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2021.02.28
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カテゴリ: 音楽




さて、先週の朝古楽は、16世紀末〜17世紀前半にフランスで大流行したエール・ド・クールという世俗歌曲を時代順に紹介したプログラムでした。どのくらい流行ったかというと、出版譜として残っているものだけで三千曲もあるとかで、確かにものすごい量です。(現代の歌謡曲やポップ・ミュージックに相当する?)

亭主にとってはほとんど馴染みのないジャンルの曲でしたが、基本的にはリュート等による伴奏つきの歌謡曲、という感じです。ちょうど同時代にイタリアではカッチーニ、ディンディア、モンテヴェルディなどのマドリガーレが流行っており、それと似たようなものだろうと思いながら聴いていました。

ところが、この週末にネットで調べていたところ、ウィキの記事に「驚くべきことにエール・ド・クールは…イタリア初期バロック音楽のモノディ音楽の風潮やマドリガーレからほとんど影響を受けていない。イタリア人の音楽家がしばしばフランスで働いていたことや、ポリフォニックなマドリガーレやコンチェルタート形式が同時期のドイツで非常に幅を利かせていたことを思えば、これはますます驚きである」とあり亭主もびっくり。

ではマドリガーレとの違いはどこにあるか、というと「エール・ド・クールにおける感情表現は、同時代のイタリア・マドリガーレの作風に比べると、冷たく古典的で抑制されており、当時のフランス人の審美眼にかなっていた。曲に使われる声域はたいていオクターヴ以内に制限されている。不協和音や半音階技法は稀である。全般的に素朴な表現が顕著である」とのこと。確かに、言われてみると先週オンエアされていた曲の印象は、マドリガーレに比べると全体的にかなり地味な印象があります。

番組で取り上げられた音楽家の中でも特に気になったのがミシェル・ランベール(1610-1696)です。ランベールはルイ13世-14世時代に活躍した声楽家で、数多くのエール・ド・クールを残しているとのことですが、太陽王ルイの宮廷でリュリと同僚だった(リュリの音楽監督への就任と同時に宮廷楽団の楽長に就任)とのこと。リュリはランベールの娘と結婚するなど、ランベールとは公私共に深く関わった様子が伺えます。実際、先週の番組でオンエアされたリュリのシャコンヌには歌詞がついてエール・ド・クール風に歌われていました。

一方、ランベールの方もリュリの作品の中で人気があったパッサカイユやシャコンヌを取り入れたようで、上記シャコンヌの後にはバスの下降音形に歌が旋律で絡むようなランベールの作品が紹介されていました。いずれもイタリアの歌曲のように劇的な表現を狙うというよりは繊細さ・洒脱さを身上とする、「雅びなる宴」の世界の音楽です。

ところで、亭主は学生の頃にフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルといった近代フランスの作曲家による歌曲を愛聴し、今でもラヴェルの「博物誌」などは折に触れて聴くことがあります(第4曲「Le martin-pecheur(翡翠)」は彼の最高傑作ではないかと…)。ランベールの回を再度聴きながらふと思うに、これら近代フランス歌曲もランベールのそれに雰囲気が似ているようで、まさに伝統を感じさせます。(ラヴェルなどはそれ以前の時代、クレマン・マロの詩に歌を付けたりもしているところを見ると、セルミジのシャンソンも参照したのかも?)

というわけで、久しぶりにiTuneライブラリにあるJacques Herbillonの美声にうっとりしていました。







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Last updated  2026.01.06 17:38:10
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