東方見雲録

東方見雲録

2023.08.10
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カテゴリ: 生命
米国の著名な惑星科学者にして作家でもあるカール・セーガンは1970年、生命を定義する際に、生命現象のどの部分について注目するかという観点として以下のものを挙げている。

「生理学的」「代謝的」「遺伝的」「熱力学的」の4つである。

最初の「生理学」とは、生物を構成する各要素(組織や器官、細胞など)がどのような活動を行っているかを解き明かす学問とされる。この観点からなされる生命の定義は、「食べる、排泄する、代謝する、呼吸する、行動する、成長する、などのさまざまな生物的機能を発揮することができるシステム」ということになる。
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生命はそのようにして、長い時間をかけて多くの(意図しない)試行錯誤を繰り返し、その多様性を増大させる。そして、その中から環境にマッチしたものが生存競争に生き残る。これはもちろんダーウィンによって提唱された進化論で、「ダーウィン進化」という言い方もある。

もし自己複製が完璧であれば、生命はいつまでも進化せず、多様性のない状態となり、気候変動などなんらかの偶発的な要因により一瞬で滅んでしまうであろう。「きわめて精巧だがけっして完全ではない自己複製」こそが、地球生命が40億年以上の長きにわたり、数多くの天変地異や絶滅の危機を乗り越えて今日まで命をつないできた秘訣といえる。
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生命とは個体ではなく、進化する集団として捉えるべきもののように思われる。

引用サイト: こちら

現在、研究者の間でもっともよく受け入れられているのは、NASAによる定義とされる「生命とは、ダーウィン進化する自立した化学的システムである」というものだ。

これが「NASAの定義」と呼ばれるのは、1994年頃、のアストロバイオロジー(*編集部注:宇宙における生命の起源、進化、伝播、未来を研究する新しい分野)についてのワーキンググループが議論して出来あがったものとされるからだ。

この定義は「ダーウィン進化」をキーワードとして、実にすっきりと簡潔にまとまっている。進化の前に「ダーウィン」とわざわざつけているのは、ダーウィンの「自然選択による進化論」であると明確にするためであろう。

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最小の生命の定義として「自己_複製する」ことと「変化(進化)していくこと」の二つが残ったという。つまり完璧な自己複製ではなく、「わずかに不完全な自己複製」こそが生命の本質というわけだ。
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もう一つ、NASAの定義では削られてしまっているが、生命の定義で時折出てくるキーワードがある。生命は「高度化」あるいは「複雑化」するというものである。
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そもそも、多細胞生物のなかの一つ一つの細胞を生命と捉えれば、多細胞生物の個体とは一つの生命というより生命の集合体、つまり人間に対する会社や国家のようなものと考えられなくもない。

そうなると、多細胞生物にはまた別の定義が必要なのかもしれない。

そして高度化・複雑化というのはすべての生命に必然的に起こることではなく、生命の一例である地球生命が持つ特有の性質にすぎないのかもしれない。このあたりの判断は難しい。結局のところ、完璧な「生命の定義」は今のところ不可能であり、そしてもしかしたら未来永劫、不可能なのかもしれない。
こちら





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Last updated  2023.08.10 09:00:10
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