東方見雲録

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2024.01.22
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カテゴリ: 郷土



 踏切なのに信号機?ー。出雲市武志町と荻杼町の間に山陰両県で唯一、信号機が設置された踏切がある。本来、自動車で通行するには一時停止しなければならないが、信号機があることで止まらずに通過でき、交通渋滞の緩和に貢献している。なぜこのような踏切となったのか。理由を探った。 (政経部・清山遼太)

現場は一畑電車北松江線の武志ー大津町間にある「武志農道踏切」。市内を流れる斐伊川から県道161号を西に300メートルほど走ると見えてくる。遮断機の上に交差点などで目にする信号機が設置され、そこには「信号踏切」の文字が表示されている。青信号の下を多くの自動車が停止することなく往来する。

 踏切の信号機はなぜ設置されたのか。島根県警交通規制課によると、信号機が設置されたのは1992年。当時、出雲市の都市開発に伴って交通量が大幅に増加したため、渋滞や事故が多発していた。そこで、交通の流れがスムーズになるよう、信号機を設けたという。

 では、この場所に踏切が存在する理由は何か。時は71年までさかのぼる。県出雲県土整備事務所によると、既に14年に開通していた一畑電車北松江線に県道(当時は市道)設置を出雲市が要望した。県は当初、立体交差で道路が線路上を通過する形で建設するよう計画していた。

 そもそも踏切は国土交通省令で「鉄道は、道路と平面交差してはならない」と明記されており、危険を回避するため、地形の都合上やむを得ない場合を除いて立体交差するよう求められている。当時、県はこれに則って建設準備を進めていた。

 しかし、73年に出雲市が平面交差での整備を希望する陳情を県に提出した。理由は資料が残っていないため不明だが、同事務所農林工務部の渡辺勝俊部長は「橋だと近隣住民が回り込むなどしなければ線路を渡れず、生活道として便利に使いたい声が強かったのではないか」と分析した。一畑電車の野津昌巳総務部次長(52)は「道路整備者にとって敷設費用が安価で済むメリットもあったと考える」と推測した。

 県と一畑電車は76年に平面交差での建設を合意。80年に踏切が設置され、12年後には全国でも珍しい信号踏切が誕生した。同様の踏切は、広島県福山市や山口県山口市などのJR路線踏切でも見られる。

 安全上、仕方ないとはいえ、踏切が渋滞を引き起こし、別の懸案が発生するケースは珍しくない。安全が確保されるなら、技術の進んだ現代に同様の踏切が増え、道路をスムーズに走ってもらう仕掛けができれば、生活者にも来訪者にも便利で、地域の好印象につながりそうだ。


引用サイト:山陰中央新報   こちら





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Last updated  2024.01.22 07:00:11
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