ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 17, 2021
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カテゴリ: 映画、テレビ
「(えせ)聖者が町にやってくる」(評価 ★★★★☆ 四つ星)

 少年院出身の若者が主人公。彼は自分の黒歴史を隠し、小さな村の教会の司祭になりきる。徐々に村人からの信頼も得て、美女とも恋に落ち、シャバの空気に馴染んでいくが、やがて素性がバレそうになる。
 いま日本で公開ちゅう。 http://hark3.com/seinaru-hanzaisha/

 お見事。いい映画だと思った。てか、ポーランド映画って秀作が多い。←数本しか観たことないけど

 少年院内での残虐な場面は救いようがないし、一方で塀の外の世界も息苦しい。世間は前科者をどのように受け入れるべきかってすごく難しい。少年院に入るような罪を犯してしまった本人が一番悪いのだけれど、過去は隠したいというお気持ちもわかる。
 でも、この映画の趣旨はそこじゃないはず。主人公自身の葛藤をもっと詳しく描いてほしかった。神にお仕えすれば過去の殺人も赦されるというのも都合が良すぎるし、遺族にとっては納得いかないとは思う。
 てか、一般にあれこれわかりづらい映画だと思った。てきぱき展開しすぎか。

 並行して描かれる脇ネタ(死者七人を出した交通事故)は実に効果的だった。

 ぼくは宗教のことはよくわからないものの、聖職者といえども人間であるという考え。司祭さんが教会の外であんなことやこんなことをしようが、肝心の教会での職務をきちんと遂行なさってるのであれば別にいいんぢゃね、と思っており、それに、神に仕えるなら庶民の煩悩や弱者の悩みを実体験で知っている人のほうがいいという気もしてるのだけれど、ただその人が「殺人を犯して少年院にいた人」となるとさすがに抵抗がある。どこで線引きすべきか。


 氏に直接提言するのではなく周囲の方に根回しすべきだったか。でも、彼が逆ギレしてるのを目の当たりにし、やっぱり生身の普通の人間でいらっしゃるんだなと思ってなぜか安心したりもして。





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最終更新日  Jan 18, 2021 01:13:25 PM
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