするという情報を、事前に日本で得ていた。

 セルティックと言えば、中村俊輔である。僕らは、当日チケット(ハイバーニアンのHPによると、どの席も均一料金で26ポンド=6500円ほど=という)を手にいれようとまず朝イチで出かけた。Easterroad Stadium周辺

 ところが、スタジアムのチケット売り場のお兄さんから言われたのは、「当日券はない。すでに予約で完売している」「前売り券も、ファンクラブの会員か以前に買って登録している人しか買えない」というつれない一言。

 英国のサッカースタジアムと言えば、5万人くらい収容する巨大なものを想像するけれど、ハイバーニアンのホームはサッカー専用の球技場にしては席数も約1万8千人と少ない。

 「どうしたら手に入れることができるのか?」と無茶な質問をさらに窓口のお兄さんにぶつけた僕だったが、「(チケットを)持ってる奴から買ったら?」との遠回しなお答え。すなわち、ダフ屋から買えということか。

ホリールードハウス宮殿とりあえず試合開始前にもう一度出直すことにして、僕らはホリルードハウス宮殿( 写真左 )に引き返すことにした。

 さて、宮殿のことに触れる前に、エジンバラという街について少しおさらい。スコットランドの首都であるエジンバラの人口は約40万人と意外と少ない(スコットランド全体の人口は約500万人)( 写真左 =ホリルードハウス宮殿)。

 スコットランドは1999年、独立した議会を持つことが認められ、グレートブリテン=連合王国に属しながらも、自治権が拡大された。独自の法律の制定権や税率を3%まで増減できる権限などが与えられたが、軍事・外交、社会保障などの権限は依然として英国政府・議会が握っている。

 ユネスコの「世界遺産」にも指定されているエジンバラの街は、中世以来の歴史的建造物があふれる旧市街と18世紀以降に計画的に造られた新市街から成る。旧市街のシンボル「エジンバラ城」は、市内のどこからも見える丘の上に建ち、ギリシャのアテネにも似た雰囲気(そう言う僕だが、まだアテネに行ったことはない…)。スコットランド議会議場

 観光スポットが多いのは、言うまでもなく旧市街である。エジンバラ城とホリルードハウス宮殿を結ぶ東西方向のメインストリートを現地では「ロイヤルマイル」と呼んでいるが、僕らの泊まったホテル「Jurys Inn」はちょうどそのロイヤルマイルの中間で、横道にそれたすぐのところ、観光には絶好のロケーションだった。

 さてホテルから宮殿までは徒歩10分程度。宮殿はスコットランドにおける英王室の宮殿として現在でも使われており、王室が滞在するときは公開されていない( 写真右 =中世の街並みとは対照的に超モダンな外観デザインのスコットランド議会議場。宮殿のすぐ向かいに建てられたために建設計画発表時には反対の声も上がったとか)。Pub World's End

 宮殿の主(あるじ)として一番有名なのは、スコットランド女王にして、最後はエリザベス1世の暗殺を企てたとした処刑されたことで有名なメアリー。メアリーの波乱の生涯を書くにはスペースが足りないので省略するが、ご興味のある方は映画「エリザベス」をご覧になると時代背景がよく分かると思う。

 建物は中世の宮殿の面影をとてもよく残しており、城の中のギャラリーには歴代スコットランド王89人の肖像画も展示されていて、圧巻(でも、土産物ショップの中で、一番場所を占めていたのはもちろん、現エリザベス2世と故ダイアナ妃関連のグッズでした)。

写真左上 )。シェパード・パイを食べようと思ったのだけれど、お昼のメニューには残念ながらなかった。仕方なく「ベーコン&トマトのサンドイッチ」と「シーザー・サラダ」。パブならやはりビールだよねということで、ハーフパイントのエール2杯を頼む。オールブラックスのサポーター

 お昼時のパブは超満員。実はこの日はエジンバラではサッカーだけでなく、スコットランド対ニュージーランド(オールブラックス)というラグビーのビッグゲームが開催される(午後4時~)ということで、街は黒のTシャツやポロシャツを着たオールブラックス・サポーターでいっぱい。このパブにもサポーターが目立ち、試合開始前から盛り上がっている( 写真右 =街にもオールブラックスのサポーターがいっぱい)。

