ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 22, 2021
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「対岸の火事」

 オケ動画に合わせてのおひとりさま本番ごっこ、今週はシューマン。

 ぼくはドイツ三大B(バッハ、ベートーベン、ブラームス)はもちろん好きだけれども、その陰に隠れがちなドイツ新御三家?(メンデルスゾーン、シューベルト、シューマン)の作品、具体的には彼らの交響曲はどうも好きになれない。強いてお気に入りを挙げるならメンデルスゾーン4番「イタリア」ぐらい。
 シューマンの交響曲は特に苦手で、あんまり積極的に聴かないしよく存じないのだけれど、おうち時間がいっぱいあるこの機会にじっくり取り組んでみようと思い、交響曲3番「ライン川」の第一バイオリンに挑戦。

 やっぱり難しかった(てか、こ難しい)。スメタナの「モルダウ川」みたいに情景描写に富んだわかりやすい音楽を期待してはいけないらしい。特に1楽章は難曲。底抜けに明るくイケイケな雰囲気なのはちょっと意外だったけど、シューマンらしい陰気くさくひねくれてるとこも随所に感じられる。
 そして手を変え品を変えいろいろ仕掛けてくる。こんな器用な作曲家さまだったとは。2楽章、シャープもフラットもなく澄み切ったハ長調の音楽がしばらく続くとことかにも驚く。

 記譜のしかたにも彼独特のクセがあって、よってますます難しく感じられる気がする。臨時記号の使いかた、例えば♯ラと書くのか♭シと書くのかとか。
 4楽章なんて変ホ長調で書かれてるけど、変ホ短調(フラット六つ)で書かれるべきと思う。

 あと、シューマン弾くなら、マーラーやワーグナーほどではないにしろ、多少のドイツ語の知識が必要。

 この曲の4楽章はゆったりとしたコラールで、feierlich と書かれてある。ぼくは火(英:fire)のことをドイツ語で feuer というのを知ってて、feuerlich ってのは燃えるように熱く弾けってことねと思って熱奏しまくったのだけど、どうも雰囲気が違う。
 そしたら老眼による読み間違い、feuer ではなく feier だった。慌てて調べたら、feierlich とは「荘厳に、厳粛に」という意味。めらめら燃え上がってる場合ぢゃなかった。





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最終更新日  Jan 24, 2021 03:50:02 AM
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