Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2018/07/16
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 オランダと言えば、すぐに風車やチューリップを思い浮かべる人が多いと思います。しかし、前回も書いたように、オランダは今や、米国に次ぐ世界第二の農産物輸出国です(輸出額は約900億ドル=2015年FAO統計。ちなみにオランダより広い日本は、約32億ドルで60位なんだとか)。

 オランダの面積は九州とほぼ同じですが、うち約45%がほぼ平坦な農用地。狭い国土を有効に活用し、花の栽培(チューリップなど)だけでなく、施設園芸による野菜生産等でも、小さな経営面積で高い収益性と生産性を実現しています。
 栽培品目では、主にトマト、パプリカ、キュウリ、ニンジン、玉ネギ、ジャガイモ、トウモロコシなどを生産。とりわけIT技術を導入した大規模温室栽培、機械化農業が得意です。


 大規模温室ではトマトなどの野菜が天井高くまで栽培され、温湿度や照度、水、肥料などがすべてコンピューターで制御・管理されています。今回の旅行中も、アムステルダム郊外で温室を時々目にしましたが、体育館くらいの高さ・広さのある巨大温室には驚くばかりでした。
 欧州ではかつては、トマトと言えば、スペイン産やイタリア産が一番と言われていましたが、今ではオランダ産が最も高品質で高い評価を受けているそうです(写真は、以下の2枚も含め、いずれもアムスのあるスーパーの野菜売り場の光景)。


 この世界一の温室栽培技術を学ぼうと、オランダには今、世界中から視察団がやって来るそうです。現地に20年ほど暮らし、フリーで日本人旅行客のガイドをしているWさんの話によれば、日本からも都道府県単位、農協単位で見学にくるツアーが多く、「大規模温室、農園視察の案内依頼が頻繁にあって、とても儲かってます(笑)」とのこと。


 オランダの農産物輸出先は現在、約8割が対EUなので、日本に直接入ってくる一次農産物はごくわずかでしょうが、そのうち日本のスーパーにも、当たり前のようにオランダ産の野菜が並ぶ日が来るかもしれませんね。


 さて、2日目の昼間の予定もほぼ終えた僕らは、晩ご飯の予約に向かいます。今夜は、ミュージアム広場のすぐ近くのシーフード料理の店を予定しています。写真は、その店が面した通りの夕方の光景ですが、アムステルダムでは朝夕、自転車やバイクで通勤・帰宅する人たちで溢れます(バイクのヘルメット着用義務がないのが驚きです!)。
 ちなみに、以前の回でも少し触れましたが、オランダ人は質素倹約な国民性なので、基本、外食せず家で晩ご飯を食べます。「残業」なんて言葉は彼らの辞書にはありません。仕事(労働)よりも家族との時間を大事にし、人生を楽しむことを優先するのがオランダ人なのです。


 今夜の店は「シーフード・バー(The Seafood Bar)」。その名の通り、新鮮な魚介類を生や半生の状態で堪能できる店です。日本で今回の旅行をアレンジしてくれた担当者がアムステルダムに詳しく、「私のイチオシの店です。アムスに行くたびに行ってます」とお勧めしてくれたのです。
 午後5時頃、まず、店に立ち寄り、男性スタッフの方に「6時半頃に2名、予約できますか?」と尋ねました。そのスタッフはパソコンで予約状況を確認したうえで「大丈夫だよ」と。超人気店と聞いていたので、席が確保できてとりあえずひと安心。僕らは自分たちの名前(とスペルも)を告げて「それじゃぁ、後ほど!」と、いったん店を後にしました(スタッフは僕らの名前をパソコンに打ち込んでいました)。


 6時半までの間、どうして時間を潰すかは事前に決めていました。そのレストランから目と鼻の先にあるベーセー・ホーフト通り(Pieter Cornelis Hooftsstraat)=写真=には、世界じゅうの高級ブランドショップが数多く、街路の両側に軒を連ねています。特別に何か買いたいというものがある訳ではありませんでしたが、「時間潰しの”ひやかし”に丁度いいね」と向かいました(ちょうど、バーゲン・セールをやっている店もいくつかありました)。


 さて、ウインドウ・ショッピングも終えて再び、6時半少し前に「シーフード・バー」へ。するとさすが人気の店です。店内はほぼ満席で、7~8人の客が入り口に並んでいます。しかし、僕らはちゃんと予約を入れています。接客で動き回っているスタッフの一人を呼び止めて、「すみません! 6時半に予約しているアラカワです」と伝えましたが、聞こえているはずなのに無視です。
 その時です。入り口に並んでいる白人の男性客が「俺たちは並んでいるんだ。お前も列の後ろに並べ」と僕らに言いました。僕は「私たちは6時半に予約している(だから並ぶ必要はない)」と言い返しました。後は、無視してやると、それ以上何も言わなくなりました。
 僕らは再度、別のスタッフに大きな声で「パソコンの予約を確認してくれ!僕らの名前が6時半に登録されているはずだ(Check your computer! You have our reservation at 6:30)」と文句を言うと、ようやくテーブルに案内してくれました。人気店ですが、接客・サービスはまだ改善の余地ありです(写真は店内風景=少しピンボケご容赦を!)。


 とりあえずビールを頼んで乾杯。レストランの料理は基本、一皿の量が多いので、2品くらいかな…と。まず、ロブスターの身がたっぷり入ったスープ(スープ皿の盛り付けは下手くそですが(笑)ですが、味はめちゃ旨かった!)、それから人気の定番メニュー「シーフードの盛り合わせ」を頼みました。例によってパンも付いてくるので、2人ならこれで十分な量です。


 これが「シーフードの盛り合わせ」。生ガキ、ムール貝、ハマグリのような大きな貝、マテ貝、ロブスターの爪、エビ各種等々。大皿には10種類も盛り付けてありました。これらを4種類のお好みのソースで味わいます。もちろん、何もつけなくても素材だけで十分美味しいものもあります。これで€22.5とは、とてもリーズナブルだと思いました。
 入店時の対応は不愉快でしたが、テーブルに付いた別の女性スタッフの対応はまぁ良かったし、味も文句なしだったので、許すことにいたしましょう(ちなみに、このシーフード・バー、アムス市内にはもう1店舗あります)。


 さて、晩ご飯を無事終えました。しかし、まだ午後8時半です。前にも書いたようにこの季節、欧州の北の方の国は、夜10時半くらい空が明るいのです。ホテルに帰って寝るなんてとても出来ません。という訳で、ホテルの近くにあるバーで呑み直しです。


 お邪魔したのは、アムスに詳しい同業者の友人に教えてもらった「The Flying Dutchman」という店。ホテルから数分の距離です。バーというよりパブという雰囲気の店でした。カウンターの中にはおばちゃんと若いお姉さんが仕切っていました(おばちゃんの声がでかいです(笑))。
 テレビではW杯サッカーを放映していますが、オランダが今回出場していないのでオランダ人客はあまり元気がありません。隣国のベルギーが頑張っていますが、「オランダ人はベルギー人をバカにしているから、あまり応援していない。負けろーって思っている。日本がもしベルギーと対戦したら、オランダ人はきっと日本を応援するよ」とは現地の人の解説(この時点ではまだ決勝トーナメントでベルギーと対戦するとは決まっていませんでした)。 


 僕らは、スコッチ・ウイスキーのハイボールを頼みました。ただし「ハイボール」と言ってもまず通じません。「ウイスキー&ソーダ」と言わないとダメです(しかもウイスキーの銘柄を、その店にあるものから、きちんと指定する必要があります)。欧米のカクテルブックには、ハイボール(ウイスキー・ハイボール、スコッチ・ハイボール)と表記している本も確かにありますが、現代の欧米のバーでは、なぜか、ほとんど死語になっています。
 加えて、今回旅の途中で何度も頂いた「ウイスキー&ソーダ」は、ほぼ例外なく、ウイスキーを45ml程度入れた氷入り(小さい氷が数個!)のタンブラーと、瓶入りソーダ(200ccくらいの瓶)が目の前に2つ、バンと置かれ、「あとはお好きにどうぞ!」という感じで提供されました。
 バーテンダーがきちんとハイボールを美味しく作ってくれる日本のバーって、やはり素晴らしいなぁと思いますが、慣れるとこういう飲み方も合理的かなと思うようにもなりました。

<6回目に続く>

※過去の「旅報告」連載は、トップページ中ほどのリンク 「旅は楽しい」 からお読みになれます。


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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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