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16年一緒にいたワンちゃんが急に亡くなった。 この間、我が家はすべからく「狆本位制」だった。ペット向けの葬儀を済ませた翌日、どうしても外せない仕事が大崎市であり、最悪のタイミングを免れたのは不思議なことである。 無事仕事を終えた後、どうしてもそのまま帰宅する気持ちになれなかった。ワンコがいない家で、妻と二人でボロボロと涙をこぼし続けることに耐えられなかったからだ。 妻は、「斎藤ひとり」という方の説法動画に浸るからいいわという。こんなとき、凡人はやっぱり海を見たくなるんですわ(笑)。ただ見るんじゃなくて、バルコニーで寛ぎながら、ビールなど片手に、食い入るように海を眺めたい・・そう心に浮かぶと自制がきかなくなるのが私の少ないいいところだ。 楽天トラベルで見ると、ひとり用は大概街側の部屋しか供されない。海側がいくらガラガラでも、そういう宿が多いが、古い慣習に囚われて実に多くの商機を逃していると思う。翌日が平日の泊まりだと、かなり高いが海側に泊まることができる。朝食付き海側プランを選択。 この地にセンチュリーホテルが建ったのは、私が随分若い時分のことだ。最高のロケーションで、どことなく当時のシェラトン・ワイキキとか、ハレクラニ・ホテルのような雰囲気を持つ建築。いつか、泊まろうか・・と思いつつはや30年以上か。建物は今見ても雰囲気が良くて、海辺のリゾートホテルの高揚感はあまり色あせていない。チェックインできたのが、もう日が傾きかけてきたときだったので、急いでビール片手にバルコニーに出る。年甲斐もなく、松田聖子の「渚のバルコニー」なんて口ずさんだ、が、また愛犬のことを思い出してしまった。 ああ、でも松島はいい!自宅から40分もかからないところにあるので、ご無沙汰もいいところだったが、来るとそのたびに感動する。そして、もっと頻繁に来ようとそのときは思うのだが・・別居中の親のようなものか。 夕方は海岸地域を散策。観光汽船などは、どれもコロナ禍で運休していて、舫われた観光船たちも所在なげに波に揺れていて、あるく客はとてもまばらで、もの悲しい。 水族館後に紆余曲折の末完成した「宮城県松島離宮」は物語性を建築に移植したであろう素敵な建物だ。庭園のライトアップなどもあり、開館こそしているが、客よりはスタッフの方が多く、夕食をとろうと目論んでいた店は休店中。はああ・・。 さんざん歩き回ったあげく、めぼしい店は閉まっていたので、ホテル内でマッサージを頼んだ。女性のマッサージ師は、話題も豊富で、よどんでいた鬱情も、いくらかほぐされた。揉み方もとても上手だったので2回続けてお願いした。大浴場は露天が2つもついた本格的なもので、温泉のとろとろ感がものすごく、中山平もかくやと思われる。これは思わぬ収穫であった。ただ露天のほうは、どうも道路から丸見えではないかと思えてならぬ。 翌朝の食事はこのような感じ。丁寧なつくりで美味だったが、ちょっと品が良すぎるかな・・コロナのせいで私の好きな朝食ビュッフェで「暴虐!好きなもの三昧の蠍団」ができないのがくれぐれも残念。 チェックアウト前に売店前を通ったら、スタッフの方が飛び出してきて「おはようございます!」と元気がいい。「これは買わないで通り過ぎるわけにはいきませんね。こまったな」この女性はとても営業上手だった。昨日、ホテルの周辺を写真をとって歩いていたのを、売店から見ていたらしい。「プロの方ですか、写真集とか出しておられるのですか」ホンマに商売上手である。「いや、カメラの操作方法もわからなくて、全部オートなんですよ・・」とにやけて土産もう二箱。 チェックアウトの時にフロントの男性たちに、「いや~いいホテルでした」というと、反応が少し活き悪かった。コロナの影響ですこし盛り下がってるのかな~。 経験則上、愛想こそが宿泊施設の超過収益力の源泉なのだが・・。 松島の美しさと街の元気のなさ、稼ぐ女性のたくましさが印象に残るプチ旅行であった。 松島温泉 松島センチュリーホテルCD 松田聖子 ヒットコレクション Vol.1 DQCL5101 ベストアルバム オリジナル音源 歌詞カード付き 青い珊瑚礁 赤いスイートピー 渚のバルコニー 昭和 アイドル 決定盤 Sony Music [メール便]
Mar 19, 2021
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着いた途端、ニコニコと極めて感じの良い女将が現れたとき、これは久々のホームランと直感した。すべての客室の眼下に、本当に間近に、小国川の清流が滔々と流れ、つがいの川鳥たちがときおり飛び来てはかわいらしい仕草を演じ、それだけでも私など狂喜するのだが、さらには、陸羽東線の疾走を川向うに望めるのだから、これはもう値千金のロケーションと言わねばなりますまい。ただ、宿はこの稀有な立地を、あまりメシのたねとは思っていないフシがある。ネットでも、あまり強調していないのが惜しい。もしかして、川沿いでない旅館に遠慮しているのかも・・(きっとそうだ!)。 建物は1Fがピロティの駐車場、外階段を上がって玄関という造り。どことなく高度成長時代の名残りも感じるが、私はこういうのは断じて嫌いではない。というかフェチです(笑)。いろんなことがあった、多感な青春時代を振り返れるから・・なんちゃってこのオヤジ。館内はすみずみまであきれるほど、神経質なまでに清潔。ボロさがないのが口惜しい。ピンクのダイヤル式電話だけが、ゆかしい時代の語り部だ。通りがかりに扉があいていたのでちらと厨房を見たらあまりにもピカピカでびっくりした。少し打ちのめされた。こういう宿なのかと。部屋でしばらく景観や自然の息吹を堪能し、体を冷やしたのち風呂をいただく。 檜造りと御影石/鉄平石造りの二種の趣向、どちらも抑えが効いていて上品だ。(写真は楽天トラベルより)檜風呂も写真で見るよりだいぶ広いが、石造りのほうはさらに目いっぱい広いと感じる。泉質もまた清らかで、肌触りのシルキーさは極上である。瀬見の人情に共通する気がする。檜のほうは湯舟だけでなく天井まで貼られており、つい維持するのが大変だろうな・・じゃんじゃん流されるこのお湯も・・と貧乏性な心地になる。でもきっとこのあたりが、小規模温泉旅館の矜持なんだろうなとも思いなおす。近隣を散策してきますというと、女将がさっと走ってマップを持ってきて、図を広げて「ここから、ここまでで全部なんですう・・」とさも申し訳なげなのがおかしかった。「ハハハ広さじゃないよ、深さだよ!」と私は高らかに力説したかった。が、瀬見温泉エリアは確かに、散歩するとあっという間だった(笑)。風趣豊かで、写真の被写体にはこと欠かないが。マップは良くできている。いつも、最上町の役所は様々な取り組み、本当によくやっていらっしゃると思う。どの刊行物も、センスが際立っている。仙台市の観光交流部長がかつて、最上町はとても参考になりますと言っていたっけ。瀬見の空間を支配しているのはやはり文化財である「喜至楼」であろう。いつ来てみても圧倒される。この存在があっての瀬見なのだろうかと思う。そしてそう頭をよぎるたびに即座に打ち消すのも常だった。いや、瀬見はすごい、本当の本物が集い、頑張っているのだ!そしてこの「ほてい屋」だって、その重要要素に違いない! そんなことをつらつら考えながら少し疲れて部屋に戻った。2泊目の昼、何を食べようかと思った。朝からしこたまビールを飲んでいるので、近くの「ヤナ茶屋」に行くことはできないなあ・・かつ丼を食うかなあ・・中居さんたちにボヤいていたら、笑みをそのままに申し合わせたようにスーと消えてゆく。ボヤキ長すぎてて嫌われたかと鬱々と自省しつつ何となくそのまんまにしていたら、女将からキャピキャピした声で「やまやさん、かつ丼届けてくれますって!」と電話が来た。腰が抜けた。チンギス・ハーンの情報網かい(笑)!・・・こんな旅館、ある?私は伝説の「やまや」の女主人(ほぼ90歳)に、部屋まで出前していただくという栄を賜った。(ご本尊がぬっと現れたとき、まさかそんなと、ちょっと狼狽した。)私はご主人に感謝するとともに、自身の怠慢を少しく反省した。母親と同じくらいの歳ではないか!この親不孝者!(この際関係ないか)壁に頭を叩きつけた(嘘、刑法261条 器物損壊罪になる )。でも仮にぼっこり隣の部屋まで穴をあけてしまっても心優しい宿の方々は許してくれるに違いない(いやいや・・)。そして、今度はきちんと自分から食べに行こうと心に誓った(本当)。やがてカツ丼は、人情のたれもしみていて涙が出るほどうまかった。夕食の時間である。ここの料理は量・質ともに大変定評があるので、半ば恐れ、もちろん楽しみにしていたが、仲居さんが不敵な笑みを浮かべて何らかの儀式をするような風で机を広い部屋の隅まできっちり押し付けるので、スワ何事かと思ったが、・・やがて巨大なお膳が運ばれてきた!色どり豊かな器もいいが、小鉢一つとってみても念力が入っていて味わい深い。鍋物に質の高いぶどうエビを投入する暴挙に感動。でも採算取ってくださいね・・・。この上下は2泊目の一の膳と二の膳。この下の煮魚の名前は忘れたがホクホクと身離れが良くあまじょっぱさが適度で激うまだった。ただ顔がかわいいのでごめんねと謝りながらいただいた。「食べ物はみんな生きていた」という本を思い出す。また写真のパイのスープは・・かと思いきや、スジ肉のたっぷり入ったビーフシチューが仕込まれていておいしいサプライズだった。カニは嬉しい。たとえ火事にあって逃げ出しながら食ってもうまいと思うと思う(バカなの?)。う~む、これはご当地ゆかりの弁慶でさえ、「かたじけない!」とひれ伏す量と質ではあるまいか。山中なのにお造りがうまいと思ったら、ここは日本海と太平洋の中間地点に位置するため、どちらの魚介もおいしくいただけるのだとか。とにかく素材の質を重視している姿勢がひしひしと伝わってくる。帰り際、駐車場に置いた車の積雪を払っていると、女将が完全武装して助けに来た。天真爛漫な笑顔を携えて。後光がさした。それは瞬間、一幅の絵となった。凄い宿だなと思った。この世で「心映え」ほど尊いものはない。本当に来てよかった。小ぶりでゴージャスでも最新鋭でもないこの宿が、ホスピタリティを極限まで高めることにより、「いいことづくめ」の旅館を成立させているお手本ではないか。この旅館には、通い詰めるかもしれない。でもそうすると、このブログが連続しないよね。まっ、いっか。
Feb 8, 2021
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寛永年間(1627年)創業。この年、日本では後水尾天皇と徳川家光が「紫衣事件」を起こしている。この宿がいかに激動の年月を旅籠として生き抜いてきたか感慨深いものがある。 今上天皇をはじめ、多くの皇室の方々の常宿の栄を受け、漱石や子規、虚子などが遊んだ道後一の由緒と格式を持つ宿である。 自然の小川(御手洗川)を取り込む1500坪の日本庭園「詠風庭」。子規が ~亭ところところ渓に橋ある紅葉哉~ と呼んだ「亭」とは今眼前にある、川席料理も味わえる「ちん」のことだろうか、「橋」は今は2つの建物を結ぶ通路のことだろうか。 この連絡通路をいまは「もみじ橋」と呼んでいるが、から庭園を見下ろす趣向もまた気分が良い。 部屋は一人一部屋でとってある。鉄平石の三和土(たたき)、次の間、檜の部屋風呂もそなえ、実に広々としているうえに華美でもなく、老舗の落ち着きがある。私の部屋からは真正面ではないが、部屋のテラスから庭園を眺めるのは日本旅館に泊まるときのおおきな楽しみである。 大浴場の空間は、宿の規模からすると標準的ではあるが、入れ替えで翌朝入った方は、床材まで古代檜を使用したもので、道後本館から引いているぬるつるした湯との相性がとても良い。この宿は、風呂場の前にバスタオルとフェイスタオルのセットを山積みしてあるので、手ぶらで何べんも通えるのも魅力。そうそう、庭園には~朝湯こんこんあふるるまんなかのわたくし~という山頭火の句碑もありましたっけ。「まんなかのわたくし」とは凄みのある言葉です。 今上天皇が泊まられた部屋を新館に移築した展示スペースや、絵手紙の創始者「小池邦夫」の作品を集めたギャラリーが設置されており、この宿には効率だけを求めない、品のよい贅沢さが感じられる。 さらにいうと、松山という街がそうだ。街並みにゆったりした風趣があり、古いものが残っているだけでなく、古さを再現するにもほどよいデザイン性が認められるのである。夜の道後温泉駅付近を散策していて、たまたま路面電車が停車したのだが、その駅舎と電車の重なり合いが非常に美的であった。 夕食は専門家の方々と会合だったので、朝食のみいただいたが、これも味付けが丁寧で豊かさを感じる。少しづつ違いを味わえるちりめんや佃煮が食欲を駆動するのでつい食べ方が下品になってしまう。 チェックアウトの後は品格あふれるロビーでサービスのコーヒーを。私はコーヒー味音痴であるが、同行の人は「すごく美味いコーヒーですね」と言っていた。私はこの雰囲気の良さをより味わっていた。 私は昔からコスパという言葉がサモシイ感じがして大嫌いなのだが、この宿は時期によってはそう無理なく泊まることができるので、とにかく手放しでお薦めできる。道後温泉 ふなや
Dec 14, 2020
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また文体を今日から変えますね)クラウンの販売台数が急落している。看板車種のこの事態に、トヨタは慌ててマイナーチャンジを施した。まず一番の変更点は操作しにくい2枚のタッチパネルを1枚にまとめたことだ。そもそも空調系のような必然性のないところにタッチパネルを採用したことが判断悪すぎなのだが、でもこの一枚ものパネル、全体に有機的なやわらかいテイストをあたえたダッシュボードに「看板を立てた」ような違和感を感じる。横から見るとパネルを支える部材も不格好だ。おそらく急ごしらえなのだろう。 多くのネットでの書き込みにあるように、クラウンが若返ったりする必要は全くない。これまでもクジラクラウンなどで大失敗しているではないか。また、日産の尻下がり失敗劇もなぜかくり返されてしまう個癖であるが・・。レクサスは国際戦略車種として、インターナショナルなテイストでよいとして、クラウンは、日本の一般経済人が行き着く頂点、センチュリーの社会人版でいくべきなのだ。それであれば、まだまだ需要があったはず、すくなくとも10年はそんな需要はあるはずなのだ。ある傾向に対し、「すぐにでもそうなる」と勇み足をしてしまうのは「極論バカ」である。クラウンはその愚を犯したように思われる。 もう一つ、クラウンのカタログを取り寄せてしげしげと見ていたのだが、「B]というグレードがある。なんだこれ、「ベーシック」?誰が500万も出して「B]なんてさげすまれたグレードを買うのか。このネーミングひとつで、クラウンは大失敗していると言わねばならない。これは「ロイヤルサルーン」にしておけばいいのに。ご丁寧に、「RS]にもこの「B]がある。「RSの安いやつ」、なんてことが乗っている間につきまとう。もう、そんなくだらないことはやめて欲しい。 デザインでいえば、今更なんだが、フロントの下の「二重顎」部分がどうしてもいやだ。ナンバープレートの下端部分でスパッとグリルをやめておけば、ここまでデザインの不評をかこつことはなかったように思うが・・。もちろん、例の「若返り」を狙ったクーペフォルム、これも失敗だったが、今更どうしようもないもんね。 クラウンをSUVにする計画?報道がどこまで本当かわからないが、トヨタの精神的支柱ともいえるクラウンをどこまで貶めれば気が済むのだろうか。品のいい会社経営者は、いまだにクラウンを愛好しているし、それは代変わりしても、そうたやすく消滅するものではないと思う。
Nov 17, 2020
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新型エルグランドの広告がやたらポータルサイトのトップページに出てきます。どれだけ多額の宣伝広告費をつぎ込んでいるのやら? まったくの私見ですが、これは新型オデッセイの「ジェスチャーコントロールパワースライドドア」と同じくらい費用対効果悪いです。だって、この程度のリニューアルで、本当にアルファードに太刀打ちできると考えているのでしょうか。私のかつて愛した日産は。 もともと、フロントグリルを大幅にオラオラにしたからといって巻き返しができるものではないのですよ。でも日産に残っていた良心が、あの程度に踏みとどまらせたのでしょう。思うに、エルグランドのエクステリアの致命的な欠点は、ボディの「フォルム自体」にあるので、いくら「ツラ」だけ直しても無駄なのではないでしょうか。 何がいけないかというと、(私見ですよ)Bピラー、Cピラー、Dピラーまで全部ブラックアウトさせてまるで存在しないかに見せています。亡きエスティマも同様のアプローチですが、あれはフォルムが違う。四角くのーっぺりと伸びたアンダーボディに、屋根だけ浮いている造形は、クルーザーでもイメージしたのかもしれませんが、どうも私には 「屋形船」 にしか見えません。どうにも頼りないのです。これに500万円オーバーの価値を見出すのは困難ではないでしょうか。本質はここと考えます。 かたやアルファードはどうでしょうか。各所をブラックアウトさせていますが、アンダーボディの一部を隆起させることで、しっかり支えている感を醸しています。ボディにもあくどいですがアクセントがあり、筋肉質感、塊感は断然こちらが上です。この手のミニバンが頼りない感じを醸したらアウトです。 でも私はオーナーの方には大変申し訳ないのですが、アルファード様の「顔」は嫌いです。たとえは悪いですが、「習近平」を想起してしまいます。その険悪、陰険という要素をこのデザインに仮託されているというと言い過ぎ・・ですね、やっぱり。結局この世は弱肉強食なのさというメッセージが小面憎い・・あ、また言ってしまいました。 だから、日産はエルグランドにはがんばってほしいのですよ。せっかくの売れ筋のセグメントなのだからここは戦力の逐次投入という愚を犯さずに全面刷新すべきだったのですよ。 その判断ができないのが今の日産、ホンダ(流れ弾ごめんなさい)なのだろうか。もしかすると財務的な制約条件があるのかもしれませんが、だったらこの広告宣伝費は何?と戻ってきます。 でもエルグランドには心底がんばってほしい! このフォルムのままマイナーチェンジだったら何がありえたか、こう言った手前言う責任がありますね。 私はどうせ売れないんだから少数になってしまった往年の日産ファンの心根に響く意匠をまとったらと思います(乾いた笑い)。 かつてのハコスカやブルーバードSSSに恋い焦がれた世代がいま購買力のあるジジイになっており、私がいまでも「昔の」ディープパープルに戻ってほしいように、あの頃の日産よもう一度という思いを抱いている消費者層はまだ残っているのではないか。例えばいま手が届かないながら「GT-R」はいいナと思っている層が「これなら」と買いたがる車に仕立てる手はないか。 たとえば今の水平基調のフォルムを泣きながら活かして、フロントもリアも思い切ってスカG風の丸型ランプにするとか、ダッシュボード(死語か?)を思いっきりスポーツに振るとか。つまり家族からミニバンをと肉迫されてはいるが、でも「俺は男だ!どうした千葉県知事!」みたいな矜持も保ちたい、そんなあなたに。かつての私に。それだったら欲しいかもしれない。 ある雑誌にフルモデルチャンジの図が載っていましたが、これはフォルムはだいぶ改善されましたが顔がちょっと・・「日産デイズ」を発展拡大させたみたいでした。私の世代だと、ウルトラマンの「メフィラス星人」をどうしても思い出してしまうのですが・・。
Oct 24, 2020
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恒例の蔵王温泉吉田屋部屋休憩・散策コースを楽しもうと思いましたが・・GO TOキャンペーンと行楽日和が重なってか、あの蔵王温泉とは思えぬ賑わいぶり。ランチなどどこも行列、好きな店「しばママの店」もこんな状態のときに一人で入るのは大迷惑でしょう。吉田屋の風呂さえ、脱衣場にいつもスリッパが3つ以上置いてあり、とてものんびりできません。ホテルヴェルトヴェルグのあたりまで散歩して、さっさと退散しました。混んでいるところが病的に嫌いなので損をしています。
Oct 18, 2020
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1985年前後のベンツEクラスのデザインが高雅で穏やかで、高級車のお手本のように思っているのですが、最近のベンツはどれもアグレッシブな要素が強すぎてあまり好きにはなれませんでした。ベンツが平気で攻撃的になるので、トヨタも負けじと突飛で変則的なデザインを繰り出しているようにも思えます。予算度外視でいいなと思っていたのはボルボXC60。デザイン的に、ほぼ完ぺきと思えます。上品なワイルドさとはこのことか。特に斜め後ろからの佇まいがいい。色はオスミウムグレーメタリック、シートは白いパーフォレーテッド・ファインナッパレザーで、だいたい640万円前後。これと新しいベンツGLBを並べてみたらどうか。う~むボルボのほうが高質感がありますが、ベンツは日本国では変にネームバリューがあるので、500万円ちょいのGLBのベースグレードでも見立ては上に思われるのでしょう。趣味がいいですな、がXC60で、オヤジ景気がいいながGLB(笑)。私は「犬を大雪でも動物病院まで連れていける」を最優先にしていますので、GLBなら4matic・・そうなると700万円からとなってしまいます。しかも色はなんと、白と青しか選べないという不自由さ。こんなペカペカした青なんか誰が乗るものか。これはなんとしても改善すべきでしょう。またベンツはなぜシートのセレクションが全部黒なのか、もちょっと不満です。でも、と、ここで冒頭のベンツEクラスの筋に戻るのですが、エクステリアは最近のベンツにしてはとてもおとなしく趣味がいい!と見えます。フロント/リアのライトの配置にしても、最近のクルマ特有の威嚇する感じがなく、フラットアンドボクシーな組み立てに好感が持てます。強いていえば、グリルのアクが強すぎるかな。インテリアは相変わらず光沢が強すぎてどうもなー・・なのですが、(その点では、ボルボも一緒で、しっとりしたダッシュボード(死後?)の作りはホンダのほうがうまいかも)エクステリアでいえば、この数年のベンツのデザインの中では最も好感が持てるものです。なんの予算も立っていないのに、こんなことをあれこれ考えるのは実に楽しいものです。
Oct 14, 2020
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道後温泉「茶玻留(ちゃはる)」は、部屋の和モダン風は気に入らないにせよ、実に善美な宿であります。 核心のお風呂ですが、これはほぼ満点といいたい素晴らしさです。風呂場がそもそもかなり広いのですが、2階にわたっていて、屋上の展望露天は、松山の市街が広く展望され、夜は夜景が実に見事に映えます。これを日本最古の湯につかりながら堪能できるのだから、「私が詩人や俳人でありせば」という気分となって立ち去りがたく、湯舟の附置に腰掛けたりしながらそこに居続けました。写真は楽天トラベルより いつも同じことを言ってしまいますが、私は旅館の朝食に目が無くて、朝から品数が多いのがとても盛り上がります。本来はビュッフェ形式で提供するらしいのですが、感染対策で、一人づつお膳形式で持ってきてくれます。こういうところで写真を撮る姿はとてもみっともないと思うのですがついパチリ。 う~む、感動の充実ぶりです。一眼レフで、絞りなど工夫して撮りたいくらいです。この赤いお粥がまたいいでせう。これ、なんだっけ、朝食の時に渡された能書きに書いてあったけど、忘れてしまった。ちょっと宿のHPなどで調べたけどわかりませんでした。 そんなこんなで、この道後温泉「茶玻留」、かなりおすすめできる宿です。 道後温泉本館は実物を見ると圧倒的な存在感を放っており、仕事をうっちゃってでも、ぜひとも入りたいと思っていたのですが(そりゃいかんでしょ)、ああ、痛恨の大規模改装中。 道後公園も一周しました。公園というカテゴリーで括れるのかと思うぐらい広大で変化に富んでいます。 Yahoo!ロコより抜粋******************************伊予国の守護、河野氏の居城であった湯築城(ゆづきじょう)跡に整備された、面積8.6haの県立都市公園。堀や土塁など、城の地割が当時のまま残る湯築城跡は、国の史跡に指定されている。埋蔵文化財発掘調査が行われ、中世当時の湯築城の武家屋敷跡や土塀跡、道、排水溝などの遺構や、陶磁器などの遺物が数多く出土しており、それらを湯築城資料館で見ることができるほか、武家屋敷が復元されている。園内には、松山ゆかりの俳人、正岡子規を紹介する松山市立子規記念博物館や、通称「湯釜薬師」と呼ばれる県指定文化財の石造湯釜などがある。丘陵地となっている展望台からは、松山平野が見渡せ、遠く瀬戸内海も望める。***************************** と、ここで河野氏とは・・と始めると司馬遼太郎的大寄り道大会になるのでこのへんにして。 かように道後温泉そのものがとても魅力のあるところで、残念ながらわが宮城県にはこのような素晴らしいところはないのであります。 松山市にはこれからも何度も行く用事があるので、何度でもこの地を訪問したいですね。なお、松山空港で必ず大量に買って帰るのが「じゃこてん」です。かるくあぶって唐辛子を振って食べるもよし、温めてうどんにのせても美味しい。 Fセット[化粧箱代込・送料無料][じゃこカツ同梱不可](北海道・沖縄は送料770円)【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし】【楽ギフ_のし宛書】【楽ギフ_メッセ】【楽ギフ_メッセ入力】道後温泉 茶玻瑠CHAHARU離れ 道後夢蔵
Oct 13, 2020
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少し前のことですが、愛媛県松山市にはナノファイバーの開発拠点があり、今後の商品化の打合わせに行ったついでに、道後温泉に行ってきました。ウイルスによる緊急事態宣言が出されていたころで、記録には6月6日とあります。「万葉集」にも記され歴代の天皇陛下にも愛された、ただならぬ由緒のある温泉で、いつか訪れたいと思っていました。 松山市街からは路面電車でほんの数分で到着。起伏の多い地形に大小さまざまの宿がひしめき、アーケードには飲食店やみやげ屋が軒を並べ、中央部にはかの有名な道後温泉本館が鎮座するなど、まことに興味深い、「ザ・温泉街」ともいいたい風情です。閉じている店も多かったのですが、ちょっと立ち寄りして名物「みかんビール」を一杯。みかんといってもいろいろな種類があり、どれにするか迷います。伊予に来たことが実感される、なかなかいけるお味です。 時期が時期だけに客は閑散としていましたが、「これは実に実にいい処だわい・・」私はかなりありきたりに独り言ちました。 選んだ宿は、一人一部屋づつ予約が可能な中で、ややハイクラスの宿「茶玻留(ちゃはる)」を選びました。昔、なにかの温泉ガイド本でちらりと見たのが記憶に引っかかっていたのです。時節柄、料金は普通です。 この宿、ほどよくゴージャスで品格があり、館内の装飾にはところどころアートな感覚がみられます。俗な感じがないのが心地よいです。 部屋はこのようないわゆる「和モダン」の系統で、正直こういうのは好きではありません。最近よくあって閉口してしまうのですが、せっかくしっとりとした和室にIKEAの洋風家具を持ってきた体で、私にはどうも安っぽい感じがしてしょうがない。でも、評判がいいから増えてる、のでしょうかね。部屋は竹林に臨み、眺望はまずます。仕事の流れで夜はどうなるかわからなかったので、朝食のみ付くプランで申し込んであります。旅館街をぶらつきながら、夕食会場+一杯やる店を探しました。ここで掘り出し物に遭うのですね。「椿倶楽部」。スタッフはみんな明治時代のカフェの店員さんのような(その時代は知りませんが)コスチュームで決め、つくりも隠れ家のようで、実に不思議な雰囲気。そのうえ出される料理は一品一品が一工夫あって、とてもおいしいのです。女将さんは仙台の方でした。二次会は「坊ちゃん」という小さい居酒屋さんで、カウンターには地元のお客があふれてワイワイやっていました。ここのおばさんが実にユニークというかぶっちゃけた人で、いがらっぽい語り口が面白かったな~ビールを一本頼んだだけで、とくにメニューというようなものはなく、「お新香かなんかないですか」と言うと、冷蔵庫からでっかいタッパーを出して、「この中の物食べていいよ」。結局一人500円くらいの払いで終わってしまいました。「ワンコインの店」がキャッチフレーズ。ランチも500円ポッキリと書いてあります。こうなると、飲み屋というより、地元民の「たまり場兼酒類及び食糧の供給基地」のような存在ではないかしらん。なんともユニークな店です。迷惑をかけるといけないから店の写真は加工して不鮮明にしておきます(あまり意味ないか)。 続く。道後温泉 茶玻瑠
Oct 11, 2020
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23日、ローリング・ストーン誌が史上もっとも偉大なアルバム500を選出し、発表しましたが・・https://rollingstonejapan.com/articles/detail/34654かの、ハードロックで一世を風靡したDeep PurpleやUriah Heep、Scorpionsのアルバムが一枚も入っていないことに驚愕です。いくらなんでもIn RockやMashine Headはなぜ落選?【輸入盤CD】Deep Purple / In Rock (ディープ・パープル)あと、King Crimsonも入ってたっけ?Jeff BeckのWiredなんかも絶対100位以下はありえない・・のは自分だけか(笑)、【輸入盤CD】Jeff Beck / Wired (ジェフ・ベック)グラム・ロック系が極端に評価が高く偏りすぎているように思えてしまいますが、どうでしょうか?ベスト100くらいだと「人の評価はそれぞれだし、文句言ったらきりがないよ・・」と割りきれるのですがね・・もしかして、日本で私が感じているメジャー感と、世界の常識とは大きな乖離があるのかもしれませんね。諦観。全然関係ないですが、この本、大変オススメです。知的戦闘力を高める独学の技法/山口周【合計3000円以上で送料無料】
Sep 27, 2020
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現在ナノファイバー関係のプロジェクトに関係していますが、中でも今大詰めなのがマスク事業です。現在流通しているマスクで、コロナウイルスを高確率で防ぐことができるものは、ほとんどなく、あくまでエチケットとしてのマスク、またはファッションのためのマスクです。こんなものでも、着用していないと何だか白い目で見られる風潮がありますが、私としては、皆さんのマスクだってそんなに効果ないですよ、と言いたい。コロナサイズのウイルスに本当に対応できるのは、ナノレベルの繊維を使ったマスクしかないからです。よく99%以上捕集!とかうたっているものがありますが、非常に危険なPRだと思います。静電気をかけて試験をすれば、一時的に高い数値をクリアすることができるからです。本格的なウイルス対策マスク「MIKOTO」が10月末から本格販売されます。これまでもプロトタイプを主に医療機関に直販していましたが、いよいよ一般販売です。このマスクは、最先端のナノファイバーを使用した製品で、現在医療界の定番といわれているN95マスクに比べても、① コロナサイズの補修力が圧倒的にすぐれている② 静電気と違う仕組みで粒子を捉えるので効果が落ちない③ 圧力損失(息苦しさ)が3分の1以下という優れた性質を持っており、すでにいくつかの医療用卸問屋と契約していますが通販予約もしていますので、まずは、このPVをご覧ください。私としては現時点において世界最高峰と思っております。なお、この製品の製造工場は、経産省の「サプライチェーン補助金」(国民の生活を守る製品生産拠点・高機能マスク)として採択をうけました。
Sep 26, 2020
