ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Aug 25, 2006
XML
 カレリア地方の田舎をさくっと回ってきた。ひたすら森と湖の連続。幻想的ではあるけれど、空が低くて、水も冷たそうで、この地の真冬の様子とかを想像しただけで気が滅入る(笑)。
finland2


 ↓このお城(サボンリンナのオラビンリンナ城)、ドラゴンクエストのモデルになったとか(トリビア)。
castle


 さて、今日はついにヘルシンキに到着。現在、街ぢゅうが ヘルシンキフェスティバル で盛り上がっていて、今夜はそのなかで、アンドラーシュ・シフのピアノリサイタルを聴いてきた(フィンランディアホール)。

 ベートーベンのソナタをひたすら弾くシリーズで、今夜は第22番から26番まで(「熱情」、「告別」を含む)。
 どの曲も熱演だったが、一番心に染みたのはアンコールに弾かれた短調のアダージョだったりする(何番かは不明)。曲自体もさることながら、彼の淡々とした弾き方がどこか郷愁を誘い、懐かしくも哀しい気分になった。北欧の短い夏が終わっていくという現実をもひしひしと感じさせられた。
 実際、演奏会場を出た午後九時半ごろは、まだうっすらと明るかったが、疑いなく秋の空。柔らかい夕暮れの光のもと、あの短調のアダージョがずーっと自分の頭のなかで鳴り響いていた。

 ヘルシンキって、一国の首都のわりには意外に小さい(人口50万ぐらい)。普通、都会で演奏会を聴きに行くと、終演後に外に出たときに否応なしに耳に飛び込んでくる都市騒音に悩まされることが多い。それは車のクラクションだったり、道行く人の携帯電話の着信音だったり、人びとの罵声だったり(?)。駅のホームで電車の発車するときの例の電子音楽とかに、その夜の名演が台無しになってしまった経験をお持ちの方もいるだろう。
 その点、ヘルシンキはほんとに静かな街で、演奏会の鑑賞には適していると思う。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  Sep 3, 2006 02:28:46 AM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ピカルディの三度TH

ピカルディの三度TH


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: