武蔵野航海記

武蔵野航海記

2007年11月16日
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ピタゴラスの宗教はオルフェウス教が基になりそれを哲学で説明したものですから教義の基本的なところはオルフェウス教と同じです。

そしてオルフェウス教はバッカス信仰が発展したものですから、結局ピタゴラス教団の教義はバッカス信仰です。

バッカス信仰は酒を飲んで恍惚状態になった女が中心となっていましたから、「女性崇拝」の要素がありました。

ピタゴラス教団は男女同権を教義にしていて、このピタゴラス教から大きな影響を受けた有名なプラトンは女性参政権推進論者でした。

恍惚状態になって神と合一するのを目指していましたから、激しい感情を尊重していました。

ギリシャ悲劇はオルフェウス教の儀式から発達しました。

日本でも能が神社の神に捧げた踊りからスタートしたように、芸能というのは宗教的儀式が起源です。

そしてこのギリシャ悲劇は、激しい感情の動きを美しいものとし、冷静な者を正しくない者だと表現しています。


ピタゴラス教徒にとってこの世の生活は苦痛と倦怠に満ちていました。

そして輪廻転生によって死んでもこの苦痛から逃れられないのでした。

そこで清い生活をすることによって輪廻から脱却することがこの宗教の目的でした。

これはもう、インド人の輪廻転生の発想と同じです。

このピタゴラス教を通じてギリシャ哲学には、情熱・神秘・宗教という要素が流れ込んできました。

その一方、「定まった境界を侵してはならない」という古代からのギリシャ人の発想もあり、これは感情的でなく冷静なルールです。

この二つの要素が融合して後のギリシャ哲学が出来上がったのです。

もう一つ、ピタゴラス教団がギリシャ哲学に影響を与えたものは、ポリスの枠を打ち破ったということです。

各ポリスはそこに生まれた市民だけが信奉する神話を持っており、よそ者を排除していました。

しかしピタゴラス教団は、オルフェウス教団は「教会」と呼んでも良いような人為的な組織を創設しました。

人種や性別の区別なしに、入団式を経ることによって誰もが加入できる宗教的結社だったのです。

このようにして「生まれ」ではなく、「信仰」「信条」によって人間が評価されるという発想をギリシャ哲学にもたらしたのです。





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最終更新日  2007年11月16日 08時04分54秒
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