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4月下旬、いつものように突然遠刈田温泉三治郎で休憩中思い立って、鎌先温泉で一泊して来たのを今思い出したので、書き止めておきます。 あたかもコロナの脅威が最高潮に達していた時のこと。家族にはこういう時はかえって空いてて安全なんだ!と言い張って出て来ました。鎌先は遠刈田からもそう遠くなく、仙台からもお手軽なコースなのですが、非常に心地よい高原の空気を味わえるのでいつ来てもいい感じ。道路から集落に入っていく感じも好きなんだなあ、これが(写真の一枚もご紹介すべきですが)。 前にも書いたかもしれませんが、私はこの鎌崎温泉という地に、特別の思い出があります。私が浪人してすぐ自動車免許をとって、バイトをして車を買って・・ダイハツのタフトという1000cc6人乗りのジープタイプです。今思うと先見の明があったのかも(笑)・・東北をあてもなく放浪していたときのことです。家も近くなってきたけど、なんとなく帰りたくない・・もう一泊していくか、と思い、鎌先温泉を目指しました。そのころの白石からの道はダートの連続でした。私は小さな鳥居をみつけたので、それを目印にして、立ち〇〇しました。今思い起こすと、なんという狼藉でしょうか。フンフンと鼻歌を鳴らしながら、(そのころはカセットステレオからザ・バンドなんか鳴らしていたと思います。今聴いてもまったく古臭くなく魅力があるのですが)難なく快適に温泉の駐車場に到着しました。ところが「ここが鎌先かあ~」と降りて空気を吸おうとした刹那、「ぷっしゅうううううう~」という音がしました。左後輪が目に見えて空気が抜けていきます。目の前でぺしゃんこになってしまったのです。私は「なるほど、神様っていらっしゃるものだな~」と独りごちました。 怒ってガケから落とされても文句を言えないところ、本当にありがたいと、神様の仏心に(?)心服したのでありました。 私にはこういう変な体験が6回はあります。今回の宿泊はすゞきや旅館。鎌先といえば湯本一條さんがなんといっても存在感が大きいですが、ここすゞきやさんは確かに外観はオーソドックスながら、朝夕部屋出しの美味しい料理がなかなか評判なのです。 ロビーから見る日本庭園は小ぶりですが品が良く、なかなか見事です。部屋は一人用ということでまあ最小限でしたが、小ぎれいにしています。外に出てみるとこの旅館は案外大きくて、ちょっと古い建物も接続しています。私の部屋はどこかなーと探索すると、いわゆる新館にあたることがわかりました。ここでホッとする自分がいじましい。玄関のすぐ上あたりでした。4月下旬なのでまだ温泉街の桜が満開でした。窓際の椅子でボーッとする幸せ。山容をみると半分は広葉樹なので紅葉の季節はさぞ美景だろうなと思います。もっとも、いま目の前の桜をめでるべきですが。あの流行りのせいで、だいぶ空いていました(4月当時)。私を入れて4組くらいか、宿を開けていただいていて、ずいぶん申し訳ない感じがします。風呂は内風呂が金色のタイルの浴槽でちと変わっております。いぜん私のブログで、日帰り入浴したとき「金歯の口の中にいるような・・」と口の悪いことを書いてしまいましたが・・この黄金風呂にも若いころ感じた違和感がどうも沸いてきません。趣味が変わったか。そういえば、こないだドライブをしているとき、前を走っているベンツをみてこれ結構いいかもと思ってしまいました。 今に、豪農のような、入母屋造の、瓦のぎらぎらした、中に入ると虎と竜が対峙している置物があるような家を建てたいと思うようになるのではと、身震いしました。いや、その一歩手前かも。(写真は「じゃらん」より)露天風呂は裏山に面したバルコニーのようなところにある大きな樽桶のような浴槽で、解放感満点です。この風呂は本当に気持ちがよくて、滞在中3回は入りました。(写真は「じゃらん」より)夕食は、写真のとおり、一人旅でも部屋にこれだけのものを運んでくれます。手間がかかってます美味いです。一人には、ちょっと豪華すぎます。もとをとろうと(どんなもとだ)、懸命に写真を撮る自分がいじましい・・。 朝食も、下の写真のとおり、大満足! なんだかもう一泊したくなっちまったなあ~(これも私の個癖。)と調べてみたら、日曜から月曜にかけての宿泊なのにネットに空室がありません。どうしたものか女将さんに聞いてみたら、「明日から、この温泉街は一斉に休業するんです・・」と、いかにも寂しそうな様子。私もなんだか寂しい気持ちになって、茶わんやらお箸ならのお土産を少し余計に買いました。「再開したらまた、泊まりにきますね」というと、おかみさんは車が出るまで見送ってくれました。今は、もう通常どおり営業しています。まだ、約束を果たしていません。すゞきやさんは、一つ一つ見ると傑出したところはないのですが、総合でみると旅館としてずいぶんとよくまとまっていて、質の良さを感じさせます。帰る頃に、高い満足度を得られる宿だと思います。4月に泊まったのに、ずいぶんと遅い書き込みになってしまいました。鎌先温泉 すヾきや旅館(すずきや)
Sep 12, 2020
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最近いろいろと身辺に変化があり、専門職業家として(実務修習に一年かかった!)事務所を経営するとともに、それとはまったく脈絡のないナノテク関係の会社の代表取締役も引き受け、なかなか定年後の人生としては目まぐるしく生きています。 昔から仕事が錯綜し頭がこんがらかると、発作的になにもかもほったらかしにして小旅行をしたくなる性分です。そうすると、なぜかかえってすべての整理がはかどるのです。 そういえば、若いころ、何かとよく川辺に降りていって、川面の移り行くさまをボーと眺めていたものです。我が川か、川が我かという境地になりたくて。年輪を重ねると、そうした心身脱落の装置は、「飲酒」という悪習慣にとってかわったのでした。それをハイブリッドにすると・・「飲みながら川面を眺めよう!」遠刈田温泉三治郎の日帰り用の大広間で、さすがに毎週は飽きます。寝ころびながらこの考えでいてもたってもいられなくなりました。幸い、仕事の穴はあけずに済みそうです。 家に電話して、GO TO トラベル! ネットで当日一人客の空きを調べているうちに、最上川別邸「BENI」という宿に行きつきました。まあ前から気にはなっていました。草薙温泉といえば、昔「滝沢屋」という川辺の旅館がありましたっけ。2013年の記事を見つけました。なんでも、*****************************戸沢村の最上川沿い、最上と庄内の中間に位置する草薙温泉。観光や湯治客でにぎわった時代には3軒の温泉旅館が軒を連ねた。しかし、2011年に「臨江亭滝沢屋」が事業を停止して以降、温泉街の灯は消えたままだ。「村の観光振興を考えた場合、温泉宿はどうしてもほしい」。村総務課の岸利吉課長(59)は言葉に力を込める。 村の観光資源の目玉は「最上川舟下り」。旧温泉街は下船場のすぐ隣だ。船上から最上川の雄大な景色を眺めてもらい、降りてすぐに宿に移動。温泉と郷土料理を楽しんでもらう―。このプランを成立させるためには草薙温泉の復活は村の悲願と言える。 「このまま誰かが土地、建物を買うのを黙って待っているわけにはいかない」。「滝沢屋」の事業停止から2年後の13年5月、村は大胆な策を打つ。競売対象となっていた土地と建物の入札に参加し、計1400万円で落札した。 「新たに温泉旅館経営を引き継いでくれる業者が見つかるまで、建物と土地を村が留め置く」。これが目的だった。温泉宿以外の利用目的で落札されては村全体の産業振興に影響する恐れがある。渡部秀勝村長は覚悟を決めた。「民間の旅館を村が買い取って責任が取れるのか」。厳しい批判の中、担当者は温泉旅館経営者らの元をかけずり回った。 そして今年2月、老舗旅館のタカミヤホテルグループ(山形市)が再建に意欲を示す。光が見えた***************************ということのようです。高見屋さん地力ありますね。私としては、その滝沢屋さんの記憶では、部屋から最上川の景観を堪能できるだろう、それ以外は望むまいくらいの気分でいつもより早く三治郎をあとにしました。高速を乗り継いで、約2時間半、新庄~草薙ルートの景観はいつ来てもいいものです。このまま酒田まで行ってしまいたい誘惑にもかられるものの・・。 やがて、高見屋別邸BENIの看板が見えてきました。 入り口では早速、検温やマスクのチェック。萎えます。いつまでこんなことが続くのでしょうか。でもこれから宿に入るという気分はうれしいものです。玄関をくぐった感じは、民芸調、または和モダン。ちょっと高齢マヨラーひとり旅にはこそばゆき感じもあります。黒塗りの飾り棚に、小さい陶芸品が並んでおり、とても美しい。フロントのおじさんの丁寧な説明(実は丁寧すぎる説明は苦手なのですが)ののち、いざ、わが「籠り部屋」へ。「別邸のほうにしましたよ」とニヤリとしていたのは、そのときは不明だったのですが、実に真新しい新館のほうだったからなのですね。なるほど後から調べた記事では、本館のほうはいくらか年期は入っていましょうが、だいぶ徹底的にリニューアルしたのか、劣化は感じませんでした。途中で一度靴を脱ぎ、裸足で廊下を歩ける趣向。廊下の窓からもちらちらと川が望めていい感じです。予期はしていましたが、部屋に入ると、大きな窓一面に最上川が広がっています。恋人たちがならんで座ることを想定したような、川面に面した大きな座椅子。ここには、定年後の私が喜んで座っています。 こりゃいいなあ、読み物も仕事もはかどりそうだわい、と見積もりつつ、はや手にしたカンビールをぷしゅっとやると、もうそんな俗事はどうでもよくなりました。 風呂に行きますと、ここからも川が眼前に広がっており、降りたところに露天風呂もあります。 湯舟のふちに、小さいかわいらしいアオガエルが、壁には大きなかまきりがじっとしていました。無用な衝突を避けるためか、お互いに、近づかないようにしているように見えます。ソーシャル・ディスタンス・・せっかくくつろぎに来て、いやな言葉を思い出しちまったい。それにしてもこの両者、どちらが強いんだろう。体が大きければカエルに軍配でしょうが、小指の先ほどしかありません。それにしても本当にかわいいカエルでした。風呂に入りながら川面と対面のうっそうとした山並みを眺めるのはとてもいい心地です。ただし、誰かが入っていたらちょっと遠慮してしまうぐらいの大きさではありますが。 酒が進んでいたので、夕食はそれほど大きな印象が残っていません(写真さえ誤って削除!)。ただアジア料理の火鍋のように、真ん中から区切られていて、地元産の豚しゃぶをダシとみそだれとを選んで食する趣向はよかった。フィリピンで食した「火鍋」を思い出しました。懐石ふうの品々もならびましたが、でもホッケの焼き物は、ちょっと詰まりません。ここはアユでしょう、と言いたくなりました。酒は一本だけ地酒をいただきました。あからさまには聞こえませんでしたが、川の流れの音が重層の低音となって、神経を微調整してくれているのでしょうか?ぐっすりと寝入ってしまいました。 朝ぶろを一風呂浴びて、また朝食会場「川瀬見」へ、またもや食卓が川の正面に並んでいます。贅沢を言えば、これをテラスで食べたら、京都の川床料理のようでさらに野趣深いでしょう。朝食はほんのちょっぴりづつ多品目・・これがうれしい。陶板焼きも選べます。これも白身魚?とちと残念。 さて帰る前に意地汚くもう一風呂。10時チェックアウトということもあり、風呂には誰もいません。贅沢な貸切風呂の境地で、湯と最上の景観を堪能しました。 高見屋 最上川別邸 紅
Sep 5, 2020
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困りました。今日サウジアラビアに行かなければなりません。とあるプラントの件で、立ち会うように要請されたのです。ついでに、マレーシア、タイと寄っていきます。 サウジは観光目的の客は受け入れないので招聘状が必要です。先日ビザ発行のため田町の大使館代行センターに行ってきましたが(予想に反して)とてもフレンドリーでした。行先はサウジ第二の都市ジッダーです。温泉はありませんが仕方ないです。 エミレーツ航空のビジネスクラスを用意されました。他のブログを見ると、なかなかよさげです。さすが産油の国、贅沢です。旅程はほとんど聞いていませんが、無事帰国できたら(笑)レポートしてみたいと思います。 出発は今日の22時です。タイはちょっと楽しみです。
Nov 11, 2018
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お盆の最中で、どこもホテル旅館は満員・・というのが常識だが、実は、こういうときこそドタキャンで一人旅の枠がぽっかりと空くときがあるのだ。盆の14日、朝から私はなんだか気持ちがぱたぱたしてきた。自分のなかの「宿日和」というやつだ。 いつも空いている宿はある(たいてい難ありで、エリアごとの一覧で最後のほうに来る常連)が、それなら無理していくほどのことはないし~と懊悩していると、楽天トラベルで、一人モノがやはり出たっ! 「亀屋」と「ますや」。「ますや」は大江戸温泉系列になって、ちょっと偵察したい気分にもなったが、やはり私の中で安心感があるのは「亀屋」。 何回か泊まらせていただいたが、丁寧な応対とちゃんとした食への姿勢は私の中ですっかり定着しているので、即、予約し、30分くらいで支度を済ませ、妻への慰謝料も払って玄関を飛び出した。 ホテルのフロントにいくと、やはりお盆、地元の従業員は結構休んでいるのだろう、ベテランの女性が一人切り盛りしていた。 私が予約できたのは「味噌っかす」みたいな部屋なのだが、それでも案内してくれるというので、謝絶すると「お気遣いいただきありがとうございます」と深々と頭を下げられた。「亀屋」さんの好きなところはこういう所なのだ。従業員さん一生懸命。 部屋は広いシングルルーム。もともと畳敷きだったのかな、レイアウトがなんとなくぎこちない。そうそう、私は最近、ホテルの企画を手掛けるようになって、プライベートでくつろぎにきていながら、ついついこまごまとチェックする癖がついてしまった。 たとえば、こんな感じ。この3階に、廊下に男女別のトイレがあるが、平面図を見る限り、トイレなしの部屋はない。ならば、これを取っ払ったらどれだけコストダウンになるか。平面図といえば、HPには東館(高級)と西館(低廉)のような分け方だが、どうみても(外がわに回って、そしてグーグルマップでも確認した)増築部分は真南だ。なぜ、こういう区分けをしたのか・・謎だ。 最上階の展望風呂、とても見晴らしがいい。鳴子の自然と街並みのエッセンスが見渡せる。でも、正面の坪庭の部分に、避難通路の入り口みたいなのが突き出ていて、とても気になる。田舎の、通学用の地下通路の入り口にちょうどそっくりだが、ここを通って、どこにつながるのだろうかと、とても気になった。 ゼーゼー・・・。私は何をしに来たのだ。いやいや楽しみましたよ。うるさい家族がいない幸せ。寝転がってスマホで「くつろぎのビデオ(何?)を見る幸せ。 風呂は相変わらず素晴らしい。露店風呂に入っていると、ときおり陸羽東線が上を通り過ぎるのが見える。鉄道ファンでなくても、心が躍る。そうそう、このとき、すわっ、来たとばかりに身を乗り出してはいかん。放送事故になるのでいい風呂だったな~と脱衣場で扇風機にあたってうっとりとしていると、やにわに股間にちくりと刺激があった。 ついに発病したか!とぎくりとして箇所をみると、なんと大きなアブが私の股座にとまっているではないか。お前は蚊のように生き血を吸うわけでもないのに、なぜ無用の殺傷をするのだ、この不届きものめ!と捻りつぶしてやろうかとも思ったが、とたん芥川の「蜘蛛の糸」が頭をよぎり、仏心が芽をだした。「こやつも、好きでこのような稼業をしているのではない。たまたま、露天風呂と内風呂とを行き来するドアが開いたときに紛れ込んでしまったのだろう。そして、この脱衣場という不毛の地で、食うものも何もなくて私の股間などで糊口をつないでいるのだろう」と悟るに至った。 私のような気持になったのはこれまで何百人もいたかして、風呂に虫取り網が置いてあった。私はそっと網をアブにさしのべると、彼(彼女)は自分からそこに入っていった。「お前は私の気持ちがわかるのかい」とささやいたとき、あるものが目にとまった。網の中に、先住民たる田亀の死骸が入っていたのだ。 私は露天風呂から大きく網をふるってアブを野に放った。これで私の日常は日常に戻った。 言っておくが、これは亀屋の衛生管理が悪いわけでもなんでもなくて、少しでも自然に接しようと思えば、必ずつきもののことなので、それがいやな人はドーミーインでもアパでも行けばいいのだ。かなり乱暴なレポになってしまった。私のなかで亀屋最高!という気持ちにゆらぎはない。 夜は、地元の居酒屋に行って、酔った勢いで盆踊りに参戦! 続けば続く。鳴子温泉 ホテル亀屋
