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赤い下弦の月ほぉっと暗む大きな赤い月猫がしきりに大声で鳴く犬が負けじと吠え続ける生ぬるい野分の大風それをもすべてかき消す虫の音が騒がしい嫌な予感がしたまた、一人友が死んだ赤い月が夜遅くに昇り有明の月になるにほんブログ村にほんブログ村
2018.09.05
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秘密のベールに隠されて‥ずっとずっとあなたを想っている。今も昔も私の想いはずっと変わっていない。遠い過去も遠い未来もきっと変わらないだろう。愛は切なくもどうしようもない。本当は沈む夕日や昇る朝日のようにその日、その日の時間を二人で刻んでゆきたいだけ‥やがて命は尽きてしまう。それでも想いを残ると云う。どこに残ると云うのだろう‥あ〜それは私の心の奥底に‥たとえ、この身が果てても愛は「風」のようにいつでも幽かに吹いてこの世に残るのだろう。にほんブログ村にほんブログ村
2017.08.02
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「今日もあったかな1日だったわね。 春の女神様が ひょっこり冬の神様のところへ新年の挨拶にでも来たのかしら?」「そうかも知れない。 正月三が日くらいは皆んなHappyになりたいから。 それに、仕事始めがあまり寒いとなんだか億劫になるしね。」電話の向こうの少し疲れたあなたの声。夜になって急に冷え込んできた。冬の空に三日月と金星が昇る。オリオン座が南の空に大きく輝く。「暮れから仕事の延長だわね?」「仕方ないさ!仕事だから‥ あっ、僕、そろそろ行くよ。」「うん、じゃあ、気をつけて‥ 風邪ひかないでね。」電話って切ってしまうと急に距離を感じてしまう。今まで、私の耳元で囁いていたのに電話を切るやいなや、遠くに行ってしまうあなたの影。AITAI 逢いたい。明けて初春でも本当の春はまだ先のこと。AITAI!冴え渡る夜空には、たくさんの冬の星座が煌めいている。寒いわ‥尚更、AITAI冬は長い。逢いたい‥あなたは遠い。春もまた遠い。にほんブログ村にほんブログ村
2017.01.04
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その人は私の前にいろいろな花を飾るその人は季節ごとの綺麗な花を飾るその人は悲しくなると私を見つめているその人は今朝、珈琲を飲みながら小さな声でつぶやいた「あなたは昔と全然変わらないのね。 最初にあなたを見た時、私もこんな大人になるのかしらって 思ったけれど、私はもう、おばあさんであなたは今でも若いのね。」その人は煙草の煙に少しむせたその人はもう何十年も私は大切にしてくれているその人は私を見て何を思い出しているのだろうその人と私は昔、何処か似ていると言われた私は、ただ見守るだけそれしか出来ない動けない私だけど私はその人が好きだその人と私はこれからもずっと一緒にいるのだろう。にほんブログ村にほんブログ村
2015.05.22
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◇「どこか痛いですか?」唐突にその人は私に言った。◆「いえ、別になんでもありません。」私は、少し戸惑った。実際のところ、こんな状況は嫌だった。◇「僕は、人がギクシャクしているのがわかっちゃうんですよ‥ あっ、ご心配なく‥ 僕は貴女のことを何も詮索していませんから‥」◆「私のこと?」◇「胃薬、持っていますよ!お飲みになります?胃が痛いでしょ?」変な人‥春の花々が百花繚乱で咲いている大きなホテル。私の好きな人は向こうの方に居て私が此処に居る事を無視しているようだ。◇「僕、この花は可愛いとは思うけど 嫌いなんですよ。ニンニクのような匂いがするでしょ?」◆「ハナニラと言う花で ニラの様なニンニクのような匂いがするの。」◇「花なのにニラなんだ‥」◇「賑やかですね。