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koshka0467

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2005/11/19
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カテゴリ: 観劇記
モスクワといえばボリショイ劇場。
一方、ペテルブルクには
マリインスキー劇場があります。
ゲルギエフ率いるこの劇場も、
世界的なバレエ・オペラの名門です。

 (余談ですが、マリインスキーは
  アレクサンドル2世の皇后マリヤの名前から。
  ペテルのもう一つの古い劇場
  アレクサンドリンスキーは

  ちなみにニコライのお父さん
  パーヴェルの皇后もマリヤ。
  アレクサンドル3世の皇后もマリヤ。
  最後の皇帝ニコライ2世の皇后はアレクサンドラ。  
  ロシアの皇帝はニコライとアレクサンドルばっかりで
  覚えにくい、とよく言われるけど
  皇后も結婚時に改名して
  マリヤとアレクサンドラだらけになるので
  もう大変。)

この劇場で今回観てきたバレエは
『愛の伝説』。

「人民芸術」だ!

legend of love
(写真はビデオ発売されているボリショイ劇場版)

舞台はどこかのイスラム風の国。
女王の妹が死に瀕していて、
なんとしても救いたいと願う姉女王。

女王の美貌と引き換えに救ってやるという。

 しかし、写真からもわかるように
 衣装は全身レオタード。
 イスラム色は完全に形骸化していて
 手先の振りが妙に東洋的だというくらい。
 はっきり言って、どこかの惑星が舞台ということにして
 宇宙服を着てSF風上演にしても成り立つと思います。
 クラシック・バレエの『バヤデルカ』、
 より写実的にオリエンタリズムを表現した
 バレエ・リュスの『シェヘラザード』等の後、
 ソ連の20年代-40年代を経ると
 東洋趣味はここまで形骸化するのか、と慨嘆。

さて、みごと蘇生した妹姫。
ところが二人の前に、見目麗しい青年芸術家が。

 この青年芸術家ってのが、
 もう見た目がまったくの「労働者」なのです。
 健康で筋骨隆々、溌剌と働くソ連の理想的好男子。
 しかし青シャツ、作業ズボン、頭に手ぬぐいみたいな人が
 なんでモスクの前で微妙にイスラム風の踊りを踊るのか…

彼は美しい妹を愛し、
姉女王は美貌を捨てたことを大いに後悔。
そして妹から彼を遠ざけるため、
渇水に苦しむ民衆のために、
山から水路を引く任務を命じる。
喜ぶ民衆。
後を追い、戻るように懇願する妹。
しかし彼は人民(ナロード)のもとに残る。なぜなら


彼にとっては世界中の何よりも
貴いものだったのだ。」
(公演パンフあらすじより)

え~~~。

全体として、私にとっては微妙な作品でした。
アクロバティックなパ・ド・ドゥは素晴らしかったですが。
ソ連のイデオロギーってこういうものだったんだ、
とモロに体感しました。
全体主義国家に生きるって、
やっぱりつらそうですね、わざとらしいもん…

まぁこの作品、
外国ではほとんど観る機会がないでしょうから
いい経験ではありました。





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Last updated  2005/11/20 11:53:16 PM
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