美味しいワインと出会う旅

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2010/01/03
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カテゴリ: ワインについて

ワイン会で良く質問されるので、此処でまとめておきます。

ワインの飲み頃、冬眠、輸送による疲れ、が何故起きるのかと言う事に関して。

あくまでも全て経験による私見です。科学的データーに基づく物ではありません。ご容赦下さい。

ワインは果汁ですが、実際は水にアルコール、タンニン、各種の酸、糖、その他の様々な物質が溶けた物です。

ワインが腐らないのはアルコールによるものだけでは無く、各種酸やタンニン、様々な葡萄のエキス分によるところが大きいのです。

実際17度の日本酒より12度のワインの方が丈夫なのはその為です。

またワインは勝手にお酢になる事はありません。

酸=酢では無いのです。

酸の中には酢酸もありますが、酢酸以外に酒石酸を始め様々な酸がワインに溶けています。

そして多くの物質が完全に溶けているのでは無く、浮遊している物もあれば、溶けていても時とともに沈澱や結晶化して来ます。

この沈澱や結晶した物が澱です。ノンフィルターの自然派ワインはリリース直後にも澱が沢山ありますが、これは醸造過程に出てきた澱です。

通常は熟成や劣化の過程で澱が出て来ます。

ワインの味の変化は熟成によって時間と共に酸化する事と、沈澱や結晶化が始まり澱が出て、澱の成分だけワインの味が変わるのです。

基本的には酸化と沈澱・結晶、そしてエージングと言う3つの要素が熟成だと思います。

先ずは旅による疲れの原因ですが、水に完全に溶けた物と、実は溶けた様に見えて浮遊した物が沢山あるのがワインです。

クラスター状態とも呼んでいます。

1つは分かりやすく言うと、100%果汁のジュースを考えて下さい。良くふって飲んだのと、静かに沈澱させて上部だけを飲んだのでは味が違うでしょう。上部だけ飲むと水っぽい、下部はドロドロです。実はワインもこの状態と何ら変わらないのです。輸送をすると振り回した状態になります。これを1週間、一月休ませると適当に目に見えない沈澱が始まります。

2つ目はクラスターが破壊されていたのが修復して行くのです。様々な物質が仲良く結合していたのが、振動によって壊されます。そして時間をかけて再び仲良く結合を始めます。

その為振動を与えたら同じ時間休ませた方が良いと言う事になります。

この事はワインに圧力をかけても同じ事が起こります。現在高級ワインの多くは製造過程でポンプを使いません。ポンプは酸化を促進させたりクラスターを破壊します。液体だからポンプで輸送しても良さそうに思いますが、皆さんが美味しいと言って飲んでいる高級ワインでは醗酵桶から小さい熟成樽に移す時も、瓶に詰める時も重力の法則で移動させている蔵が殆どです。

よく飲食店に置いてある、空気に全く触れないでワインをサーブ出来るディスペンサーがあります。私も何度か買った事がありますが、ワインの味が全部不味くなります。風味が無くなってデリケートなワインの持っている多彩さが消えます。

原因は酸化によるものではなく、ポンプやガス圧で細い管に無理やりワインを通す事によって起きるストレスによってクラスターが破壊されるからです。酸化しないのは良いのですが、クラスターの破壊が表情の無い能面の様なワインを生み出します。

もうひとつ沈澱による味の違いはボトルの上部と中間、下部で味が違う事です。

上部のワインは水っぽいです。中間部は一番美味しいです。下部は濃いです。6人で飲むとボトルから直接注いだ場合最初の人と最後の人ではかなり味が違うはずです。この問題はデキャンタするか、パニエを使えば解消します。

しかしパニエはノンフィルターワインや10年以上経ったワインにはお勧めましません。

パニエは平気で高級レストランでも使いますが、私は絶対に使いません。お客様に高級感を演出するには良いのですが、せっかくの良いワインを駄目にするからです。

パニエを使うとワインと澱はゆり籠やブランコの様に何度も瓶の中で撹拌されます。せっかく立てて下に沈めていた澱がゆすられ飲めない部分が多くなってしまいます。ノンフィルター系のワインは若いワインでもミクロな澱が多く、せっかく沈んでいた澱を舞い上がらせます。確かにセラーに横にして寝かせてあった物を急に立てるよりパニエで寝たまま移動させた方が良い様に思いますが、立った瓶は7cm位の横揺れですが、寝かせて移動させると25cm位の横揺れを起こします。全く揺らさないでパニエに入ったワインを移動できるソムリエはいません。

基本は良い古いワインを飲む時は数日前からデイセラーに立てて置きます。そして飲むときそっと出して、静かに栓を抜き、デキャンタをするか、しないのならグラスを横一列に並べて一気に注いで行きます。瓶を何度もお辞儀させてはいけません。最後に最初に注いだグラスに最後のワインを少し混ぜます。これで良いと私は思っています。すりガラスの様なシュミーズが出来ている場合は通常エチケット(ラヴェル)を上にして保存されていますから、裏側にシュミーズが出来ます。このシュミーズを壊さない様にエチケットを下にして瓶を持ってワインを注ぎます。これは是非注意して実行して下さい。






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Last updated  2010/01/03 07:59:54 AMコメント(0) | コメントを書く


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