東方見雲録

東方見雲録

2025.01.13
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カテゴリ: 郷土
―ハーンが愛した山陰に残っているもの、風景、伝統をどう生かしていくべきでしょう。

 「形あるものは失われてしまうことが多いですよね。山陰でもハーンがいた頃の古い建物は、出雲大社などの社寺や松江城などを除くとほとんどの場合、もうなくなっています。しかし、例えば怪談のような『お話』は形のないもので、八雲が文字にしたことで現代の読者にも読まれたり、あるいは語り継がれたりしています。そういうもを『文化資源』として認識する必要があります。私は『文化資源』という概念に出合ってから、非常にそういう着眼点が大切だと思うようになりました。文化財は誰が見ても大事なもので、重要文化財や国宝指定を受けたり、あるいは博物館に立派に飾られているようなものですが、そうじゃないものもあるわけですよね。蓄積されてきた地域文化。怪談なんてそんなに大事なものとして扱われてこなかったけれども、むしろそういうものを生かしていく。地域資源として磨きをかけて、現代のニーズに合うような形で生かしていくことはとても大事だと思っています。『文化資源的着想』がこれから必要になってくると思います。これからは巨大なテーマパークを作る時代ではなく、元々あるものをうまく探し出して、それを現代に合うような形にプロデュースしていくことが大切です」


八雲が妻・セツと過ごした小泉八雲旧居。国史跡に指定されている=松江市北堀町
 「私が関わった事例では、例えば松江観光協会主催の松江ゴーストツアーやミステリーツアー。これらは本当に形のないものです。ゴーストツアーでは語り部さんを育成し、語り部さんの話を聞いてもらう取り組みですが、昨年は満席で予約が全く取れない状況でした。参加者の半分以上は県外の人で、ゴーストツアーに合わせて山陰を旅行してくれるわけです。昨年11月にはそれを隠岐でやってみましたが、これもキャンセル待ちが出るほどで、8割が県外から参加してくださいました。ウオーキングを少し入れると、健康志向にもつながります。隠岐ゴーストツアーも2キロほど歩きましたが、逆に喜ばれました。八雲が描いた妖怪のイラストでラッピングしたバスを使ったミステリーツアーも3回ありましたが、これも満席。着想次第では、そういった取り組みが経済効果を生み出すこともあり得ると思います」

 ―本紙では、1月3日付の特集面で八雲が訪れた鳥取県内のゆかりの地を紹介しました。こういった地を巡り、何を感じてほしいですか。

 「現地に行き、五感で感じることがやはり一番大事だと思います。できれば現地の人とも交流していただくといいですね。例えば八雲が新婚旅行で泊まった琴浦町の旧中井旅館では、学生たちを連れて行くと、琴ノ浦まちおこしの会の方が、琵琶を弾いたり、八雲の作品を語ったりしてくれます。日野町の幽霊滝に行った時は、地元の方がイノシシ肉のバーベキューで歓迎してくださいました。幽霊滝のその後の怪談話も聞かせてくださいました。そういった地元の人との会話を通し、自然への畏怖の念の大切さを再認識することもあります。現地を訪れ、ぜひ追体験していただきたいですね。八橋海岸で海を眺めるのもいいと思います」


八雲のレリーフの前で
 ―私たち山陰人は、どこか都会に憧れ、つい『山陰には何もない』などと言います。人々が西洋的なものに憧れた明治時代、アイルランド出身の紀行作家が、山陰の何に感動したのかを知ることも大切ですね。

 「ぜひ八雲が『知られぬ日本の面影』に記した〈日本海に沿って〉という紀行文を多くの方に読んでいただきたいですね。あれを見ながら旅していただくと、感じ方も変わるかもしれません。『怪談』に比べると日本では有名ではありませんが、実はそこに一番、鳥取県のことが多く描かれています」


引用サイト: こちら

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Last updated  2025.01.13 21:14:58
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