歩く権利 イギリスのフットパスは「Public Right of Way」と呼ばれる「公共の歩く権利」によって、守られています。誰が所有する土地であろうと、所有権とは別に、誰でもがそこを歩く権利を保証するものなのです。かつて自動車がない時代、人は毎日の生活や労働のために歩いて移動する必要があったため、このような道は生活の手段でした。今ではこのような道は主にレクリエーションとしての散歩を楽しむために大事なものとして守られています。
public footpathイギリス中、網目状に広がる「フットパス」は全長220,000kmに及びます。国が指定している長距離フットパス「ナショナル・トレイル」だけでも 15 本あり、全長約4,600km ありますが、それだけでなく、国中の無数の町や村の中や周り、湖水地方などの国立公園をはじめとする自然豊かな景勝地などに、大小さまざまなフットパスのネットワークが広がっているのです。 ・・・・ イギリスのFootpathの起源は古く、中世から存在しています。車がなかった中世の頃、人々はフットパスを通じて村や野へと移動し、農業を営んだり、交通や交易を行っていました。これらの歩道は、地元の人々が公共の土地や道を使用する権利を保障するもので、地域社会全体の利便のために維持管理されていました。けれども、この権利が制限されるようになったのが16世紀から19世紀にかけて行われた「エンクロージャー(囲い込み)」です。
Open Spaces society は、私有地であろうと地元民が長年使い続けてきたアクセスルートは公共(パブリック)のものとして開かれるべきだとして、その権利を法律で保護するための草案を1906年に作成しました。それが30年近くたった1932年に「The Rights of Way Act 1932 (歩く権利法)」として制定されました。この法律によって、イングランドとウェールズのどこであっても、一般民が20年間使い続けた道はRight of Way になるという法律上の保証ができたのです。