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ときどき競馬を予想するのに「サイン」で予想する人が居る。例えば松田優作が亡くなったからダイユウサクを買おう!とか、9.11テロ事件があったからマンハッタンカフェとアメリカンボスを買おう!とか、そういう予想をして馬券を買う人である。G1レースになるほど多いと思われる。このような人達は中央競馬会が八百長レースを行っていることを肯定(前提と)して馬券を買うのであろうか。八百長と書くといかにもだからレースを操作してとか、勝ち馬を予め決めて施行しているとでも言うのであろうか。いやそこまで前提にはしていないよ、大衆は松田優作の死を悼んでいるよ美化しているよだから見えざる力がはたらいてダイユウサクが勝つかもしれないじゃないか、2着に大俳優スティーブ(メジロ)マックイーンを連れてくるかもしれないじゃないか?! 彼らはこう言うのかもしれない。これは正にオカルト信仰といえるのである。
この春の天皇賞は1着フォゲッタブル=2着マイネルキッツ。長年競馬に親しんだファンが無理せずこじつけず能力予想をすればそういう結論に至るはずだ。それだけ2頭は抜けているし、2頭の中では上り坂のフォゲッタブルを1着に考えるのが妥当だ。
しかしそれではオッズは低いし「面白くない」。これこそ正にサイン馬券派の発生理由なのだろう。
そういう側面で、天皇賞はしばしば「あり得ない偶然」が起こる不思議なレースである。
天皇賞優勝馬の馬主には天皇陛下から花器が下賜されていたが、現在は菊の御紋が入った盾が下賜される。レース後、天皇賞優勝馬の馬主ともなればひとかどの人物である場合が多いが、畏れ多くも天皇陛下からたかだか馬主程度の人間にお品が下賜されるのだから優勝馬の馬主はこの盾を受け取る時素手で受け取ることは出来ず、手袋を嵌めて頂戴することになっている。競馬界にとって天皇陛下は「神」以上の存在なのである。
例えば天皇賞を勝った馬が再び天皇賞に出走してもし負けた場合「天皇陛下の権威を汚す」という理由で、昭和55年まで天皇賞を勝った馬は二度と天皇賞に出走することは出来ないというルールがあった(勝ち抜け制度という)。
勝ち抜け制廃止後、春の天皇賞を勝った馬が再び春の天皇賞に出走して負けてしまったケースを調べると7頭(イナリワン・メジロマックイーン・サクラローレル・メジロブライト・テイエムオペラオー・ヒシミラクル・メイショウサムソン)いた。ヒシミラクルのケースは優勝してから2年後の春天で16着に大敗したが、それ以外の6頭は優勝した翌年の春天皇賞に連覇を目指して出走、負けはしたものの2着には来て連に絡んだ。翌年に出走していきなり大敗しては天皇賞の威光も形無しになってしまうから悪くても2着には「来させている」(←これがオカルト予想)。だから昨年優勝のマイネルキッツは悪くても2着には来る可能性が非常に高い気がする。ここまではしかし歴史的事実に基づいた予想の範囲で悪くない。
(天皇賞(2)へ続く)
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