東方見雲録

東方見雲録

2026.04.13
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カテゴリ: まちづくり


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2000年当時の出生率の分布は23区内の縁辺部、特に東部で高く、西部の山の手地域や都心部では低いという状況だった。

それが2020年にかけてかなり大きく変化している。

第1に、東部だけでなく、タワーマンションが増えた湾岸部を抱える江東区、中央区、港区へと高出生率のエリアが時計回りの方向に拡大した。

第2に、上と重なるかたちで、出生率の低かった千代田区、それに隣接する文京区、台東区といった都心部で出生率が上昇している。

第3に、西部の山の手地域の0.9未満の低出生率は0.9~1.0未満へとやや回復した(ただ、豊島区だけは0.9未満のまま)。
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全国的な出生率は、2005年を境に上向いていたものが2015年を境に低下傾向に転じている。一方、東京23区は水準こそ低いものの同様の起伏で推移している。



また、「全国」と「東京23区」の対比では、出生率格差(2つの点線の差)が、0.4前後から0.2前後へ半減。つまり大きく縮小してきている。かつて東京は、流入させた人口を食いつぶしていくという意味で「人口のブラックホール」と見なされていたが、そんなこともなくなってきているのである。

各区の出生率の推移をそれぞれ見てみると、かつて23区平均より高かった区の低下が目立つ反面、かつて低かった区の中で出生率が大いに伸びた区が複数ある点が目立っている。
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江戸川区はかつて23区の中でもっとも出生率が高く、ほぼ全国水準を保っていたが、2020年代に入ると低下が目立ちはじめ、今ではいわゆる都心3区(千代田区、中央区、港区)よりも低い水準となっている。

江戸川区とともに下町3区と呼ばれる葛飾区、足立区も江戸川区と同じ傾向をたどっているが、北部地域の板橋区の低下傾向はより目を引く動きとなっている。板橋区の出生率はかつて23区平均を安定的に上回っていたのであるが、今や大きく低下傾向をたどり、2022年以降には豊島区と並んで23区の最低レベルに落ち込むまでに変貌しているのである。
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豊島区は、2014年、民間研究機関「日本創成会議」の報告で若年女性の減少予測から東京23区で唯一「消滅可能性都市」に位置づけられ、かなり話題となった。これを受け、区では「消滅可能性都市緊急対策本部」を設置し、女性視点での街づくりを推進したためもあったか、2024年の民間組織「人口戦略会議」による報告では「消滅可能性都市」から脱却した。ただし、豊島区は、あらたに設けられた、人口流入が多いものの出生率が低い「ブラックホール型自治体」に新宿区や文京区と並んで全国25自治体の1つとして該当するとされた(産経新聞2024.4.24)。
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①湾岸エリアにおける活発なタワーマンション建設によって3LDK前後のファミリー向け物件が大量に供給され、職住近接をかなえる新たな家族型の居住エリアが誕生したこと。タワーマンションの建設分布を図表4参照に掲げたが、出生率の上昇地域と重なり合っていることが分かる。

②人手不足を見越した企業などの取り組みにより子育てしながらキャリアを継続できる環境が整ってきて「夫婦ともに高収入の専門職や管理職として働く“パワーカップル”が増加」していること(にゃんこそば『データでわかる東京格差』の紹介記事)

③豊かな財政力を背景に都心部などにおいて東京都や各区によって、高い教育費・住宅費や待機児童、安全なお産などの課題に対応するため、所得制限なしの018サポート(18歳まで月額5000円支給)、保育料の無料化、出産・育児用品の配布(赤ちゃんファースト)、国に先駆けた無痛分娩の費用助成など、出産・子育て家庭に対する包括的な経済的・生活的支援が強化されていること


引用サイト:本川 裕 の意見   こちら

ちょっと寄り道:東京・練馬区長選、無所属新人の吉田健一氏が初当選…前都議の尾島紘平氏ら破る   こちら





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Last updated  2026.04.13 08:00:05
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