Aug 26, 2018
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さて青根温泉「不忘閣」の宿泊日記の続きである。 ここまで風呂が良いと、もう建物がやや古びていても、階段がドヒャーというくらい長くても、全然気にならなくなってくる。が、食事は大事だ。山の上の宿なので、いわゆる海鮮は期待できないが、どういう献立で来るのだろうか。 まず食事処が別というのがいい。一人でも一部屋用意してくれる。 しかも窓からの景色もよい。部屋の古さも、かえって由緒を感じてしみじみする。 料理は、懐石風。少しづつ少しづつ出してくる。この一品一品が丁寧なつくりで、とても美味。 酒はこの宿オリジナルの冷酒。いやー、はかどります(そればっか)。 この盛り付けと味付け、どれもうまい、うまい。しかも、二日目にはまったく献立を変えてくれた。 「違う料理でうれしいな」 「ここの板長さんが、連泊のお客さんには別の料理を出すようにしているんです」 「味もいいよね、盛り付けも」 「そうなんです!ほかのお客さんによく言われるんです、ここのを食べると、よそのは食べられないって」 (それはちょっと言い過ぎだろう、とひるみながら) 「でも本当にいい宿だねえ」 「お客さんはどんなお仕事をしてらっしゃるんですか」 「ふふふ・・何に見える?」 「フランス料理のシェフとか。だってそんな雰囲気ですよ」 ・・・酒のせいで途中から話が創作になっていることに注意してくださいな。 そうそう、そんな具合だから朝食も品数が多く、「理想の旅館の朝飯」という言葉がしっくりくる。 朝だから、窓の緑がまた美しく目に映える。 昼は、宿の向かいの「星月」でステーキを食べた。でかい!しかし、しかしだ。 これだけで腹がパンパンなのに、なぜかき揚げがつく?ダメ押しの一点をねらってのことか? この店は、昔「青嶺閣」という宿があったところだ。たぶん青根でもっとも眺望の良い露天風呂だったのではないだろか。その残骸が、まるでため池のような状態になっているのを見て、私は悲しかった。もしかすると、いつの日か、この露天風呂をレストランの利用者に提供する日が来るのかもしれない。そういう希望も持った。 このレストランはリニューアルオープンしたての「星月」という一棟貸の宿にあり、このHPを見て笑った点がひとつ。 「施設から車で30秒ほどの場所にある、夕食自慢の温泉旅館へ移動していただき、 お召し上がりいただきます。」 ・・・どんな距離なのか。青根温泉 湯元不忘閣青根温泉 一棟温泉宿 星月
Jul 4, 2018
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またまた久しぶりのブログ更新です。近況報告ですが、定年で仕事が変わりました。4月から、とある企業の「顧問」をしています。 事業内容は幅広く、また、これまでルールを作る側だったのがプレイヤーとしてやれるので面白みを感じています。さて、本題です。***********************青根温泉「湯本 不忘閣」に2泊してきた。相変わらず気ままな一人旅である。家内には2日間の慰謝料を支払っての一人旅である。したがって宿選びに失敗することがあってはならない。 ある土曜日、以前日帰り入浴を断られたことがある不忘閣のことをふと思い出し、矢も楯もたまらなくなって予約を入れた。最近判断力に自信がなくなってきた私であるが、この衝動的な行動は偶然、吉とでた。とても素晴らしい宿だったのである。 まず、部屋がいい。かなり昔に高台に増築したのであろう、非常に長い階段を上る果てにたどり着くといった感じだが、なんの、これでしんどいという年ではない(と、自分に言い聞かせる)。なにより窓からの眺めがよい。間近には敷地の竹林が幽玄な声で語りかけてくるし(大丈夫か)、コントラストのぼやけた山並みが遠望されるのも、とても心落ち着く。この風景を楽しみながら飲むビール。はかどりますなあ!そして風呂!なんと一人でも貸し切りできる大浴場が3つもある。その一つひとつが、ほどよく薄暗く、非日常的で贅沢な空間となっている。思わず写真をとりまくるが、(こういうときにまちがって鏡を写すとえらいことになる)ええい、どれも湯気でさっぱりワヤだ。ここは無理をせず、旅館のHPから写真をいただこう。これは「大湯」。 ね!写真でもうっとりするけど、本当に上質なあの世のような湯だなあと一人瞑想にふけるが、かえって煩悩が増幅される。そもそも煩悩しかないのだから仕方がない。 ・・・最近気づくこと。昔はクセの強い湯が好きだったが、最近、このような単純泉にも心惹かれる。年をとるのは悪いことばかりでもない。こうして、楽しみの幅が増えるのだから。今に、リハビリで温水プールに入っても悦楽を覚えるに違いない。・・・続く。次回は料理編。 (しまった。アフィリエイトと写真が被った)青根温泉 湯元不忘閣
Jun 30, 2018
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「民宿」二宮荘の話である。ここは地理的には東鳴子と川渡のちょうど中間にある。幹線道路沿いにある看板を通りすがりに見た人は多いだろう。ここは「民宿」と名乗っていることで損をしているフシがある。おそらく純粋な家族経営なのでそのように表示しているのだろうが、設備等は通常の旅館にまったく遜色ない。窓からの景色も美しい。わたしは昨年初めてここを訪れてちょっと嵌ってしまい、今年の2月にも再訪している。この旅館の魅力の大部分は、女将さんのほんわかした、しかも一本芯の通った人柄にあるかもしれない。宮城県のフード・コーディネイターとして活躍。自家菜園でとれた野菜を中心にした料理を客に提供する宿だ。この料理のうまさは忘れられない。(写真はHPより) 二宮荘 料理1 posted by (C)オフミ夕食は肉、魚などもバランスよく配され、ヘルシーを押しつける様子もなく、とことん丁寧な味付けが印象に残る。朝食の充実具合は、通常の旅館の、ほぼ倍といいたい。なんどか風呂に行くたびに厨房の前を通るが、女将さんが立って仕事をしている後姿をみかける。なんと頑張っておられることか。で、風呂なのだが、この泉質がすばらしい。湯船は4人ぐらいが適量だが、その湯の白濁かげんが微妙で、琥珀色といえばよいのか。ややぬるつるする、川渡とも東鳴子ともちょっと違う面白い湯だ。(写真はHPより)周辺の環境は抜群で、朝の散歩は実に快適だ。日本の原風景というと陳腐かもしれないが・・。2月に訪れたときは、雪も心配だったので、JRを利用したのだが、女将さんが自ら駅まで送ってくださった。駅までは思ったより遠く、歩こうとしていた私はちと甘かった。女将さんは、嫁入りではなく、この旅館の娘さんだったのだという。どうりで、名字と名前のバランスがいいなと思った。飯坂・橋本舘、蔵王・吉田屋とともに、ここを私の常宿としようと思う。鳴子温泉 和みの湯 民宿旅館 二宮荘
May 3, 2015
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ゴールデンウィーク初日だというのに、蔵王温泉街の大通りは人影がまばらだった。これも蔵王山が噴火する可能性が高まっているからだが、この温泉街は噴火口からはるかに離れていて、かりに大噴火が起きたとしても何の影響もない(温泉街の客は気づきもしないだろう)。それでも、客足は確実に遠のいているようだ。こんな景色と空気のいいところ、なんと勿体ないことよ。いつも日帰りで利用する吉田屋さんの女将さんは、「でも何とか宿泊はまずまずで、少し安心したんだけど・・」と言っていた。この宿はリピーターが多いから、そんなアホな風評被害は関係なく来てくれるに違いない。いや、私も安心した。大好きな宿なので。しかし、まずは蔵王温泉は安全だということをあの手、この手でPRするしかない。少しでも売り上げに貢献しようと・・というのは嘘で、単に腹が減っただけなのだが、入った店がここ、しばママのお店。大通りに面し、中央ゲレンデの隣だから、とてもわかりやすいところだ。いつも前は通るのだが、どうもあまりにお洒落な感じで男一人で入るのは気が引けていたのだ。中には先客がふた組。一方は常連さん、もう一方は日本人女性と外国人男性のカップル。女主人と英語の会話が弾んでいる。スタッフがただちに冷たいお茶を運んできた。なんでも、緑茶、玄米茶、抹茶をブレンドしたものだそうな。6種類ほどあるメニューから「豚トマ丼」を選ぶ。「ここは初めてですか」スタッフがちと不安そうな顔をする。(いかん、少しマニアックなものを注文しちまったか)とも思ったが、どんな味か試してみたい気もする。しばらくしてお盆で運ばれてきたのは、上一面サラダで覆われた、洋風の丼。粉チーズとタバスコもどうぞと言われ、さらにスープには「八味とうがらし」を好みでかけるように、とのこと。ワイングラスにはサービスのほうれんそうのお浸し、さらにはお代り自由のハーブティなど、とにかくサービス精神の塊のようなお店。肝心の主菜のほうは、野菜、肉、ご飯を結びつける特製トマトソースが非常に加減よく、かなり旨い!ちょっとした苦みは、「もってのほか菊」を混ぜているからか。「しばママ」さん(初対面だが、誰が見てもこのかたがそうだろう)が挨拶に来られる。「この野菜は全部自家製ですので安心して召し上がり下さい」と説明をいただく。たかがランチでこんな丁寧なご挨拶をいただくのは極めて稀である。最近、店では写真を撮らないようにしているので、HPから、別のメニューを転載させていただくが、この味への拘りぶり(基本的にはこの言葉は嫌いだが)をみるとおそらくどの品をとっても失敗はない気がする。(これは「あら、まぁ、びっくりサラダ丼」です)うまく、ホスピタリティよく、リーズナブル・・ランチ850円でこの満足度は最近にないマイヒットだった。勘定の際、さきの外国人男性もこのランチを絶賛していた。またライダーの客がぞろりと入ってきた。なんだ、十分繁盛してるな(安心)。しかしこれまで何度となくこの温泉街を訪れていたのに、こんないい店をスルーしていたとは、実に痛恨の極みである(そこまで言わなくてもいいか・・)。今後は吉田屋に宿泊の折には(私のなかで吉田屋は固定なので)、昼食、夕食ともにここでいただこうかと思っている。・・・でもたまには利休さんのネギ味噌ラーメンの出前も捨てがたい・。蔵王は、いつ来ても、最高な場所なのだ。
Apr 26, 2015
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仙台から瀬見まで車でおよそ2時間、そろそろ疲れが出てくる体に軽くむちを当て、一路羽根沢温泉を目指す。どちらかというと平坦な、ときおり味わい深い集落を通過しながら走る。 目的地は、湯、料理、接客などに定評のある「松葉荘」。松葉荘外観1 posted by (C)オフミ5年ほど前に隣の加登屋さんに一泊したことがあり、もっぱら料理がふんだんに供されたことが印象にある。温泉街には、今や旅館は三軒のこったきりで、歓迎札は松葉荘が一番多い。新庄と仙台からの客で占められる。玄関ロビーは無人で、しばらく誰も出てこなかったのでソファに掛けてしばし待つ。どうも家族だけ仙台で切り盛りしているようで、チェックイン時は込み合うのだろう。ご主人が現れ、「3階で申し訳ありませんが・・」と案内してくれる。ネットでこの宿を紹介する人たちが必ず言及するのが、部屋の広さだ。201504松葉荘02 posted by (C)オフミたいていの部屋では、ふた部屋の仕切りを抜いて一部屋に改装してあり、これも時代の個人客へのシフトに対応してのことだったろう。「寒いですので、おふとんは厚手のものになっています」明るく朗らかな感じの女将が言う。なるほど、だいぶ上等な布団だ。シーツもウールの厚手なのが普通と違う。「この窓の外のモミの木がいいですね」「これはモミっていうんですか、私がここに嫁いできたときからありました」この宿だけは3階だけが眺望が効くのではないだろうか。まだ広葉樹の木々は葉の満ちるのを待っているが、それでもところどころで豊かな表情を持つ山々を眺められるのは良い。館内や室内は基本的に古い躯体が殺伐とした感じを与えないよう、ところどころリフォームしたり、インテリアの工夫をしたりして努力の跡がみられる。部屋の壁などは張り替えたばかりだろう。できるところからこつこつと手直ししているに違いない。私はこうした宿が好きだ。風呂は男女交代制で、夜までは男は狭いほうだったので、外のスリッパをみながら空いているときを見計らって入った。それでも相客がいた。私より4,5つ年配のおやじさんだ。何度も体に湯をかけてから、おずおずと体を沈める。熱い・・とろとろだ・・この感じ、なんだろうと思った。そうだ、濃厚ブイヨンのような感触だ。ブイヨンに仮に体を浸したらこういう感触になりはすまいか。「今日はそれほど熱くないな」 相客が呟いて、話が始まった。新庄から夫婦でこられた。月に一度は一緒に温泉めぐりをしているが、ここはあまりに近くてそう頻繁には来ないという。肘折においしいそば屋があるという。「寿屋」というらしい。夕食は楽しみにしていたのだが、期待を裏切らなかった。松葉荘夕食1 posted by (C)オフミ牛の陶板焼きをメインに、天ぷら盛り合わせ、馬刺し、山菜の煮物、こごみ、そば(鴨のつけ汁)あゆの塩焼きなど。とくに美味だったのは、ヒラメのカルパッチョ風地元の野菜あえ(←勝手につけた名前)。松葉荘夕食2 posted by (C)オフミご主人が説明してくれたのだが、活きのいいヒラメに地元の生野菜を載せ、青いトマトをベースにしたドレッシングをかける。これは新鮮な味わいだった。なるほど、山深い宿で刺身の盛り合わせなどは無粋だが、こういう出し方をすれば楽しめる。ヒラメのぷりぷりした淡泊な身と、野菜の苦みがよく馴染む。ご飯まではとても胃が収容できず女将さんにギブアップすると、「では夜食用に・・」とちいさいお握りにして下さった。夜は「ふかふか布団」のお陰でよく眠れた。5時起床。目ざましにひと風呂・・と思いきやすでに二組のスリッパが並んでいる。宿泊者の年齢層が高いことを示しているな。しばし茶を飲み、出直してみると、今度は貸し切り状態だった。松葉荘風呂 posted by (C)オフミ男女入れ替わり、広いほうに入った。これは断然広い。そしてやっぱり、広いほうが気持ちいい!湯の良さはまったく感動もので、とろみ度では日本の最強レベルではあるまいか。肘折のあの色や金気臭も捨てがたいが、この湯はクセになる。前回同様、周囲を散策。早朝の林道はとても心地よい。宿の裏手には人家はないが田畑が続く。近くから通いで農作業をしているのだろう。土手に開いてしまったふきのとうが目立つ。後で女将さんに聞くと、「このあたりでは誰も取らないんですよ」と笑っていた。山肌を見ながら歩いていてハッとした。屋根が崩れ落ちたロッジ風の建物の正面に、いかにもゲレンデになりそうな開かれた斜面がある。左右に投光機も残っている。昨夜風呂で相客になったおやじさんが、「昔、ここにもスキー場があったんだよねえ」と語っていたが、ここだったのか・・。ここが多くの若い男女でにぎわっていた様子を想像しようとするが、どうしてもできない。散策の後の朝食も、大変うまかった。小さいお盆に小鉢が並ぶスタイルは、とても気が利いている。どの鉢も、味付けがよい。とくにゼンマイの煮物は、これ一品で十分ご飯が進む。松葉荘朝食 posted by (C)オフミシャケが大きすぎないのもいいが、昨日腹いっぱいで無理して食べたキングサーモンが、ここに回っていればな、とも思った。帰りしな、注文していたマイタケを2箱受け取ったが、あまりのキノコの立派さ、量の多さに唖然。温泉街の見事な肘折に比べ、どうしても地味な存在の羽根沢だが、こういう素晴らしい宿があるということを一度多くの人に体験していただきたいと思う。
