As time goes by

As time goes by

2021年07月15日
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ひょっこり突然に現れた亡き父の日記。
ささっと読み、遠い記憶の束に収めるはずが、
アタマの隅に引っかかり取ることが出来ない。
いつの日か、忘れてしまうのだろうが。今のところは、。

水の底に、杭があって、思い出の紙片がそれに絡まっては、
潮の流れに抗えず、次々とちぎれて、明るい水面に向かって昇っていく。
中にはそのまま、引っかかって留まるのがあって。

祖父が大阪市野田(今の福島区)に住居を構え、
子が8人いた。


父から直接話を聞いた、キャベツのことも、この日記を読んで思い出した。
空腹で食べ物をねだる父、祖母は、彼に一銭だか5銭だか小銭を握らせ、
キャベツを一つ買ってきて、と言う。
買ってきたキャベツを茹でて、おかかをかける。
それが、食事であったと。
一方、日記には、、
夏はまだ、薄物を着ているだけで良かったが、冬は寒さをしのぐため、
家族全員に厚い生地の着物を用意しないといけない。
一家の着物は全て母が縫っていたと。(読み手のあたしは当時はそれが当たり前であることは知っている)
お母ちゃん、寒い。と、口々に8人の子が言う。
縫物に母は没頭する。

その冬物を縫う母は、まだ、夏物の着物を着たままであった。
その母に、まとわりついて、お腹が空いた何か食べるものが欲しい、と
ねだる子(亡き父)。。
その、母との思い出を歌にしている。。

中学に上がると、三男であった父は東京の母の実家、つまり加納家に、

薬局の小僧さんである。(これは聞いていた)

夜学に行ったのだろうか。。

1人の餓死者も出さずに、とにもかくにも、8人の子を育て、そして、一家は
第2次世界大戦の末期に、北海道へ移住。

それが、100年前のことである。
ヒマヒマに、日本近代史の学習をするあたしだ。
それで、この、1920年恐慌、の単語を知った。

文章にすることで、少しづつ、記憶の紙片が水中から明るい水面に向かって
ヒラヒラと昇る。





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最終更新日  2021年07月15日 07時43分41秒
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