くずみ さくやのダイエット&SnowMan好きブログ

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久住咲夜

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レアチーズタルトで… New! ちるちる1028さん

2008.05.11
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カテゴリ: BLコミックス
時間を空けて読むたびに、印象が変わる気がします。



「前略」
トジツキハジメ先生
海王社

地味な郵便局員・八角達也(27歳)。
彼の元に10歳年下の男子高校生・北沢から勤務中に毎日ラブレターが寄せられる。
文面は「好きです」のたった一言。
北沢と付き合うつもりはないのに、嫌われたくないだなんて。



挿絵で見たことはあっても、この絵が漫画で動くのかな?と思っていたので、
純粋にトジツキ先生の描かれる
漫画の雰囲気にびっくりしました。

今は、しっとりと小雨が降り続いているような、穏やかな気持ちに
不思議となります。
その時に合う様に、深く読むか、軽く読むかで、自分にくるものも変わっていくような。

「前略」
最初に読んだときは、なんてささやかだけど「恋愛」なんだろうと微笑ましく思いました
達彦の動揺も、何事も無かったかのように流したいけれど
でも、自分へと向けてくれた恋心を大切にしたいような、
そして、達彦に合わせようとしながらも、溢れる若さが描かれている北沢に

微笑ましく読みました
でも、時間を空けて今読むと不思議なもので
いまのさくやには、キャラたちが現実的な分、お話のふわふわとした感じが
ちょっと違和感があってしまいました(苦笑)

このお話を最初に手に取ったときのさくやの状況や気持ちと、今の気持ちに

八角と同じ年代のさくやにとって、この「恋愛」は我に返ってみると
なんて、現実味が無いんだろうって。

お友達関係のような想い合いが、一番ふたりにあっているんじゃないかなぁって
思ってしまいます。
北沢の等身大の、若い真剣な想いが描かれているからかもしれませんが、
さくやの視点が「君にはこれから可愛い彼女が出来るかもよ?」になってしまって
「そんないつ変わるか解らない様な年下との危ない想いに身を任せていいの?」って
達彦に投げかけてしまいたくなっちゃって。

もちろん、穏やかなふたりの想いが続きますように、と
あたたかく願う気持ちもありますが
それと同時に...うーん、何でしょうね(笑)

もしかしたら、初めての日まで描かれていたら安心できたのかもしれないけれど
生きているキャラたちが描かれているにしては、夢のような穏やかさで
少し恋愛しているという想いが、これだけでは伝わってきませんでした。
お話自体、これからという感じで終わっているので、しょうがないかもしれませんが(汗)

きっとこのお話は、読む年齢によって残るものが変わるんじゃないかな...?
信じられる人と、どこか信じられない人と。

こういう恋愛があってもいいと想うけれど、解ってはいるけれど
どこかにいるかもしれない人間味溢れたキャラたちな所為か
もやもやとしたものが残りました。

でも、それは八角と少し同じ時間(年代)に生きているからかもしれません(苦笑)
「年下の男の子をゲットしちゃって、ラッキーじゃないのっ!」って
最初は思っていた気がするなぁ(笑)

八角の弟が来て~は正直、さくやは魅力的なキャラだとは思うけれど
いらなかったかな...?
それよりは、日常のほんのささやかなひとこまでも、進展でも良かった気がします
突然、ふたりの間に華やかなカラーが混ざった感じで、読んでいて違和感があったので。

「なんとなく卒業して、なんとなく」という八角の言葉は自分にも返ってきて
ちょっと痛かったです(笑)
だから、北沢に強い想いを伝えられて、
幸せな八角が羨ましくて素直に読めないのかもしれないです


「暗夜行」
色々な出来事の中で終わりを選んで進もうとする生徒と、その生徒の事を好きで
静かにストーカーとして追いかけながら、手酷く罵倒されて抱かれても
ただただ、追い続ける先生のお話で、
ネタばれになってしまいますが、最後生徒は先生に列車のチケットを渡して
終わりへの道に、今までの様について来て欲しいと願っていて
先生はちゃんとその生徒がいる列車の席まで来る...というお話なのですが、