Apr 23, 2015
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土曜日にここ吉田屋さんの日帰り休憩(3回目)を利用し、窓から外をまったりと眺めていたら、なんだかずっとここに居たいという気持ちがぐぐっと湧いてきて、そのまま宿泊してしまいました。旅館の隣の公園というか、緑地にはほどよく木が並んでいて、それがなんともいい感じなのです。今回提供していただいた部屋はテラス付。この椅子にかけてビールをきゅっと・・は実に快適。木に話しかけてみましたが、ウンともスンとも反応してくれません。私に木と会話する能力があったら・・きっと木造住宅には住めなくなるでしょう。風呂には相変わらずじゃんじゃん新鮮な湯が流されており、もったいなくてもったいなくて・・。これに入らずして外に行って湯を浴びる意味があるだろうか?と思ってしまうのです。そのため、外湯めぐりはぷっつりとしなくなってしまいました。写真をご覧ください。とんでもない量の湯がかけ捨てられているのがわかるでしょう?昼は例によって「利休」の出前。今日は焼肉ラーメンにしました。この前は、ネギ味噌ラーメンでした。どれも良心的に、丁寧につくられています。夜は別室をとっていただき、ジンギスカン。一瞬、量が少ないのでは?と思いましたが、どうしてどうして、肉が柔らかく、甘辛いタレがまたうまいので、ご飯をガッツリと食べてしまうのですね。なるほど、適量でした。これ以上何か出されても、もうお腹に入りません。蔵王の夏は涼しい。夜は、扇風機もつけずに熟睡できました。朝食は、おっ、出ました三種の神器!と私が呼んでいるのは、一つ!鮭の塩ビキ、一つ!わさび漬、一つ!半熟の温泉タマゴであります。この3つが交わりあうと、ご飯何杯でもいけてしまうのですね。う~む返す返すも、居心地のいい宿です。感じのいい女将さんを筆頭に、家族経営のホスピタリティを感じさせる旅館、ずっと続いてほしいものです。最近、私は蔵王に嵌ってしまっているのですが、高速使って一時間の距離に、風景、空気、町の風情、湯・・すべて最高レベルで揃った蔵王という温泉街があるのは贅沢の極みと思うようになりました。蔵王温泉 吉田屋旅館
Jul 22, 2013
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ひとり日帰り休憩のプチ旅は続きます。今度は楽天でなくじゃらんで予約する日帰りコース。10時―17時の部屋利用で1900円と、超格安。宿を訪ねると、明るくてきぱきした感じの女将さんがフロントに座っていました。館内は増築で迷路のようになっています。廊下で、女将さんに「ここ初めてですか」というのでそうですと答えたら、「みなさんリピーターになるんですよ」と言われたのが面白かった。この建物のいい具合の昭和ぶり、泊まればもっと味が出るんだろうなあ・・と思いつつ、3階の部屋に着きました。部屋は廊下から直結の質素なものですが、なかなか清潔に保たれ、畳は真新しく、なにより窓からの眺めが、隣が緑地公園のようになっているので桜の木が間近に望め、なかなか恵まれているほうでしょう。昼食は、外に食べに出てもよし、ですがちょっとぐーたらこいて出前をとってもらうことにしました。フロントの女将さんに頼むと、店に電話してくれるのです。あとは、部屋で待つだけ。ワンタン麺は700円なり。これがなかなかのアタリでした。極太の麺もいいですし、なによりワンタンがとても食べ応えがあります。なんだか1つばかり配達していただいて(しかも最奥の三階!)申し訳ないくらいのもんです。「利休」という店だそうです。今度蔵王に来たら、店にいってせいぜいジンギスカン定食くらいは発注しないと・・と思ったのでした。風呂は、女将さんが「リピーターになりますから」と胸をはっただけのことはある、素晴らしいものです。濃厚な湯が、もったいないくらいの勢いで注ぎ込まれ、湯船のふちからざぶざぶと捨てられていきます。いかにも、鮮度満点といった風の湯なのです。捨てられて湯が床一面に流れて、大げさに言うと浅瀬のようになっているのです。いやーこういう光景はみたことがありません。風呂入って本読んで昼寝して風呂入って・・これの繰り返し。私にとってベストな休日の過ごし方であります。一人で長々と部屋を独占して、さすがにかたじけなく思い、浴衣、手ぬぐい、バスタオル、お茶セットなどは一切手をつけないできました。確かに、このコストパフォーマンスでは、リピーターになりたくもなります。だんだん、自分の頭のなかでは、吉田屋、喜至楼、吉田屋、湯澤屋、吉田屋、いづみや旅館というローテーション表が組み立てられつつあります。吉田屋さんの外観ですが、一見小ぶりですが、建物が奥につながっているので、規模は見た目の倍はあります。蔵王温泉 吉田屋旅館(日帰り休憩は「じゃらん」からご予約ください)
Jul 2, 2013
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私がブログを始めたときの最初の記事が、このあべ旅館に関するものでした。老舗旅館でありながら土日でも一人旅を受け付けるし、なにより足元自噴の洞窟風呂が極めて素晴らしく、惚れ込んでいた宿のひとつでした。倒産後、営業を引き受ける会社があり、これでひと安心と胸をなでおろしていたのですが、今度は破産管財人からストップがかかり、この会社も手を引くことに・・。************************************** 山形県最上町の赤倉温泉「あべ旅館」の営業を引き継いだエムケーコーポレーション(仙台市)は27日、旧経営会社の破産管財人が建物明け渡しを求める訴えを起こしたことを受け、来月中に撤退する意向を示した。 同社の松原茂社長は「旧経営者への債権を担保に営業を引き継いだが、裁判で争ってまで続けるつもりはない。予約状況をみて来月半ばごろには撤退する」と話した。 一方、破産管財人の半田稔弁護士(山形市)は同日、同社に旅館の明け渡しなどを求め、山形地裁に提訴したことを明らかにした。「建物は管財人の管理下にある。営業権譲渡には法的根拠がなく、管財人の承諾なく使用しているのは違法だ」としている。第一回口頭弁論は7月25日の予定。 同社は仙台市などで居酒屋「こちらまる特漁業部」などを展開。経営難に陥った阿部旅館(破産手続き中)から営業を引き継ぎ、子会社「あべ旅館」を設立し、4月10日に営業再開した。 松原社長は「従業員の雇用を守る約束で公正証書も交わした。旅館は補修に1億円以上かかり、買い取るつもりはなく、競売で取得する業者があれば話し合い、営業権を譲るつもりでいた」と話している。****************************************旅館は経営環境が厳しいうえに、老朽化も進み補修費がかかるなど、建物に収益還元価値がつくようにも思えません。すったもんだしたあげく、解体などというようなことにならないことを願います。なにしろ、あの大浴場は重要文化財モノですから。裸婦像の律子さん(私が名付けただけですが)に笑顔で会える日が来るといいですが・・。****************************************あべ旅館が好きな人はたぶんこの旅館も気に入られるはず。赤倉温泉 悠湯の宿 湯澤屋
Jun 29, 2013
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日帰り休憩をこのところ続けて楽しんでいた私ですが、ホシカツさんのコメントに接したせつな、どうしたことか、「岩手の温泉に泊まりたい」という思いがホツネンと起こりました。しかも目的地は、ただちに浮かびました。「鉛、大沢あたり」です。しかし鉛は残念ながら一人客の場合自炊棟、そうでないプランはバカ高です。そこでかねてから気になっていた大沢温泉・菊水館を目指すこととしました。私はてっきり、林道のようなところを長々と下り、秘境に入っていくものかと思っていましたが、どうしてどうして、ほとんど田舎のマチナカから少し降りたばかりのところにあったのですね。それでも深い山に囲まれた風情はなかなか良く、ロケーションは日本の温泉宿でも今や10指に入るのではないかと思われます。その全容がわかったとき、私は少なからず驚きました。この巨大さ!西から菊水館、自炊部、山水閣と趣の違う、しかもボリュームのある建物が並ぶ様は壮観です。菊水館は、これまた勝手に高雅なつくりかと思っていましたら、存外湯治場風で、これまた以外。いやー、質素、質素。なにしろ廊下からフスマ一枚(鍵あり)ですぐ6畳間ですから。カギが内側から開かなくなって、係の人に来てもらいました。フスマを手前に引きながらカチャンとやるのがコツだそうで、今後それを習いたいと思います。部屋の位置はとても良く、窓からは豊川川、名物曲り橋、自炊棟が望めます。眺めていると、まさに善美なるニッポンの風景。この国に生まれた幸せを感じます。ここは5つの風呂めぐりができるのが自慢。まずは一番遠い、立派な山水閣の「豊川の湯」を選びました。夜になるとここは入れませんので。人が誰かしらいて、写真はとれませんでしたが、HPのものを拝借。キャスターかなにかで、テレビで見たことのある人がいました。よく聞こえませんでしたが、「・・番組がねえ・・」とか大声で話していましたが、メディアの人はその態度が嫌われるのです。これだけいい環境に足を踏み入れたら、俗世のことは忘れてほしいものです。こっちまで、仕事のことを思い出してしまいました。ここは、どことなく湯河原の高級宿なども思い出させる上品なお風呂です。窓は山に向かって広々と開けています。眼前の山は木が何重にも重なっててんこもりになっているような姿。緑が重層的。これは岩手にくるといつも思うことです。なぜかはわかりません。湯は無色、無臭で、PHが9と強アルカリなのでかなりすべすべします。自炊棟の露天風呂「大沢の湯」は解放感抜群ですが、どこからでも良く見えすぎ!ちょっと入る勇気がでません。自炊棟の内湯は写真で見るとタイル張りのつまらなそうな風呂だったので、ここはパス。というわけで、宿泊中いちばん多く入ったのは菊水館内にある木の香りのあふれた「南部の湯」でした。木の香りがするし、川の流れを愛でることができ、湯は新鮮濃厚。最高の湯でした。夕食は、かなり贅沢。食堂はやや狭く、パーソナルスペースが少ない気もしますが、まあいいでしょう。。今月のお品書きが宿のブログにも載っています。これだけのものが出ました。小 鉢 わらび有馬醤油掛け酢の物 ジュンサイとろろ前 菜 ほおずきトマト 白ダツずんだ和え 焼姫竹の子 味噌漬ミニ大根山菜湯葉巻吸 物 揚げ冬瓜薄葛仕立て造 り 三陸海の幸三点盛り焼 物 車海老化粧塩焼 レモン煮 物 鰈煮おろし 温 物 岩手牛と白金豚のしゃぶしゃぶ蒸し物 茶碗蒸しべっこう餡掛け止め椀 雑穀ひっつみ汁香の物 三点盛り菓子 メロン さくらんぼ山水閣オリジナル吟醸アイスうまい!うますぎです。年配の給仕さんも、客なれた感じで距離感がすばらしい。サテ総評ですが・・すごくいい宿でした。しいて弱点を申し上げれば、トイレの数が、客室数に比して少ないように感じます。これが酸ケ湯温泉ふうにがっちり対応されていれば最高です。まあでも、全体的にはやはり素晴らしいとしかいいようがありません。日本に、大沢温泉あり!外国からのお客も、ぜひ招待して、反応を楽しんでみたいものです。大沢温泉 菊水館大沢温泉 山水閣
Jun 23, 2013
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相変わらず「日帰り部屋休憩まつり」に狂っておりますので、しばしお付き合いのほどを。私がここ「おおみや旅館」を初めて訪れたのは、おおよそ15年ほど前だったと思います。2006年にはブログにも書いており、湯のよさがとにかく印象に残る宿なのです。大振りな宿のわりに風呂場は小さめで、卵型の浴槽に濃厚な源泉がじゃぶじゃぶとかけ流されていたのを思い出します。窓の外に目を転じると、石垣から二本突き出たパイプから木製の樋に真っ白な湯がそそがれ、それが外気にさらされ適温になって適温になってこの湯船に流れてくる寸法。本日、日帰り個室休憩で訪問しましたが、この「W特濃とんこつスープ」のような湯は健在で、へたに規模を大きくして薄めなかったのは正解です。よしずで囲った露天風呂も健在で、熱めの湯はかぶり湯がすでにピリピリふぐの肝。これでこそ、蔵王の湯です。宿本体は現在工事中。ABCと三つの棟屋があり、Aは本館、Bは新館、Cはやや古びたエコノミー館といったところですが、そのうち本体のAの外壁と内装をリニューアルしているようです。私が案内された部屋は改装なったB棟であり、インテリアはモダン和風といった雰囲気。かなりイイです。ただし蔵王温泉の宿命で、眺望はまるでありません。オレンジ色のフスマなど、女性が喜びそうなしつらえです。トイレなどもとびっきり広く、古いなりに良さを出した上で、古さゆえのマイナスをすべてカバーするリニューアルの仕方がセンスいいなあと思います。フロントや客室係、レストラン担当の方々も大変応対が丁寧で、かつて訪問したときはフロントの奥の事務室のおじさんがひどく無愛想で、閉口した覚えがありましたが、今はすっかり良くなりました。昼食は、ステンドグラスの扉がレトロなレストランでいただきます。陶板焼きあり芋の子汁ありの会席風です。正直いいますと、赤倉のみどり荘や湯澤屋の食事を経験した直後なので、さほど感動はありませんでした。品がいいのが、私向きではないのかな。おつくりはドレッシングをかけていただきます。ちょっとスマしすぎ?この芋の子汁は、牛肉がふんだんに入れられており、なかなか食べごたえがありました。陶板焼きとドッキングさせて、スキヤキにしてしまえば、もっと「ご馳走感」が出るのになあと思いました。まあ、赤倉と比べたのではたまったものではありませんね。日帰り休憩のランチとしては、決して悪くないものだとは思います。ここも、レストランではなく部屋に弁当というかたちで出してもらえるなら通いたくなる宿ではあります。宿泊客の方々のクチコミを見ると、誰もが料理にも満足しておられるようです。蔵王温泉 おおみや旅館
Jun 9, 2013
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先々週、部屋つき休憩であまりにも「いづみ荘」の料理と湯がよかったもので、どうも赤倉に嵌っている此の頃。でもたった2週間で再訪というのも、なんだか大人げない。楽天などを通さずとも一人部屋休憩の宿を探したら、ありました!湯沢屋さんです。ここは「あべ旅館」同様、すばらしい大浴場があり、もう過去に3回は訪問しており、そのたびに丁寧な接客が印象に残っていた宿でした。今回もその印象にたがわず、チェックインのときの大女将さんらしき人も、アウトのときの女将さんらしき人もしっとりとしたホスピタリティを感じました。ちょっとした一言が暖かい。そんな感じです。大浴場は何度かブログでもご紹介していましたが、サーバーが廃止されたりしておりましたので改めてアップします。こちらが午前中、男性用となるりんどうの湯。女将さんがエレベーターの中で「本当に狭くてすみません。」と言うのでどの位かと思ったら、なんと!7人ぐらいは平気で入れるほどの風呂場で、普通の旅館なら大浴場で通じるくらい。でもここの宿の方々のスタンダードは、やっぱりコレなんでしょう。「芭蕉の湯」。大きな角ばった石造りの浴槽と、もうひとつ、天然の岩盤を生かしたサブの浴槽。こちらは、上がり湯か。この浴場、どことなく端正というか厳粛というかそんな造りで、湯に使っているとつい真言でも唱えたくなってしまう雰囲気があります。湯は無色透明ですが何度か出入りを繰り返していると、ほっぺにとろみが出てくるのがわかります。これは「いづみ荘」さんでも感じたことでした。部屋は思いがけず川側。これはうれしい!次の間風のテラスもあり、一人で、しかも休憩でこんな広い部屋を使ってもいいのかな??窓を開けると、ごうごうという川音が室内に入ってきます。宿の人は、「うるさかったら、閉めてくださいね。」といいますが、とんでもない!私はこの川音が大好物。この部屋にいるだけで、ヒットポイントが回復する気がします。12時きっかりにお弁当が運ばれてきました。1500円の「湯澤屋弁当」。これが、またすごい。お膳といっても通用しそうな・・どうして赤倉の宿はコストを度外視したような料理の出し方をするのでしょうか。なにしろ、ナベまでついた料理を「弁当」というのかどうか・・。おお、いづみ荘と同様、山あいの宿なのにりっぱなお造りが。まず、これで軽く一杯。天ぷらで二杯目。ここにもエビやキスが。でもやっぱり天ぷらでうれしいのは山菜に尽きますね。あ、これは郷土性でしょうか、いづみ荘同様、きんきだかアマダイを味濃く煮付けたもの。これもご飯が進みます。山菜のミソ和えもまたうまし。おなべは、ただの味噌汁と思いきや、魚のアラと山菜のミズの茎が入っていました。で、どーしようか、このでかいキングサーモン・・。よほど袋に入れて持ち帰ろうかとも思いつめましたが、なんとかこれも平らげて・・肉で巻いたジャガイモの料理も、腹にこたえました。なんでこの赤倉の宿はこれでもかというくらい出してくれましすかねえ?下げに来た仲居さん、「ご飯は足りましたか?」って、げふっ、もうのど元まで詰まっております。でも満足、大満足でした。昼食のあとは、まどを全開にして、川音に浸りながら午睡。本を読んでいて、カクッとなるのが一番幸せな瞬間です。しかし、これで休憩込みで3500円は安い。安すぎです。私は仙台在住なので高速使っても2時間以上はかかりますが、これで新庄にでも住んでいたら、2週間にいっぺんは通うでしょう。でも、たまにはお隣の「クラブ食堂」も評判がいいので入ってみたいなあ。赤倉温泉 悠湯の宿 湯澤屋
