東方見雲録

東方見雲録

2023.03.09
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カテゴリ: 生命
それでも、逆転メガネをかけたまま、このようなとんでもない環境の中で数日が過ぎると、左右も正しく見えるようになります。

この段階になると、見えている世界の動きは、頭の動きから予想した動きと矛盾しなくなります。

目標に手を伸ばすこともかんたんにできるようになります。

しかしながら、面白いことに、逆転メガネの世界を何日間も経験して世界が正しく見えるようになった後に、メガネをはずすと、ふたたび視野が激しくゆれ動きます。普通の状態が普通に見えなくなってしまうのです。脳は、逆転メガネをかけた状態で、世界を自分の行動と矛盾なく認識できるように適応したため、そのようなことが起きるのです。

「正しい世界」の印象の回復には、自発的に行動し、外の世界に向かって積極的にはたらきかけることが重要で、じっとしていると適応に時間がかかります。眼鏡をかけたまま動き回ることによって見える世界と、動作の結果との矛盾を経験することで適応していくのです。

このように、私たちの脳は、逆転した視覚空間の情報を外の世界に合わせて「正しく」解釈するよう、情報処理のしくみを短期間で変更する柔軟性を持っています。

目で見た景色が逆さまに映るメガネをかけた状態であっても、時間の経過とともに像が正立するというのはまさに驚きである。私たちの脳は、視覚や聴覚などの感覚器官からの情報をそのままではなく、私たちがこの世界の中で矛盾なく行動できるように認識しているのだ。私たちが見ている世界は、実際に存在している世界とは微妙に差があるのかもしれない?

脳の教科書――はじめての「脳科学」入門



引用サイト:現代ビジネス  こちら





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Last updated  2023.03.09 07:47:32
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