青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2019.02.04
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母はお化粧をせず、アクセサリーもつけず、
さっぱりとしたデザインの素材重視の服を
何も凝らずに着る人でした。

私の同級生のお母さん達は
パーマをあて、口紅を塗り
アクセサリーをつけておしゃれをしていたので、
地味で控えめな母を子供心に物足りなく感じたこともあります。

もう少し綺麗な華やかな装いをすればいいのにと
子供の頃からずっと思っていたのですが、

母はアクセサリー等で着飾る事を
好んでいなかったと思っていました。

先日、ふと、独身時代の母の写真を思い出して気がつきました。

沢山の写真に写る母は、
優しいウェーブのさらさらのロングヘアで
どの写真も違うデザインの、流行の服を着ています。

考えてみると、
私が小さい時、母はリボンのついた可愛らしい
革のパンプスを仕事用に何足も持っていたし
持ち物はどれも女性らしいデザインでした。

華奢なパンプスを履いて、靴とお揃いの革の鞄を持って


それが、今思えば、父が亡くなってから
急に地味な服装になってしまいそれが何年も続きました。

反面、母は可愛らしい飾り物をよく買ってきたり、
周囲には綺麗な色柄の物をプレゼントするのが好きで
何だか妙にロマンチックな所がありました。


理解しにくいところがあり、
何か不思議な違和感を感じていましたが
それが何かは当時よくわからないまま、
母とはあまり趣味があわない、話があわないと
思い込んでいました。

それが急に、なぜ母がそうだったのか、
理解できたように思いました。

母はもともとは
おしゃれが好きな、綺麗なものが好きな乙女な人だったのに
父を亡くしてからは、悲しみが深すぎて、
私が母を亡くして感じているように
おしゃれをしたり、着飾ったりする気持ちに
なれなかったのだと思います。

さらに子供を育て両親の介護をしていくために
強さがあるものを好み、
か弱い、可愛らしいものは
好まなくなっていたのかもしれません。

自分はおしゃれをする気持ちにはなれずに
シンプルな服装をしながら、
意識せずとも、家族や周囲の人には
素敵な物を次々プレゼントしたくなったのだと思います。

思い返してみると
母は家族や周囲のためには何でもするのに
自分のためには贅沢をしないという
自己否定しているようなところがありました。

私はそこまでではありませんが、
寒いのになぜか上着を着る気になれないとか、
自分一人美味しいものを食べる気になれない等、
悲しすぎて自己否定してしていることがあるので
同じ事だったのかもかもしれません。

母は父が亡くなって10年以上たったころ
やっとおしゃれをするようになったのですが、
母が介護していた祖父母が亡くなると
以前に増してそっけない服装ばかりするようになりました。

母は祖父母の事をとても大事にしていて
亡くなった時もとても辛そうでしたので
悲しみが強すぎて自分はどうでもいい、というような気持ちに
なったのではないかと思います。

当時私は離れて暮らしていたのですが、
帰省するたびに、身なりに構わなくなる母を見て
何か素敵な物をプレゼントしたい気持ちが強くなり、
いつも母の喜びそうな物、便利そうなものを探し
こまめにプレゼントするようになりました。

そのうちに母も少しづつおしゃれするようになってきて
自分のために素敵な服も買うようになってきたように思います。

晩年には私がプレゼントした服を褒めてもらったなどと
嬉しそうに話すこともよくありました。
自分が褒められたことが嬉しいのではなく、
私が褒められたような気がして嬉しかったのだと思います。
そういう母でした。

少しはおしゃれしてもらったけれど、
もっと楽しんでもらいたかったな、
もっと贅沢してもらいたかったな、
私は母の好みや母の事がよく判っていなかったんだろうな、
誤解していたんだろうな、申し訳ないな、
私みたいな娘でごめんね、等と
つい繰り返して考えてしまいますが、
楽しかったこと、できたこと、喜んでもらえたことを
もっと考えなくちゃいけないんだろうなと思います。

母は私がおしゃれすると嬉しそうでした。

私が好む服は、たぶん母の好みのものは少なかったと思いますが
娘がおしゃれを楽しんでいることが嬉しかったんだと思います。
これ買ったの、とかこれ気に入ってるの、と見せると
いつもにっこりして「良かったね~」と言ってくれました。

だから、どうでもいいなんていつまでも思わずに
おしゃれも楽しむようにしたいと思います。

そして、気がつくとそんなに多くは残っていない、
母が母自身のために選び、着ていた服や、
私のために買ってきてくれた服も
心の中で母と会話しながら、大事に着ていこうと思います。

母が元気な時に母をもっと理解できたらよかったな、
母をねぎらいたかったなと思いますが
頑張ってやっていこうと思います。






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Last updated  2020.11.08 02:04:55
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