最初に読んだときは「ふたりでずっと生きていて欲しい」と
思っていました。
でも今読むと、終わりをふたりでむかえるのも良いのではないか?と思ってしまいます。

この極端な感想の違いがどこで生まれたのかを言葉にするのは難しいけれど、
前は、そういうシーンの激しい描写を愛情として見て、ふたりが列車で出会う場面で
「何も持っていない」のを見ないようにしていたって事なんですよね。
それどころか、先生多分貯金あるだろうし、ふたりで一からやり直せば...とも
思っていて(無理矢理ハッピーエンド方向に・笑)

でも、今見ると「何も持っていない」のがすごく当たり前というか、潔くて
納得しちゃったんですよね。

先生は深い愛情を持って、止められない生徒のために、全てを捨ててでも
感情が幼くただひとりで行くには寂しい生徒のために、ついていくんだなって。
この生徒の「好きだよ」って言葉は、寂しさや依存とか、色々なものが混ざっていて
本当だと思うけれど、本物の恋や愛には思えませんでした。

でも、先生の...うーん、前読んだときは生徒に感情移入をしてて
今読むと、先生なのかも。

あとさくや、勝手に「どこまで行こう」を「どこまでも行こう」だと思っていて
だからこそハッピーエンドだと思っていたのかも。
よく読んだら、ちゃんとこれからじゃなくて、終わりなんですよね。
どこまで行こうって言葉は一本道だし不安しか伝わらないし。

でも、このお話救いが欲しいなぁ。
未遂になって、自分のしようとした事に向き合って苦しんで生きていくとかね。
だって、生徒が「終わり」を求めるにはあまりにも、短絡的過ぎるんですもん

学校には友達がいて、家では家庭崩壊でも母親がいて、見ていてくれる「先生」がいて
何が不満なのか、今読むとむむっとしちゃって。
ただの日々の繰り返しでも学校は楽しいだろうし、母親の傍にはいてあげてほしかったし
さっさと逃げる事しか選ばなかった、
甘えん坊の不遜なお子様にしか見えないんですよね...ちょっと辛い部分を見ただけの。
世の中もっと辛い事はあるっていうの(笑)

なので、その狭い世界を壊すためにも、もう少し救いが欲しかったです。
先生の想いに、真正面から気付けるくらいの生徒の成長が。
だからその中途半端な感じが引っかかったかな。

でもこれは、心中までを読むものだろうから、関係ないのだろうな(苦笑)
結果を描きたいのであって、止める止めないは別というか。

でも、好きですよこのお話。
読んでいるとぞくぞくしてきます。


「夜の休止符」
さてさて、さくやの一番好きなお話(にやり)
何というか壊れた攻めキャラとしては、全てが揃っている気がします(笑)

幼い頃から兄に愛情を持つ天才肌の弟の行動が、傍にいる全てに嫉妬が向けられていたり
兄のささいな動作に欲情していたり、カメラを無断で部屋に隠して録画していたり
とにかく兄を独り占めしたいと願っていて、
全開の笑顔なのに怖いと読んでいる方に思わせるというのは、凄いと思いました。
弟怖いよ!!(笑)

だって、兄が少しでも離れる考えをしたら階段からわざと落ちて怪我をしたり(汗)

お互いピアノを弾いていて、自分よりも才能のある弟に気付いてピアノを辞めた兄が
兄弟として愛情はあるけれど、弟にコンプレックスを抱えていると解っているのに、
無邪気に弟は兄に擦り寄ったり、ピアノを教えてほしいと懇願したり(残酷だなぁ)
かと思えば「嫌いだって知ってる」と冷たい表情で言ってみたり。

自分とは弾いてくれないのに、ピアノ教室の生徒に教える兄を窓の隙間から
怖い顔で見つめていたり、その幼い生徒に敵愾心を向けたり
カメラの存在に気付かれたら襲うし......お母さん、弟のおかしさに気付かなくちゃ!

