日本を発つ前、添乗員に確認した。
どこかで一旦解散し、集合する様な1-2時間のFree timeなのか、完全に解散し、自力で夕食までにホテルに戻るのか。
彼女はクレムリン周辺で一旦解散→集合→ホテルとはっきり言った。
オルロフのダイヤモンドははずせないので、ダイヤモンド庫の位置さえ把握すればあとは集合場所に行くだけ→徒歩で。と思っていた。
地下鉄やバス、タクシーのことは全く調べていない。
当日の朝、「本日は昼食後、Free timeです。夕食までに各自でホテルにお戻りいただきます」。
車内は「えええ?」「聞いてない」とどよめく。
それならそれで、始めから言ってくれれば調べて来たのに。
「皆さん、大変申し訳ないのですが、地下鉄の利用はテロの関係で控えていただきます」
予備知識なく、女二人で、英語の通じない、ドルが使えないかもしれないタクシーに乗れと言うのか?
(クレムリンからイズマイロボまでいくらかかるんでしょうか?)
「5000円くらいです」
あなた、よくそんなことを平気で言いますね。
それなら初めからサンクトペテルブルグで多めに両替しておきましたよ。
(イズマイロボでは両替はできなかった)
もうルーブルは5000円あるかないか。
あのひどい渋滞の中、5000円で帰れる保証はない。
ふつふつと怒りがこみあげてきた。
「そんな話は聞いてないし、もうルーブルはない。どこかでこのバスに待っててもらうわけには行かないのか?」
「女性だけでタクシーに乗るのは不安だわー」
「で、イズマイロボの住所はどこなの?」
そうだ! タクシーで帰るなんて頭はないから、イズマイロボの住所だって知らない。結局、折衝案として、
1.イワンが連れてってくれる「市場」に行く。
2.アルバート通り(モスクワの銀座)で解散→集合
3.自由行動
から選択できることになった。
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