東方見雲録

東方見雲録

2026.01.17
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カテゴリ: ものづくり



ロボット研究などを推進する国の「ムーンショット型研究開発制度」は、少子高齢化や地球温暖化、災害などの多様な課題解決に向けて、日本発の破壊的イノベーションを創出し、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を行う趣旨で創設された。内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が目標を提示し、文部科学省と科学技術振興機構(JST)で研究を推進している。
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来春にも始まるヒューマノイド研究は困難な道を歩むと予想される。ムーンショット事業として「30年に民間投資の対象となり得る汎用自律人型AIロボットのプロトタイプを開発する」ことを目標に据えた。ただ中国ではヒューマノイドの拡販が始まり、ユーザー企業とアプリケーションを探す事業開発の段階にある。

日本でも30年を待たずに、中国製機体を導入して用途開発が始まる。このシステム構築を担う技術者の需要が増大すると見込まれる。現在のヒューマノイドは単体では働けない。作業データを集めるために操縦システムやセンサー、データをためる情報インフラなど、システムを構築する必要がある。

従来の生産技術に通じたロボットシステムインテグレーター(SIer)ではなく、ロボットやAI技術に通じたエンジニアが求められる。今回ムーンショットから放出された若手研究者は事業会社やベンチャーに好待遇で迎えられると見込まれる。国内も産業界と学術界で人材争奪戦になる。

またムーンショットのヒューマノイドプログラムは5年間で100億―150億円程度で8―15チームが活動する。1チームあたりの予算は最大でも5年間で30億円。米中のベンチャーへの投資規模は数百億円から数千億円と規模でも見劣りする。ムーンショットは学術研究、米中ベンチャーは事業開発という違いはあるものの、米中では100台単位で機体と人員を並べてデータを集めて基礎研究を進めている。

これはどんなデータやAIモデルがよいかわからないためだ。まずは規模を確保して実験を繰り返す。対して文科省担当官は「規模の勝負に陥らない技術を開発したい」と説明する。成否は研究者らの肩にかかっている。

規模の問題はヒューマノイドに限らず、ほぼすべてのAI研究が直面している課題だ。日本国内で大規模なロボット運用が難しいならば、インドや台湾、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国と組んでロボットのデータ生産拠点を運営するなど、科学技術外交として施策を打つ手もある。国際競争で日本が米中と競える環境を整える戦略を練るのは研究プログラムを刷新したCSTIの役割と言えるだろう。CSTIには科学技術政策の司令塔として日本の勝ち筋を描くことが求められる

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関連日記:2026.01.06の日記  ヒューマノイド(人型)ロボット量産1位の中国   こちら





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Last updated  2026.01.17 08:00:09
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