Jun 3, 2013
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最近ワンコがシニア化してきたので、温泉宿泊は自粛し、かわりに「部屋つき休憩」に凝っております。中でも最近の大当たりは、ここ赤倉温泉いづみ荘。外見は何の変哲もない鄙びた鉄筋ですが、中身は太鼓判です。楽天トラベルやじゃらんの日帰り・デイユースで見つけました。選んだのは「竹コース」(浴衣タオル付・食事はお膳・部屋は6時間使用可)4200円なり。土日でも、一人でもこの料金というのがうれしい。しかも案内されたのが2階の、もっとも眺望が良い8畳間。一人でゴロ寝するには十分以上の空間です。 目の前に農民家が二軒ありますが、あとは田園風景が広がります。遠くには川の流れも望め、宿にふれんばかりに立っているしゃくなげの大木の葉が心地よい。遠くに川音。私はこの部屋、たいへん気に入りました。風呂も私にはぴったり。日帰り入浴で3回も入る客は私だけでしょうか。4~5人がストレスなく入れるくらいの浴槽に、源泉かけ流し。このサイズが私にはとてもしっくりくるのです。無色無臭ですが、入浴後、肌のにおいが大変よろしい。部屋にゴロ寝しても、窓ごしにはシャクナゲの葉がそよいで、乙なものです。12時ちょうどに電話がなり、大広間で昼食。大広間は板の間で、最近リニューアルされたのか、木目の荒さといい、どことなく山小屋風のしつらえになっています。この料理には心底驚きました。写真ではとうていこの迫力は出ないのですが、ぶどうえびやホッキ貝のおつくり、キンキの煮付け、白身魚の蒸し物など・・まるで海辺の民宿のような、それでいて味付けは実に洗練された品々・・。しかもおひつには、一人客なのに炊き立てのほかほかご飯がたっぷり入り、私はもう夢中になって食べましたね。普段の倍の分量を(笑)。参りました。脱帽です!食堂から戻りがけ、厨房からご主人が出てきたので大変おいしかった旨をお伝えしました。がっしりした体格の、いかにも実直そうなご主人です。でもちょっぴり心配になりました。これで採算とれてるのかなあ・・。大女将さん、女将さんも一言二言かわしましたが、いいヒトぞろいという感じです。いいなあ、やっぱりこういう家族経営の旅館て。インテリアには女将さんのご趣味か、パッチワークがところどころに飾られています。せっかくのいい作品なので、もっと廊下などにもじゃんじゃん展示されればと思います。廊下がやや殺風景なのが気になったもので。赤倉は老舗の「あべ旅館」が倒産し、あわやあの「律子さん」(私が勝手に名づけた風呂場の裸婦像)にも会えないのかと絶望していたらどうやら経営の敬称先もみつかったようで胸をなで下ろしていましたが、温泉街の環境はいまだ厳しい状況にあるものと拝察されます。こういう小規模で、料理や風呂、背客でがんばっている旅館は、本当にぜひ大繁盛していただきたいもの。まずはおためしに、日帰り昼食に行ってみられてはいかがでしょうか?そして感想をお聞かせいただければ幸いです。赤倉温泉 旅館 いづみ荘<山形県>
May 20, 2013
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もう一か月も前のことですが、瀬見温泉喜至楼さんに日帰りに行ってそのまま泊まってしまったことがあったので記事にしましょう。楽天トラベルやじゃらんで、よく見ると「日帰りプラン」というのがあって、エントリー数はそう多くないのですが、部屋休息・昼食付きのプランが出されています。一人旅好きの私としてはとても重宝で、よく利用するのですが、今回、喜至楼さんにまた来てしまいました。 でもこの日は仙台から来るにはなかなか大変。すごい降雪で、走るのに結構神経を使いました。 「急ですが、このまま泊まることとか、できますか」 とフロントの大女将さんに聞いてみると、即答OK.「7000円くらいから泊まれますが」「休憩で使う部屋にそのまま泊まりたいのですが「じゃあ1万円です」この大女将さんもとても品がよく、いい感じの人です。 駐車場に車を止め直し、戻って部屋を案内されてみると、やや!なかなか、いい感じの部屋ではありませんか。 次の間あり、バストイレあり。窓からは美しい雪景色の和風庭園・・。 そして、ホットカーペットがしかれてあります。 少し体格のいい中居さんは、いつもニコニコしていてこちらまで元気が出そうです。 まずは大好きなローマ風呂へ。相変わらず広々して気分がよい。 無色透明の湯ですが、塩分を含んだあたたまりの湯。あのタイル画や彫り物も健在でした。 昼食が部屋に運ばれてきました。この食事の充実ぶりは、料金を考えると信じられない程。ま、天ぷらに目がない、というのもありますが・・。 一つひとつが丁寧に味付けされていて、実に美味です!ここの日帰り個室休憩は強くオススメできます。 館内は和の迷宮、当時の雰囲気をそのまま残しています。かといって手入れがよいので、○中温泉とか高○旅館のような陰惨さとは無縁です。 夕食、朝食と続けて紹介しましょう。喜至楼さんの食事はなかなか気がきいています。 夕食です。刺身も川魚のもの。特にこの川ガニの小鍋はだしが出てとてもうまかった。 独自のいけすを持っているので、朝食はいつもあゆの一夜干しが出ます。これをあぶって食べるのがまた楽しみです。 朝食は食堂でいただいたのですが、気のいいワンちゃんが遊びにきてくれました。この宿に来ると、この長い歴史のあいだに、どんな人々がここを訪れ、どんなドラマがあったのだろうと思いを馳せてしまいます。 本館の玄関の、あの女中さんがかしずく彫り物は喜至楼がどんな宿の機能を果たしていたことを物語っていたのか。別館のアーチ型に張り出したレストランは、建てた当時はまばゆいばかりに輝く存在で、新庄の名士たちの社交場にでもなっていたのではないか。こういう味のある建物はこういう想像をそそってくれる付加価値がありますね。 この宿、確かにアメニティなどは劣るので、ヤングファミリーなどには向かないと思いますが、40代以上の大人であれば、この渋い味わいがたまらないと思うのですが。 なんだか書いているうちに、また泊まりたくなってきました。瀬見温泉 喜至楼
Mar 9, 2013
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蔵王の湯は強酸性のピリピリ湯。硫黄のにおいも強烈で、日ごろの憂さを払う力がありますが、ややもするとその粉っぽさ、キシキシ感が気になるときもあります。このたび一泊した山形屋の源泉は、蔵王特有の強い硫黄臭と白濁色を持ちながら、人をまろやかに包みこむようなとろみがあって、とても具合が良いのです。急に思い立ってネットで山形屋を予約し、行ってみるとなんと!老舗の堺屋旅館が解体中。休館が老朽化したため壊しているのかと思いきや、なんと火災が起きていたのですね。鉄筋コンクリートの「新館」のほうに回ってみると、こちらも閉鎖され、ロビーには工事道具が積まれています。こちらも解体・廃業してしまうのでしょうか。以前訪れたときは広々とした浴槽に、ざあざあと湯がかけ流され、気分のいい大浴場だったし、2つの通りに面した建物は継ぎ足し継ぎ足しで迷路のような楽しさがありました。この宿が廃業するのは、とても残念です。この山形屋も相当年季が入った建物ですが、注意深く見ると、館内に、かつて表玄関だったようなところがありました。その玄関は、蔵王特有の静脈のようにはりめぐらされた路地に面し、相当奥まったところにあったようです。やや広い高湯通りができた際に、それに面するように新館を建て、その路地の上に渡り廊下をつけた模様です。写真は、かつて路地に面していた玄関ロビー。その「新館」を、高湯通りがわから見ると、なかなかどうして小さいながら風格があります。部屋や眺めはまったく特筆すべきものはありません。6畳一間、眺めなし。朝夕食は食堂で食べます。夕食は、ちょうど旧車の同好会の集まりがあったようで、酔ったグループが大騒ぎしていたので、他の個人客は居心地悪そうに食べていました。私も夕食の写真をとる気も失せてしまいましたが、「山形牛すき焼きコース」の充実ぶりはたいしたもので、上質な肉が食べきれないほどたっぷりと供されました。これはなかなか大したものでした。洗面、トイレなどは共同ですが、男女に分けられ、掃除も行き届いていましたのでよしとしましょう。ここも継ぎ足し旅館なので迷路状の館内の散歩は楽しいものです。蔵王温泉 山形屋旅館
Nov 17, 2012
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入浴のあとは、マッサージルームに寄りました。ここは常設で、あいていればいつでも施術してくれるタイプ。このくらいの宿の規模でこういうコーナーを設けているのは珍しい。フットリラクゼーション45分コースで3000円。たいへん丁寧な仕事ぶりで、すっかりリフレッシュできました。さてお食事のほうは、もてなし本位というこの宿の基本ポリシーがそのまま伝わってくるような内容でした。夕食は部屋出し。ボリュームがあるだけでなく、一皿一皿をきちんとつくっています。そう山中という宿でもないので刺身の鮮度もよく、なにより鯨ベーコンというのが珍しくいただきました。最後に見事な地元産のぶどうが出ましたが、満腹でたべきれず、朝までかけてようやくたいらげました。実においしいぶどうです。朝食もすばらしく、つきたての餅をふるまうのがこの宿の伝統とか。たしか大根おろし、納豆、きなこの3種類から選んだんだったか・・。餅以外ではほぼ正統派の正しい旅館の朝食です。あ、お雑煮がついてましたっけ。赤湯の町は、散歩にちょうどよいスケールで、昭和の香りがただよいとてもいい雰囲気。ちょうど年に一度の「ふるさとまつり」で盛り上がっていました。私も、夕食のあとで行ってみようと思っていたのですが、夕食のときに不覚にも「地酒飲み比べ」3杯セットを頼んでしまい、すっかり酔っ払ってさっさと寝てしまいました。烏帽子山公園ではまつり行事の一環として、奉納こども剣道大会が催されていました。この丹泉、風呂も料理もヨイですが、なにより従業員の方々が実にホスピタリティにあふれていて、気分が良いです。このあたりに来られたときは、ぜひ・・とお勧めします。赤湯温泉 丹泉ホテル
Sep 28, 2012
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国道13号線を米沢方面に南下し、葡萄畑をもつこんもりとした山を横切ったとたん、広大な南陽市の盆地が眼下に広がります。かのイザベラ・バードがこの南陽を「アルカディア(桃源郷)」と呼びましたが、なるほど、うなずけますね。この景色は東北を代表する眺めのように思われます。(つい停めて写真撮るのをおっくうがってしまって・・ここに写真がないと説得力ないですよね)明るいひろやかな景色を眺めながらしばしドライブと思いきや、赤湯はまことにあっけなく到着してしまいました。ただ本日は年に一度の「ふるさと祭り」で主要な道が通行止めで迂回路が細い道だったりして、旅館を探すのに、やや難儀しました。「丹泉ホテル」・・ちょっと聞きなれず、ともするとどこかのビジネスホテルかと思ってしまう向きもあるでしょうが、実はこの名前は、明治31年に宴会場付の大改築をしたときに、町から赤湯温泉の別名である「丹泉」を賜ったということで、いわば「ザ・赤湯旅館」という意味なんですね。私は基本的にこれまで赤湯のようなマチナカの温泉を好んでいなかっのですが、最近山中深くだと災害による交通途絶などを心配しなければならず、こういうどこからでも行ける・帰れる場所を選らんでしまうのです。楽天トラベルで一人利用という条件で選んだ宿。クチコミでも、ときおりひどい評価に出会うものの、おおむね接客、料理などに高評価でした。余談ですが、一生懸命やっている宿にクレームに近い口コミを投稿する人、ちょっと心根がさびしいなあ・・と思ってしまいます。旅にきたときくらいあちこちのあら捜しをするより、いい点に目を向けて楽しめばいいのに・・。さて、丹泉ホテルの話です。この施設、だいたい高度成長時代あたりの建築とみました。建物だけを外からみると、ちょっと冴えない感じがするかもしれません。玄関をくぐった瞬間、ロビーや廊下、とくに館内のサインなどに昭和の香りがぷんぷん。掃除は、行き届いています。私はこの昭和の香り、好きなほうです。このホテルのいいところは、全体におおらかな造りであること。空間の使い方が今風でなく贅沢で、玄関から部屋までの距離もやたら長く、襖なども標準より大きく感じます。私一人にベランダ付の10畳間は申し訳ないくらいのゆとりでした。4階の部屋からは南陽市の2階建ての屋根がどこまでもつながり、遠くには何層にも重なりあう山々が見渡されました。風呂にはけっこう趣向があり、男湯は瀬美温泉の喜至楼のような丸型浴槽を持つ「浪漫風呂」。露天風呂は庭園に面し、「玄武」と名づけられています。内風呂も露天も、どことなくしっくりと落ち着けます。この「どことなくしっくり」が、なかなか微妙なもので、どこがどうというのではないのです。そうそう、内風呂は窓がサンルームのように天井まで届き、明るくて気持ちがいいです。湯は無色透明、無臭ですが、シャワーに使われている湯は明らかに硫黄臭があります。入浴後のほっぺの保湿感はなかなかよく、良い泉質であることがうかがわれます。・・続く。赤湯温泉 丹泉ホテル
Sep 22, 2012
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蔵王温泉で湯めぐりを受け入れている宿としては、朝9時からと比較的早い時間から空けているのでお世話になりました。もっとも多くの宿が面している、蔵王温泉のメインストリートともいえる「高湯通り」の最奥部、おおみや、高見屋という大旅館から温泉神社へと続く、その手前には吉田屋、山形屋、えびやと同じくらいの規模の旅籠が軒を並べており、私はこのあたりを歩くといかにも蔵王に来たな・・という風情を感じます。えびやさんを訪ねると、丁寧な物腰の女将さんが、思いのほか複雑な館内を案内してくれました。なんだかシール一枚で申し訳ない気分です。内風呂は、4~5人が同時に入れるくらいの広さの湯船。年季が入って、けっこうワイルドな雰囲気になっています。露天風呂は立地条件から周囲がふさがれているので、開放感には欠けます。湯はびりびりっと肌に攻め込んでくるような、いかにも蔵王という湯で、とても気に入りました。このあたり、そういえば「おおみや」といい「堺屋」といい、力強い湯がふんだんに流されている宿が多い地域です。こういうことも、宿が集中している理由なのかもしれません。「いい湯ですねえ」と帰りぎわ、女将さんに言うと、「自家源泉があるんですよ」とうれしそう。湯のパワフルさと、丁寧な応対が印象に残る宿でした。ホームページで調べると、一人旅も受け付けています。
Aug 25, 2012
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5年ぶりくらいでしょうか、以前このブログでも紹介した、「やくらい薬師の湯」を再訪しました。仙台から鳴子方面に向かう国道457号線(羽後街道)をローソンから左折、農に出ると、広やかな田園が見渡せる爽快なコースとなります。ほとんど突起のない平坦な水田がどこまでも続くことに加え、一区画あたりの面積が広大、この特筆すべき気分のよさはそのためでしょう。ときどき見える畑は、ジャガイモでしょうか?往復で通りがかるこの加美町、小野田地区というのでしょうか、とても個性的なまちです。細い街道沿いに印象に残る建築様式の、あるいは不可思議な屋根の色の寺院や店舗が点在し、あきらかに高度成長期前半くらいに相当賑わった形跡があり、お店それぞれにそれなりに設備投資というか、甍を競った感じもあり、それが比較的崩れずに残存し、通りの独自の文化性を形成しているかのようです。こういう光景をレトロとひと括りにするのは簡単でしょうが、もうちと深みをお示ししたい街道の風景でした。田園地帯の中に平成5年に忽然と姿を現した巨大なスパ・コンプレックスは、震災後も賑わいを失っていません。地域の方々の娯楽の殿堂、そんな存在なんでしょう。ロビーなどもとても広々。休憩所も館内のところどころにあって、繁忙度合いによって順次開放していく運営になっています。常に大勢の人が出入りしているために風呂の写真はご紹介できませんが、内湯、露天風呂とともに広さは十分であり、露天風呂のムードもこの手の施設としてはなかなか良いです。ホームページでご覧ください。泉質は、まあかなり加水循環されているでしょうから、特筆すべきことではありません。これで三本木の花おりの湯くらいの湯であれば、毎週通ってしまうでしょう。なにしろ、ロケーションがいいし、ドライブが快適です。私はなぜか、このあたり、ないしは「かっぱの湯」にいたるあたりの、田園風景にほれています。
Aug 13, 2012
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タイトルで、内容を出し切ってしまい、途方にくれておりますが(笑)、今日は近場でどこか・・と探していたところ、急に脳裏にきよ水が浮かんできました。午後2時までに日帰り施設に入館すると、本館の風呂と両方楽しめるシステムが何といっても良いです。とくにこの宿は、本館の露天風呂がなかなかいい雰囲気です。今日は、本館内湯露天、広間で昼寝、館内で昼食、別館「せせらぎ」で内湯露天、という順番としました。風呂については以前ブログでご紹介しましたので、今回は省くとして、館内でランチを提供する香港料理の店「遊味旬菜」がすばらしかった。この店に入るのは初めてで、まず緑豊かな窓に面した席があるのに感心しました。まだ時間が早く、客が込まないようでしたので、迷わずその席に。ランチは「石焼回鍋肉」。これが大当たりでした。アツアツのプレートの上で、野菜と肉がジュージューと強く爆ぜています。フムフム、熱い、甘い、辛い、しょっぱい・・いろんな要素が続々と攻め込んできます。肉も、普通の中華料理店の酢豚のような小さい塊でなく、豪快な厚切り。脂肪の味がたまらない。小ぶりの茶碗によそったご飯などはあっという間になくなり(おかわりできないかな~)、あとはこの甘じょっぱいオカズのみとひたすら格闘(おかわりできないかな~)。いやー、先ほどの温泉の効果とあいまって、汗が出ます。この店、秋保訪問の際の昼の定番となりそうです。
Aug 4, 2012
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以前ご紹介した蔵王センタープラザ。宿泊してのコストパフォーマンスの良さが印象に残っています。今日は、休憩室を6時間ほどお借りして、休憩、昼食、昼寝などを織り交ぜながら他の宿の湯も回ろうという作戦です。料金は、昼食もついて1人で個室休憩できて、なんと3150円。これはとてもリーズナブルです。部屋も、このようにちゃんと窓もあり、コンビニの屋根越しにではありますが、遠くに山並みも眺めることができます。ただ、電力不足への配慮からか、冷房は止められており、涼をとるのは扇風機のみというのが、この猛暑のなかではちとキツかった。センタープラザといってあなどるなかれ、ここの露天風呂は結構本格的です。裏山の自然がなかなかよろしく、炎天下でもあずま屋もあるので快適にすごせます。ただ、少し湯温が低い。内湯はもっと低く、以前ここに来たときも不満な点でした。露天のほうは、天候も考えて低く設定してあるのならいいですが、構造的なものだとすると、秋、冬は厳しい。昼はクーポン券で、4種類くらいのメニューから選べる方式。私は「てんぷら板そば」を発注。天ぷらは苦味のある山菜もあり、なかなか結構、そばは、まあ普通・・。でも休憩料金に込みでこのランチは立派なものではありませんか。おっ、「そば湯」も来ました。結構長く昼寝してしまい、他の宿は、入浴したのは2箇所(えびや、岡崎屋)だけとなりましたが、まあ十分であります。炎天下に熱い温泉に入るべくトボトボ歩いている自分はなんだか滑稽な感じがします。この日帰りパック、繰り返しますが、コストパフォーマンス抜群です。上記の理由から、真夏はちょっと敬遠ですが、涼しくなったころ、またぜひ利用したいと思っています。そういえば、真夏の蔵王温泉、オークヒルに家族で行った時も部屋の中が冷えなくて苦労したっけ・・。蔵王温泉 蔵王センタープラザ
Aug 2, 2012
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私が日本の歴史上、もっとも尊敬する人物は明治維新の英雄・西郷隆盛先生です。西郷先生の霊を祀った神社は鹿児島の本社のほか、全国に3つ。宮崎県都城市、沖永良部島と、そしてここ東北の酒田です。戊辰戦争の戦後処置において、西郷先生が庄内藩に対し公正で温情あふれる対応をしたことから庄内藩士たちがその徳を慕い、交流が始まっていました。この神社はこうした歴史的なえにしを引き継ごうとする庄内の方々の志によって、1976年建立されました。伊勢神宮から用材の払い下げを受けた総檜造り。この社殿には、資料館が併設され、有志のボランティアの方々で運営されています。荘内南洲会下の銅像は西郷先生と庄内藩の賢人・菅臥牛先生とが親しく対談しているシーンです。菅臥牛先生とは、幕末明治期の庄内藩中老で、のちに酒田県権参事となった方で、戊辰戦争後は西郷先生に私淑、先生の没後は「南洲翁遺訓」を編集しました。この遺訓の小冊子が、この神社では無料で配布されております。資料館のほうも入ろうかどうしようかと、うろうろしていたら、犬を散歩させていた館主の方?が話しかけてくださいました。この資料館が、すごい充実ぶりです!まさにミニ西郷ミュージアム。先生の遺墨を含め、多くのお宝があり驚きました。館主の方もきわめて熱心な方で、隅々まで懇切丁寧にご説明いただき恐縮です。防火シャッターの奥まで見せていただいたのですが、いや~、とんでもなく貴重な書籍がずらりと並んでいました。この館主の方、「ま、ゆっくりご覧ください」といったんは事務室に戻られるのですが、5分としないうちにそわそわと資料を手に戻られ、説明再開・・こういうことが5,6回ありましたか。心のそこから西郷先生を崇敬しておられるんだなあ、と感服いたしました。「敬天愛人」。先生の言葉ですが、これこそ究極の人生の指針でしょう。この色紙と書籍を買い求め、いくらか多めにお金を置いたら、「それはいけません」と販売用の本を3冊もくださいました。西郷先生は、ご存命中から神仏のようなお方でしたが、今は本当に神上がりされていると思えます。征韓論に敗れて故郷に戻り、壮士たちに担ぎ上げられて戦争を始めた人・・いまでも一般にはそのような風に理解されていることが多いのが残念でなりません。
Jul 1, 2012
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高台の宿ですが、ふらりと歩いて浜辺まで6~7分というあたり。ビーチを散歩して部屋に戻るころは、すっかりおなかも空いています。B&Bスタイルなので、夕食は和風レストランでアラカルトを注文できます。でも私は、どうも旅館の夕食はフルスペックであるべしという固定観念から抜け出せず、「ミニ会席」2500円なりを発注してしまいます。これがまた素晴らしかったです。鮮度のよい刺身、鶴岡名物孟宗竹のおつゆ、海鮮陶板焼き、厚切りサーモンの焼き魚など、量・質とも立派なもの。熱燗をしていただいた地酒の酔いもほんのり回り、乙な気分。これで天ぷらがあればさらに良かった・・って欲張りすぎですよね。しかしこの宿の真髄は、朝食のバイキングにあります!私がこれまで遭遇した中で最上レベルでした。私のよそい方が汚くて見苦しいかもしれませんが、この小さく正方形に小分けされたトレーがお洒落です。ここに、自分で盛り付けるのもいいのですが、いろいろと楽しい小鉢のオプションがあるのです!とくにオクラといか刺はうまかった。写真左上は「はたはた」の炭火焼きです。ごはんの炊き加減も絶品、う~む、ここの朝食はすばらしい!そうそう、お風呂を忘れてはいかんですね!ここは塩化物泉と単純泉のふたつの源泉をもっています。それぞれの湯の感触はとても良く、とりわけ単純泉の肌へのツルツル効果はかなりあります。しいて気にいらないところを申し上げると、打たせ湯とか桶風呂とかサウナとか、ちょっと揃ってるアイテムがどことなくスーパー銭湯っぽい。湯船をひとつにして、ドーンとシンプルな湯船のほうが好ましかったなと。建物は真新しかったし、部屋は快適だったし、食事はうまかったし、湯もよい・・一番印象に残ったのは従業員のみなさんのホスピタリティかな。全員好感度高い宿というのは、ありそうでなかなかないですから。帰ってきたばかりですが、またなんだか泊まってきたくなっちゃったなあ~
Jun 19, 2012
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震災以降足が遠のいていた海辺の宿ですが、酒田に用事があり、懐かしい湯野浜温泉に泊まってきました。「じゃらん」での評価も高く、これは相当アタリではないかという勘が働きました。前回宿泊した「中嶋旅館」も相当アタリで、最近勝率が高いです。湯野浜温泉というと海岸沿いに点在するホテルの景観が浮かびますが、このは宿海からはやや離れた高台に立地(津波のことが頭にあったもので・・)。細い迷路のような道をあがっていくと、急に広い敷地が開けて、立派な建物が目に飛び込みました。15時のチェックインにはまだ時間がありましたが、ここはイン・アウト前後の時間、館内施設を無料で利用できるのです。まずは一風呂、そして和風レストランで遅い目のランチ。今日のランチはちらしセット、800円弱だったか。もう車の運転もしないので、プレミアムモルツも発注してしまいました。お通しに出てきたのは、チーズの細切り。これがコクがあって、うまかった。ちらし寿司は、ブリがうまかった。これだけのものが出てこの価格はかなりがんばってます。ウェイターの男性の対応もサービス精神あふれ、気分のいいものでした。というか、この宿はフロントの女性もそうでしたが、みなさん溌剌としていい感じです!さて、時間が来たので部屋に通してもらいました。おお、一人旅なのにツインの和洋室!真下が露天風呂なので、目隠しがついており眺望はききませんが、まあ山の緑もそこそこ楽しめます。なにより、清潔で快適な部屋です。これ以上の空間を望んだらバチがあたるでしょう。トイレもついているんです。続く。
Jun 10, 2012
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久しぶりの書き込みです。木造4層を誇る、風格ある建物はこの情緒あふれる山間の温泉街でも、ひたすら偉容を見せています。狭い道を奥へ奥へと車を走らせ、この楼閣が見えたときのワクワク感。現在休業中のパストラルさなぶり荘の、中途半端に近代的な建物が隣接しているのが惜しまれます。古式ゆかしい玄関口を通った、その瞬間から、「この宿をすみずみまで探索してみたい!」という気にさせられます。宮大工が贅をつくして建てた旅館です。裏山が迫り、狭い敷地に増築を重ねたため、館内はちょっとした迷路のようになっており、「雅な和の迷宮」といったら言い過ぎでしょうか・・歩き回るのが実に楽しいです。部屋に通されました。一人用なので、広くはありませんが、この欄間、簾、凝ったスリガラスなど趣向が凝らされ、風趣あふれるものです。窓を開けると、旅館の建物の向こう側に、山並みが見えないこともありません。料金のことも考え、料理のグレードアップを頼んでいたのですが、その必要がなかったと思えるほどの充実ぶりでした。一人用の鍋でたべる極上の肉のすき焼きも楽しめました。ごはんそのものも実においしい。天然の網茸なども出て、山宿の雰囲気もなかなかです。写真はスタンダードコースで、グレードアップ分として、3の禅に蟹が出ました。今どき、朝・夕とも部屋出しです。風呂は、天然の岩盤を半地下にくりぬいて造られた野趣あふれる天然岩風呂で、窓のない洞窟のような雰囲気はまさに異空間。(湯気で写真を撮れなかったため、写真は宿のHPよりお借りしました)湯は熱めでとろみがあり、無色透明ながら成分の濃さを肌で感じるもの。深さは2段階になっており、中央部では80センチほどもあるでしょうか。この不思議空間に遊ぶこと5回。私としては、風呂の最高峰に入った気分。どこかのコメントに、「脱衣場が狭い」という意見がありましたが、昔風の石造りは非常に風格があり、私は好きですね。仲居さんの気配りも行き届き、一人旅の私になにかと声をかけてくれます。これだけハイレベルな本格和風旅館に、中・低クラスの料金で宿泊できるのは、申し訳ないくらいでした。
Apr 13, 2012
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何度か温泉街を散歩するたび気になっていた宿です。このやや雛びてこじんまりした感じがなんとも私の好みに合います。HPで見ると、ここのご主人は山岳ガイドもつとめておられるようです。電話で確認のうえ日帰り入浴をさせていただきました。フロントには年配の女将さん。館内の電気を消していたのを申し訳なさそうに、風呂の入り口まで案内してくれました。いやいや、いまは節電が美徳なんですぞ。フロントの脇には食堂、ちいさなソファ、その奥が浴室です。内湯はタイル張りのそっけないものだったのでパスし、ドアつながりの露天へ。玄関は通りに面していましたが、風呂は裏山とつながっていて、タカミヤさんの建物は少し気になりますが、どことなく隠れ家的な気分で入浴できました。湯はほかの蔵王温泉のハードパンチャーと比べるとやや大人しいかなと思ったら、わざわざ湯の花をろ過しているんだそうな。修学旅行の小学生とかも入りやすいようにしているのでしょうか。なんとももったいない感じがします。懐かしい昭和のかおりのする、いつまでも続けていただきたい宿でした。
Nov 23, 2011
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蔵王でも老舗といっていい風格がでてきました「蔵王ホテル」です。この本を開いて立てたようなつくり、昔よくありましたよね。わたしはわりとこのタイプのデザインは嫌いではなく、先だって東京・五反田の「ホテル・パシフィック」が取り壊されているのを見て妙に感慨にふけったものでした。確か、初めてディズニーランドに行ったときに泊まったホテルで、そのときはまだずいぶんと立派だったのですが・・。この蔵王ホテルは、さらに先輩かもしれません。ここに足を踏み入れるのはじつは初めてでした。フロントの構えなどはリゾートでもペンションでもなく、まさしく「ホテル」という感じです。風呂は2箇所に分散していて、まずは露天からいただきました。洗い場が耐水性の畳になっています。これはすべらなくていいのですが、実はあまり好きではありません。この風呂のいいところは開放された窓からの山林の眺めです。展望が利くというのではなく、いかにも山中で湯浴みしているという感覚が寛ぎます。広い湯船のふちに座って、しばらくぼんやりしていました。小雨が降っていたのがかえって気持ちいいです。内湯のほうの大浴場は、高度成長時代の名残がところどころに見受けられ、やや物悲しい感じもするのですが、湯船の大きさは特筆ものです。新築当時はさぞや豪壮なものだったでしょう。宿の外には小さいながら足湯が新設され、この宿がまだまだ元気であることを伝えています。
Nov 12, 2011
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またまた、多忙にまぎれて更新が途切れがちになってしまいました。以下は中国経済についての所感です。○08年に始まった「千人計画」は、海外に渡って世界で通用する技術を身につけた高度人材の呼び戻し、及び確保を目的とする政策で、さらに「国家863計画」などにおいて優遇企業に選ばれると、返還不要の多額の助成を受けることができます。さまざまな特別区においては立地を推進しようとする企業には地代、税など思い切った優遇政策をしいています。○この結果、とてつもないペースで技術導入が進み、この10年で電子機器・部品の多くが中国で生産されるようになりました。中国ではかつて生産することができなかったターゲット材など、さまざまなハイテク部品・材料が自前で生産できるようになり、スペックやコストで日本製品を凌駕しつつあります。○長年経済交流をアシストしてきた方は、「日本が中国にここ50年負けそうもないのは精妙なソフトパワーではないか。これは能力の差ではなく、両国民の性格の違いによる」と語っていました。確かに、中国の製品はコスト、スペックという側面で語られるものには急速な進歩を遂げていますが、本当の意味で高級感、質感のあるものはなかなか作れることができません。特に自動車などにおいて顕著であり、ホテルなどを見てもそう感じることが多いのです。○また、中国では東日本大震災による被害を他山の石として、今後防災に本腰を入れていく気配があります。東北地方に研究機関が立地し、防災関係のテクノロジーが集積するとすれば、その分野が東北・仙台の強みになる可能性が高いとみました。
Oct 31, 2011
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ブログ更新を、だいぶ怠ってしまいました。再開にあたっては、先日、中国・長春に出張したときのハナシから始めなければなりませんね。私は1990年、2000年、2005年あたりに長春市を訪れていますが、もっとも変化を感じ驚愕したのは2000年のときでした。相変わらず都市部はすさまじい勢いで膨張していますが、何か本質的なものはまったく変わっていないことが実感されました。それは中国の大都市に共通する一種の「殺風景」。賑やかではありますが、どこか寂寞とした、潤いの感じない街。一方、一歩路地裏に足を入れると、そこは雑然とした店舗や老朽化したアパートがひしめく、昔ながらの中国があります。朝夕の自動車の渋滞はとんでもないひどさで、仙台ならば10分でいけるところに40分はかかる位。こればかりは、来るたびに等比級数的に悪化しています。この先、どうなるものか・・。自家用車はだいぶ新しいタイプのものが増えましたが、公共交通機関たるバスは相変わらず40年モノをだましながら使っており、近代的な通りに不調和です。シートの感覚が極端に狭く、外から見ると、思いのたけ人を詰め込んだようです。私が宿泊した(割り当てられた)ホテルは一見立派ですが、一見立派ですが、よくよく観察すると25~30年は経つ建物をリニューアルしたようです。部屋は広く、専用のパソコンが使えるのは助かりました。もっともかなりロースペックで、日本のサイトを見るのに重かったこと・・。会議の会場となった南湖賓館は、長春市の迎賓館ともいうべき老舗であり、広大な公園の中に建っています。敷地内を散策していると、鹿の親子を発見!置物かと思ったら動き出し、どぎまぎしてしまいました。次回は中国経済についての私なりの考察を・・。
Oct 2, 2011
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中国東北地方・長春での会議に出席してきます。長春は1990年、2000年、2005年と訪問していますが、訪れるたびに倍々ゲーム的に成長発展していました。90年のときはまだ町中が石炭の煤煙に包まれ、道路には老朽化しきった自動車と馬車が往来していたものです。仙台空港から中国行きが復活していないので、羽田出発です。ちょうど今日娘がスエーデンに向かうので、なんと乗り換え待ちで同じ時間帯に北京空港にいることになります(国際便・国内便でターミナルが違うでしょうが)。短い滞在ですが、中国経済の今後について、なにかヒントのようなものがつかめればと思っています。2004長春HPより posted by (C)オフミ
Sep 6, 2011
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ここは一度ブログで紹介したところですが、写真が飛んでしまっていますので、再掲します。(以下リライト)////ここは以前から、青根、遠刈田、秋保などに行くとき必ず通る道(折立―生出)沿いに見かけていたのですが、なかなか実際に立ち寄る機会がありませんでした。 店の外観からは、正直とりたてて旨そうな気配はありません。どちらかというとこういう外観の店は「ハズレ」の場合が多いのですが、ここはハッキリ「大当たり」でした。 看板メニューの胡麻味噌(750円)をいただく。 めずらしいことに、レモンが一切れ、レンゲに載せられてきます。 ずるっ、スープを一口。 ・・・ホオどことなく未知の味。 む?甘くて辛い! 辛くて酸っぱい! 酸っぱくて・・ 次から次と一口ごとに広がってくる色とりどりの味わい。 まるで味の万華鏡。 しかもそれらはばらばらに己を主張するのでなく、全体をコクのある合わせ味噌とゴマの風味がきっちり引き締めています。なんとなくトマトがかくし味にあるようにも感じる。 麺とのバランスもいい。具も必要十分、スープと調和してます。「これは文句なくうまあい!」と思ったのは、実に久しぶりです。★★★★★仙台市青葉区茂庭字綱木西11-1T022-226-5888////////久しぶりの訪問ですが、重層的な味わいは相変わらずでした。私の中では仙台のラーメンの中でベストテンに入ります。
Aug 27, 2011
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一度来てみたかった大崎市三本木の「ひまわりの丘」。なだらかな丘陵に、42万本ものひまわりが一斉に咲く光景は、とにかく圧巻です。最盛期は16日まで。ちょっとぎりぎりの訪問でしたが、空も青く、夏バテ気味の気分を振るい立たせてくれました。昔、ある人がアクの強い同僚女性を指して「あのひとは、ひまわりのようなひとだ」というのです。伊藤咲子さんだったか、あかるくさわやかなイメージで「ひまわり娘」などと呼ばれていたこともあり、(オヤめずらしく褒める人がいたもんだ)と思ったら、その心は「周りの草がみんな枯れるから」というんですね。私は園芸に詳しくないのですが、そういうものなのでしょうか。いずれにしても、ずいぶんと冴えた表現だなと思ったものでした。でもこの姿を見ると、ベランダのプランターに、二三本あったらいいだろうなと思ってしまいます。
Aug 24, 2011
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私が社会人になった頃、ここ稲住温泉は仙台からのグループ旅行の定番のような宿でした。夕食の「鯉のあらい」だけが深く記憶に残っています。それから、宴会で散々飲んだ後夜半に起き出し、一人大浴場に入ったときあまりの寒さに湯船でもしばらく震えがとまらなかったことなども今思いだしました。そのころはまだ木の香も新しい大規模建築でしたが、いまはいい具合に雛びて落ち着きが出ました。文豪・武者小路実篤が滞在した宿としても高名です。////////「秋田へ疎開したのは、前年旭谷君に秋田に案内され、感じがよかったのと稲住の経営者の押切君の厚意に甘へたからである。稲住温泉は山形から秋田に入って二つ目の駅の横堀から五里程山の中に入った処にある温泉で、宿屋が一軒あるだけの山中の温泉場である。」「稲住日記」////////また、この宿は卓球の福原愛選手の練習宿でもあります。宿の裏側に専用の練習場があるのです。あいにく時間交代で一番大きな風呂は女性専用でしたが、野趣満点の露天風呂に貸切状態で入れたのは収穫でした。私がこの風呂をみたときは狂喜しましたとも。裏山に舞台のように背競りでた3つの桶風呂。笹濁りの湯がじゃんじゃん桶の縁から惜しげもなく捨てられていきます。こうして緑に囲まれて入浴していると、あの忌まわしい大震災のことも、いっとき頭から追いやることができそうです。やはり、よき温泉は、ウサへの最良の特効薬であります。このほかにも、歴史を感じるひょうたん風呂や家族風呂など、どれも味があります。昔ながらの温泉宿の雰囲気を味わうには、ここに勝るところはなさそうですが、残念、どうやら泊まるのがベストのように思われますが、残念、一人旅は受け入れてはいないようです。入浴のみは500円。鳴子温泉郷にちょっぴり飽きたら、50分ほど足をのばして秋の宮はいかがでしょう。
Aug 21, 2011
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秋の宮温泉郷の写真を紹介します。大きな旅館は街道沿いにありますが、ここから一本入った小道を進むと、ちょっと不思議な感じの小集落があります。近くにはどこにも大きなまちがなく、厳しく孤絶したような、平家の落人部落といった風情の集落です。ここも「異境」のひとつと言ってよいのかもしれません。WIKIより////////////温泉郷内の鷹の湯温泉の発見は1200年前とされ、秋田県内で最古の温泉と言われる。戦時中には、武者小路実篤が稲住温泉に疎開していた。1978年(昭和53年)3月31日に国民保養温泉地に指定。日本の紅葉百選に選ばれる。////////r////秋の宮博物館です。この日は開いていませんでしたが、すごい迫力です。夏場は、きもだめしに使えるかもしれません。小規模の湯治宿が並びます。このあたりは街道沿いに比べ、鄙び度はいっそう高まりますが、住めば都かもしれません。秋の宮は、まとまった集落がありながらほとんど都市化の影響を受けていない希有な地域といった感じがします。都市部から来た者としてはとても新鮮な雰囲気に満ち魅力的です。私は、この秋の宮のリピーターになりそうな気がします。宮城側からの道路ですが、やたらとトンネルが長いのがちょっとストレスです。秋田周りだと、3時間近くかかってしまいますが、どちらの経路を選ぶか迷ってしまいます。
Aug 13, 2011
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さて、材木栄屋さんの食事のご紹介です。現在の旅館にはめずらしく、朝、夕ともに部屋まで運んでくれ、一人旅にはとてもうれしいサービスです。夕食はこんな感じ、品数が多いというのではありませんが、ひとつひとつに実がある感じ。余計な小細工がなく好感がもてます。とくにこの口中でとろける山形牛はたいへん美味でした。いい肉使ってます。仲居さんにこの牛肉を誉めると、ちょっと曇った表情になり「ええ、ここの目玉なんですけど、最近放射能のことがあって、お客さんでいやがる方がいらっしゃるのでポークにでもしようかという話もあるんです・・」う~む、にっくき東京電力・・原発事故の影響、風評被害はここ山形の材木栄屋さんの夕食にまで及んでおりますぞ。せっかくこれだけの見事な肉なのだから、流通過程で検査がなされ、安心して提供し続けていただきたいと願っております。夕食後はマッサージを頼みました。施術師の方(男性)は赤湯からわざわざ来ているとのこと。震災後、しばらくは仕事が半分ほどになって大変困ったんだそうです。それを聞いた以上、延長しないわけにはまいりませんでした。朝食もいかにも正しい旅館の朝餉といった風情で、満足度の高いものでした。シャケ→納豆→しそ巻き(あればわさび漬け)が私の黄金パターンですが、皆様はいかがでしょう?あつあつの出し巻き卵がうれしく、ご飯がはかどります。この宿もそうですが、上山の土地柄がなんとも文化的、文学的な感じがします。材木栄屋さんのパンフレットの文章も実に風雅で、すばらしい。出発時には女将さんが玄関口まで、快活な仲居さんは外まで見送ってくれました。う~む、いい宿だったなあ、今度は庭の桜が満開になるころ、また来てみたいと思うのでありました。////////////////かみのやま温泉 材木栄屋旅館
Aug 11, 2011
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大正10年創業、上山温泉の老舗「材木栄屋」さんに泊まってきました。チェックインまでかなり時間が空いたので、宿の駐車場をお借りして上山城を見学。徒歩8分といったところでしょうか。温泉街の道は極端に細いので、あまり車で動き回ると難渋するのです。ここはお城まるごとが資料館となっています。おそらく、お城の復元というスキームではなく、「城のかたちをした博物館をつくる」というハナシになっているのでしょう。そういうワリキリがないと、考古学系のチェックがとてつもないことになって到底実現できないはず。仙台城の艮櫓(うしとらやぐら)の復元も、それで頓挫したことがありました。それでもこのように市の中心部に城がそびえているというのは乙なものです。うまくやったなあというのが正直な感想です。さて材木栄屋さんの話に戻りますと、ここは当時木材商を営んでいた当主が、惜しみなく銘木と技を投入して建てた宿だそうです。なんどか増改築を行っていることでしょう、現在は客室18の、なかなか瀟洒な建物です。お城を見学してもまだ1時間もあり間がもちません。ちょうど宿から確認の電話が入ったので早めのチェックインができないか伺ってみると、「もう実は駐車場まできているんですが」「えーっなんだい!それじゃどうぞどうぞ」というような感じでした。「ただ、仲居さんは時間どおりになりますが・・」って、それは当然であります。ロビーに入ったとたん、木の香りが広がりました。楽天トラベルで申し込みました。土曜の夜一人泊で、12000円。これに+2000円の部屋のアップグレードをつけたところ、なかなか素晴らしい部屋を案内していただきました。フロントや仲居さんの対応ははつらつとし、積極的なホスピタリティを感じました。10畳+テラスの広々とした和室。材木屋経営の伝統が息づき、部屋にもつやのある銘木が多用され、上質感があります。さらに、ここから望む日本庭園が優美です。中心に添えたサクラの古木、春はさぞ美しい眺めになるでしょう。錦鯉のあそぶ広い池、奥の高木は石楠花でしょうか・・。椅子に座ってぼーっと眺めていると、日本に生まれた喜びをしみじみ感じられました。大浴場は、ナトリクム・カルシウム塩化物硫酸塩泉。硫酸泉らしい、無色無臭の湯です。昼夜が男性タイムとなっている内風呂「黄金の湯」は昭和レトロなもので、正直あまり広々感はありません。物足りないので貸切風呂「ふじの湯」でのんびりしました。下が、貸切風呂「ふじの湯」です。最近、貸切に凝っています・・。信楽焼きの湯船の手触りがよく、何度も出たり入ったり・・。この宿、こういう風にうまくプチ増築によりオリジナルな風呂の狭さをたくみに補っています。その最たるものは、贅沢な高野槙を使った大きな桶風呂で、朝が男性タイムになる「古の湯」に増設されています。こちらは、相客があったので、トラベルのHPより。次回、朝夕とも部屋出しされるお食事をご紹介しましょう。***********************かみのやま温泉 材木栄屋旅館
Aug 7, 2011
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