2019.06.01
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カテゴリ: 元気が出る話
​​​​

 とにかく一回は警告したからな。あとでブーブー言うなよ!


 今回は『ぐりとぐら』のパロディではございません。



 つい、先ほどストーリー性のある夢を見たせいで目が冴えてしまいました。
 そんなわけで、朝っぱらからの投稿となります。
 お断りしておきますが、以降はすべて今朝見た夢の内容となります。

 私は新宿におりました。
 担当しているシステム開発プロジェクトの進退と今後について話し合うためです。
 開発費の高騰と安い開発者の投入、現場の若返りという、日本社会で多くの企業を悩ませている課題でした。

 私は契約業者としてプロジェクトリーダーを務めていたため、契約先の本社がある新宿まで呼び出され、社長とスタッフに囲まれながらこの耳の痛い話を聞かされておりました。



 そして手渡されたのが、次のプロジェクトの要件定義書と仕様書の原稿。

「これを見せて、どこまで内容を把握できるか教えてほしい。次のプロジェクトメンバーの選考に入れたいから」

 まあ、私も現行のプロジェクトで手一杯でしたし、次のプロジェクトの参加まで期待はしていませんでしたが、まさか新メンバーのスカウトまでやらされるとは。(フィクション続行中です)

 今のプロジェクトが完成してリリースされる頃には、新しいプロジェクトが別メンバーで走っているでしょうし、メンバーチェンジを図りたい社長の意向を汲むなら、私の出番もそろそろなくなっていきそうです。

​クビになるまえに新人をスカウトしてこい​

 私にはそういうミッションのように思えました。
 しかし、これは仕事なんだと割り切ることにし、現場に向かいました。

 現場は某アパレルチェーンでした。
 現行プロジェクトも同アパレルチェーンの無人化システムだったのですが、次のプロジェクトはボディスキャンを使ったマーケティングとかいう代物でした。

 プロジェクトの概要はざっとこんな感じ。

 世界中の著名人の年齢、体型、メイクアップの好み、ファッションの好み、余暇の過ごし方などプロフィール的なデータを集めまくり、それを来場者のスキャンデータと照合させることで、理想のファッションメイクとボディメイクを目指す提案をするマーケティングで、有名人のようになりたい、カッコイイ服でキメたい、美人になりたい、イケメンになりたいという願望をカスタムオーダーで叶えるというものです。

 さらに某化粧品会社のプロのメイクアップアーティストのアドバイスが得られ、メイクのために揃えるとよい化粧品の紹介と販売、それから某ジムクラブのデータとも連動させて、理想の体型に近づくための食事や運動などのアドバイス、最終的にジムクラブの加入まで促す構想のようです。

 このアパレルチェーンを訪れるたびに、理想の自分に近づいていく目標意識が生まれるため、客は服を購入する以上の満足感が得られ、結果的に信者が増えていくというしくみですな


 彼は二十歳そこそこの青年でした。今どきの若者としてはちょっと珍しいスキンヘッドで、両腕に唐草模様のような彫り物がしてありました。

 システム開発の経験はあるのかと尋ねると、趣味で小さいプログラムは組んだことがあると返してきたので、持ち込んだ資料を広げて説明を始めると、彼はソワソワしはじめました。
 どうやら時計を気にしている模様です。

 クイズ形式で知識の確認をしていったのですが、どうやら即戦力には厳しそうなレベルでした。
 それでも若手の人材を育てる意向が社長にあるのなら、絶望的ではないなと思いながら説明を続けているうちに 17時になってしまいました。

​「あの、時間なので僕これで失礼します」​


 そして彼は開発スタッフに入れるべきではない以下の理由を伝えました。

  1. 人が話しているのに他の事に気を取られている(時間を気にしている、集中力の欠如)
  2. できないことに対する危機感が薄い
  3. 質問の回答として半分しか答えられない。また質問や回答に関する自分なりの所見がなく、提案等も出てこない
  4. 時間になったら途中でも自分のことを優先して切り上げる

 まあ、私が考える『仕事できない人間』の典型なんですわ。

 確かに、上の空で話を聞いているかと思ったら、矢継ぎ早に意見を述べることができるとか、普段やりたくないことは指一本動かさない主義だが、やると決めたらものすごい集中力を発揮するとか、自分が求めた以上の品質の仕事と提案ができるとか、やることはしっかり時間内に仕上げて定時に帰れる人は本当にいます。

 しかし、こういう要素が揃っている人は稀ですから。
 逆にそういう優秀な人は雇われる立場に耐えられず、自分で起業する可能性の方が高いかもしれません。

 社長はなるほど、と納得したうえで検討を進めると言いましたが、どうするんでしょうね。

 所詮、これはフィクションですから(2回目)。

 この不毛なスカウトを終え、新宿のオフィスを後にしたところ、ビルの外に書類の束が落ちているのを見つけました。
 中を確認すると、どこかの建設会社の事業計画書のようでした。間にパステルピンクの紙とパステルブルーの紙が挟んであり、それぞれが見積書になっていました。
 こんな企業秘密がどうしてこんなところに落ちているのだろうと不安になり、場所も近かったこともあり、書類をその建設会社に届けることにしました。

 大通りにさしかかると、道路の一部が工事中となっており、掘り起こした土が盛られていたのですが、不備があったのか、一部立ち入り禁止のロープが途切れていました。

 気をつけながらその付近を歩いていたのですが、足を踏み外してしまい、その盛り土にハマってしまったんですね。
 その盛り土が柔らかく、私の身体は沈み始めました。
 このままじゃヤバい!と思ったとたんに腕をつかまれ、引き上げられました。

 手にしていた書類はどこかに行ってしまいましたが、助かったという安堵感が勝っていました。

「ふーありがとうございます。助かりました!」

 助けてくれた工事現場のおっさんはニヤリとしながらいきなり言い放ちました。

​「똥 쌌네~(トンサンネ~)」​(クソしただろ~)

 すぐ近くにいたもう一人の工事現場のおっさんも一緒になって引き上げてくれました。
 そして笑いながら同じセリフを言いました。

​「똥 쌌네~ (トンサンネ~) (クソしただろ~)

 「저 똥 안쌌어요」(うんこしてません)

 戸惑いながら否定しましたが、どうして韓国語なんでしょう(そんなの知るか)。
 しかし謎は残ります。工事現場に転落した衝撃で脱糞してしまう人が多いため、工事現場のおっさんの間では慣れっこのイベントなのか???

 そこで目が覚めました。
 そしてしばらくしてから別の理由を思いつきました。

 トイレをもよおした通行人がこっそり工事現場の隅っこで用を足し、そこにハマって抜けられなくなり、工事現場の人に救出されるというパターン。
 それなら、あのおっさんたちがニヤつきながら「クソしただろ~」と言ってきたことに合点がいきます。

​なんか本当にクソみたいな推理だな。​

 すべてにおいて現実でなくて本当によかったです。
 お目汚し失礼いたしやした。




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最終更新日  2019.06.01 13:33:32


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