東方見雲録

東方見雲録

2023.09.23
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カテゴリ: 環境




では、「日本の農業における最大のメタン発生源は稲作であるから、我々はお米を食べるべきではない」と仮に主張したとして、どれだけの方が賛同していただけるだろうか。

日本の食文化に深く根ざした米の消費をやめるという判断を、環境負荷の基準だけで考えることは非現実的だろう。

それと同じように、お肉についても代替肉への切り替えを軽々に議論することは難しい。事実、世界では培養肉への“拒絶反応”を公に示そうとする動きもある。

牛肉や豚肉が食文化と深く結びついているイタリアでは、今年5月、政府が培養肉の販売を禁止する法案を議会へ提出した。この法案提出にあたり、同国のロロブリジーダ農相は、培養肉が「土地に根付いた我が国の食文化を破壊する」とまでコメントしたと報じられている。
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畜産業による環境負荷の大きさに関心が高まるなか、培養肉などの新しい食品を生み出す技術が生まれ、徐々にその市場も広がろうとしている。

だが、先に取り上げた米の問題が示すように、エネルギー分野などとは異なり、環境問題を踏まえて食を語ることは非常に難しい。そして、一般的に「環境に悪い」と思われている牛肉などにも、実は環境保護に資する側面がある。

米国の市場開放を受けて、今後、日本でも培養肉の受け入れに向けた議論が進むだろう。その際には、「牛肉は問題だ」などと短絡的に決めつけることなく、食文化や国土保全など、さまざまな要素を踏まえて、我々と肉の付き合い方を考えていく必要がある。
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Last updated  2023.09.23 07:00:09
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