ここまで暴走しているのに、お兄ちゃんだけ弟の豹変ぶりに気付かされて
家族という感情は捨てられないから、追いつめられていっているのがね........
めちゃ好みです♪(無邪気に追いつめる攻め、さくや好き・笑)

襲った場面を録画した時の映像を、他には無いといって笑顔でディスクを渡されたって、
信じられないっていうの(苦笑)

これは感想の変化は無いのですが、落ち着いて読むと、
弟の暗い気持ちの描写や苛立ちがよく見ると多く描かれているので、
ここで積み重なっていったんだ...と冷静に読んでしまいます。

兄弟だからこそ、元々違うかたちとはいえ愛情があるからこその危うさが伝わってきて、
手放せないくらい好きなお話です。
これは言葉ではなくて、実際読んでいただいて、表情の変化を見てほしいなぁ。

でもね、なんだかこの弟に愛されたいなぁとさくや思いました(笑)
怖いのだけど、じわりじわり消える事の無い強い想いで追いつめてくれるので。
している事は悪いのですが、ただ無邪気でただ欲しかったという
「笑顔」が読んでいて、もうしょうがないと思わせてくれるような(苦笑)
絶対逃がさない蜘蛛みたいな弟なんですもん。
何年も前から、いつか自分だけに兄の視線が向くように、計算して気付かれないうちに
たくさんの罠を張っていた無邪気な弟くんで。
しかも、そこに悪意は無いんですよね(色々酷いことはしていますが)
昔からお兄ちゃんが欲しかったから、捕まえた、ただそれだけで。

弟の苦手なピーマンを口をあけて舌を出してもらい受けたり
(ここすごくドキッとしました!弟じゃなくてもくらっとするよ~!)
兄の口内と少し触れ合った指を弟は自然な感じで(でも結構不自然)ぺろっと舐めたり
カメラを見つけたときの恐怖とか、
ピアノの才能を嫉妬しながらも認めているから、弟の腕を傷つけてはいけないと
必死で襲われてもシーツを掴んで我慢する兄の気持ちとか
いつもピアノを弾く自分を見ていたのは、弟もピアノを弾きたかったからでは無くて
自分を見ていたんだ...と気付くところとか

なんて艶やかな場面を描くのだろうと、所々ドキドキします

「夜の休止符」だけでも、めちゃ語ってしまった...(笑)
弟が兄を...というのもですが、描かれる静かな緊迫感がクセになります。
続きを読みたいけれど...絶対無いのだろうなぁ(苦笑)


「郵便局員と年下の男の子」や「心中にいく」という淡々とした雰囲気で、
長いポエムの一場面を漫画にして読ませてくれるという感じで、どうもお話としては
物足りなさがあるのですが、これ以上はたとえお話たちに人気があっても
描かれないだろうなという諦めも自然とあります。
でも、読みたいなぁ。
綺麗に纏まっているのだけれど、それだけだとね...うん。
お兄ちゃんが弟にどうこれから追い込まれるのか知りたいわ

ただ、トジツキ先生の絵って独特なので、ちょっと試しに見てからのほうが
いいと思います(苦笑)
パーツとか体格とかがっしりめなので。
最近は、こういう絵の先生はたくさんいますが...そういえば、さくやちょっと前までは、
トジツキ先生と、鈴木先生、草間先生ってあやふやになっていたなぁ。
角ばった感じや雰囲気が似ているような気がするので。

このお話たちは、惹き込まれるのではなくて、
入り込ませずに読ませるのかなと思います。

穿った感想になってしまいましたが、ほのぼのやダークもあって、
さくやとしては、とてもおすすめの本です♪





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Last updated  2008.05.12 01:43:19


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