 でも、僕らはラグビーよりはサッカー。昼食のあと再び、イースターロード・スタジアムを目指す。朝訪れた時はまだ閑散としていたスタジアムへの道中は、近づくにつれて両チームのサポーターの姿が目立つようになり、フーリガン警戒の警官たちの数も増えてきた( 写真左下 =騎馬警官もいます。路上には当然馬の***も)。

Plicemen at Easterroadさて、目当てのダフ屋はいるかな?と思ってスタジアムまであと200mほど近づいた頃、いた、いた! ダフ屋らしき連中が何組か、路上でスタジアムに向かう人たちに声をかけている。

 とりあえず最初に目が合った中年のおじさんに声をかける。「いくらだ?」と聞いたら、「2枚で52ポンド」と言っている。チケットを見ると、セルティックサイドの席。「窓口の値段と同じでいいのか?」と念押ししたが、「余っているから同じでいい」と言う。雰囲気的にセルティックのファンクラブ関係の方のようだ。

 ほんとに本物のチケットだろうか? 偽物じゃないだろうか? いや偽物にしては精巧すぎる。とりあえずここは、このおじさんを信用して賭けてみる。という訳で、こんなに簡単にチケットが、しかも通常の値段で手に入って、無事スタジアム入場OKとなった。こんな幸運があっていいのという感じ(これも僕の普段の行いがいいからかなぁ(笑))。セルティックのサポーター

 と、ところが、試合開始前のモニターテレビで紹介されたセルティックの先発メンバー発表を見ると、「シュ、シュンスケの名前がな、な~い」。ガビーン! ベンチ入りのメンバーにもまったく名前がなーい。

 つまり今回のエジンバラのアウェーの試合に同行してこなかったということ。せっかくチケットが買えたというのに…。なぜだ!俊輔!(帰国後で聞いた話では、18日の欧州チャンピョンズリーグの試合で左ひざを痛めたからだという)。

 しかしまぁ試合を見られただけでもよかったと思い直して、セルテック・サポーターとともに応援に参加する。席はゴール裏斜め後ろの前から4番目という最高の場所。周囲にいるサポーターたち( 写真右上 )の応援する怒鳴り声がガンガン、腹にこたえるくらいに聞こえる。

 サポーターたちは、試合そっちそけで相手チームサポーターをののしり合う。何を言ってる分からんスラング。「Fuckin’***」という言葉だけはかろうじて分かるが、かなり下品な言い回しなんだろう。Hibernian vs Celtic

 ののしりは相手サポーターだけでなく、相手チーム選手にも。とくにゴールキーパーは距離が近いので聞こえない訳がない。頭に来たとことを言われたキーパーが時々スタンドに向かって言い返す場面もあって面白い。

 隣の席にいた若いスキンヘッドのサポーターに「日本から見に来たんだけど、俊輔が出てないのでがっかりだよー」と言うと、「俊輔はいい選手だよ。でもきょうは調子が悪くて出られないんだ」と彼(その意味は帰国後に分かった)。

 でも、俊輔はここエジンバラでも後で訪れたグラスゴーでも知らない人がないくらいの有名人。同じ日本人としてちょっと誇らしい気持ちになる。Ticket

 ところで試合の方は、セルティックとハイバーニアン両チームが激しく点を取り合う展開。ハイバーニアンというチームはまったく知らなかったが、今シーズンはセルテックとリーグで2・3位を争っている強豪チームという。

 2-2の同点で迎えた後半の終了間際。ハイバーニアンが3点目をあげてそのまま終わった( 写真左上 =ヘディングで挙げたセルティックの2点目のゴール)。終了間際にはスタジアム内に警官がたくさん入ってきた。敗れたセルテックのファンがフーリガンと化するのが怖くて、僕らは終了少し前にスタジアムを後にした( 写真右 =幸運にも手に入れた当日のチケット!)。

 俊輔は見られなかったけれど、プレミア・リーグのサッカーを間近で見れて、本場サッカーの雰囲気を味わえた幸せを、僕らはしみじみとかみしめた。

 ◆英国への旅:エジンバラ編(3)へ続く

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Last updated  2007/10/11 12:42:34 AM コメント(4) | コメントを書く


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うらんかんろ

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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