ここは‥ でも、みんな嘘っぱちに見える。 ほら、あそこで笑顔を振りまいている人。 あれ、僕の上司なんですよ。その隣ににこやかな笑みを浮かべて 仕事をしているように見える女性がいるでしょ? あの二人、堂々と不倫している。」この人‥背が高くて美男子でセンスも良いけれどちょっと嫌みな感じがした。◇「良かったら此処を離れませんか?貴女の苦痛な笑顔が耐えられないなぁ〜」◆「私、苦痛の笑顔なんかしていませんわ。」◇「あれ?怒らしちゃった?僕、酔っていませんよ。 このガーデンは自然を取り入れてホテルなのに フラワーガーデンみたいですね。 臭い花もあるけれど、まっそれも仕方ないか‥ やっぱり、外へ出ませんか? 少しだけドライブでもしましょう。」その人は、私の腕をつかんでホテルの会場を後にした。◆「止めて下さいよ。 いったいどこへ連れ出す気なの?」◇「貴女があれ以上、あそこに居るのが辛そうだから だって、貴女だってあの女、嫌いでしょ? 僕も大嫌いなんですよ。 言わば、僕たちはあの女と同じ部屋の空気は吸いたくない。 そこは同じと言う訳ですよ。 ‥でしょ?」そう言ってその人は私の顔を覗き込んだ。私は、まるで、心の奥底の痛いところを見透かされたようだった。◇「海が良いですか? 山が良いですか?」その人は車のドアを開けながら私を気遣うように言った。◆「どこでもいいわ‥花がいっぱい咲いているところなら‥」◇「心に着物をたくさん着せると真っすぐに天を見上げるのが重くて疲れちゃうでしょ?」◆「えっ?」私は足元に咲いている花を見た。◆「この花の名前は十二単って言うのよ。」◇「へ〜そうなんだ‥知らなかった‥」◆「紫色で綺麗な花、踏みつけられても冬の寒さにも負けない‥でも、花を咲かせ切ると根元からすぐに折れてしまう可哀想な花よ。」◇「根元から折れる?なんだか、人生の悲哀を感じちゃうね。僕なんか、根元と言うか、芯が無いからすぐに折れちゃうんだ‥情けないなぁ〜」クスッとその人は笑った‥この人も私と同じに嫌な思いをしているのかも知れない。もうじき、日が暮れる。行く春を知らない人と過ごすのも良いだろう‥少なくとも、この人、私の固くなった心を柔らかくしてくれた。束の間の開放感を与えてくれた。そして、運転している横顔がとても素敵だと思った。にほんブログ村にほんブログ村
2015.04.22
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一日を振り返る 体を伸び上げる 高く上へ上へと 足を地につけて 広く大きく上へ 体の芯は一直線僅かな時なのに 背が高くなった かすかな安堵感 こんな簡単な事 今頃気付いた?恐怖の時間帯が 遠のいた雨の日水色の夜が来た 静かに深く一息 あ〜これで少し 楽になる私の脳傷跡は少し残る あとは心を内を 鎮める寛容さを 初めから作ろう疲れた‥ 今宵は水色夢枕 ゆったり深呼吸 肩の力を抜いて 尖った神経細胞 寝かせて子守唄ゆっくりお休みゆっくりお休み朝までぐっすりにほんブログ村にほんブログ村
2014.08.27
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沙羅の花 二つ並んで花開き雨に打たれて 音も無く片割れ落ちる苔の上 はかなき人生 縮図のようせめて白く咲きませうにほんブログ村にほんブログ村
2013.06.22
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<ゆく川の流れ>五月と言うのに妙に肌寒い背中に走る悪寒足元にしびれるような冷気がまとわりつく陽射しは初夏の光で紫外線も強そうだ恋瀬の川のほとりに座り込みゆく川の流れを見ているとやはり言い様も無い寒気に襲われるもし、このまま私が遠くに消えて無くなったとしてもあなたは平然とした態度でこれからの日々を過ごすのだろうか?たぶん、きっとあなたは「今頃は幸せに暮らしているよ」と思うのじゃないかしら‥私は、生きていても死んでもあなたの心の隅にさえ居場所はないのかも知れない川面に咲く姫シャガの花が幽か頷いて私を哀れんでいるみたいだそう姫シャガが私を慰めてくれているのなら私はそれを嬉しく思う流されず自ら流れて行こうと決めているのにどうしても流されてしまうあなたに恋い焦がれる気持ちが深ければ深いほどに私は、あなたと云う川に流されてしまう川はいずれ大河となって海へと向かう広い海原で私は又一人ぼっちになるのだろうかにほんブログ村にほんブログ村
2013.05.08
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青い空平らな大地真っすぐな道柔らかな風花咲き乱れる朝の目覚めこんな時間が一秒でも長く続いて欲しいそう祈り願っているのに忽ちにその均衡を壊す君がそこに居る私に不安な空模様を感じさせるな不幸の種を蒔くな青い空を穢すな私から豊かさを奪うな晩春の空は移ろいやすい私にはそれが恐ろしいにほんブログ村にほんブログ村
2013.04.25
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真っ白な気持ちで純粋にあなたを愛していたのにある日、突然に私の首は落とされた。まだ、しがみついていられたかも知れないのに大した風も吹いていないのに私の首は音も無く落ちた。そして、あなたは落ちた私の首の上を平気で歩いた。私の首は雨に打たれて茶色く朽ち果てた。あなたは、そうやって花が咲けば手折り、甚振りながら首を落とし踏みつけ新芽が清らかに伸びればあっさりと摘み取る。私のまっすぐな情熱を暗黒の闇に変えるあなたがなにゆえに真っ当面をして春に立っているのだろう。「落ち椿には用はない。汚いだけじゃないか‥」あなたの薄笑いは、落ちた椿を見下ろしながらそう言っている。にほんブログ村にほんブログ村
2013.04.06
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鈍色の功徳甲斐無し忌み雨の逆さ灯籠に泣いている縁者も居ない白髪身女念仏唱えて夜が更けるほ〜れ ほ〜れ ほ〜れのほ言問えば炉端囲炉裏のすり鉢に酒の肴は菜飯ぞえ絵空木枯らし白拍子閨に引き込み夜鷹蜘蛛ほ〜れ ほ〜れ ほ〜れのほにほんブログ村にほんブログ村
2013.02.23
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「男の足元」偉そうに御託を並べるな知ったかぶりもいい加減せよモテる様な風を吹かすな肝心な時に逃げるなバレるような嘘をつくな素直に謝れ少しは思い遣る心を育てよ言葉に気をつけよどんなに意地を張ったところでそんな足元はすぐに崩れるんだぞだいたい靴が駄目だ男は足元を見られるな上ばっかり気にして自分の足元を見ていないから些細なことで転けるのだ文字通り「足元」だ先ずは出来の良い「靴」を選ぶことだにほんブログ村にほんブログ村
2013.01.16
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皆んな連れ立って仲間と群れを成している。私は「ひとりぼっち」この池に飛んで来てずっとずっとひとりぼっち。誰も私のことなんか気にもしてくれない。あっ「黒鳥さん」が近づいてきた。あれ?挨拶もないんだ〜遠くに「白鳥さん」が静かに泳いでいる。白鳥さんもひとりぼっち。鴨さん達はカップルで幸せそうだな〜私のことを見て!見て!立派な翼でしょ!あ〜無視されちゃったよ。枯れた芒と葦の影で鵜をじっと見ていたアオサギさんが言った。「僕だってずっとひとりぼっちだよ。」にほんブログ村にほんブログ村
2013.01.07
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君は淋しいと思うことがあるのだろうか‥僕が此処にいていいのなら‥もしも、君が誰かを必要で僕が好きなら君は僕のことを必要と思ってくれるだろうか‥しかし、本当に必要な人には僕はなれないのかも知れない。僕が自らをあわれんで嘆き悲しんでいても君はだまって遠いところでも見るようにまるで知らないことのように別に何もなかったかのように振る舞うに違いない。君が今、必要としているものはなんなのだろうか‥一つは分っている。君にとって必要なものは君の意のままになるものだろう。そして、もう一つは‥一つだけでも充分なのに欲張りな君は二つ以上を欲しがる。そして、何も云わずに悪びれもせず此処にいる僕に甘えて僕を惑わすのだろう。信じるには頼りなく、頼りないのは又自分でもある。人生において本当に僕は「必要」とされるのだろうか‥にほんブログ村にほんブログ村
2012.12.26
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どこへ飛んでゆくの?初冬の夕焼け空に皆んなでどこへとんでゆくの?あ〜そこが塒なんだね皆んな一緒に群れているから仲良しなのかと思ったらそうでもないんだ‥強いものが良い場所を確保している。弱いものは高い木の梢には行けないんだね。それでも毎日一緒に飛んでいるのは何故なんだろう?いつまで、この河原にいるのかな?それとも、近い内に塒を変えるのだろうかいつも、君たちを気にしている僕‥僕だって大空を飛びたいよ。たまには、群れて飛びたいよ。にほんブログ村にほんブログ村
2012.11.10
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「寄り添いたい」美しい人のそばにいると 僕の人生も美しくなる美しい人は優しくて我慢強いけれど 傷つきやすく壊れやすいそれを知った僕は その美しい心に寄り添いたいそうして その美しい人の笑顔にも寄り添い 僕も笑顔でいられるように 誠実に生きてゆきたいにほんブログ村
2012.10.17
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<夏草>その襟足に滲む汗身体の中の炎の蒸気燃える想いに鵺の声あなたはつれなく冷たくて私の笑顔を壊してくジリジリ暑い陽射しが突き刺せば苦しみ憎しみ悲しみ涙を生んだよう祭り囃子に魅せられて恋の虜の夏の夜老いた女と嗤われて萎んだ乳房に手を当てる汚いものでも見るように打ち捨てられた真の闇化粧落として泣き寝入り気付けばあなたの影もなく足元に夏草枯れる夢の跡種すら残らぬ旱神にほんブログ村にほんブログ村
2012.09.23
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「生き残り」緑樹陰濃にして夏日長し 薔薇幾度か花咲く南西の風吹き上げて塀の内そうやって誰にも知られずにひっそりと生き残り誰にも愛でられる事も無く息を潜めて咲いたお前が愛おしいにほんブログ村にほんブログ村 「日本人の美意識研究所 この花咲くや会」
2012.07.30
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「夕占」南東の方角に昇る月今夜は宵月、宵待、蝶の月夕占を開いてみれば今宵のお越しあるというだいぶ、月が昇ったに今だ枝折り戸音もせず来まさぬ君を何時と待たむ夕占の裏の一文に「物事に恵まれし、運気上昇 欲を退け、相応にすること肝心 楽しみ増せば酒宴のおぼれ口舌に注意すべし」誰そのことかと訝しみ切なき胸の張り裂けるをただ、ただ、待つ身に遠花火真夏の夜の妖しきは熱気になんぞ巣食うやも寝苦しきかな犬の声にほんブログ村にほんブログ村 「日本人の美意識研究所 この花咲くや会」
2012.07.29
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『見つける』今の自分が誰でもいい自分が誰なのか分らなくても今は、己を見失っても生きている内に己を見つける自分の本当が分らないままでも時折、心の深奥に射し込む一条の光が己の道に導いてくれる筈だその光は唯一のものそれに逆らうことなく真っすぐに向かってゆけば必ずや自分らしさを見つけた己に出逢う誤摩化せない本当の自分‥にほんブログ村にほんブログ村
2012.07.14
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『トレニアの咲く頃』この花が咲くとなんだか切ない想いがする。大好きな人と一緒に植えた花。小さなアパートだった。玄関から入るより裏の駐車場から家の中に入る方が便利だった。そのほんの僅かなスペースにこの花を植えた。二人で笑いながら、「来年も咲くといいね」と言って見つめ合った。あれから、何年経っただろうか‥その人は、どうしているだろう‥トレニアの花がいっぱいに咲いているのを見るといつも思い出す。そして、心の中でそっとつぶやく。「来年も咲くといいね。」にほんブログ村にほんブログ村
2012.07.14
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『雨に打たれて』半夏の大雨いつまでも、はっきりせずに降る雨時折、突風になりそれを追いかける様に大粒の雨がドウドウと音を立てて降るやっと、咲いた庭の薔薇の花が一生懸命に風雨に耐えている切り取ってしまった方が良いのかそのまま雨をやり過ごせば良いのか決断出来ずにいる私三日目の朝静かに降る雨の中薔薇の花が折れて落ちてしまった雨に打たれて風に晒され力尽きてしまった庭の薔薇もっと、はやくに切って花瓶に挿しておけば良かった後悔先に立たずごめんね‥傷ついた花びらが痛々しい‥ごめんね‥綺麗なあなたをこんなに汚してしまって‥ごめんね‥にほんブログ村にほんブログ村
2012.07.08
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「少しぐらいなら見通せる」それって、どのくらいなんだろう。見通しが利かないと先が見えないから不安になる。見通しがよいのは全体が見えることだ。全部が見えたからと云って必ずしも自分にとって良いかどうかは分らない。暗闇でも微かな光りを求めて前に一歩踏み出そう。後戻りは出来ないのだから見通せても見通せなくとも自分の足で歩むしか他に方法がない。先で待っているのはなんなのだろう‥このトンネルを抜けると外は晴れているのだろうか?それとも雨が降っているのだろうか?そんなことも見通せないのが人生なのかも知れない。にほんブログ村にほんブログ村
2012.06.26
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『刃』血反吐にまみれ目に見えぬ刃(やいば)で人に切られ目に見えぬままに人を切り暗黒の闇でもがき苦しんできた長い道のり。そんな私にお前は気楽なことを云う。お前ばかりを善い人にはさせぬ。いつでも自分の思うように過ごせると思うな。人を切った者も切られた者も辛いのだ。だから、刃は向けぬ方が良いのだ。否、わざわざ自ら知っていて向けることなど無いのだ。切る辛さが解らぬ私ではない。苦悩の末に優しさを持って一線を引き断ち切る潔さも人生においては必要なのだ。見えぬ刃でも、抜けばそこから怒りと憎しみが必ず生まれてしまう。にほんブログ村にほんブログ村
2012.06.20
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花が咲き乱れる頃無心に花と戯れ花に夢中な少女がいる花畑は広く、少し先に丘があるこの花畑には蜜が溢れ甘い香りが漂っている丘に上り下を覗き込むと眼下には海が広がる手すりも何もない少女はそのことを知らない蝶を追いかけ丘の上まで登るかも知れないそうなれば勢い余って転がり落ちるかも知れない遠目でそれをずっと見ていた女は危ないことを知りながら注意もせず、少女が遊ぶのを見ているついにその時が来た少女は丘から海へと転がり落ちた「助けて!助けて!」女は、少女の声を確認して丘の上から離れ、きびすを返して薄気味悪い含み笑いをしながら花畑に戻る女は念願のこの花畑と蜜を手に入れる女の名前は「うすなさけ」情が薄い‥自分の利益を考えることには情が厚く人の心には情が薄い。 「薄情者」にほんブログ村にほんブログ村
2012.05.30
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どうして微笑んだままなの?どうして何も云ってくれないの?どうして動かないの?もう時間がないのは判っているでしょう?私は、その言葉を聴くために此処にいるのよ?最後ぐらい自分を誤摩化さないで‥お願いだから‥グラフ線が急に踊った戻った‥?勝手に向こうへ行かないで‥幽かに口元が動いたように見えたん?何?頑張って私に伝えてよん?何?花のつぼみがほころびかけるかのようにん?何?私の耳を彼女の口元に近づけた「繋いで‥見てる‥」そう云って眼が遥か彼方を見ていた沈黙の時間の止まった白い部屋「解った‥繋ぐね‥貴女の想い‥ 私が生きている限り必ず引き継ぐ‥ 貴女の果たせなかったこと‥ たとえ、それが恨みでも憎しみでも 世間になんと思われても繋ぐから‥ それぐらいしなくちゃ私は貴女に恩返しが出来ない あれを抹消させること‥それが貴女の望んでいることなのね」それは私にとってマイナス因子になるかも知れないたとえ、そうであったにしてもなんであれかんであれ私は貴女のその最後の想いを「忘れない」そして、あの日の落日も「忘れない」貴女は大切な友達だもの私はずっとずっと貴女の味方だもの‥にほんブログ村にほんブログ村
2012.04.02
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パンジー(人面草)駅前の花壇よく見るといろいろな顔がある目が大きかったり口が小さかったり色も黄色だったり白だったり黒だったりと 毎年春が来るたびに 横目でなんとなく見ていただけで ちゃんと見ようとしなかった でも よく視ると結構面白いものだ 同じ様で皆ちがう その顔の主は それぞれに何を思って 一日を過ごすのだろう柔らかな春の光が降り注ぐこの駅前の花壇でまた来年も会えるのだろうかと道行くヒトを見上げながらパンジーはそう想ったにほんブログ村にほんブログ村
2012.03.30
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やっぱり君のことが好きだ一つや二つのことだけではなく全部と言うかどうしてもと言うかかけがえのない人は そんなにいない君が僕の傍に居て 手を伸ばすと触れる距離いつでも僕は胸の奥底がキュンとなるキュンとなればそれはもう幸せで時間が経つとちょっとだけ哀しくなるざわざわとした胸騒ぎぐいっと顔を上げて涙は見せない笑顔を必死で作っている僕がいる今を大切にして この想いがいつまでも続く様にと僕は必死の綱渡りをしているきっと君に信じてもらえるように素直になりたいとそっと思ってる生きているこの瞬間に君に心から好きだと何度も何度も言って欲しいそして、僕は何度でも君に言いたい心から愛しているたった一人の君に僕だけを見つめて欲しいと‥にほんブログ村にほんブログ村
2012.03.06
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「水仙」日本海の荒海の高い高い崖に咲く寒水仙降りしきる雪の中極寒の寒風に吹き曝され冷たい波しぶきをかぶり訪れる人も無い場所に君はその芳醇な香りを放ち何を待っているのか誰にも見られずとも凛として咲く水仙花「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という。 水仙の別名は「雪中花」でもある。 ギリシャの美少年ナルキッソス(仏語でナルシス)は 池に映った自分の姿に恋し、深く愛してしまうが 報われるわけもなく、命を失う。「水仙や美人かうべをいたむらし 蕪村」「其の匂ひ桃より白し水仙花 素堂」いずれにせよ、水仙の美しい姿や香りは春の女神の訪れを知らせてくれる。にほんブログ村にほんブログ村
2012.02.21
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時間が出来たので今から少しお勉強タイムです「現代詩」について‥今日は、歴史的流れではなく、すでに書いてある「詩」をもう一度考察し、要らない部分の削除です。「詩」は散文ではない。「詩」は作文ではない。「詩」は日記ではない。「詩」は随筆ではない。分っているようで分っていないところが多々あり、まとめるにはやはり勉強が必要かと思う。折角の出来た時間を有効に使わなくては‥にほんブログ村にほんブログ村
2012.02.15
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初台の商店街を過ぎてしばらく歩くと住宅地になる。私の家は小さいけれど細い桜の木が一本あるので目印みたいだ。家の前の道には古びたベンチが置いてある。そこに美ぃちゃんがちょこんと座っている。セーラー服の私が通るとぼろぼろのお人形さんの髪を撫でながら可愛らしい声で「おとうしゃん、くるの」とニコニコしている。「お父さんが来るの?」「うん、みぃちゃん、おとうしゃん だいすき!」母も近所のオバさんたちも美ぃちゃんの家のことを良く云わない。「おとうしゃんとおかしたべるの」「お菓子好きなの?お姉ちゃんも好きだよ」「みぃちゃん、おとうしゃんのおかしがすき」あんな子と喋ったら駄目じゃない‥なんかあげたりしたら駄目よ。と、母に叱られる私。一週間ぐらいして学校から帰って来ると美ぃちゃんがしゃがんでいた。「おとうしゃん、こない、おかあしゃん、ないている」「お父さんいないの?」「おとうしゃんはくるんだもの」なんだか私は可哀想な気持ちになった。「お姉ちゃんがお菓子買ってあげようか?」「いらない‥おとうしゃんのおかし、 みぃちゃんたべたい」それから、桜の花が散る頃美ぃちゃんの家の玄関に張り紙がしてあった。「売り家」私は学校へ通う。塀の横のベンチはいつのまにか無くなっていた。 にほんブログ村
2012.02.02
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僕の背中にいつも潜んでいる黒いヤツ。明るい時には顔を出さない隠見なヤツ。僕はヤツのことを一日に一度は殺してみる。殺しても殺しても復活するどす黒いヤツ。皆既月食が起きた赤い晩に折れた歯をむき出しにしながらふいに僕の目の前に現れ不気味に笑った。汚らしい口、ずる賢い目、僕の愉快を吸い取ってそれを糧として生きる黒いヤツ。ヤツがいきなりケラケラと笑い目を見開いて側に寄ってくると僕は震えながら懐から拳銃を抜く。何発も弾丸を打ち込んでも黒い塊は壊れない。僕の正常を奪う黒いヤツに僕はどうしても勝つ事が出来ない。拳銃の弾がなくなり、拳銃の重さに腕が痛くなり、廊下にへたばると黒いヤツは嬉しそうな顔をして僕に襲いかかる。そうして僕の大事なものをまた吸い取って僕の背中にもぐり込んでゆく。ソヤツが死んでくれないと僕には幸福の一時は与えられない。そして、きっと死んでも許せない黒いヤツだ。僕を苦しめる黒いヤツは今日もおぞましい顔をいい人みたいな仮面をかぶって図々しくも微笑むように生きている。夜になる前に襲われない前に僕は拳銃に弾丸を目一杯詰め込んでおく。詮無い行為でも僕は毎日黒いヤツと闘い続けなければならない。黒いヤツは、いろんな武器を持っている。負ける訳にはいかないが対戦しても今は勝てそうにない。黒いヤツは薄笑いの下品な仲間を大勢引き連れて僕の背中にいくつもの陣を構えている。負ければいずれ僕の魂は彷徨い気が狂い昇天することも出来なくなってしまう。僕は、僕であるうちに黒いヤツを倒さなければならない。大っ嫌いで憎しみの焼き印を僕の身体に埋め込んだ許せない黒いヤツ。ある日、苦悩の波間に優しい白い影が翼を広げて僕の耳元で囁いた。そんなことはないよ。本当に黒いヤツが実際に死ねば案外気が楽になるもんだよ。それを聞いて少し希望が湧いて来た。一刻も速く僕の身体から僕の脳裏から去って欲しい‥僕の記憶から消え去って欲しいと願うばかりだ。にほんブログ村
2012.02.01
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