東方見雲録

東方見雲録

2026.03.07
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カテゴリ: 科学
現代物理学の常識を覆す、極めて革新的な発見が報告された。光も熱もない、古典物理学的には「完全な静寂」と見なされる絶対零度付近の「真空」が、隣接する物質の巨視的な性質を根本から書き換えてしまうことが、世界で初めて実験的に証明されたのである。2026年2月25日付の学術誌『Nature』に掲載された本研究は、コロンビア大学のDmitri Basov教授や、マックス・プランク物質構造・動力学研究所(Max Planck Institute for the Structure and Dynamics of Matter)のAngel Rubio教授らが主導し、17の学術機関から33名の研究者が集結した国際共同プロジェクトによる成果である。研究チームは、六方晶窒化ホウ素(hBN)と呼ばれる極薄の二次元材料を、特定の有機超伝導体に重ね合わせるだけで、外部からのエネルギー供給を一切行うことなく超伝導状態を著しく抑制することに成功した。



この難解な発見の本質を深く理解するためには、まず量子力学が描き出す「真空」の奇妙な性質を把握する必要がある。
私たちが日常的な感覚や古典物理学の枠組みで想像する真空は、あらゆる物質やエネルギーが存在しない、完全な「無」の空間である。そこでは、温度が絶対零度、すなわち摂氏マイナス度に近づけば、あらゆる粒子の熱運動は完全に停止すると考えられていた。
しかし、量子力学の視点に立つと、真空の風景は一変する。ハイゼンベルクの不確定性原理によれば、エネルギーと時間の両方を同時に完全に確定することは不可能である。その結果、何もないはずの真空中でもエネルギーは絶えず自発的に変動し、極めて短時間の間に粒子が現れては消えるという現象が無限に繰り返されている。
これが「量子真空ゆらぎ」と呼ばれる現象である。
このゆらぎは、電磁場の形態をとることもあり、その際に生じるのが「仮想光子(Virtual photons)」である。
仮想光子は、光として直接観測することはできないが、荷電粒子間の電磁気力を媒介する実体として、確かに物理的な影響を及ぼす。
これまで物理学者たちは、この極微の量子ノイズが、果たして巨視的な物質の性質(マクロな相)を引き起こしたり変化させたりできるのかという壮大な問いに向き合ってきた。本研究は、まさにこの長年の議論に明確な実験的証拠を突きつけるものとなったのである。
引用サイト: こちら

関連動画 量子真空の揺らぎ   こちら





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Last updated  2026.03.07 17:55:19
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