東方見雲録

東方見雲録

2026.01.14
XML
カテゴリ: 土木

レアアースの問題点とは?採掘・精錬に伴う環境負荷と、放射性物質が共存する科学的理由
レアアースの生産プロセスが環境に与える影響は、主に「採掘」と「精錬」の2段階で発生します。

採掘段階 大規模な地形破壊と放射性粉塵
レアアースは地中に広く薄く分布しているため、効率的に回収するには「露天掘り」という手法が一般的です。これは広範囲の表土や森林を根こそぎ剥ぎ取るため、大規模な地形破壊、土壌流出、生態系の破壊を引き起こします。

さらに問題なのは、多くのレアアース鉱床が不純物としてウランやトリウムといった放射性元素を含んでいることです。採掘作業中にこれらの放射性物質を含む粉塵が飛散し、作業員や周辺住民の健康に深刻なリスクをもたらします。

精錬段階 大量の化学薬品と放射性廃棄物
レアアースが真に「汚い」と呼ばれる最大の理由が、この精錬プロセスです。

化学的性質の類似性
レアアースは17種類の元素群ですが、互いの化学的性質が驚くほど似ています。そのため、鉱石から取り出し、さらに元素一つひとつに分離・精製するのが極めて困難です。

有害化学物質の投入


汚染の拡散
使用後の廃液には、これらの化学物質に加え、鉱石から溶け出した重金属やフッ化物が高濃度で含まれます。これらが河川や地下水に流れ込めば、壊滅的な水質汚染を引き起こします。

放射性廃棄物の濃縮
最も深刻なのが、ウランやトリウムです。精錬プロセスを経て、これらの放射性元素は濃縮され、「テーリング」と呼ばれる高レベルの放射性鉱さい(廃棄物)として大量に発生します。この管理は極めて難しく、長期的な土壌・水質汚染の源泉となります。

これらのプロセスが、周辺地域での健康被害や環境破壊の深刻な原因となっています。
引用サイト: こちら

関連サイト:レアアースはどのように採掘され、精製されるのでしょうか。また、このプロセスがなぜ複雑なのでしょうか。 こちら

参考資料:レアアースに関する誤解 こちら

関連サイト:「レアアース」中国に依存せざるを得ない 「他国から調達すればいい」「日本近海で採掘」が難しい事情 こちら
■レアアースの「中国一強」は偶然ではなく構造



 アメリカ地質調査所(USGS)によれば、2024年時点で世界のレアアース確認埋蔵量約9000万トンのうち、中国は半分近い4400万トンを占める。

 国際エネルギー機関(IEA)のレポートでも、レアアースを工業利用が可能な形に精錬する工程で、中国が世界の91%のシェアを握っているとされる。

 レアアースは鉱石から取り出す過程で大量の有害廃棄物が発生する。適切な処理にはコストがかかり、環境規制の厳しい国では採算が合いにくい。一方、かつての中国は環境規制が緩かったため、精錬を低コストで大量に行うことができた。結果として「採れても最終加工は中国で行われる」構造が固定化していったのである。

 さらに中国は、採掘から精製、合金化、磁石製造までを一括して行い、物流や供給網も含めた一体体制を築いた。いまやレアアースの世界的な供給網そのものが中国中心に構築されていると言ってよい。

中央アジアを有望視してきたが


 さらに日本はカザフスタンなど中央アジアを有望視してきたが、インフラ不足や資金力、政治リスクが重なり、期待ほどの成果は出ていない。

 アメリカのマウンテン・パスやオーストラリアのライナスなど主要企業も存在するが、最終工程である精錬能力では中国に遠く及ばない。

 「では日本が採掘すればよい」という考えもあるが、日本近海にレアアースが存在することは知られているものの、環境問題や莫大な採掘・精錬コストを考えると現実的な解ではない。

 つまり、レアアースの「脱中国」は現実的には容易ではないのだ。

関連サイト:片山財務相「レアアースの武器化防ぐ」 米欧と供給網・市場構築狙う こちら
片山さつき財務相はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「NIKKEI切り抜きニュース」の収録で、レアアース(希土類)の供給網の構築の重要性を訴えた。日本と米欧諸国が協力すれば、中国によるレアアースの独占や「武器化」を防げると主張した。



番組は8日に収録し、13日の配信を予定する。米欧と組み「まともな民主主義国家、市場主義国家の(レアアース)市場をつくる」と語った。

片山氏は11日から訪米する。米財務省主催の財務相会合に出席する。主要7カ国(G7)諸国などと、経済安全保障の観点から中国に頼らないレアアースの供給網の構築に向けて議論する。

自動車メーカーをはじめとする日本の製造業は中国産レアアースへの依存度が高い。片山氏は影響を懸念した。

「(中国の独占や武器化の)手段を奪っておかないと、安全保障と関係ないところで恒常的に脅されることになる」と危機感を示した。「企業の予測可能性がどんどん狭められ、(経営の)危機にひんしてしまう」と強調した。

足元で中国によるレアアースの輸出規制をめぐる状況は深刻さを増す。中国政府は2025年4月に、米国の相互関税への報復の一環で輸出規制に踏み切った。日本の自動車メーカーは生産の一時停止に追い込まれた。

中国は6日に軍民両用(デュアルユース)品目の輸出規制の強化を決めた。木原稔官房長官は7日の記者会見で、規制対象にレアアースも含むかを問われ「対象など不明瞭な点が多い」とコメントを避けたが、対象に含まれるとの見方もある。

片山氏は台湾有事への日本の対応を聞かれ「いま言いづらい局面にある」としながら「台湾は半導体を中心に非常に強い経済的存在。米国の本音がどうなのかを見ていかなくてはいけない」と考察した。

米国のベネズエラ攻撃による日本への影響は限定的だとの見解を明らかにした。原油価格が上昇していないと例示し「(原油を)日本はベネズエラからほとんど買っていない」と述べた。

高市早苗政権が推進する「責任ある積極財政」の「責任」をめぐって議論した。責任が果たされているかどうかは「有権者が次の選挙で判断する」と発言した。市場との対話に努力しているとし「いざとなったら為替介入は辞さない」と表明した。

片山氏は首相はいま生きている人々だけではなく未来の世代への責任や財政の持続可能性を重視していると説明した。「投資が稼ぐ方向にいって、消費を喚起する好循環を生むことは一貫している」と話した。

衆院解散・総選挙について「(首相は)経済対策、積極財政がやりたくてなった。解散よりも政策だと純粋に思っている」と推測した。

内閣支持率は高水準を保つものの、自民党の政党支持率は上がっていないとみて「自民党にいるからといって(衆院選の候補者に首相人気の)プレミアムがつかない感じがする」と分析した。

高市内閣の政策が「党全体の血となり肉となってきたほうがいい」と早期解散に慎重な姿勢を見せた。


関連サイト:片山さつき氏らG7財務相がレアアースなど重要鉱物会合開催、「中国依存」低減で連携確認 こちら
日米欧の先進7カ国(G7)と資源国は12日、米ワシントンでレアアース(希土類)などの重要鉱物に関する財務相会合を開いた。レアアースを経済的威圧に利用する中国への依存度を低減するため、サプライチェーン(供給網)の多様化に向けた連携を確認したとみられる。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2026.01.14 09:00:05
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: