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・・・でも人間てさあ、考えたら(考えなくても)みんないつか死んでしまうのだ。忘れたフリしてるひとの上にも、目をそらそうとしてるひとの上にも、真っ直ぐに見つめつづけてるひとの上にも、その恐怖におびえるひとの上にも。平等に、死はひとの上に訪れる。すべて平等に、というのとはちょっと違うかもしれない。何故なら、死はすべてのひとびとの上に、ランダムにやって来るから。生れ落ちてすぐに終わってしまう命もあるし、天寿をまっとうしたと、祝福されるような長命のひとも居る。自分の周辺でもついこのあいだ、親しくしていた友達が、幼い子を残して急死した。やはり、どうにもやりきれないのは、人生がこれからますます輝きを放つ時期に、まったく突然に訪れる死、だ。七五三の晴れ着を見にまとったおんなのこ。志望校合格が決定したばかりの学生。婚約者とハネムーンの相談をしている青年。幼い子供たちと、輝く笑顔で念願のテーマ・パークに向かう若い主婦。病気・事故・天災・犯罪ーーー理由は、あるかもしれないけれど、なくても同じだ。 どうせ、彼らは、もう、ここには居ない。この地球の上のどこにも居なくて、もう同じ空気を呼吸することは決してない。酒も飲めないし、SEXもできない。ぼくらは、身近な人間がそんな目に遭う羽目になってみないと、日常生活を送っている間に、それを思い知らされることは無い。ヒマラヤのふもと、カトマンズ盆地を眼下に見晴らす寺院で、地球の大きさを想像してみる。『ひとは死ぬ、いつか死ぬ、絶対に死ぬ』そんな、あたりまえ、のことをさえ。みんな、忘れたフリしてる。それで、自分の同世代の身近なともだちなどが、この世から居なくなってみないと、なかなか判らない。理屈では判っていても、身体では身に沁みて来ないし、理解しない。いよいよ、それを前にしたら誰も助けてくれない。だから、ひとはいつだって淋しい。旅に、似ている、という。たったひとりの、ゆくえのわからない、すこしながい旅。かなしみって「しみ」は、どんなしみ?!そんなものを、探しながらのひとりだけの旅。こころの底からの、きらきらやわくわくの、ときめきをを求める旅。たくさんのにんげんの、たくさんのにんげんの数だけの、実にいろいろな種類の旅。 『ひとは死ぬ、いつか死ぬ、絶対に死ぬ』かつて、この標語がポスターになって、ありとあらゆる場所に、べたべたと貼りまくられた、おおきな建てものがあったそうだ。それは、オウム真理教の「サティアン」と呼ばれた、建物群の中。どう転んでも、ひとの旅はいっかいきり。みじかい旅も、ながいながい旅も、結末はみな同じ。一期一会。さみしいことばだ。「一期は夢よ ただ狂へ」先人の残したことばが、切ない。だから、ぼくも。「ああ、あのとき、ああしておけばよかった」と、あとでくよくよ後悔するよりは、まずやってしまってから、「あれれ」と、舌を出して、頭をぽりぽりかくほうを選ぶことにする。やらなかった後悔よりも、やってしまった後悔のほうが、なんぼかマシだし、本人も納得できるもの。
2006年02月14日
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